Love after 25 years ?!(25年目の恋心)

神奈川雪枝

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2025年、冬。

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いい匂いがして、
目が覚めた。
隣を見ると、まちがいない。

台所から物音が聞こえる。

起き上がって台所に行くと、
まちがいた。

「まち、おはよう?」

「あ、おはよう!とおるくん!」

「何作ってるの?」

「お雑煮だよ!」

「お雑煮か、いいね!
起こしてくれたらよかったのに。」

「いいよ、とおるくんぐっすり寝てたし!」

俺は冷蔵庫から
届いたおせちを取り出して、
食卓に並べた。
おせちは、
まちが選んだキャラクターのおせちだ。
(今ってこんなおせちあるんだ?)

お雑煮が出来て、
食卓につく。

「「いただきます!!」」

「お雑煮なんか食うの久しぶりかも。」

「あ、そうなの?」

「正月、実家に顔だすだけで、
ほぼ俺寝正月だから。
コンビニで適当に買って過ごしてた。」

「とおるくんらしいね。笑」

「まちは、正月どう過ごしてた?」

「でも、私もそんな感じ!
実家に顔だして、
初売り行ったりとかはしてたかな!」

「初売りね、めっちゃ混むじゃん。」

「そうそう、
でも何か気になっちゃって行っちゃう!笑」

「まちらしいな。笑」

「お雑煮なんか、
お母さんが作るやつしか
たべたことなかったよ!
まさか、
自分で作る日がくるとはってかんじ!笑」

「めっちゃおいしいよ!
まち、料理上手くなったんじゃない?」

「嬉しい、ありがとう!」

平和だ。
テレビも浮かれてるし、
穏やかな朝だ。

まちがお雑煮作ってくれたから、
食器洗いは俺がした。

時計を見れば、
11時25分だった。

「なんか、緊張するね?」

「何着てく?」

昨日は冗談で、
ペアルックのチェックシャツを着て
挨拶に行こうだなんていったけど。

「どうしよっか?」

「悩むな。」

悩んだ結果、
お互い
余所行きのキレイめカジュアルにした。

(ペアルック着て結婚しますみたいな
ノリで行く勇気なかった。)

お互い、
それぞれの親に正月に顔を出すとは、
連絡したけど、
結婚の挨拶するとは、
話していない。

(こんな緊張して、
実家に行く事あるか?)

「とおるくん、準備できた?」

「おう!」

「とおるくん、指輪忘れてる!」

「あ、マジだ?!」

「よし、行こう!」

まちも緊張してるみたいだった。
(でも、
まちって俺と付き合うってなった時は、
すぐに親に報告してたよな?
結婚となると、やっぱり別物か?)

外は寒い。
うっすら雪が積もっていた。

電車に乗って、
実家に向かう。

最初はまちの家から行くことにした。

まちの実家について、
まちが呼び鈴を押す。

「まち?開いてるから入ってきて!」と、
まちのお母さんの声が聞こえた。

まちを先頭に玄関に入る。

パタパタとまちのお母さんが出迎えにきた。

「まち、いらっしゃい。」と言いながら、
まちの後ろに立つ俺に
気づいたまちのお母さんは、驚いていた。

「と、とおるくん?」

「ご無沙汰してます!」

「凄い久しぶりに見たわ。
どうぞ、上がって。」

まちのお母さんは、
何で俺も一緒に来たのか、
勘づいたようだった。

「お父さんー、まちととおるくんも
いらしたわよ。」と、先を歩く。

心臓がドクドクする。

まちのお父さんは、リビングにいて
テレビを見ていた。

「とおるくんか、久しぶりだね。」と、
俺に笑いかける。

笑い方がまちと同じだった。

「あけましておめでとうございます。」と
挨拶をして、席に着く。

まちのお母さんがお茶を入れてくれて、
4人顔を合わせる。

沈黙。

(俺から言わなきゃダメだよな!)

