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第一章 旅立ち
これがまかり通る世の中なのか?
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「クリス!?」
慌てて走り寄ると、クリスは応急処置はしているようだが…怪我、しかも魔術攻撃で体の表層魔質がダメージを受けているのが見て分かる状態だった。
「怪我…してるよね?医院に行った?」
クリスは苦笑いを浮かべて、首を横に振った。
「魔力攻撃を受けた魔術痕の治療は治療費が高過ぎて、俺には払えない」
ああ…そうだった。魔力で受けた怪我は普通の医者じゃなくて、治療術師に診てもらわないと治療出来ないんだった。確かに治療代は高額だと聞いている。
私が治療すれば…でも、治療出来るけどクリスに私が治療術師だとバレてしまうが…
「でも…どうしてこんなに怪我しているの?」
こんな所に怪我人をいつまでも立たせているのはいけないと思い、クリスを近くのカフェへと誘った。
やっぱり…相当痛いんだ。歩く時と椅子に座る時にクリスの魔力が激しく動いている。
カフェで注文を済ませて、クリスは私達の周りに消音魔法を使った。
「この間…S級のアラウレの討伐依頼を受けたんだ」
ああ…噂にされていた、スバレーのギルドの依頼の…
私は頷いて見せて、話の先を促した。クリスも頷き返してから話しを続けた。
「俺達には…はっきり言って無謀だった。まだ俺達じゃ挑んではいけない依頼だったんだ。新しくメンバーになったシュレイザーさんとギルさんはランクAの魔剣士と魔術師ってことだったけど、いざ戦闘になったら全然動いてくれなくて…」
「!」
もしかして、クリスがほぼ一人で対峙したっていうの?パーティーメンバーのもう一人の女子、ロロアナも魔術師だけどそれほど強くない。メメは障壁は張れないし、ビートは…?
「ビートも前線に出て戦ったのでしょう?」
私がクリスに聞くと、クリスは引き攣った笑いを口元に浮かべていた。
「いつも…サエラの防御障壁があるだろう?だから今日も障壁があると思い込んでいたのか…アラウレの前で棒立ちになってて、牙に引っ掛けられてぶっ飛んでた」
「…!」
ビートの怪我を聞いて、ざまあみろ…とは思えなかった。私を森に置き去りにして行こうとした非情な人だけど…そんな状態になってしまったビートを嘲笑えなかった。
「サエラが気にする必要は無いよ」
「え?」
クリスはジッと私を見ている。
「ビートが倒れて…俺は必死にアラウレと戦った。全魔力を出し切ってボロボロになって戦った…何とか急所を付いて、アラウレにとどめを刺して…気を失ったんだ。気が付いたら…夜だった。俺は…小型の魔獣に囲まれてた……俺一人だけ森に放置されていたんだ」
「そ…そんなっ?!」
クリスは少し頭を振った。
「小型の魔獣は…それほど強くなかったから火魔法で追い払えた…何とか森の外へと動いて、夜明けには森を抜け出せた。体を休めながらスバレーのギルドに戻った。アラウレはビート達が倒したことになってて…ビート達はもう宿を出てた」
「どこに…」
クリスは首を横に振った。
「何も言わないで……置いてかれた。まだビートから怒鳴られたりして喧嘩したのなら分かるけど、ただただ俺は森に捨てられた…」
クリスの頬を涙が伝っていた。
私の置いて行かれた悲しみなんかの比じゃない…だってクリスは
「友達じゃない…幼馴染でしょう?なのになんで…」
私も涙が零れてきた。二人して泣いているとカフェの店内にいる人達に不審な目で見られ始めたので、私の泊っている宿屋にクリスを連れて行った。
クリスを部屋のベッドに座らせると、私はクリスの前に立った。腹を括った。見た目はまだ子供な私だけど、今泣き濡れてグズグズになっているクリスよりは私の方が精神的にお姉さんだ。
私がこの子を守ってあげなくてどうするんだ!と使命感に燃えていた。
「クリス…今からあなたの怪我を治します」
「…え?」
私はクリスの肩に手を置くと、体の魔力の巡りがおかしくなっている所に『治癒』をかけた。
「!!」
クリスが小さく悲鳴を上げたが、そのまま体の悪い所を全部治療した。よし…っ!
