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私なんか悪い事しましたっけ?
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大人の男に平手打ちをされて、
私は床に転がる。
その間に今まで男運のない人生だったなと短い走馬灯を感じた。
思い起こせば、
私は長女として生まれたけど、
父親は、男の子が欲しかったと
一瞬悔やんでしまったという話を、
成人式の日の夜にご馳走を食べてる時に聞いた。
多分、その時に呪いにかかったんだと思う。
幼稚園では、
寝相の悪い太郎くんの隣ばっかりだったし。
余りに私に蹴りをいれてくるから、
寝相悪いよって階段の踊り場に連れてきて、
目を見て行ったら、
鼻水垂らしたぽっちゃり太郎くんが、
鼻息を荒くして、
「沙都子ちゃんは、僕のことが好きってこと?」という話を1ミリもきいてない状態で、
「なわけないでしょ。」と言いかけた時に、
肩を掴まれて、
ちゅーされた。
年長の時だもん、
覚えてる、
私の初チュー返してよ。涙
それから、
太郎くんは、私と両思いだと勘違いして
目が合えば手を振ってきたりしてきた。
(うげ。)
気持ち悪いと語源化できない。
小学校も同じだと知った時は絶望した。
でも、卒園式の時に、
親の転勤で引っ越すときいて、
私はその時初めて笑顔で太郎くんに
「さようなら。」と声をかけた。
やっと居なくなったー!
と思ったら、
小学校でいじめっこのあきらくんに目をつけられて、👎👎最悪。
もう学校に行きたくないと泣いて母親に助けてとSOSを出した。
母親は教師にその事を告げたが、
教師は沙都子ちゃんの思い込み過ぎじゃないか?と笑ったそうだ。
あきらくんとは、
中学校も同じで、
いじめは続いた。
「おい、ブス。」
「……。」
「ブスのくせにシカトこいてんじゃねーよ!」
あきらくんは、野球部で、
中学校で坊主にした。
そのせいで、私は坊主恐怖症だ。
私は勉強に精をいれ、
あきらくんとは別の高校へ。
高校では何故か勧誘された
演劇部に入部した。
演劇部には、かなり美形の先輩がいた。
自分とは住む世界が違うと線引きしていたのに、
たまに2人きりになったりして、
その美形の先輩が気さくに話しかけてきて、
仲良くなっていった。
美形の先輩が卒業した春休みに、
連絡が来て、
デートしない?と言われた。
私はドキマギしながら、
その日を迎えた。
美術館にいって、
カフェでランチして、
今親居ないからさ、
ゲームしよって先輩の家に行った。
「ハマってるって、なんのゲームですか?」
「ゲームより楽しいこと、したいな。」と、
先輩は、私の手を握った。
「な、なんですか、それ。」
「もっと、仲良くなりたいな。」と、
先輩は私の耳元に囁いて、
そのまま服を脱がせられて、
処女を捨てた。
私はてっきり、
先輩の彼女になったんだと思って
連絡を待ったけど、
先輩からは連絡もなくて、
電話も繋がらなくて。
新学期が始まって、
部活に顔を出すと、
演劇部は異様な空気で、
どうしたの?と聞くと、
沙都子ちゃんは大丈夫だよね?と言われ、
何が?ときくと、
美形の先輩は、
春休みに連絡先を知ってる部員に声をかけて、やり捨てまくったという話だった。
血の気が引いた。
美形の先輩の節操ないせいで、
演劇部、みんなきょうだい。
(笑えない。)
美形が私なんかに優しくするわけないと拗れた。
大学では、勉強のみにうちこみ、
夜はバイトをした。
バイト先の居酒屋も恋愛渦巻いていた。
同い年には注意を払っていた。
「沙都子ちゃん!」
バイトリーダーの夏背さんは既婚者だ。
みんなに気さくで、仕事もできて、
人気者だ。
たまにあるバイト先での飲み会。
テストの点数が良くなくて、
ちょっとやけ酒した私は酔ってしまって、
夏背さんが送ってくれる事になった。
ウトウトしていて、
目を開けると広いベッドに寝ていた。
服を着てない……?!
隣には夏背さんが寝ていた。
(不倫?!)
血の気が引いた。
夏背さんとの関係を壊せなくて、
馴れ馴れしく話しかけてくる夏背さんとも愛想よく会話した。
何度か誘われたけど、
のらりくらりと交したら、
夏背さんのターゲットは変わったので
ホッとした。
入社した会社は女ばかりで、
やっと男から離れられると思ったのに、
通勤電車でちかんにたまに会う。
泣き寝入りする毎日に涙が出てくる。
そんなちかんをとめてくれたのが、
のちの夫だ。
私たちは初対面から惹かれあい、
順調に愛を育み、
結婚をした。
優しい優しい夫だった。
世の中にはこんないい人もいるんだと、
私は天を仰ぐ。
そんな自分を恥じたい。
仕事で後輩に先を越された日から、
夫は私に暴力を振るうようになった。
冒頭の平手打ちも、
何回目のビンタだろうか。
もう痛いとかない。
殺したい。
(ああ、なんで神様。)
(私はこんなにも男運がないのですか。)
夫と離婚して、
今は高齢ストーカーにあってる。
私のどこにそんな魅力が?
