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SS
ロケットペンダント -後編-
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家族に見放され、ずっと一人で生きてきた芽愚には、あまりにも眩しすぎる台詞だった。
「…龍さん」
「ん?」
「私、学校に行きたい。勉強したい。龍さんが私に期待してくれるほど成果を残せるか分からないけど、やるからにはちゃんと頑張るよ。」
「よく言った。頑張れよ、くれぐれも無理のない範囲でな」
龍は柔和な笑みを浮かべ、何度も芽愚の頭を撫でてくれた。優しい温もりを感じながら、何事も全力で取り組むと誓った。
それから、学校で必要なモノを買い揃えてもらった。もちろん制服も採寸して用意した。それが、今までに着たどんな服よりも高価で、芽愚が初めて龍に買ってもらった服だった。
•
•
そんなわけで、中学部のブレザーはもう使わない今になっても捨てられずに眠っていた。
懐かしげに見つめていると、ドアをノックする音が聞こえた。返事をすると、裕璃が扉を開いて中に入ってきた。
「わぁお、メグ姉、制服ちゃんと残してたんだ!懐かしいな~、メグ姉今のイメージでこんな可愛いの着てたの想像しづらいけど、三年前は着てたんだもんね…」
そんなことを言いながら、芽愚と制服を交互に見て何かを企むような顔をした。嫌な予感がする。
「…何よ?」
「メグ姉、そういや成長期割と早かったからあんまり中三から背伸びてないよね。ってことはコレ着れるんじゃない?」
「なかなか人が気にしてること言ってくれるわね。いいのよ160センチは越えたんだもの。あと三センチくらい欲しかったけど…待って今それ着るって言った?正気?」
「いけるって!一回だけ!一回でいいから着てみてよ!!」
裕璃の押しに負け、渋々着替えることになった芽愚だった。
「見てみて~!可愛くない?」
「待って部屋から出るとか聞いてないんだけど!?」
騒がしい声が聞こえ、広間にいた龍達が扉の方を振り返ると、「じゃーん☆」と自慢げに言いながら裕璃と、彼女に引っ張られた芽愚が顔を出した。
「…こりゃまた珍しいモン引っ張り出してきたなぁ」
芽愚の中学部のブレザー姿を見て龍が呟く。驚いた顔で自分を見るその視線に耐えかね、芽愚が両手で顔を覆った。
「ごめんなさい…年甲斐もなくこんなの着てごめんなさい…」
「何言ってんのよ!カワイイじゃないの!!やっぱ素材が良いと何着ても似合うわね~♡」
ライリーがベタ褒めすると、横で律紀がうんうんと頷く。
「別に良いと思うよ?よく似合ってるね」
「え…ほんとに…?コレ許されんの…?」
思いの外ウケが良く、芽愚は少し照れくさくなってはにかんだ。
「ねえ!せっかくだし写真撮ろうよ!ほらみんな集まって!」
裕璃のかけ声に嘘でしょと思ったが、割と皆ノリ気で集まってきたので為すすべも無く写ることになってしまった。
「はい、チーズ☆」
ヒートアップして何枚も写真を撮った後、着替えた芽愚は裕璃からスマホに送られてきた先程の写真を見ていた。
よく考えて見れば皆で写真を撮ったのは今日が初めてである。生まれた当初の家族写真もニ、三枚はあったが、彼女にとっては今日の写真の方が数万倍は価値のあるものだった。
芽愚は、自分のブレザーが写っていない写真を一枚選び、プリントしてロケットペンダントにすることにした。そうすることで、いつでも大事な人たちと一緒にいられるような気がしたのだ。
出来上がったペンダントを首に提げると、写真部分を満足げに開いた。我ながら上手にできたと思う。
全員裏社会で生活しており、常に命懸けで生きているわけではあるが、写真の中で楽しそうに笑う自分達を見つめ、この生活が少しでも長く続くことを切に願う芽愚であった。
「…龍さん」
「ん?」
「私、学校に行きたい。勉強したい。龍さんが私に期待してくれるほど成果を残せるか分からないけど、やるからにはちゃんと頑張るよ。」
「よく言った。頑張れよ、くれぐれも無理のない範囲でな」
龍は柔和な笑みを浮かべ、何度も芽愚の頭を撫でてくれた。優しい温もりを感じながら、何事も全力で取り組むと誓った。
それから、学校で必要なモノを買い揃えてもらった。もちろん制服も採寸して用意した。それが、今までに着たどんな服よりも高価で、芽愚が初めて龍に買ってもらった服だった。
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そんなわけで、中学部のブレザーはもう使わない今になっても捨てられずに眠っていた。
懐かしげに見つめていると、ドアをノックする音が聞こえた。返事をすると、裕璃が扉を開いて中に入ってきた。
「わぁお、メグ姉、制服ちゃんと残してたんだ!懐かしいな~、メグ姉今のイメージでこんな可愛いの着てたの想像しづらいけど、三年前は着てたんだもんね…」
そんなことを言いながら、芽愚と制服を交互に見て何かを企むような顔をした。嫌な予感がする。
「…何よ?」
「メグ姉、そういや成長期割と早かったからあんまり中三から背伸びてないよね。ってことはコレ着れるんじゃない?」
「なかなか人が気にしてること言ってくれるわね。いいのよ160センチは越えたんだもの。あと三センチくらい欲しかったけど…待って今それ着るって言った?正気?」
「いけるって!一回だけ!一回でいいから着てみてよ!!」
裕璃の押しに負け、渋々着替えることになった芽愚だった。
「見てみて~!可愛くない?」
「待って部屋から出るとか聞いてないんだけど!?」
騒がしい声が聞こえ、広間にいた龍達が扉の方を振り返ると、「じゃーん☆」と自慢げに言いながら裕璃と、彼女に引っ張られた芽愚が顔を出した。
「…こりゃまた珍しいモン引っ張り出してきたなぁ」
芽愚の中学部のブレザー姿を見て龍が呟く。驚いた顔で自分を見るその視線に耐えかね、芽愚が両手で顔を覆った。
「ごめんなさい…年甲斐もなくこんなの着てごめんなさい…」
「何言ってんのよ!カワイイじゃないの!!やっぱ素材が良いと何着ても似合うわね~♡」
ライリーがベタ褒めすると、横で律紀がうんうんと頷く。
「別に良いと思うよ?よく似合ってるね」
「え…ほんとに…?コレ許されんの…?」
思いの外ウケが良く、芽愚は少し照れくさくなってはにかんだ。
「ねえ!せっかくだし写真撮ろうよ!ほらみんな集まって!」
裕璃のかけ声に嘘でしょと思ったが、割と皆ノリ気で集まってきたので為すすべも無く写ることになってしまった。
「はい、チーズ☆」
ヒートアップして何枚も写真を撮った後、着替えた芽愚は裕璃からスマホに送られてきた先程の写真を見ていた。
よく考えて見れば皆で写真を撮ったのは今日が初めてである。生まれた当初の家族写真もニ、三枚はあったが、彼女にとっては今日の写真の方が数万倍は価値のあるものだった。
芽愚は、自分のブレザーが写っていない写真を一枚選び、プリントしてロケットペンダントにすることにした。そうすることで、いつでも大事な人たちと一緒にいられるような気がしたのだ。
出来上がったペンダントを首に提げると、写真部分を満足げに開いた。我ながら上手にできたと思う。
全員裏社会で生活しており、常に命懸けで生きているわけではあるが、写真の中で楽しそうに笑う自分達を見つめ、この生活が少しでも長く続くことを切に願う芽愚であった。
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