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番外編 カッシーラ
推しメンズを愛でる会 SIDE:ユリマラ
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後ろを見ても推しメン。前を見ても推しメン。5人もアイドル達が同じ空間にいるって奇跡じゃない?
もう…もう…カッシーズ結成して下さいっ!
FCも入るからっ!箱推しするからっ!ライブグッズ大人買いするからぁぁ!
「あれヒューズレイ大尉、ガロール大尉も今日はこちらでしたか?」
私の後ろにいるクールドS系イケメンとクールツンデレ系イケメンに気さくに声をかけるユリハルト兄。
何だって?こちらの推しメン様達が先程、馬車内で兄が褒め称えていた強者達なのか?
「失礼致しました。ユリハルトの妹であります、ユリマラで御座います」
私は急いで淑女の礼をした。
クールドS系のヒューズレイ大尉はドS根性を発揮?して虫けらを見るような目で冷たく私を見詰めると
「迷惑はかけるなよ」
と氷点下眼力攻撃をしてきた。
心に染み入ります……冷たさに胸が熱いです。
はあ…それにしてもドキドキする…カッシーズのメンバーが見守る中のお茶会。
まずは型通りのご挨拶を同じ妃候補のご令嬢が始めた。
しかしだね、話しが長い…あんたの今日つけてるリップが、新作か旧作かなんて一ミリも興味ねぇし?
さっき脳筋次兄を小馬鹿にしていたけれど、別方向でこれは苦痛だわ…
ああそうだ、横目でコッソリとシス君を見詰めてみよう。もうこれしか楽しみは無いね。
シス君は、長ーーーーーい話しに優雅に相槌を入れて頷きながら、焼き菓子を手に取ってティーカップの皿の横に置いたね。食べないの?ちょっと魔質がソワソワしている気がする。
もしかしたらその焼き菓子、シス君好きなんじゃない?これはっ!FC限定のシスGOODSの第一弾は『菓ッ子ース』になるんじゃない!?
「まあ~素晴らしいことね。ではお次は…」
と、リュージエンス殿下と御同席されていたミランジェ妃殿下が実に上手い返しで、話をぶった切ってくれた。
この銀髪のものすごい美女がリュージエンス殿下の奥様だ。
この妃殿下、悪い噂しか聞いたことなかったんだけど…ちょっと前にベイフィートの国王陛下から離婚されて城を追い出されたんだけど…何とさ、めっちゃ早くリュージエンス殿下と再婚したんだよね。
そうそれがまるで、リュージエンス殿下がミランジェ妃殿下が離婚するのを待っていたんじゃないか…て噂が広まって、と言うことはもしかしたら、ベイフィートの国王陛下と離婚したくてわざと悪い噂を流していたんじゃないか…てこれまた噂になったんだ。
そんな中、2人の馴れ初めが私が執筆している『恋慕の果て~恋から愛に変わる時~』のカルテルとマレリア のようだと読者の口コミが広がり、本が重版に次ぐ重版を重ねていわゆる、ベストセラーになったのだ。
この方がミランジェ妃殿下か…魔質を視る限り、明るく澄んでいるしとても素行の悪い人には見えないよね。
とかミランジェ妃殿下やリュージエンス殿下の観察をしていたら、いきなり私に自己紹介の番が回って来た。
何も考えてねぇ…。取り敢えず、名前と年齢だけは紹介した…明らかに失敗だったけど。
どうしよう何か上手く答えなければ…と焦っているとミランジェ妃殿下が微笑みながら
「ユリマラ様、もっと国王陛下にお話したいことありませんの?」
と聞かれてきた。そんなっそんなっ!シス様にお会い出来ただけでもう私のくじ運は使い果たしてますから…
「アレクシス国王陛下に御逢い出来ただけで幸せです」
と、推しメンに会えた喜びを素直に伝えた。もうこれで私の伝えるべきことは伝えたわ。
後はゆっくり…推しメン第四位のヒューズレイ大尉を見て、射殺しそうな目で睨まれて心が躍る。そして第五位のガロール大尉に目を移す。ニヤリと笑い返されてしまった。素敵です…
更にゆっくりと視線を動かすとマジアリート様、マジ君の可愛い瞳と目が合った。フワッと微笑み返されてしまった!笑顔が宝石の様ですね!
「ユリマラ嬢が考える国王妃とはどのようなものでしょうか?」
不意打ちでシス君に声をかけられて、頭が真っ白になる。
「あの…私はこの茶会の数合わせだと聞いてますので…」
…っ!しまったっ?!これ言っちゃいけないことだっ…体から血の気が引いた。何か言われていたが反応が返せない。
暫く茫然としていたけれど、何故だかシス君と2人きりにさせられていた。益々血の気が引く。
何とか、答えを返してテーブルの上に置いてある焼き菓子が目に入った。
ああ『菓ッ子ース』のお菓子…あれだけでも今回のイベントの記念に欲しい。
…
……
「お前、何それ?」
ユリハルト兄がお茶会の帰りに私が両手で抱き締めている包みを見て聞いてきた。
「一生モノの宝物よ!」
この、菓っ子ースに防腐魔法かけておかなくちゃ…そうだ可愛いラッピングにして、ロゴデザイン考えちゃう?
「お前忍び笑いやめろよ…それにな~陛下が帰り際に正式に発表するからその心積もりしておいてくれって…おーい。聞いてんのか?お前国王妃だぜ?後で聞いてないって怒っても知らねぇぞ?」
ユリハルト兄は呆れたような声を出していたが私は聞いていなかった。私はカッシーズのGOODSデザインのことで頭がいっぱいだったのだ。
もう…もう…カッシーズ結成して下さいっ!
