CYL?

神奈川雪枝

文字の大きさ
1 / 1

見たらどうなるかな?

しおりを挟む
「あの!」

雨が降っていた。
突然の雨だった。

バス停で待って居た私に、
雨で濡れたあなたは、
声をかけてくれた。

「次の〇〇町に行くバス、
何時に来ますか?」

「え?」

「眼鏡無くしちゃって!
視力弱くて見えなくて!」

「あぁ。〇〇町ですね、えっと……。」
時刻表を見て、伝えた。

「ありがとうございます。」

それが出会いだった。

私は容姿があまり良くなくて、
異性から声を掛けてもらうのは初めてで。

(嬉しかった。)

たまにバス停であうその人を見つけては、
私は微かに期待する。

眼鏡をしてないその人に
私は何度か声をかけられて、
友達になった。

「新しく眼鏡を作ってるんだ。
乱視が酷いから時間が掛かるみたいでさ。」

今はピントが合わないという昔の眼鏡を借りて、見ている。

酔っちゃうくらいぐにゃぐにゃに見える。

裸眼の彼の視界は、
どんな風に見えてるんだろ?

ピントがあった眼鏡をかけて
私をみたら、
彼はがっかりするんだろうか……。

そんな事を思いながら、
日々は過ぎて、
夜彼から、
「新しい眼鏡出来たら、
明日からは美優ちゃんのこと
ちゃんと見れるから
楽しみ!」とメールが届いた。

心臓が凍りつく。

ああ、もう終わりなんだ。
と、別れを感じる。

いつもより早く起きて、
髪を整える。

髪の毛をどんなに整えたって、
顔の造形は変わらない。

鏡を見て、
自分でがっかりする。

足が重い。

バス停が見えた。

彼も見える。

楽しかった思い出が風と共に通り過ぎてく。

「美優ちゃん!」

「お、おはよう。」

「おはよう!」と、
眼鏡をかけた彼は笑顔で私に話しかける。

いつもと同じだった。

(顔みたのに??)

「美優ちゃん、良かったら俺たち付き合わない?」

「え?」

「美優ちゃんの優しい所が好きなんだ。」と、
彼と目が合う。

そんな嬉しい言葉言ってもらえると思わなくて、涙が出た。

「私も崇くんの優しい所がすきだよ。」と伝える声が震えた。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

可愛らしい人

はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」 「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」 「それにあいつはひとりで生きていけるから」 女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。 けれど、 「エレナ嬢」 「なんでしょうか?」 「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」  その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。 「……いいえ」  当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。 「よければ僕と一緒に行きませんか?」

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

一途な恋

凛子
恋愛
貴方だけ見つめてる……

【完結】真実の愛はおいしいですか?

ゆうぎり
恋愛
とある国では初代王が妖精の女王と作り上げたのが国の成り立ちだと言い伝えられてきました。 稀に幼い貴族の娘は妖精を見ることができるといいます。 王族の婚約者には妖精たちが見えている者がなる決まりがありました。 お姉様は幼い頃妖精たちが見えていたので王子様の婚約者でした。 でも、今は大きくなったので見えません。 ―――そんな国の妖精たちと貴族の女の子と家族の物語 ※童話として書いています。 ※「婚約破棄」の内容が入るとカテゴリーエラーになってしまう為童話→恋愛に変更しています。

【完結】シュゼットのはなし

ここ
恋愛
子猫(獣人)のシュゼットは王子を守るため、かわりに竜の呪いを受けた。 顔に大きな傷ができてしまう。 当然責任をとって妃のひとりになるはずだったのだが‥。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

「やはり鍛えることは、大切だな」

イチイ アキラ
恋愛
「こんなブスと結婚なんていやだ!」  その日、一つのお見合いがあった。  ヤロール伯爵家の三男、ライアンと。  クラレンス辺境伯家の跡取り娘、リューゼットの。  そして互いに挨拶を交わすその場にて。  ライアンが開幕早々、ぶちかましたのであった。  けれども……――。 「そうか。私も貴様のような生っ白くてか弱そうな、女みたいな顔の屑はごめんだ。気が合うな」

6回目のさようなら

音爽(ネソウ)
恋愛
恋人ごっこのその先は……

処理中です...