レッツ ファイト 🔥

逃さない…！

夫と結婚して、
5年になる。

夫は出世して、
私に専業主婦になっていいといった。

私も出世を夢みてバリバリ働きたかったのだが、
出産の事を考えろと言われ、
家に入った。

出世した夫は、
責任も増え、
多忙になった。

うっかり昼寝してしまって、
夫の帰宅前に夜ご飯を準備出来なかった時があって、

「お前、なにしてんだよ？！」と、
夫は帰ってくるなり、
ダラダラしていた私を見て、
大声で怒鳴った。

それから夫は、

家にいるだけの私を詰ることで、
ストレス発散しだしたのだ。



「お前さ、掃除もまともにできねぇーの？」と、明日やる予定だった玄関のことで私は呼び出された。

いつから、
夫は偉そうに私のことを
お前と呼ぶようになったのか。


「お前、本当に俺と結婚できてよかったな？」

「お前みたいな無能なやつ、
誰ともやってけないよ！」

と、私をバカにして、
口を大きく開けて笑いだした夫。


私はその大きく開いた口を見逃さなかった。


シュッと夫の口目掛けて、
拳を繰り出した。

笑い出していた夫の目は、
私の向かってくる拳を見つけ、
目が点になる。

シュッ。


夫は咄嗟に口を閉じて、
前歯に拳が当たった。

「な、なんだよ？！」


「あんまりに大きく開けるから、
私の手入るかな？っておもっただけだよ！」と微笑むと、

「へ、へぇー。おれ、寝る。から。」と、
夫は寝室へ上がって行った。


前歯をおる気は1ミリもなくて、
本当に口が大きく開いてたから、
拳入りそうってだけでパンチを繰り出してしまった。

私、どうしたのかしら？


私に当たることでストレス発散する夫に悲しくはなるけど、
夫の仕事は大変だし、
私は自由気ままな主婦で生活してるしなぁと思っていたのに。

私には、野心があったのだ？


それから、夫の小言は減り、
怒鳴りそうになる時に拳を握って見せると、
夫はまあいいけどさと怒鳴らなくなった。



私は鼻歌を歌いながら、
今日も掃除機をかけた。