クリスは治癒がかけられた自分の体を見詰めている。手を挙げてその手を見て、顔を触って…それから私を見た。
「サエラは治療術師…だったのか…」
「うん…黙っててゴメンね。別に嘘をつくつもりもなかったんだよ。最初に会った時に、剣士っぽい恰好をしていたからビートに勘違いされたのを、訂正しなかったのは私だしね」
クリスはホゥ…と息を吐き出した。
「サエラは治療も出来て、障壁も張れる…補助系の魔法も使えるよな…おまけに剣技まで…」
クリスは頬を赤くしている。興奮しているのかな?魔力がそんな感じだ。
「ビートも馬鹿だよ…こんな凄いサエラをあんな扱いで…」
「私も誤解させたままで何もしなかったもの…うっかり入っちゃったパーティーがあんな感じだったから、冒険者も大変だな…なんて思って早々と嫌気がさして、パーティーの為に頑張ることをやめちゃったし…」
「でも、サエラの障壁で俺達すごく助かってた…気が付いてないのは、恐らくビートだけだ」
そうか…メメもロロアナも魔術師だ、私が常人ではないことは薄々分かっていたかもしれない。
クリスはそう言った後に、急にワタワタし始めた。どうしたの?
「サエラ…俺、治してもらった治療代を払う金が無い。レプレカンダの6万ベイを剣と装備を整えるのに使ってしまって…」
「治療代はいいわよ…だって…」
そうだ…ここで簡単に治療代はいらないと言ってしまったら、クリスは余計に気にするんじゃないかな?少しだけでも頂いた方がクリスの負担にはならないんじゃないかな?
「じゃあ…そうね、一緒に魔獣の討伐依頼を受けてくれない?」
「討伐?」
「うん、流石にランクの上の魔獣討伐を一人で受けるのは、怖いもの。クリスがいてくれたら心強いし」
私の説明に無言で頷いてくれるクリス。取り敢えず、クリスと二人でモサンデードの冒険者ギルドに行ってみることにした。
クリスは受付のお姉さんに、自分宛ての言伝がないかを確認していた。そして何も無いと聞かされて…明らかに気落ちしていた。
「やっぱり…ビートから何も連絡無いな…」
ああ…そうだよね。一縷の望みで聞きたいよね。
ショボンとしているクリスの魔質を視てみた。クリスの魔質は綺麗だ、とても大きく体の奥から湧き出でるように魔力が溢れている。ビートの補助ばかりしていた今までは、正直クリスの無駄遣いだったと思う。
クリスの魔力と剣技を生かせる場所…そうだ。
私と正式にパーティーを組んでみてはどうだろうか?そうすれば周りを気にせずクリスもノビノビと魔力を使える。私も治療術師兼補助魔法に専念出来る。
「クリス…良かったら正式に私と組まない?お互いに得意分野が攻守ではっきり分かれているし、足りない所を補える最高の相手だと思うんだけど…」
私は自分の考えを興奮しながらクリスに伝えた。クリスは徐々に頬を赤らめていったが…俯いてしまった。
「もう少し…考えさせて…」
しくじったーー!クリスの気持ちを考えないで先走っちゃった…
そうだよ、まるで付き合ってたのに音信不通になっちゃった男女の別れみたいになってるんだもん、クリスだってまだ踏ん切りつかないよね…
クリスは口元に笑みを浮かべると
「取り敢えず、無償討伐に付き合ってあげる。取り分は全部サエラが取る、これでどう?俺も鍛錬になるし…問題無いと思うけど?」
クリスがそう言うんだから、ゴリ押しはやめることにした。時期が来ればクリスは決断するだろう。せめてその時は傍についていてあげよう。
気分はすっかりクリスの保護者だった。
私は元気よく頷くと、依頼書が貼りだされている掲示板に駆け寄った。
「私一人なら、モンボの討伐ぐらいしか選べないけど、ガザベラの討伐…行ってもいい?」
討伐ランクはCだが、限りなくBに近いCの魔獣だ。普通は四人くらいのパーティーで臨むのがベターだと思う。
クリスはニヤリと笑って見せた。
「よし…全力でかかれよ?」
「はいっ先輩!」
…
……
クリスに言われた通り、全力でかかりました。
一撃でガザベラを仕留めました。魔力が視えるって凄いね。心臓の位置とか魔力の流れで分かるから一撃出来るんだよね。唖然とするクリスに魔質や魔流のことを伝えると
「便利過ぎて怖い…」
と、率直な意見を貰った。
うん、便利だね。
