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第1章表 神隠し
裏本殿
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「じゃあねー」
「またねー」
学校からの帰路、目の前の女子たちが帰り道で別れるぼっちの自分には縁のない光景。一人になった女子の後ろを歩くとストーカーっぽさが出るので歩行スピードを落として歩く。この豊川仁志は世間体を考えた行動も簡単にこなせる。完璧だろう。だが、目の前の女子が振り返った。
「ねえ」
「…なんだ?」
「…歩くの遅くない?」
「いいだろ別に」
前を歩いていたのは見知った顔の女子だった。端的に言えば美少女。茶色いミディアムボブの保護欲を刺激してくるあざとい系女子高生。小学校3年のときに隣に引っ越してきて以来、昔なじみの安城陽毬。親同士の付き合いはあるが、俺たちはどちらかといえば疎遠な方だろう。昔はずっと一緒に遊んでいたような気がするが、思春期に入ればその反動が引き起こるものだ。
「中間どうだった?」
「ある程度できたんじゃね。そこそこ勉強したし」
「男子っていつも勉強してこなかったわー、って言うものじゃないの?」
「そいつによるだろ。俺は各教科最低でも1時間はやった」
「やってるけど、あんまりやってないんだね」
「十分だろ。成績は5を取ればいい。5の最大値を取りに行くもんじゃない」
「えぇ…」
ちょっと引かれた。間違っていることは言っていないはずだがな。
「仁志って昔からそういうところあるよね」
「勉強とか興味ないからな。必要なことならある程度やれば良し」
「オール5の中でも最弱ね」
「なんだその四天王の中でも最弱みたいなものは」
1年前に少し会話したぶりくらいの会話だが、幼馴染みたいなものだからか、意外にも女子相手でも自分の挙動不審の態度は出てこない。陽毬のあっさりとした性格もあるだろう。
「今日暇?」
「藪から棒すぎるだろ。暇だけど?」
「稲荷神社行こ」
「どこの?」
「近所の」
「なんで?」
「なんでも」
「わかった」
よくわからないが、陽毬が行きたいというのであればやぶさかではない。陽毬は美少女だしな。美少女だしな。下校の道中で電車に乗る必要がある。正午前はあまり人が乗っていない。平日の昼間だから人は少ないよな。都会というわけでもないからなおさらだ。
電車に座っている隣から微かに声が聞こえる。
「ふんふん、ふん、ふんふんふん」
「やかまし」
「やかましくないよ、うわぁー!」
「リズムゲームか」
「やかましい言うからミスったんですけど」
「俺のせいかよ」
陽毬は暇つぶしにリズムゲームをやっているみたいだ。ちらっと見ると画面内に美少女キャラが飛び跳ねていた。女子もこういうのやるのか。外の光景も俺たちの最寄駅に近づいているのがわかる。
「もう着くぞ」
「ま、待って待って、あぁ…、んあああ!」
「おい」
ギロッとした目つきで他の乗客に睨まれる。嬌声みたいな声を陽毬があげたせいで少ない乗客から余計な注目を浴びてしまった。
ちくしょう。
駅員さんにも睨まれたわ。
「相変わらずゲーマーは直ってないんだな」
「生粋ですから」
「それでよく目悪くならないな」
「ちょっとは悪くなってるよ。昔は1.5あったし、今は1.0だよ」
「ずるだな」
「ずるくはないでしょ」
駅の改札口を抜け、地元の帰路に入るが、目的地が家ではないため普段見ている光景とは違う景色で新鮮さを感じる。普段視界に入る場所も景気が変われば懐かしさが出てくるというものだ。地元は知った家も多いため、ここが誰の家などと陽毬と世間話をしながら目的地へ向かう。
「そういえばこの神社曰く付きみたいな話なかったっけ?」
神社に着くや否や陽毬が問いかけてくる。まだ境内は先なんだがな。
