界隈女子〜in the room〜

第二章

「今日は9万か。如恵留君に会えるかな」

智華は、いつものようにホストクラブへ向かった。
本指名の如恵留に会うために。



「JJちょうだーい。」
智華は不機嫌な態度で、如恵留君に言った。

「智華ちゃん、今日はお願いがあるんだ。実は売掛の女の子が飛んでさ、300万店から請求されてるんだよね。ボトルお願いできないかな?」

智華は、バッグの中から300万を出して如恵留に渡した。

「いいよ。勝手にボトル入れれば。」

如恵留は満面の笑顔になって、
「ありがとう。智華ちゃん。助けてくれるのは、いつも智華ちゃんだけだよ。No.に今月も入れそうだよ。俺最高に智華ちゃんが好きだよ」


ーー男っていつもそう、嘘つくのがまるきり下手。ーーー

智華は、ただ自分の価値が万札だけで図られてるということを見抜いていた。

いつもの煩いコールが終わった。

「智華ちゃん。ありがとね。大好きだよ。」

ーー如恵留のストレートな言葉に薄っぺらい何かを感じながら、いつもの夜をやり過ごしたーー