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当たり前すぎて気づかなかったよ
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私と颯太は、
高校から仲良くなった。
3年間同じクラスで、
同じ委員会。
部活も同じ。
気づけば、
いつも隣にいた。
「けいこ!」
「こ、つけないでよ!
バカ颯太!」
「は?バカなわけないだろ?
この前のテスト、俺の方が点高かっただろ?」
「うっさい!」
帰り道も途中まで一緒で、
いつも下らない事話して帰った。
お気に入りの喫茶店。
外観が素敵で気になって、
思わず立ち止まってしまう。
「なにみてんの?」
「ここのお店、素敵じゃない?」
「いつも立ち止まるもんな!」
「でも、なんか大人の雰囲気感じない?」
「なんだそれ?」
「気になるのになぁ。」
「今度の日曜日、一緒にいく?」
「え?」
「気になるんだろ?」
「う、うん。」
「部活も休みだしなぁ!
行こうぜ!」と笑う颯太。
(ありがとう。)
お気に入りの水色のストライプのワンピースを着て、
駅で待ち合わせをした。
颯太は既にきていて、
私に気づくと、
「おせぇよ!」と、笑った。
休みの日に会うのは、
この日が初めてだった。
緊張して、
気になっていた喫茶店に入った。
店内もジャズが流れていて、
素敵だった。
颯太も緊張してるみたいに見えた。
私たちはアイスコーヒーを頼んでみた。
飲んでみると、
苦くて驚いた。
颯太を見ると、
颯太も目を丸くしていた。
私たちは目を合わせて、
笑いあった。
そんな私たちの笑い声が聞こえたのか、
店主のおじいさんがやってきて、
「こうした方がいいんじゃないかい?」と、
ミルクを注いでくれた。
カフェオレになって、
いつも飲んでるコーヒー牛乳より
少し大人の味がした。
ホットケーキも食べた。
家で焼くのとは比べらないくらい、
厚いホットケーキ。
ふかふかで美味しかった。
(来れて良かった。)
その日をきっかけに、
私たちは休みの日に出かけるようになった。
友達から、
「ねぇ、林くんと付き合ってるの?」と
何度か聞かれたが、
「いやいや、ただの男友達だよ!」と、
私は否定した。
出かけても
手も繋がないし、
何より告白もしてないし、されてない。
女友達と遊ぶのと同じなのだ。
颯太も地元の大学に行くかと思ってたのに、
県外の大学に行くと聞いたのも、
卒業式の日に聞いたくらいだ。
颯太だって、
私の事は気が合う女友達だとしか思ってないのだろう。
「颯太と会えなくなるね。」
思わず、ポロッと呟いていた。
「なんだよ。」
「颯太と遊ぶの楽しかったのになぁ!笑」
「会えるだろ。」
「会えないじゃん!遠いもん!」
「俺、一生向こうにいる訳じゃないから笑」
第二ボタンもくれなかったし、
欲しいと思わなかった。
だけど、
走ってきた後輩の女の子が
目を潤ませながら、
ボタン下さいっていったら、
ぶちってとってあげてた颯太に、
なんだか、モヤモヤした。
大学生活は、
なんか自由だった。
颯太とは、LINEで連絡をとりあっていた。
本当に下らない話が尽きなくて、
私たち。
颯太は、
月1、帰省してきた。
その度に私たちは、
会った。
お酒を飲める年齢になったから、
私たちは夜に会うようになって、
居酒屋に行くようになった。
「けいー、何飲む?」
「レモンサワーの気分!」
「いつもじゃん笑」
「颯太は?ビール?」
「当たり前!」
毎日LINEして、
月1で帰省する颯太と夜居酒屋に行って、
下らない話をして、
笑って、
本当にただそれだけ。
酔った勢いで一線を超えることもなくて。
お互い恋愛の影もないし、
私と颯太の間に愛が生まれることもない。
そんな関係は社会人になっても続いた。
颯太は、大学を卒業して、
地元に就職すると思ってたけど、
更に遠い都会へ就職した。
それでも、
月1帰ってきてくれた。
会うのが当たり前になっていた。
ある夏の事だった。
「花火見たい。」と、
いきなり、颯太が呟いた。
「花火?そういえば、今年も花火もうそろそろだった気がした。」
「違う!ここの街のじゃなくて!」
「え?」
「花火、見にこない?」
「え??」
「向こうの花火、規模が違うから、
1回は見といた方いいと思うんだよね。」
酔ってるなぁー!?と颯太の顔をみたら、
真っ赤な顔して真顔だった。
(いつもきてもらってるもんな!)と、
「行くよ!」と、返事をした。
旅行なんて全然しないから、
一人で向かうのはかなり緊張した。
駅まで颯太は迎えにきてくれた。
颯太の顔をみたら、凄く安心した。
この日の颯太はいつもとなんか違った。
「浴衣、着よう!」
「え?」
そういって、私の手を掴んで、
ずんずん進んだ。
近くのファッションセンターに連れてこられた。
浴衣を買うと、
俺の家で着替えてと、
また歩き出した。
「ちょ、ちょっと!