「あの!」

「とおるくん、
まちと付き合ってるってきいたわ!」

「あ、はい。付き合ってます。」

「不思議な縁ねぇ。」

「昔からまちは、
とおるくんのこと好きたたもんな。」
と、まちのお父さんが笑う。


「あの、俺とまち、さんは、
結婚しようと思ってまして!
今日はその挨拶も兼ねて、
伺いました!」

口が緊張でうまくまわらない。

「まぁ、結婚。」と、
まちのお母さんが驚く。

「いいんじゃないか、なぁ、まち?」と、
お父さんがまちの顔を見る。

「うん!
とおるくんの事大好きだから、
お嫁さんになれて、嬉しい。」と、
まちが笑う。

それから、
何きっかけで付き合うようになったとか、
同棲生活は楽しくしてるかとか、
雑談をした。

時計を見ると、
15時25分だった。

「あ、すいません、
俺の家にも挨拶に行きたいので、
そろそろ。」
と俺が言うと、

「そうね、挨拶行かないとね!
もう夕方になるわね。」と、
まちのお母さんが笑う。

まちの実家を出る。

俺の実家、
隣。

休む暇がない。笑

「とおるくんの実家に行くの、
久しぶりだなぁ。」と、
まちがいう。

「俺も盆に顔出したくらい。」と、
呼び鈴を押す。

今年のお盆は、
まちとプールに行って
一線を超えた衝撃が大きすぎて、
ほぼ記憶がないけど、
確かに顔を出して、
墓参りに行った。

その時に母親から、
「まちちゃんと仲良くしてるの?」
と聞かれて、
ぶっきらぼうに
「おぅ。」という会話をしたのは、
覚えている。

この時はまだ恥ずかしくて。
妹みたいな存在のまちに手を出した事に
なんか罪悪感があって。

でも、今は胸を張って、
まちと付き合ってるって言える。

「とおる?」

「そう、俺。」

がちゃりと、ドアがあく。

「とおる。
まちちゃんも、いらっしゃい。」と、
母親が迎える。

「おじゃまします。」
と、まちがはいる。

父親はリビングで酒を飲みながら
テレビを見ていた。

「お父さん、ただいま。」
と声をかける。

「おう、とおるか!
おかえり!」と、父親はほろ酔いみたいだ。

俺の後ろにいるまちを見て、
父親は驚く。

「ま、まちちゃん、なのか?」

「お久しぶりです、お義父さん。」と、
まちが頭を下げる。

「いや、珍しいね、
まちちゃんととおるが
一緒にいるなんて!」

どうやら、
母親は俺とまちがつきあってることを、
父親には話していないみたいだ。

「さ、まちちゃん、座って!」と、
母親が促す。

母親は
シュークリームと珈琲を出してくれた。

まちを連れていくと話してなかったけど、
いつもと違う何かを感じて、
まちも来ると
勘づいていたのかもしれない。

「まちちゃん、
とおるくんと今も仲良くしてたんだね?」
父親が話しかける。

「お父さん、
俺、今まちと付き合ってるんだ。」

「え、そうなの?!
それは意外だね。」

「で、俺たち、
結婚しようと思ってるんだ。」

「結婚?!」
父親はかなり驚いていた。

「まちちゃんととおるが、結婚??!!」

「そうだよ。
今も一緒に暮らしてるんだ。」

「そうなの?
俺全然知らないよ。笑」

「お父さんごめんなさい、
私は知ってたの。」と母親がいうと、
父親はまた驚いてた。

「えー、そうなの?!
俺だけ蚊帳の外?!笑」

緊張したけど、
言ってしまえば、
あとは仲のいい親との会話に花が咲いた。

時計を見ると18時25分だった。

「俺たちらそろそろ帰るよ。
長い時間ごめんね。」と、席を立つ。

「え、帰るの?
夕飯食べていって!」

「いいよ、気にしないで。」

「いやいや、ご飯用意してるから!」と、
言われたので
夕飯も食べて行くことにした。

そしたら、
俺の母親とまちの母親で、
絶対結婚の挨拶だみたいな感じに
なってて、
夕飯には、
まちの両親も呼ぶことになっていた。

(相変わらず、
五十嵐家と双葉家は仲がいいな。)

楽しく食卓を囲う。

昔に戻ったみたいだった。
俺とまちが小学生の頃は、
こうして、盆と正月は、
両家でご飯を食べていたっけ。

(懐かしい。)

俺もまちもお酒を飲んで、
ほろ酔いだ。

時計を見ると21時25分だった。

(そろそろ、帰るか。)

まちに声をかけると、
「そうだね。」と、頬が赤いまち。

「俺たち、そろそろかえるよ!」

「そうなの?
泊まってけばいいのに?」と、
言われたけど、
「いや、帰る!」と、
何度かやり取りをして、
帰路につく。

「とおるくん、お疲れ様。」

電車でまちが俺の肩に頭を寄りかける。

「ああ、緊張したな。」

「でも、
普通に喜んでくれてよかったなぁ。」

「そうだな!
反対されてたらと思うと怖いな。笑」

「怖い怖い!笑
ちょっと心配だった!」

「あー、確かにな。」

まちと手を繋ぐ。

何だか、ホッとした。

お互いの親に結婚の報告をして、
笑顔で受け入れてもらえて、
すごくほっとした。

まちとは本当の兄妹ではないけど、
年の差もあるし、
嫌な顔されたらと、
少し心配していたから。

年の差、
実は少し引っかかってる。

まちの忘年会の時に
絡んできた男に言われた、
おじさんという言葉。

(俺ってそんなに老けてる?)