いい加減にしてよ!
もううんざり!
私は床に転がる。
その間に今まで男運のない人生だったなと短い走馬灯を感じた。
思い起こせば、
私は長女として生まれたけど、
父親は、男の子が欲しかったと
一瞬悔やんでしまったという話を、
成人式の日の夜にご馳走を食べてる時に聞いた。
多分、その時に呪いにかかったんだと思う。
幼稚園では、
寝相の悪い太郎くんの隣ばっかりだったし。
余りに私に蹴りをいれてくるから、
寝相悪いよって階段の踊り場に連れてきて、
目を見て行ったら、
鼻水垂らしたぽっちゃり太郎くんが、
鼻息を荒くして、
「沙都子ちゃんは、僕のことが好きってこと?」という話を1ミリもきいてない状態で、
「なわけないでしょ。」と言いかけた時に、
肩を掴まれて、
ちゅーされた。
年長の時だもん、
覚えてる、
私の初チュー返してよ。涙
それから、
太郎くんは、私と両思いだと勘違いして
目が合えば手を振ってきたりしてきた。
(うげ。)
気持ち悪いと語源化できない。
小学校も同じだと知った時は絶望した。
でも、卒園式の時に、
親の転勤で引っ越すときいて、
私はその時初めて笑顔で太郎くんに
「さようなら。」と声をかけた。
やっと居なくなったー!
と思ったら、
小学校でいじめっこのあきらくんに目をつけられて、👎👎最悪。
もう学校に行きたくないと泣いて母親に助けてとSOSを出した。
母親は教師にその事を告げたが、
教師は沙都子ちゃんの思い込み過ぎじゃないか?と笑ったそうだ。
あきらくんとは、
中学校も同じで、
いじめは続いた。
「おい、ブス。」
「……。」
「ブスのくせにシカトこいてんじゃねーよ!」
あきらくんは、野球部で、
中学校で坊主にした。
そのせいで、私は坊主恐怖症だ。
私は勉強に精をいれ、
あきらくんとは別の高校へ。
高校では何故か勧誘された
演劇部に入部した。
演劇部には、かなり美形の先輩がいた。
自分とは住む世界が違うと線引きしていたのに、
たまに2人きりになったりして、
その美形の先輩が気さくに話しかけてきて、
仲良くなっていった。
美形の先輩が卒業した春休みに、
連絡が来て、
デートしない?と言われた。
私はドキマギしながら、
その日を迎えた。
美術館にいって、
カフェでランチして、
今親居ないからさ、
ゲームしよって先輩の家に行った。
「ハマってるって、なんのゲームですか?」
「ゲームより楽しいこと、したいな。」と、
先輩は、私の手を握った。
「な、なんですか、それ。」
「もっと、仲良くなりたいな。」と、
先輩は私の耳元に囁いて、
そのまま服を脱がせられて、
処女を捨てた。
私はてっきり、
先輩の彼女になったんだと思って
連絡を待ったけど、
先輩からは連絡もなくて、
電話も繋がらなくて。
新学期が始まって、
部活に顔を出すと、
演劇部は異様な空気で、
どうしたの?と聞くと、
沙都子ちゃんは大丈夫だよね?と言われ、
何が?ときくと、
美形の先輩は、
春休みに連絡先を知ってる部員に声をかけて、やり捨てまくったという話だった。
血の気が引いた。
美形の先輩の節操ないせいで、
演劇部、みんなきょうだい。
(笑えない。)
美形が私なんかに優しくするわけないと拗れた。
大学では、勉強のみにうちこみ、
夜はバイトをした。
バイト先の居酒屋も恋愛渦巻いていた。
同い年には注意を払っていた。
「沙都子ちゃん!」
バイトリーダーの夏背さんは既婚者だ。
みんなに気さくで、仕事もできて、
人気者だ。
たまにあるバイト先での飲み会。
テストの点数が良くなくて、
ちょっとやけ酒した私は酔ってしまって、
夏背さんが送ってくれる事になった。
ウトウトしていて、
目を開けると広いベッドに寝ていた。
服を着てない……?!
隣には夏背さんが寝ていた。
(不倫?!)
血の気が引いた。
夏背さんとの関係を壊せなくて、
馴れ馴れしく話しかけてくる夏背さんとも愛想よく会話した。
何度か誘われたけど、
のらりくらりと交したら、
夏背さんのターゲットは変わったので
ホッとした。
入社した会社は女ばかりで、
やっと男から離れられると思ったのに、
通勤電車でちかんにたまに会う。
泣き寝入りする毎日に涙が出てくる。
そんなちかんをとめてくれたのが、
のちの夫だ。
私たちは初対面から惹かれあい、
順調に愛を育み、
結婚をした。
優しい優しい夫だった。
世の中にはこんないい人もいるんだと、
私は天を仰ぐ。
そんな自分を恥じたい。
仕事で後輩に先を越された日から、
夫は私に暴力を振るうようになった。
冒頭の平手打ちも、
何回目のビンタだろうか。
もう痛いとかない。
殺したい。
(ああ、なんで神様。)
(私はこんなにも男運がないのですか。)
夫と離婚して、
今は高齢ストーカーにあってる。
私のどこにそんな魅力が?
いい加減にしてよ!
もううんざり!
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