私、浴衣なんて着たことないよ?!」
「スマホで着方調べて!
俺風呂場で着替えてくるから!」
「ちょっと!」
クーラーのきいたリビングで、
スマホを取り出す。
(結ぶの難しい。)
四苦八苦して、なんとか着れた。
よれてるけど。
「けい?着た??」
「うん。」
颯太も浴衣を着ていた。
(なんだ、これ?)
なんか面白くて、
吹き出してしまった。
「な、なにわらってんだよ?!」
「私たちこんなキャラだっけ?
祭りに浴衣きる陽キャか?笑」
「たまには!いいだろっ!!」
耳が赤くなった颯太。
夕方前に
花火を見る場所へ向かった。
沢山の人混みだった。
(都会は違うな!)
「はぐれるなよ。」と、
颯太は私の手を握った。
「う、うん。」
颯太と手を繋ぐなんて、
初めてで、
変な感じ。
屋台の焼きそばとかたこ焼きを食べながら、花火を待った。
空が暗い。
BGMに乗って、
花火が上がる。
(確かに、地元の花火とは格が違う!!)
大迫力の花火に私は感動した。
花火が終わると、
みんな帰り出すので、
人の群れが凄かった。
颯太はやっぱりまた私の手を握った。
(颯太の背中って、こんなに広かった?)
人混みを抜けたら颯太は振り返って、
「俺の家で飲まない?」と、
聞いてきた。
「そうだね!」と、
私は返事をした。
途中、コンビニによって、
お酒とお菓子、つまみをかった。
「カップラーメン食いたいな。」と、
颯太はカップラーメンもカゴにいれた。
「ええー!太るよ?」
「まだ若いから大丈夫!」
昔と変わらない。
たまに会っても、いつでも昔のまま。
(楽しい。)
颯太の家につくと、
私たちは缶チューハイを開けた。
呑んで食べて話して笑って。
時間は進む。
楽しいけど疲れて眠くなってきた。
缶チューハイ、あと1口残ってたよね?と、
缶チューハイに手を伸ばしたのに、
酔って掴み損なって、
中身を浴衣に零してしまった。
「ああ、ごめん。」
「なに、やってんだよぉ。」と、
颯太はティッシュをとって、
私の零したチューハイを拭く。
颯太も酔っていて、
私の濡れた太ももの所をゴシゴシとふく。
浴衣がはだけて、
私の太ももが顔を出す。
「自分で、拭くから。」と、
颯太の手を掴む。
颯太と目が合った。
颯太の顔が近づいてくる。
(え、え、え??)
そのまま、私たちは唇を重ねた。
「浴衣、すごい似合ってる。」と、
颯太は囁く。
「ちょっと。」
「けい。」と、
颯太は私の髪の毛を耳にかける。
髪をどかされた私の首元に、
颯太は唇を這わせた。
「よ、よってるの?!」
「うん。」
「もう、寝ようよ!じゃあ!」
「俺たちもう大人だよ。」
「いや、でもぉ。」
「けい。」
そのまま私は颯太に押し倒されて……。
ぱっと目を開けたら、
朝だった。
裸だった。
血の気が引いた。
急いで服を着て、
私は颯太の家を飛び出した。
(ありえない。)
だって、颯太だよ?
高校生の時からずっと知ってる颯太だよ?
(颯太、凄い男らしかった。)
昨日の夜のことを思い出して、
私は真っ赤になった。
(無理無理無理。)
(颯太に裸見られた。)
(私、あんな声だして。)
(恥ずかしいっ!!!!!!!!!!!)
私は地元に帰った。
颯太から連絡が来たけど、
意味が分からなくて、
返事をしなかった。
ああいう行為は、
好き合ってる恋人がするもんだと思ってた。
友達ですることじゃない!