「うーん…」
自分の記憶を掘り下げてみると、なんとなくそんな曰くがあったような気がしてきた。記憶の隅の隅の隅くらいにあるものを引っ張り上げる。
「裏本殿みたいなのがあるとかいう噂か?」
「裏本殿?」
「記憶は不確かだけど、そんな話を聞いたことがある。でもあの山登る必要があるぞ」
「裏本殿って本殿の裏にないの?」
「いや、全然違う場所にある」
この稲荷神社は小さな山の途中に建っている。およそ2合目くらいの高さにあり、子供には少々きつい階段を登った先にある。裏本殿というか、もう一つの本殿があるのは山の裏手に回って木々生い茂る参道を進み、この山の頂上まで行かなくてはいけない。そう聞いていた。遥か昔の話だ。10年以上前になるだろう。
「行ってみる?」
「本気か…、あんまり行きたくないんだけど」
「行こう」
「なんだその意欲、びびるわ」
「昔、仁志と神社で遊んだとき、朧げだけど何か見たんよ。今日その夢見た」
「…珍しく勉強したから変な夢見ただけだろ」
「酷っ!?別に珍しくないし」
陽毬は下手くそな口笛を吹きながら付いてくる。階段を下り終えた後、ほとんど使われていない未舗装と言えなくもない荒れた道に差し掛かる。
「ん?」
ほんの一瞬だけ辺りが暗くなった気がした。
「気のせいか?」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「なにそれ」
「それより本当に行くのかよ…」
「行くよ。もう男なんだから女のわがままくらい聞きなさい」
「当人に言われたくねえな」
しばらく進むと、なんとなくここだろうという場所を見つける。木々生い茂る先に道のようなものが見える。山道だな。そしてこの急な坂登るのか。はあ…。
「ここ…かな?」
「自信ないね」
「10年以上前だぞ、思い出してるだけ奇跡だ」
「やっすい奇跡だこと」
「お前なあ…」
誰のせいで脳みそフル回転させてると思ってるんだか、古い記憶には確か近所のポニーテールをした姉ちゃんが面白おかしく話していた光景がセピア色で浮かび上がる。誰だったか。今思い出せる近所の年上の幼馴染は2人とも男だ。あのポニーテールは誰だったんだろう。母さんにでも聞いてみるか。
「っておい、その格好で入るのかよ。虫いたらどうする。ヒルは…、いないだろうけど」
さすがにスカートのまま足を肌蹴させている状態で進んでいい道じゃない。
「うん?可愛い陽毬ちゃんに虫がつくのが嫌なの?」
「なんだそのミスリードさせようとするセリフは…、お前学校とキャラ違えじゃねえか」
「ええー、そんなことないし。それになんで私のキャラなんて知ってるの?」
「ちょくちょくクラスに来てるだろ」
「ああ、優香に会いに行ってるからねえ。…ちなみにさっきの虫がつくというのはね———」
「はいはい。言ってろ言ってろ。ジャージとかねえのか」
仁志だってキャラ違うじゃん。陽毬は小さく抗議していた。聞こえているからな。あんまり反論しまくるのもあれだし、何も言わないでおこう。
それよりなんで俺のキャラ知ってるんだよ。
「あるけど短パンじゃん」
「もう6月だしな」
「ええー、絶対虫に噛まれるよ」
「よし帰ろう、すぐ帰ろう」
「はっや、決断秒じゃん」
「こんな誰も登ってない道、蜘蛛の巣だらけだろうし、スズメバチとかいたらどうすんだよ」
「行くよー」
「聞けよ」
どこからか拾った木の枝を振り回して草木をかき分けている。見た目はふんわり系の美少女なのに、行動が男勝りなギャップって萌えるだろうか、萌えねえな。
「うわー、蜘蛛の巣!?」
「はあ…」
俺も陽毬と同じように使えそうな木の枝をとって草木をかき分けて後を追う。
10分ほど変わり映えのしない山道を歩いていると疲労が溜まってきたため休憩を入れる。3時限の試験だけでも水分は学校に持って行く癖が二人とも付いていた。水分補給をしてスマホを見ればもう12時半を回っている。