ペアリングして、
プロポーズもして、
親への挨拶も済ませた。

俺たちは認められたって安心する。

(まちのこと、絶対大切にする。)って
ウトウトしてたから、
降りる駅になった。

「とおるくん、起きて!笑」と、
まちが手を引く。

「うん。」と、
ヨロヨロと歩く。

外は暗く、
一段と冷えていた。

「寒いな。」と、
マフラーをしめなおす。

「冷えるねぇ。」と、
まちの耳が赤くなっていた。

家に着いて、
そのまま、
湯船をためた。

「狭いけど、一緒に入る?」ときくと、
「いいねぇ!」と、
まちが笑う。

風呂掃除をして、
お湯を溜めてまちを探すと、
まちが台所で何かしていた。

「なにしてるの?」

「ん?
みかん食べない?」

「風呂で?!笑」

「うん!笑」

まちは、お酒も用意していた。

「羽目はずねぇ。笑」

「今日だけ!特別!笑」

二人で服を脱いで、
体を洗う。

湯船に浸かる。

(狭い。)

二人で密着して、
湯船に浸かる。

まちが準備した、
みかんとお酒を楽しむ。

風呂でなんという、
背徳感。

「みかん、おいしいね?」

「ああ、甘いな。」

夕飯でも酒を飲んでいたから、
風呂でも飲んで直ぐに酔っ払った。

目の前には、
裸のまち。

我慢しろと言う方が、
無理がある。

「まち。」と、
まちを抱きしめて、
キスをする。

まちも酔っていて、
眠そうな目をしていた。

そのまま、
風呂でして、
ベッドでもした。

俺たちの姫はじめ。
(0時25分だった。)

長い1月1日が終わった。

その後は、昼前まで爆睡した。

まちが、
「初売り行きたいなぁ!」というので、
行ってみることにした。

(混んでる。)

まちは欲しかったものを、
何とか買えたみたいで
満足そうな顔をしていた。

夜は、焼肉を食べに来た。
(美味そう。)

肉を焼きながら話をする。

「初詣、いってないね?」

「ああ、そうだった!」

「明日行く?」

「行くか。」

肉をたらふく食って満腹だ。

次の日は朝ちゃんと起きて、
初詣に行った。

1月3日なのに、
混んでる。

「人凄いな、はぐれるなよ?」

「うん。手繋いでるから大丈夫!」

お守りを買って、
帰宅する。

「ココ最近人混みばっかみるな!笑」

「年末年始は混むよね!」

まちがお茶をいれてくれたので、
ひと休み。

そういえば、
俺は同棲をきに、
禁煙開始したのだった。

やっぱり、
まちは吸わないし、
なんか気が引けて。

最初は外いる時数本吸ったりしてたけど、
今はもう全く吸わなくなっていた。

でも、ああいう人混みとかの帰りだと、
煙草が恋しくなったりはする。

でも、まちのためなら、
俺は我慢する。

まちから、
煙草やめてよとは
言われたことはないけど。

俺のせいで、
煙草吸ってないまちに肺がんリスクが
高くなるのは忍びないからな。

あとの連休は家で映画みたりして、
ゆっくり過ごした。

映画みながら、
「コタツ恋しいよね。」って話になった。

「でも、冬しか使わないからな。」

「そうだけどさ、
きっとあったかいよ?」

「それは思うけど!」

結局、来年また考えようって話に
落ち着いたのだった。

まちは、七草粥というものを作った。

「なにこれ?」

「七草粥知らない?」

「知らない!」

「私も初めて食べる!」

ネット見てたら、
流れてきて、
作ってみたという。

「ほら、
私たち行事はベタに楽しもうって
2人じゃないですか。笑」

「あぁ。笑」

まだそのノリ続いてたんだと思いながら、
食べる。

「お粥じたい、食べるの久しぶり。」

「あんまり食べないよね。」

「でもあったかくていいかもな。」

「うん!体あったまるね!」

仕事が始まり、
朝と夜、寒い外の中を通勤する。

正月ボケで働く。
仕事の時間が長く感じる。

そんな中の三連休は有難い。

(成人の日か。)

成人式とか、
10年前なのに、
かなり昔に感じる。

まちの成人式の時、
俺なにしてたんだろ?