魔獣の討伐依頼は私が全額もらったけど、ガザベラの素材買取の代金は押し問答をして三分の一はクリスに手渡すことが出来た。
「俺は何もしていない…貰い過ぎ」
いえいえ、一人より二人…パーティーから離れて心細かったんだよ。その気持ちがクリスと一緒ということで和らいだので、その感謝料だと思って欲しいよ。
慌てて走り寄ると、クリスは応急処置はしているようだが…怪我、しかも魔術攻撃で体の表層魔質がダメージを受けているのが見て分かる状態だった。
「怪我…してるよね?医院に行った?」
クリスは苦笑いを浮かべて、首を横に振った。
「魔力攻撃を受けた魔術痕の治療は治療費が高過ぎて、俺には払えない」
ああ…そうだった。魔力で受けた怪我は普通の医者じゃなくて、治療術師に診てもらわないと治療出来ないんだった。確かに治療代は高額だと聞いている。
私が治療すれば…でも、治療出来るけどクリスに私が治療術師だとバレてしまうが…
「でも…どうしてこんなに怪我しているの?」
こんな所に怪我人をいつまでも立たせているのはいけないと思い、クリスを近くのカフェへと誘った。
やっぱり…相当痛いんだ。歩く時と椅子に座る時にクリスの魔力が激しく動いている。
カフェで注文を済ませて、クリスは私達の周りに消音魔法を使った。
「この間…S級のアラウレの討伐依頼を受けたんだ」
ああ…噂にされていた、スバレーのギルドの依頼の…
私は頷いて見せて、話の先を促した。クリスも頷き返してから話しを続けた。
「俺達には…はっきり言って無謀だった。まだ俺達じゃ挑んではいけない依頼だったんだ。新しくメンバーになったシュレイザーさんとギルさんはランクAの魔剣士と魔術師ってことだったけど、いざ戦闘になったら全然動いてくれなくて…」
「!」
もしかして、クリスがほぼ一人で対峙したっていうの?パーティーメンバーのもう一人の女子、ロロアナも魔術師だけどそれほど強くない。メメは障壁は張れないし、ビートは…?
「ビートも前線に出て戦ったのでしょう?」
私がクリスに聞くと、クリスは引き攣った笑いを口元に浮かべていた。
「いつも…サエラの防御障壁があるだろう?だから今日も障壁があると思い込んでいたのか…アラウレの前で棒立ちになってて、牙に引っ掛けられてぶっ飛んでた」
「…!」
ビートの怪我を聞いて、ざまあみろ…とは思えなかった。私を森に置き去りにして行こうとした非情な人だけど…そんな状態になってしまったビートを嘲笑えなかった。
「サエラが気にする必要は無いよ」
「え?」
クリスはジッと私を見ている。
「ビートが倒れて…俺は必死にアラウレと戦った。全魔力を出し切ってボロボロになって戦った…何とか急所を付いて、アラウレにとどめを刺して…気を失ったんだ。気が付いたら…夜だった。俺は…小型の魔獣に囲まれてた……俺一人だけ森に放置されていたんだ」
「そ…そんなっ?!」
クリスは少し頭を振った。
「小型の魔獣は…それほど強くなかったから火魔法で追い払えた…何とか森の外へと動いて、夜明けには森を抜け出せた。体を休めながらスバレーのギルドに戻った。アラウレはビート達が倒したことになってて…ビート達はもう宿を出てた」
「どこに…」
クリスは首を横に振った。
「何も言わないで……置いてかれた。まだビートから怒鳴られたりして喧嘩したのなら分かるけど、ただただ俺は森に捨てられた…」
クリスの頬を涙が伝っていた。
私の置いて行かれた悲しみなんかの比じゃない…だってクリスは
「友達じゃない…幼馴染でしょう?なのになんで…」
私も涙が零れてきた。二人して泣いているとカフェの店内にいる人達に不審な目で見られ始めたので、私の泊っている宿屋にクリスを連れて行った。
クリスを部屋のベッドに座らせると、私はクリスの前に立った。腹を括った。見た目はまだ子供な私だけど、今泣き濡れてグズグズになっているクリスよりは私の方が精神的にお姉さんだ。
私がこの子を守ってあげなくてどうするんだ!と使命感に燃えていた。
「クリス…今からあなたの怪我を治します」
「…え?」
私はクリスの肩に手を置くと、体の魔力の巡りがおかしくなっている所に『治癒』をかけた。
「!!」
クリスが小さく悲鳴を上げたが、そのまま体の悪い所を全部治療した。よし…っ!