「めっちゃ腹減ったんだけど」
「ごめんて」
「…ここまで来て引き返したくもないしな。あとちょっとだし頑張るか」
「おー…」
なぜ言い出しっぺの方が元気ないのか。
そしてさらに5分ほど歩くと頂上に出た。
「ここかあ」
「山の頂上って見晴らしいいもんじゃねえのか」
「樹木生い茂りまくりだね」
「景色悪すぎて笑えるわ」
「それでこれが裏本殿?」
聞いたことしかなかったが、小さな神棚を祀ってある社であるのは間違いないみたいだ。こんな山の頂上で誰の手入れもないのにこんなに綺麗な状態で残っているものなんだな。案外誰かが手入れしているのかもしれないな。
陽毬はなんかぼーっとしているな。
ここに来たいと言っていたが、想定通りのこじんまりとした本殿があるだけで、わざわざ登ってくる必要もなかったな。わざわざ来たんだしお参りくらいして行くか。
…。
……。
………。
何か寒気がする。
「さむっ」
「っ!?」
夏に入ったばかりとはいえ6月で小さいといえど山道を登った。なのに陽毬は寒いと漏らした。まだ汗が冷えるような時間ではない。
「なんだ…?」
「すごい寒い」
どんどんと冷え込んで来る。陽毬は寒さのあまりに俺の体に抱きついて来た。陽毬の体は暖かいのに寒気が止まらない。それは陽毬も同じだったらしい。半袖から覗く自分の腕には鳥肌が立っている。そして視界に入った神棚に違和感がある。
「扉が開いている?」
「え?」
「神棚は祭りの行事でもない限り閉じておくものだ」
その神棚の扉が開いている。しかも誰もここに訪れた気配はない。毎年の雨風を神棚の扉を開けたまま半分野ざらし状態では神棚はぐちゃぐちゃに汚れてしまうはず、だが、神棚の中はホコリひとつないと言えるほど、当目から見ても怖いほどに綺麗だ。
「帰ろう。何か嫌な予感がする」
「うん」
「ええ、帰りましょう」
3つ目の声が聞こえた。
「またねー」
学校からの帰路、目の前の女子たちが帰り道で別れるぼっちの自分には縁のない光景。一人になった女子の後ろを歩くとストーカーっぽさが出るので歩行スピードを落として歩く。この豊川仁志は世間体を考えた行動も簡単にこなせる。完璧だろう。だが、目の前の女子が振り返った。
「ねえ」
「…なんだ?」
「…歩くの遅くない?」
「いいだろ別に」
前を歩いていたのは見知った顔の女子だった。端的に言えば美少女。茶色いミディアムボブの保護欲を刺激してくるあざとい系女子高生。小学校3年のときに隣に引っ越してきて以来、昔なじみの安城陽毬。親同士の付き合いはあるが、俺たちはどちらかといえば疎遠な方だろう。昔はずっと一緒に遊んでいたような気がするが、思春期に入ればその反動が引き起こるものだ。
「中間どうだった?」
「ある程度できたんじゃね。そこそこ勉強したし」
「男子っていつも勉強してこなかったわー、って言うものじゃないの?」
「そいつによるだろ。俺は各教科最低でも1時間はやった」
「やってるけど、あんまりやってないんだね」
「十分だろ。成績は5を取ればいい。5の最大値を取りに行くもんじゃない」
「えぇ…」
ちょっと引かれた。間違っていることは言っていないはずだがな。
「仁志って昔からそういうところあるよね」
「勉強とか興味ないからな。必要なことならある程度やれば良し」
「オール5の中でも最弱ね」
「なんだその四天王の中でも最弱みたいなものは」
1年前に少し会話したぶりくらいの会話だが、幼馴染みたいなものだからか、意外にも女子相手でも自分の挙動不審の態度は出てこない。陽毬のあっさりとした性格もあるだろう。
「今日暇?」
「藪から棒すぎるだろ。暇だけど?」
「稲荷神社行こ」
「どこの?」
「近所の」
「なんで?」
「なんでも」
「わかった」