私が返事をしないのに、
颯太からは連絡が来る。
返事しなきゃって思うのに、
思い出して無理になる。
休みの日で寝ていたら、
お母さんが私のことを呼んだ。
私は未だに実家暮らしなのだ。
「颯太くん、きてるわよ。」
お母さんのその言葉をきいて、
私は飛び起きた。
(え、え、え、?!)
鏡を見れば、寝癖。
よれよれの寝間着のTシャツ姿。
(無理ぃ。)
いそいで、適当にワンピースをきて、
髪をひとつに束ねた。
化粧してる暇は無さそうだ。
玄関に行くと、
颯太がいた。
「よ!」と、てをあげる。
(ど、どういうつもり?!)
とりあえず、
私は外に出た。
颯太は後をついてくる。
「なぁ。」
「なに?!」
「なんで、返事くれないの?」
「それは。」
「なんで、この前帰ったの?」
颯太の方に振り向く。
颯太は真っ直ぐに私を見ていた。
「なんでって、
私たち、友達じゃん!!」
「うん。」
「友達なのに、ありえないよ!!」
「それは、ごめん。」
「お酒の勢いとか、最低だよ!」
「それは、違う。」
「私、あんな事颯太としたくなかった!」
「俺は、ずっとしたかったよ。」
「は?何言ってんの?」
「けいは、俺の事友達って思ってるよね?」
「当たり前じゃん!」
「俺は、高校生の時からずっと、
好きだったよ。」
「うそつかないでよ!」
「嘘なわけないだろ?」
「だって、今までずっと。」
「うん、ずっと、甘えてきた。
友達ならずっと、一緒に居られるから。」
「颯太、おかしいよ。
そんな嘘ついてまで私としたかったの?」
「俺は、けいに会いたくて
月1で、帰省してたんだよ。」
「いやいや、ホームシックだっていってたじゃん?!」
「冗談に決まってるだろ?」
「颯太は、私のこと、
本当に好きなの?」
「ずっと好きだったよ。
告白しないでしちゃったのは悪いと思ったよ。
だから、朝起きたらちゃんと謝って、
告白しようと思ったのに、
けい、居なくなってたから。」
颯太の肩は丸まっていた。
友達だと思ってたのは、
私だけだったの?
今までの颯太と過ごしてきた楽しい時間が
なんだか塗りつぶされた気がした。
「返事、今はできない。」
私はそういって、
颯太と疎遠になった。
颯太から連絡は来てたけど、
返事をしないと連絡は来なくなった。
あんなに毎日LINEしてたのに。
月1で飲んでたのに。
私から颯太は消えた。
ふとした時に、
いつもの感じで
颯太に他愛の無い話をLINEしそうになる。
なんか呑みたいなって時に颯太の顔が浮かぶ。
私と颯太は、
一緒に居すぎた。
簡単に手放せない。
颯太は、
朝逃げた私に会いに来てくれたのに、
冷たくしちゃった。
まず、謝ろう。
そう思って、
私は颯太の元へ向かった。
うろ覚えの記憶を頼りに、
颯太のアパートへ向かった。
久しぶりにLINEしたけど、
既読がつかない。
もうすぐ、23時だ。
(颯太はなにしてるのか?)
アパート前にタクシーが止まる。
酔っ払った颯太と、
女の人が降りてきた。
「先輩、ここ家ですか?」
「ああ、ありがとう。」
女の人に支えられて颯太がやって来る。
部屋の前にいる私を見て、
颯太は目を見開いた。
「けい?!」
「先輩、誰ですか?」
「けい、なんで?!」
「LINEしたんだけど。」と、呟く。
「え、そうなの?ごめん、今日飲んでて。」
「颯太、その子誰なの?」
「え、会社の後輩だよ。
今日相談あるって言われて。」
「どうも、後輩です。
先輩のなんですか?」
「恋人です!」
「え、先輩この前振られたって言ってましたけど?!」
「けい?」
「颯太は、私のモノなの!
気軽に触らないで!」と、
私は颯太にくっついてる女を離した。
「先輩、この人なんなんですか?!」
「颯太、この前はごめん。
私も、颯太が居るのが当たり前すぎて、
気づいてなかった。
颯太は、私の大切な人だよ。」
「けい。」と、
颯太は私を抱きしめてくれた。
それを見た後輩の女は
「意味わかんない。」と、立ち去った。
「なんで、私以外の女とお酒飲むの?」ときけば、
「もう会えないと思ったから。」と
颯太は泣いた。
まるで、long distance relationship。
(「好きじゃなきゃ月1でこの距離で会いに行かないよ。」)
高校から仲良くなった。
3年間同じクラスで、
同じ委員会。
部活も同じ。
気づけば、
いつも隣にいた。
「けいこ!」
「こ、つけないでよ!