「まちって、成人式出た?」

「ん?出たよ!」

「着物着たんだ?」

「きたよぉ!」と、
まちが、携帯の写真を探す。

「ほら、これだよ!」と、
写真を見せるまち。

(可愛い。)

20歳のまち。
今よりあどけなくて。

最近は、まちの髪の毛が長くなって、
少女ってよりも、
女性な感じを感じる。

「とおるくんは、スーツだったよね!」

「ああ、袴ではなかったな。笑」

「まち、覚えてるよ!」

「え、俺の成人式の時会ったっけ?」

「うん!」

記憶を辿る。
大学生の時だから、
実家にいたはず。



ああ!

成人式に行く前に、
家の前で写真撮ろうって
母親が言い出して、
別に撮らなくてもいいって、
俺が話してたら、
隣の家のまちの母親と、
まちが出てきて、
写真とってもらったな。

なんなら、
まちと二人でもとったな。

「思い出した?笑」

「思い出した、
まちが、
私とも撮ろうっていったんだよね。笑」

「だって、
なんかスーツきてるとおるくん、
大人に見えたんだもん!」

「今じゃ、毎日着てるけどな。笑」

「毎日素敵だよ!笑」

そんなこんなで、
月日は流れて、
1月25日になる。

(まちの誕生日だ。)

よく思い出したと言いたい。
まちって、何でも話す割に、
出しゃばらないとかいうか、
控えめというか!

誕生日だから、
〇〇買ってって言いそうなのに、
言わないから、
危なくスルーするところだった。

(だって、
まちの誕生日
最後にちゃんとお祝いしたの、
小学生の時とかじゃない?!)

仕事終わり、
雑貨屋とかに寄り道して、
プレゼントを探すけど、
イマイチしっくりこない。

まちって、意外と物少ないんだよな。
無駄なものがないというか。

(まあ、俺も物少ない方だから
気が合うといえばそうだけど!)


1月25日のデートプランも、
頭を悩ます。

(外寒いからな。)

1週間位考えて、
当日を迎えた。

当日は、
まちより早く起きて、
ホットサンドを作った。

「とおるくん?!
おはよう!」

俺が先に起きてることに驚いたまちが、
慌てて台所にやってきた。

「おはよう、まち!
朝ごはん出来たら
起こしに行こうかと思ってたのに!笑」

「いやいや!」

「まち、誕生日おめでとう。」

「え、覚えてくれてたの?」

「なんとか!笑」

「え笑
絶対覚えてないと思った。笑」

「昔はお祝いしてたよね、
小学生の時とかさ!」

「うん、懐かしい!
とおるくんが反抗期になったから!笑」

「いやいや!笑」

朝ごはんを食べる。

「美味しい!」

「だろ?」

「ホットサンドメーカー、
いいよね!」

「いいの、買ったよな!」

ホットサンドメーカーは、
正月に行った初売りで
なんか安かったから、
買って見たやつだった。

「今日、どこに出かけるの?」と、
まちが目を輝かせる。

「お楽しみ!
さあ、着替えて行くぞ!」

「おー!」

来たのは、映画館。
まちの好きな監督の最新作のホラー映画。

「え、これみていいの?
とおるくん、
怖くて嫌だって言ってなかった?」

「怖いよ!
でも、まちが見たそうだったから!」

「わあ、楽しみ!」

映画は、怖くて何度か目を逸らした。

映画が終わると、
まちは、「やっぱりいい作品だったな!」と、満足していた。

(怖すぎるから、
新作5年に1本とかにしてほしい。)

昼は、
まちが気になると何度か言っていた、
行列のできるラーメン屋に来た。

開店前に並ぶ事に成功した。
それでも結構人いるけど!