よくわからないが、陽毬が行きたいというのであればやぶさかではない。陽毬は美少女だしな。美少女だしな。下校の道中で電車に乗る必要がある。正午前はあまり人が乗っていない。平日の昼間だから人は少ないよな。都会というわけでもないからなおさらだ。
電車に座っている隣から微かに声が聞こえる。
「ふんふん、ふん、ふんふんふん」
「やかまし」
「やかましくないよ、うわぁー!」
「リズムゲームか」
「やかましい言うからミスったんですけど」
「俺のせいかよ」
陽毬は暇つぶしにリズムゲームをやっているみたいだ。ちらっと見ると画面内に美少女キャラが飛び跳ねていた。女子もこういうのやるのか。外の光景も俺たちの最寄駅に近づいているのがわかる。
「もう着くぞ」
「ま、待って待って、あぁ…、んあああ!」
「おい」
ギロッとした目つきで他の乗客に睨まれる。嬌声みたいな声を陽毬があげたせいで少ない乗客から余計な注目を浴びてしまった。
ちくしょう。
駅員さんにも睨まれたわ。
「相変わらずゲーマーは直ってないんだな」
「生粋ですから」
「それでよく目悪くならないな」
「ちょっとは悪くなってるよ。昔は1.5あったし、今は1.0だよ」
「ずるだな」
「ずるくはないでしょ」
駅の改札口を抜け、地元の帰路に入るが、目的地が家ではないため普段見ている光景とは違う景色で新鮮さを感じる。普段視界に入る場所も景気が変われば懐かしさが出てくるというものだ。地元は知った家も多いため、ここが誰の家などと陽毬と世間話をしながら目的地へ向かう。
「そういえばこの神社曰く付きみたいな話なかったっけ?」
神社に着くや否や陽毬が問いかけてくる。まだ境内は先なんだがな。
「うーん…」
自分の記憶を掘り下げてみると、なんとなくそんな曰くがあったような気がしてきた。記憶の隅の隅の隅くらいにあるものを引っ張り上げる。
「裏本殿みたいなのがあるとかいう噂か?」
「裏本殿?」
「記憶は不確かだけど、そんな話を聞いたことがある。でもあの山登る必要があるぞ」
「裏本殿って本殿の裏にないの?」
「いや、全然違う場所にある」
この稲荷神社は小さな山の途中に建っている。およそ2合目くらいの高さにあり、子供には少々きつい階段を登った先にある。裏本殿というか、もう一つの本殿があるのは山の裏手に回って木々生い茂る参道を進み、この山の頂上まで行かなくてはいけない。そう聞いていた。遥か昔の話だ。10年以上前になるだろう。
「行ってみる?」
「本気か…、あんまり行きたくないんだけど」
「行こう」
「なんだその意欲、びびるわ」
「昔、仁志と神社で遊んだとき、朧げだけど何か見たんよ。今日その夢見た」
「…珍しく勉強したから変な夢見ただけだろ」
「酷っ!?別に珍しくないし」
陽毬は下手くそな口笛を吹きながら付いてくる。階段を下り終えた後、ほとんど使われていない未舗装と言えなくもない荒れた道に差し掛かる。
「ん?」
ほんの一瞬だけ辺りが暗くなった気がした。
「気のせいか?」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
「なにそれ」
「それより本当に行くのかよ…」
「行くよ。もう男なんだから女のわがままくらい聞きなさい」
「当人に言われたくねえな」
しばらく進むと、なんとなくここだろうという場所を見つける。木々生い茂る先に道のようなものが見える。山道だな。そしてこの急な坂登るのか。はあ…。
「ここ…かな?」
「自信ないね」
「10年以上前だぞ、思い出してるだけ奇跡だ」
「やっすい奇跡だこと」
「お前なあ…」
誰のせいで脳みそフル回転させてると思ってるんだか、古い記憶には確か近所のポニーテールをした姉ちゃんが面白おかしく話していた光景がセピア色で浮かび上がる。誰だったか。今思い出せる近所の年上の幼馴染は2人とも男だ。あのポニーテールは誰だったんだろう。母さんにでも聞いてみるか。
