etc…♡

ああ、楽しかったな。

四国の生活は、
質素に暮らした。

仕事して、
家に帰って寝て、
起きて、
また仕事に行って。

ずっと、
こんな生活が続くと思った。

(バチって当たるんだね。)

健康診断で引っかかって、
検査したら、
病気だった。

私は入院した。

家にいる時よりも、
閉鎖的だった。

治療をしてるのに、
進行が早くて、
中々良くならない。

ベッドから窓の外を見る。



「まどか？」



幻聴かと思った。

「やっと、会えた……。」

広徳だった。

「な、なんで？」

「めちゃくちゃ探したんや。」

(なんで、そんなに私の事？)

「まどかには、
俺しか居らんっていうたやろ？」
と、広徳が私を弱く抱きしめる。

抱きしめ返そうと、
私は自分の指を見る。

病院でげっそり細くなっていた。

涙が出る。

広徳と同棲した時に、
もっと甘えれば良かった。

仕事大変だから、
家の事お願いしてもいい？って言えば、
きっと広徳はしゃーないなって言ってくれたのに。

一人で抱え込んで、
抱えきれなくて、
感情的になったから、
上手くいかなかった。

もっと、
広徳に甘えればよかった。

こんなに好きなのに。

好きなのに、
別れなきゃよかった。

別れたから、
色んな人を傷つけてしまった。

馬鹿だ、私。



それから、
広徳は毎日顔を出してくれて。

「仕事、どうしてるの？」ときけば、
四国支店に移動したと笑った。

(ああ、神様。
私今なら迷わず広徳と一緒になるって、
迷わずに選択するのに。
意地悪だね、体調が凄く悪いよ。)



冬は寒くて、
体が縮こまって、
ダメだね。

春を前に、
私は長い眠りについた。

広徳は、最後まで手を握ってくれて、
「まどか！」と声を掛けてくれていた。

(ごめんね。)