今回は、
まちとの会話を思い出して、
まちの希望を叶えるプランを考えてみた。

並びながら、
「とおるくん、
まちの話よく聞いてたんだね?」と
驚いていた。

「聞いてないと思ってた?」

「いつも、携帯ゲームしてるから。笑」

「聞いてんだよ!」

寒い中並んで、
食べるラーメンはあったかくて、
美味かった。
(並ぶだけあるな。)

ラーメンを食べ終わり、
「この後は?」とまちがいう。

「寒いから、カラオケ行かない?」
というと、
「とおるくんの歌聞けるんだ?」と、
まちがはしゃぐ。

カラオケは、
まちが何度か行かない?といっていたが、
俺が歌上手くないから、
なんか恥ずかしくて、
今まで避けていた。

カラオケボックスに、
2人きり。
(なんか緊張する。)

どっちが最初に歌うかって、
ジャンケンした。

まちが先に歌う事になった。

(声、可愛い。)

まちの歌声を聴きながら、
デンモクと睨めっこする。

(何歌えば?!)

無難に
流行りのヒットソングを歌う事にした。

緊張して、
声が震えた。

まちはニコニコ聞いていた。

最初こそ緊張してたけど、
一緒歌ったりして、
楽しく過ごして、
あっという間に退室の時間になった。

アウターを着ながら、
「暑くなった~!」と、
まちが手のひらでパタパタと
高揚した頬を手のひらで仰ぐ。

「楽しかったな。」

「また行こうね!」

「うん。」

手を繋いで、
夜飯に予約した個室居酒屋に向かった。

「「乾杯!!」」

お酒を頼んで乾杯する。

腹八分目くらいになったところで、
店員さんに合図をして、
ケーキを運んでもらった。

まちは驚いて、
「え、すごーい!」と、
手を叩いて喜んだ。

「ハッピーバースデー、まち!」というと、
「ありがとう!」と、
まちは、ロウソクに息を吹きかけた。

「ケーキ美味しい!」と食べるまちに、
カバンから小さな紙袋を取り出した。

「これ、プレゼント!」

「え、プレゼントもあるの?!
ありがとう、とおるくん!」と、
まちが受け取る。

「開けてもいいの?」

「むしろ、開けてくれ!笑」

プレゼントをあけたまちは、
「可愛い!」と、
俺がプレゼントした腕時計を取りだした。

「まち、時計は毎日してるから!」

「うん、
買い換えようかなって
思ってたところだったの!」

「まじ?」

「今日のとおるくん、
冴えてるね?
まちの頭の中見たの?笑」

「だろ?」
1週間考えて良かった。

ご機嫌なまちと、
帰る。

「今日楽しかった!
ありがとう、とおるくん!」

「良かったよ、喜んでくれて!」

家に帰って、
お風呂に入る。

まちがお風呂に入ってる間に、
シャンパンを準備する。

風呂から出たまちは、
シャンパンを見て驚く。

「え、それも今日のためだったの?!」

「そうですよ、お姫様。」

テーブルに並べた、
フルーツカクテル、
チーズと生ハムとクラッカー、
おつまみなどをみて、
「とおるくん、
夜にこんなに食べたら、
太っちゃう!笑」と笑った。

「今日だけ、特別だよ!笑」

深夜も俺たちの宴は続いた。

(土曜日なら良かったのに。)

朝4時ごろに寝ようかって寝て、
6時に起きた。
月曜日だもん、起きなきゃね。涙

2人して寝ぼけたまま
あんまり腹減ってないけど、
朝ごはんにヨーグルトを食べて、
出勤した。

寝る前に酔ったまちが、
満面の笑みで、
「とおるくん、大好き」っていって
爆睡したのが、俺のハイライト!

まちって、
まちのために俺が頑張ったら、
ちゃんと愛で返してくれる。
だから、
俺もまたまちの喜ぶ顔が見たくて、
頑張っちゃうんだよな!

2月になった。

どこもかしこも、
バレンタインチョコを置いている。

陽気なバレンタインソングが
どこの店にいっても鳴っている。

社会人になってから、
会社の人の義理チョコを貰うだけの
イベントだった。

(今年は、まちがいる!)

まちは、どんなチョコをくれるんだろ?
まちを見つめる。

「とおるくん、何?!」
まちはキョロキョロする。

「いや、別に。」

「変なの!笑」

「変じゃないし!笑」

2月13日金曜日の仕事を終え、
帰路に着く。

バレンタインは明日。

まちが先に帰っていた。
「おかえり!ご飯もうすぐできるよ!」
仕事が落ち着いたので、
俺たちは
またミールキットを再開していた。

夜ご飯を食べて、
テレビ見てわらって、
風呂はいって、
ドラマみて、

「とおるくん、寝よ?」ってまちが言った。

(俺ずっとソワソワしてるのに!?)

ベッドでなんかあるのかな?
って考えたけど、
ベッドに入りなり、
まちはすぐに寝た。

(きっと、明日?!)