FCも入るからっ!箱推しするからっ!ライブグッズ大人買いするからぁぁ!
「あれヒューズレイ大尉、ガロール大尉も今日はこちらでしたか?」
私の後ろにいるクールドS系イケメンとクールツンデレ系イケメンに気さくに声をかけるユリハルト兄。
何だって?こちらの推しメン様達が先程、馬車内で兄が褒め称えていた強者達なのか?
「失礼致しました。ユリハルトの妹であります、ユリマラで御座います」
私は急いで淑女の礼をした。
クールドS系のヒューズレイ大尉はドS根性を発揮?して虫けらを見るような目で冷たく私を見詰めると
「迷惑はかけるなよ」
と氷点下眼力攻撃をしてきた。
心に染み入ります……冷たさに胸が熱いです。
はあ…それにしてもドキドキする…カッシーズのメンバーが見守る中のお茶会。
まずは型通りのご挨拶を同じ妃候補のご令嬢が始めた。
しかしだね、話しが長い…あんたの今日つけてるリップが、新作か旧作かなんて一ミリも興味ねぇし?
さっき脳筋次兄を小馬鹿にしていたけれど、別方向でこれは苦痛だわ…
ああそうだ、横目でコッソリとシス君を見詰めてみよう。もうこれしか楽しみは無いね。
シス君は、長ーーーーーい話しに優雅に相槌を入れて頷きながら、焼き菓子を手に取ってティーカップの皿の横に置いたね。食べないの?ちょっと魔質がソワソワしている気がする。
もしかしたらその焼き菓子、シス君好きなんじゃない?これはっ!FC限定のシスGOODSの第一弾は『菓ッ子ース』になるんじゃない!?
「まあ~素晴らしいことね。ではお次は…」
と、リュージエンス殿下と御同席されていたミランジェ妃殿下が実に上手い返しで、話をぶった切ってくれた。
この銀髪のものすごい美女がリュージエンス殿下の奥様だ。
この妃殿下、悪い噂しか聞いたことなかったんだけど…ちょっと前にベイフィートの国王陛下から離婚されて城を追い出されたんだけど…何とさ、めっちゃ早くリュージエンス殿下と再婚したんだよね。
そうそれがまるで、リュージエンス殿下がミランジェ妃殿下が離婚するのを待っていたんじゃないか…て噂が広まって、と言うことはもしかしたら、ベイフィートの国王陛下と離婚したくてわざと悪い噂を流していたんじゃないか…てこれまた噂になったんだ。
そんな中、2人の馴れ初めが私が執筆している『恋慕の果て~恋から愛に変わる時~』のカルテルとマレリア のようだと読者の口コミが広がり、本が重版に次ぐ重版を重ねていわゆる、ベストセラーになったのだ。
この方がミランジェ妃殿下か…魔質を視る限り、明るく澄んでいるしとても素行の悪い人には見えないよね。
とかミランジェ妃殿下やリュージエンス殿下の観察をしていたら、いきなり私に自己紹介の番が回って来た。
何も考えてねぇ…。取り敢えず、名前と年齢だけは紹介した…明らかに失敗だったけど。
どうしよう何か上手く答えなければ…と焦っているとミランジェ妃殿下が微笑みながら
「ユリマラ様、もっと国王陛下にお話したいことありませんの?」
と聞かれてきた。そんなっそんなっ!シス様にお会い出来ただけでもう私のくじ運は使い果たしてますから…
「アレクシス国王陛下に御逢い出来ただけで幸せです」
と、推しメンに会えた喜びを素直に伝えた。もうこれで私の伝えるべきことは伝えたわ。
後はゆっくり…推しメン第四位のヒューズレイ大尉を見て、射殺しそうな目で睨まれて心が躍る。そして第五位のガロール大尉に目を移す。ニヤリと笑い返されてしまった。素敵です…
更にゆっくりと視線を動かすとマジアリート様、マジ君の可愛い瞳と目が合った。フワッと微笑み返されてしまった!笑顔が宝石の様ですね!
「ユリマラ嬢が考える国王妃とはどのようなものでしょうか?」
不意打ちでシス君に声をかけられて、頭が真っ白になる。
「あの…私はこの茶会の数合わせだと聞いてますので…」
…っ!しまったっ?!これ言っちゃいけないことだっ…体から血の気が引いた。何か言われていたが反応が返せない。
暫く茫然としていたけれど、何故だかシス君と2人きりにさせられていた。益々血の気が引く。
何とか、答えを返してテーブルの上に置いてある焼き菓子が目に入った。
ああ『菓ッ子ース』のお菓子…あれだけでも今回のイベントの記念に欲しい。
…
……
「お前、何それ?」
ユリハルト兄がお茶会の帰りに私が両手で抱き締めている包みを見て聞いてきた。
「一生モノの宝物よ!」
この、菓っ子ースに防腐魔法かけておかなくちゃ…そうだ可愛いラッピングにして、ロゴデザイン考えちゃう?
「お前忍び笑いやめろよ…それにな~陛下が帰り際に正式に発表するからその心積もりしておいてくれって…おーい。聞いてんのか?お前国王妃だぜ?後で聞いてないって怒っても知らねぇぞ?」
ユリハルト兄は呆れたような声を出していたが私は聞いていなかった。私はカッシーズのGOODSデザインのことで頭がいっぱいだったのだ。
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