バカ颯太!」
「は?バカなわけないだろ?
この前のテスト、俺の方が点高かっただろ?」
「うっさい!」
帰り道も途中まで一緒で、
いつも下らない事話して帰った。
お気に入りの喫茶店。
外観が素敵で気になって、
思わず立ち止まってしまう。
「なにみてんの?」
「ここのお店、素敵じゃない?」
「いつも立ち止まるもんな!」
「でも、なんか大人の雰囲気感じない?」
「なんだそれ?」
「気になるのになぁ。」
「今度の日曜日、一緒にいく?」
「え?」
「気になるんだろ?」
「う、うん。」
「部活も休みだしなぁ!
行こうぜ!」と笑う颯太。
(ありがとう。)
お気に入りの水色のストライプのワンピースを着て、
駅で待ち合わせをした。
颯太は既にきていて、
私に気づくと、
「おせぇよ!」と、笑った。
休みの日に会うのは、
この日が初めてだった。
緊張して、
気になっていた喫茶店に入った。
店内もジャズが流れていて、
素敵だった。
颯太も緊張してるみたいに見えた。
私たちはアイスコーヒーを頼んでみた。
飲んでみると、
苦くて驚いた。
颯太を見ると、
颯太も目を丸くしていた。
私たちは目を合わせて、
笑いあった。
そんな私たちの笑い声が聞こえたのか、
店主のおじいさんがやってきて、
「こうした方がいいんじゃないかい?」と、
ミルクを注いでくれた。
カフェオレになって、
いつも飲んでるコーヒー牛乳より
少し大人の味がした。
ホットケーキも食べた。
家で焼くのとは比べらないくらい、
厚いホットケーキ。
ふかふかで美味しかった。
(来れて良かった。)
その日をきっかけに、
私たちは休みの日に出かけるようになった。
友達から、
「ねぇ、林くんと付き合ってるの?」と
何度か聞かれたが、
「いやいや、ただの男友達だよ!」と、
私は否定した。
出かけても
手も繋がないし、
何より告白もしてないし、されてない。
女友達と遊ぶのと同じなのだ。
颯太も地元の大学に行くかと思ってたのに、
県外の大学に行くと聞いたのも、
卒業式の日に聞いたくらいだ。
颯太だって、
私の事は気が合う女友達だとしか思ってないのだろう。
「颯太と会えなくなるね。」
思わず、ポロッと呟いていた。
「なんだよ。」
「颯太と遊ぶの楽しかったのになぁ!笑」
「会えるだろ。」
「会えないじゃん!遠いもん!」
「俺、一生向こうにいる訳じゃないから笑」
第二ボタンもくれなかったし、
欲しいと思わなかった。
だけど、
走ってきた後輩の女の子が
目を潤ませながら、
ボタン下さいっていったら、
ぶちってとってあげてた颯太に、
なんだか、モヤモヤした。
大学生活は、
なんか自由だった。
颯太とは、LINEで連絡をとりあっていた。
本当に下らない話が尽きなくて、
私たち。
颯太は、
月1、帰省してきた。
その度に私たちは、
会った。
お酒を飲める年齢になったから、
私たちは夜に会うようになって、
居酒屋に行くようになった。
「けいー、何飲む?」
「レモンサワーの気分!」
「いつもじゃん笑」
「颯太は?ビール?」
「当たり前!」
毎日LINEして、
月1で帰省する颯太と夜居酒屋に行って、
下らない話をして、
笑って、
本当にただそれだけ。
酔った勢いで一線を超えることもなくて。
お互い恋愛の影もないし、
私と颯太の間に愛が生まれることもない。
そんな関係は社会人になっても続いた。
颯太は、大学を卒業して、
地元に就職すると思ってたけど、
更に遠い都会へ就職した。
それでも、
月1帰ってきてくれた。
会うのが当たり前になっていた。
ある夏の事だった。
「花火見たい。」と、
いきなり、颯太が呟いた。
「花火?そういえば、今年も花火もうそろそろだった気がした。」
「違う!ここの街のじゃなくて!」
「え?」
「花火、見にこない?」
「え??」
「向こうの花火、規模が違うから、
1回は見といた方いいと思うんだよね。」
酔ってるなぁー!?と颯太の顔をみたら、
真っ赤な顔して真顔だった。
(いつもきてもらってるもんな!)と、
「行くよ!」と、返事をした。
旅行なんて全然しないから、
一人で向かうのはかなり緊張した。
駅まで颯太は迎えにきてくれた。
颯太の顔をみたら、凄く安心した。
この日の颯太はいつもとなんか違った。
「浴衣、着よう!」
「え?」
そういって、私の手を掴んで、
ずんずん進んだ。
近くのファッションセンターに連れてこられた。
浴衣を買うと、
俺の家で着替えてと、
また歩き出した。
「ちょ、ちょっと!
