私の一言日記

神奈川雪枝

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今日は……

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( 今日は、…… 雨 か 。)

喫茶店で、
バイトを始めた 。

バイト日誌 。
( あー、もうすぐテストじゃん 。)

カラン、カラン 。

若い男が一人やってきた 。

「 いらっしゃいませ 。」

日誌を急いで片付けて、
私は接客を始める 。

( あっ、この人 ……。)

口元に、ホクロ 。

最近、
お店によく来る、人 。
( ちょっと、気になってたりしてね 。←)

「 メニューになります 。」

メニューを差し出せば、
笑顔で、

「 ありがとう。」の言葉。
(こーいう所が良いよね!←)


◆1月2日(金)雨
今日は、雨だったからホットな飲み物が良く注文されました。

「 バニラアイス、下さい。」

「あっ、分かりました 。」

注文をした後、
ちらっと彼を見ると、
にこっにこしながら、窓からの風景を眺めていた。
( この人、純粋そーだなぁ。)

◆1月3日(土)晴れ
今日は、いつもよりお客さんが多かった。

「 どうぞ 。」

「ありがとうございます。」

注文された物をテーブルに置くと、
彼は本当に嬉しそうな顔をした 。

( お礼いう人って、良いよね!)

◆1月4日(日)晴れ
今日も、休日だからお客さんが多かった。

彼は、いつも本当に幸せそうに食している。
( 結構な癒しなんですよね!←)

彼はこの店が本当に好きそうで、
私は、彼の事が日に日に気になっている 。

◆1月5日(月)晴れ
今日もお客さんが多かった。

「 ……以上で、888円になります。」

お会計。

財布からお金を出して、
( 何時だって、おつりが少ないようにしてる所もいいと想う!←)

そして、
いつも言うの。

「 今日は、ご馳走様でした。」

「いえいえ 。」

「また来ますね!」

「はい、お待ちしております。」

彼が店を出て行く 。
( 彼の人懐こい所、全く嫌味も壁も感じないの!←)

◆1月6日(火)晴れ
今日は、お客さんが少ないように想った。

( あー、バイトも休んでちゃんと勉強しなきゃなぁ 。)

外は、曇り空。

何だか気分も下がる、さがる 。

( テストだし、お客さん居ないし←)

( 何より、彼が来ない 。)

◆1月7日(水)曇り
今日は、天気もどんよりだしあんまり活気が無かった 。

「 マスター。」

「 ん、どうした?」

「私、来週からテストなんでバイト明日から来週の水曜日までお休みします。」

「 そっか、わかった 。」

「 すいません。」

「いいよいいよ、テスト頑張ってね。」

「 はいっ。」

ポツポツと雨が降る。
( 今日も彼は来ない。
 仕事、忙しいのかな ?)

帰り道。
( 傘、どーしよ?
 コンビニで買おうかな?
 でも、お金ないし 。
 小雨だから、傘なくてもいいかな 。)


「 店員 さん ?」

「 えっ ?」

いきなり雨が遮られて、傘の下 。
後ろを振り返ると、 彼の姿 。

「 あっ 。」

「 俺の事覚えてるん?」

「 いつもお店に来てくれてるじゃないですか 。」

「そっか、何や嬉しいわぁ!」

彼はやっぱり、幸せそうに笑う 。
( この笑顔を見たかったの 。)

「 傘もささんと、どこ行くん?」

「あっ、テストがもうすぐなんで家に帰って勉強しようかなって想って 。」

「テストかぁ 。」

「はい。」

( ……この沈黙は、何?←)


「 実はなぁ、今日俺の誕生日やねん 。」

「えっ?」

「テスト勉強大切って分かってるんやけど、
 俺とこれから一緒にお茶せぇへん?」

「 私と ですか?」

「 おん 。」

( これはもしや、脈アリと言うものですか?!←)


「 やっぱり、アカン よね 。」

淋しそうな顔。
私が見たいのは…… 。

「 いえっ 。
 別に勉強なんかは明日からでも大丈夫なんで 。」

「 ほんま ?」

満面の笑顔が見れた瞬間、
すぐに、視界が変わる。
( 彼の服のチェックの模様が視界いっぱい!)

傘がバランスを崩して、
地面に転がる。

「 えっ ちょ 。」

「んっあっごめん、つい嬉しくなってもうて 。」

彼はすぐに私から離れた 。


さっきまで冷たいと感じた雨 。

ぎこちない距離感も、
彼の無邪気さによってすぐに縮む 。

(お誕生日おめでとうと、好きですって言葉、伝えたいな!)


◆1月8日(木)
今日は、大好きな人の記念日です!← 
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