スープ

神奈川雪枝

文字の大きさ
1 / 1

スープ

しおりを挟む
私は野菜が嫌いだ。
どうしても食べられない。

私は肉が好きだ。
毎日だって食べたい。

私は175㎝だ。
その身長で、
街を歩いている時にスカウトされた。

楽しかった。

色んな服を着れて。
着飾って貰えて。
美しく写真を撮って貰えて。

でも、
忙しかった。

私はストレスに弱い。
肌に現れてしまう。

毎日の化粧で、
肌が悲鳴をあげていた。

肌荒れには、
ビタミン。
野菜を食べようと思った。
でも、
やっぱり、無理だった。
余計、
ストレスになった。
ストレス発散のはずの食事が、
ストレスの原因になってしまった。

せめて、
飲もうと思った。
飲んでみた。

ダメだった。

余計味が濃縮していて、
ダメだった。

悩んだ。
モデルの疲れよりも、
どうしたら野菜が食べられるようになるのかと、
めちゃくちゃ悩んだ。

本末転倒した。
肌荒れを直す為に食べたいと思った野菜が、
食べれなくて、
肌荒れを助長するのだ。

困った。

今まで生のまま、
そのままで食べる事だけに
注目していた。

熱を加えればいいのだ。
初めて火を見つけたような感じだった。

加熱は、偉大だった。
野菜が、
甘くなる。
しゃきしゃきとした食感も、
加減される。

スープにしたら、
全然食べれた。
良かった。

むしろ、
今では野菜スープが大好きだ。

モデルのショーにも呼ばれた。
野菜スープのおかげで、
肌荒れは治り、
毎日お肉を食べていたから、
足の筋肉もばっちりだ。

よかった。
全てがうまくいった。

今日もありがとうと、
私は今日も野菜を煮込む。

ほっと一息つけるこの時間は、
かけがいのない贈り物だ。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

Husband's secret (夫の秘密)

設楽理沙
ライト文芸
果たして・・ 秘密などあったのだろうか! むちゃくちゃ、1回投稿文が短いです。(^^ゞ💦アセアセ  10秒~30秒?  何気ない隠し事が、とんでもないことに繋がっていくこともあるんですね。 ❦ イラストはAI生成画像 自作

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

妻への最後の手紙

中七七三
ライト文芸
生きることに疲れた夫が妻へ送った最後の手紙の話。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

処理中です...