私、浴衣なんて着たことないよ?!」
「スマホで着方調べて!
俺風呂場で着替えてくるから!」
「ちょっと!」
クーラーのきいたリビングで、
スマホを取り出す。
(結ぶの難しい。)
四苦八苦して、なんとか着れた。
よれてるけど。
「けい?着た??」
「うん。」
颯太も浴衣を着ていた。
(なんだ、これ?)
なんか面白くて、
吹き出してしまった。
「な、なにわらってんだよ?!」
「私たちこんなキャラだっけ?
祭りに浴衣きる陽キャか?笑」
「たまには!いいだろっ!!」
耳が赤くなった颯太。
夕方前に
花火を見る場所へ向かった。
沢山の人混みだった。
(都会は違うな!)
「はぐれるなよ。」と、
颯太は私の手を握った。
「う、うん。」
颯太と手を繋ぐなんて、
初めてで、
変な感じ。
屋台の焼きそばとかたこ焼きを食べながら、花火を待った。
空が暗い。
BGMに乗って、
花火が上がる。
(確かに、地元の花火とは格が違う!!)
大迫力の花火に私は感動した。
花火が終わると、
みんな帰り出すので、
人の群れが凄かった。
颯太はやっぱりまた私の手を握った。
(颯太の背中って、こんなに広かった?)
人混みを抜けたら颯太は振り返って、
「俺の家で飲まない?」と、
聞いてきた。
「そうだね!」と、
私は返事をした。
途中、コンビニによって、
お酒とお菓子、つまみをかった。
「カップラーメン食いたいな。」と、
颯太はカップラーメンもカゴにいれた。
「ええー!太るよ?」
「まだ若いから大丈夫!」
昔と変わらない。
たまに会っても、いつでも昔のまま。
(楽しい。)
颯太の家につくと、
私たちは缶チューハイを開けた。
呑んで食べて話して笑って。
時間は進む。
楽しいけど疲れて眠くなってきた。
缶チューハイ、あと1口残ってたよね?と、
缶チューハイに手を伸ばしたのに、
酔って掴み損なって、
中身を浴衣に零してしまった。
「ああ、ごめん。」
「なに、やってんだよぉ。」と、
颯太はティッシュをとって、
私の零したチューハイを拭く。
颯太も酔っていて、
私の濡れた太ももの所をゴシゴシとふく。
浴衣がはだけて、
私の太ももが顔を出す。
「自分で、拭くから。」と、
颯太の手を掴む。
颯太と目が合った。
颯太の顔が近づいてくる。
(え、え、え??)
そのまま、私たちは唇を重ねた。
「浴衣、すごい似合ってる。」と、
颯太は囁く。
「ちょっと。」
「けい。」と、
颯太は私の髪の毛を耳にかける。
髪をどかされた私の首元に、
颯太は唇を這わせた。
「よ、よってるの?!」
「うん。」
「もう、寝ようよ!じゃあ!」
「俺たちもう大人だよ。」
「いや、でもぉ。」
「けい。」
そのまま私は颯太に押し倒されて……。
ぱっと目を開けたら、
朝だった。
裸だった。
血の気が引いた。
急いで服を着て、
私は颯太の家を飛び出した。
(ありえない。)
だって、颯太だよ?
高校生の時からずっと知ってる颯太だよ?
(颯太、凄い男らしかった。)
昨日の夜のことを思い出して、
私は真っ赤になった。
(無理無理無理。)
(颯太に裸見られた。)
(私、あんな声だして。)
(恥ずかしいっ!!!!!!!!!!!)
私は地元に帰った。
颯太から連絡が来たけど、
意味が分からなくて、
返事をしなかった。
ああいう行為は、
好き合ってる恋人がするもんだと思ってた。
友達ですることじゃない!