クリスは治癒がかけられた自分の体を見詰めている。手を挙げてその手を見て、顔を触って…それから私を見た。
「サエラは治療術師…だったのか…」
「うん…黙っててゴメンね。別に嘘をつくつもりもなかったんだよ。最初に会った時に、剣士っぽい恰好をしていたからビートに勘違いされたのを、訂正しなかったのは私だしね」
クリスはホゥ…と息を吐き出した。
「サエラは治療も出来て、障壁も張れる…補助系の魔法も使えるよな…おまけに剣技まで…」
クリスは頬を赤くしている。興奮しているのかな?魔力がそんな感じだ。
「ビートも馬鹿だよ…こんな凄いサエラをあんな扱いで…」
「私も誤解させたままで何もしなかったもの…うっかり入っちゃったパーティーがあんな感じだったから、冒険者も大変だな…なんて思って早々と嫌気がさして、パーティーの為に頑張ることをやめちゃったし…」
「でも、サエラの障壁で俺達すごく助かってた…気が付いてないのは、恐らくビートだけだ」
そうか…メメもロロアナも魔術師だ、私が常人ではないことは薄々分かっていたかもしれない。
クリスはそう言った後に、急にワタワタし始めた。どうしたの?
「サエラ…俺、治してもらった治療代を払う金が無い。レプレカンダの6万ベイを剣と装備を整えるのに使ってしまって…」
「治療代はいいわよ…だって…」
そうだ…ここで簡単に治療代はいらないと言ってしまったら、クリスは余計に気にするんじゃないかな?少しだけでも頂いた方がクリスの負担にはならないんじゃないかな?
「じゃあ…そうね、一緒に魔獣の討伐依頼を受けてくれない?」
「討伐?」
「うん、流石にランクの上の魔獣討伐を一人で受けるのは、怖いもの。クリスがいてくれたら心強いし」
私の説明に無言で頷いてくれるクリス。取り敢えず、クリスと二人でモサンデードの冒険者ギルドに行ってみることにした。
クリスは受付のお姉さんに、自分宛ての言伝がないかを確認していた。そして何も無いと聞かされて…明らかに気落ちしていた。
「やっぱり…ビートから何も連絡無いな…」
ああ…そうだよね。一縷の望みで聞きたいよね。
ショボンとしているクリスの魔質を視てみた。クリスの魔質は綺麗だ、とても大きく体の奥から湧き出でるように魔力が溢れている。ビートの補助ばかりしていた今までは、正直クリスの無駄遣いだったと思う。
クリスの魔力と剣技を生かせる場所…そうだ。
私と正式にパーティーを組んでみてはどうだろうか?そうすれば周りを気にせずクリスもノビノビと魔力を使える。私も治療術師兼補助魔法に専念出来る。
「クリス…良かったら正式に私と組まない?お互いに得意分野が攻守ではっきり分かれているし、足りない所を補える最高の相手だと思うんだけど…」
私は自分の考えを興奮しながらクリスに伝えた。クリスは徐々に頬を赤らめていったが…俯いてしまった。
「もう少し…考えさせて…」
しくじったーー!クリスの気持ちを考えないで先走っちゃった…
そうだよ、まるで付き合ってたのに音信不通になっちゃった男女の別れみたいになってるんだもん、クリスだってまだ踏ん切りつかないよね…
クリスは口元に笑みを浮かべると
「取り敢えず、無償討伐に付き合ってあげる。取り分は全部サエラが取る、これでどう?俺も鍛錬になるし…問題無いと思うけど?」
クリスがそう言うんだから、ゴリ押しはやめることにした。時期が来ればクリスは決断するだろう。せめてその時は傍についていてあげよう。
気分はすっかりクリスの保護者だった。
私は元気よく頷くと、依頼書が貼りだされている掲示板に駆け寄った。
「私一人なら、モンボの討伐ぐらいしか選べないけど、ガザベラの討伐…行ってもいい?」
討伐ランクはCだが、限りなくBに近いCの魔獣だ。普通は四人くらいのパーティーで臨むのがベターだと思う。
クリスはニヤリと笑って見せた。
「よし…全力でかかれよ?」
「はいっ先輩!」
…
……
クリスに言われた通り、全力でかかりました。
一撃でガザベラを仕留めました。魔力が視えるって凄いね。心臓の位置とか魔力の流れで分かるから一撃出来るんだよね。唖然とするクリスに魔質や魔流のことを伝えると
「便利過ぎて怖い…」
と、率直な意見を貰った。
うん、便利だね。
魔獣の討伐依頼は私が全額もらったけど、ガザベラの素材買取の代金は押し問答をして三分の一はクリスに手渡すことが出来た。
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