「っておい、その格好で入るのかよ。虫いたらどうする。ヒルは…、いないだろうけど」
さすがにスカートのまま足を肌蹴させている状態で進んでいい道じゃない。
「うん?可愛い陽毬ちゃんに虫がつくのが嫌なの?」
「なんだそのミスリードさせようとするセリフは…、お前学校とキャラ違えじゃねえか」
「ええー、そんなことないし。それになんで私のキャラなんて知ってるの?」
「ちょくちょくクラスに来てるだろ」
「ああ、優香に会いに行ってるからねえ。…ちなみにさっきの虫がつくというのはね———」
「はいはい。言ってろ言ってろ。ジャージとかねえのか」
仁志だってキャラ違うじゃん。陽毬は小さく抗議していた。聞こえているからな。あんまり反論しまくるのもあれだし、何も言わないでおこう。
それよりなんで俺のキャラ知ってるんだよ。
「あるけど短パンじゃん」
「もう6月だしな」
「ええー、絶対虫に噛まれるよ」
「よし帰ろう、すぐ帰ろう」
「はっや、決断秒じゃん」
「こんな誰も登ってない道、蜘蛛の巣だらけだろうし、スズメバチとかいたらどうすんだよ」
「行くよー」
「聞けよ」
どこからか拾った木の枝を振り回して草木をかき分けている。見た目はふんわり系の美少女なのに、行動が男勝りなギャップって萌えるだろうか、萌えねえな。
「うわー、蜘蛛の巣!?」
「はあ…」
俺も陽毬と同じように使えそうな木の枝をとって草木をかき分けて後を追う。
10分ほど変わり映えのしない山道を歩いていると疲労が溜まってきたため休憩を入れる。3時限の試験だけでも水分は学校に持って行く癖が二人とも付いていた。水分補給をしてスマホを見ればもう12時半を回っている。
「めっちゃ腹減ったんだけど」
「ごめんて」
「…ここまで来て引き返したくもないしな。あとちょっとだし頑張るか」
「おー…」
なぜ言い出しっぺの方が元気ないのか。
そしてさらに5分ほど歩くと頂上に出た。
「ここかあ」
「山の頂上って見晴らしいいもんじゃねえのか」
「樹木生い茂りまくりだね」
「景色悪すぎて笑えるわ」
「それでこれが裏本殿?」
聞いたことしかなかったが、小さな神棚を祀ってある社であるのは間違いないみたいだ。こんな山の頂上で誰の手入れもないのにこんなに綺麗な状態で残っているものなんだな。案外誰かが手入れしているのかもしれないな。
陽毬はなんかぼーっとしているな。
ここに来たいと言っていたが、想定通りのこじんまりとした本殿があるだけで、わざわざ登ってくる必要もなかったな。わざわざ来たんだしお参りくらいして行くか。
…。
……。
………。
何か寒気がする。
「さむっ」
「っ!?」
夏に入ったばかりとはいえ6月で小さいといえど山道を登った。なのに陽毬は寒いと漏らした。まだ汗が冷えるような時間ではない。
「なんだ…?」
「すごい寒い」
どんどんと冷え込んで来る。陽毬は寒さのあまりに俺の体に抱きついて来た。陽毬の体は暖かいのに寒気が止まらない。それは陽毬も同じだったらしい。半袖から覗く自分の腕には鳥肌が立っている。そして視界に入った神棚に違和感がある。
「扉が開いている?」
「え?」
「神棚は祭りの行事でもない限り閉じておくものだ」
その神棚の扉が開いている。しかも誰もここに訪れた気配はない。毎年の雨風を神棚の扉を開けたまま半分野ざらし状態では神棚はぐちゃぐちゃに汚れてしまうはず、だが、神棚の中はホコリひとつないと言えるほど、当目から見ても怖いほどに綺麗だ。
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「うん」
「ええ、帰りましょう」
3つ目の声が聞こえた。
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