私が返事をしないのに、
颯太からは連絡が来る。
返事しなきゃって思うのに、
思い出して無理になる。
休みの日で寝ていたら、
お母さんが私のことを呼んだ。
私は未だに実家暮らしなのだ。
「颯太くん、きてるわよ。」
お母さんのその言葉をきいて、
私は飛び起きた。
(え、え、え、?!)
鏡を見れば、寝癖。
よれよれの寝間着のTシャツ姿。
(無理ぃ。)
いそいで、適当にワンピースをきて、
髪をひとつに束ねた。
化粧してる暇は無さそうだ。
玄関に行くと、
颯太がいた。
「よ!」と、てをあげる。
(ど、どういうつもり?!)
とりあえず、
私は外に出た。
颯太は後をついてくる。
「なぁ。」
「なに?!」
「なんで、返事くれないの?」
「それは。」
「なんで、この前帰ったの?」
颯太の方に振り向く。
颯太は真っ直ぐに私を見ていた。
「なんでって、
私たち、友達じゃん!!」
「うん。」
「友達なのに、ありえないよ!!」
「それは、ごめん。」
「お酒の勢いとか、最低だよ!」
「それは、違う。」
「私、あんな事颯太としたくなかった!」
「俺は、ずっとしたかったよ。」
「は?何言ってんの?」
「けいは、俺の事友達って思ってるよね?」
「当たり前じゃん!」
「俺は、高校生の時からずっと、
好きだったよ。」
「うそつかないでよ!」
「嘘なわけないだろ?」
「だって、今までずっと。」
「うん、ずっと、甘えてきた。
友達ならずっと、一緒に居られるから。」
「颯太、おかしいよ。
そんな嘘ついてまで私としたかったの?」
「俺は、けいに会いたくて
月1で、帰省してたんだよ。」
「いやいや、ホームシックだっていってたじゃん?!」
「冗談に決まってるだろ?」
「颯太は、私のこと、
本当に好きなの?」
「ずっと好きだったよ。
告白しないでしちゃったのは悪いと思ったよ。
だから、朝起きたらちゃんと謝って、
告白しようと思ったのに、
けい、居なくなってたから。」
颯太の肩は丸まっていた。
友達だと思ってたのは、
私だけだったの?
今までの颯太と過ごしてきた楽しい時間が
なんだか塗りつぶされた気がした。
「返事、今はできない。」
私はそういって、
颯太と疎遠になった。
颯太から連絡は来てたけど、
返事をしないと連絡は来なくなった。
あんなに毎日LINEしてたのに。
月1で飲んでたのに。
私から颯太は消えた。
ふとした時に、
いつもの感じで
颯太に他愛の無い話をLINEしそうになる。
なんか呑みたいなって時に颯太の顔が浮かぶ。
私と颯太は、
一緒に居すぎた。
簡単に手放せない。
颯太は、
朝逃げた私に会いに来てくれたのに、
冷たくしちゃった。
まず、謝ろう。
そう思って、
私は颯太の元へ向かった。
うろ覚えの記憶を頼りに、
颯太のアパートへ向かった。
久しぶりにLINEしたけど、
既読がつかない。
もうすぐ、23時だ。
(颯太はなにしてるのか?)
アパート前にタクシーが止まる。
酔っ払った颯太と、
女の人が降りてきた。
「先輩、ここ家ですか?」
「ああ、ありがとう。」
女の人に支えられて颯太がやって来る。
部屋の前にいる私を見て、
颯太は目を見開いた。
「けい?!」
「先輩、誰ですか?」
「けい、なんで?!」
「LINEしたんだけど。」と、呟く。
「え、そうなの?ごめん、今日飲んでて。」
「颯太、その子誰なの?」
「え、会社の後輩だよ。
今日相談あるって言われて。」
「どうも、後輩です。
先輩のなんですか?」
「恋人です!」
「え、先輩この前振られたって言ってましたけど?!」
「けい?」
「颯太は、私のモノなの!
気軽に触らないで!」と、
私は颯太にくっついてる女を離した。
「先輩、この人なんなんですか?!」
「颯太、この前はごめん。
私も、颯太が居るのが当たり前すぎて、
気づいてなかった。
颯太は、私の大切な人だよ。」
「けい。」と、
颯太は私を抱きしめてくれた。
それを見た後輩の女は
「意味わかんない。」と、立ち去った。
「なんで、私以外の女とお酒飲むの?」ときけば、
「もう会えないと思ったから。」と
颯太は泣いた。
まるで、long distance relationship。
(「好きじゃなきゃ月1でこの距離で会いに行かないよ。」)
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