なんかソワソワして寝れない。

朝起きて、
一緒に朝ごはん準備して、
食べて、
「今日どうする?」ってまちが聞いてきた。

(もう俺はソワソワして疲れた!)

(だから、聞く!)

「まち。
今日って、その、バレンタイン、
だよね?」

「ああ、バレンタインか!」

(え?)

(あんなにイベント大好きなまちが、
バレンタインは、
そんな低いテンションなの?!)

軽くショックを受ける俺。

「とおるくん、もしかして、
昨日からバレンタイン楽しみにしてた?」

(う、そうです。)

「とおるくん、
チョコ好きじゃないんだよね?」

(ああ、そうなの?俺って?)
目をぱちくりすると、
まちも目をパチクリさせた。

「とおるくん、
チョコ好きじゃないと思って!」

「いやいや、そんなことないよ。」

「チョコ、作ってはあるんだよ。」と、
まちが冷蔵庫から取り出す。

(手作り!!)

「とおるくん、
バレンタイン興味ないと思って、
夜のデザートに軽い感じで
出そうかなくらいにしか考えてなかった!
ごめんね!」

「俺こそ、なんか気を使わせてごめん。」

そのまま、
チョコを食べさせあって、
寝た。

まちのくちも俺のくちも、
口移しでチョコを食べるから、
チョコで汚れた。

その日は久しぶりに、💥  ̖́
一日中、まちを抱いた。

(こんな日もいいよね。)


プロポーズしてから、
何もしてない訳ではなくて、
結婚情報雑誌を買って、
二人で読んだりしてる。

2月25日に、
席を入れようって決めた。

婚姻届って、
色んな種類がある。

まちの好きなキャラクターのも
あったから、それにした。

一発描きなの、
めっちゃ緊張する。

証人は、お互いの父親に頼んだ。

何とか書き上げた婚姻届。
前日に準備が整った。

「ついに!明日かぁ!」
と、まちがしみじみ言う。

「緊張するな。」

「うん、明日雨じゃないよね?!」

「晴れみたいだよ!」

「良かった!
クリアファイルに入れてるけど、
濡れて滲んだら嫌だよね!」

「確かにな。」

二人で今日も手を繋いで寝る。

朝になった。

アラームがなって、
目が覚める。
2人して目を合わせて、
笑う。

天気は予報通り晴れ。

朝ごはんを食べて、
役場に行く。

こんな紙切れだけど、
いや、この紙が、
俺とまちを繋ぐんだ。

役場で受理された。
事務的に。

紙を出しただけなので、
実感が湧かないけど、
今日から、
まちは、
五十嵐まちから、
双葉まちになった。

「ふふふ。」と、
まちがニヤける。

「双葉家へようこそ!笑」

「本当に家族になったねぇ。」

「それな。」

二人で手を繋いで歩く。

今日から、
俺とまちは家族、
夫婦になったんだ。

嬉しくて、顔がニヤける。

でも、手続き多くて疲れた。笑

夜は家でゆっくりご飯を食べた。

2月が終わる。

3月になって、
家に帰ると、
まちがオシャレしてた。

「どうしたの?」

「今日はひな祭りだよ!」

「ああ。」

「本当は着物着たかったけど、
ないから、
この前買ったワンピースきてみた!」

「似合うね、可愛いよ!」

「えへへ、ありがとう!」

まちは、ちらし寿司を作っていた。

「ちらし寿司なんか、
食うの久しぶりだよ!笑」

「ねぇ、意外と作るの力仕事だったの~。」

「扇いだの?」

「そうそう!
盛り付けも頑張ったよ!」

「確かに可愛いね。」と、
ちらし寿司の写真を撮る。

食後、
まちは、
「雛あられもかってみた!」
と甘酒と出してきた。

「相変わらず、ベタだな。笑」

「いいじゃん!
イベントは楽しまないとね!笑」

甘酒飲むの、
いつぶり?

雛あられなんて、
子供の時以来だな。笑

「子供、女の子だったら、
雛人形買わないとね!」

「男の子だったから、
五月人形か!」

「楽しみだね、
私ととおるくんの子供!」

「作っちゃう?笑」

「もう少し、
二人でイチャイチャしてたいな。笑」

「甘えん坊だもんな。笑」

俺とまちの子供か。
まちに似たら凄い可愛くなるな!

まちと結婚して、
急に遠い出来事だと思ってた
ライフステージが、
身近に感じる。

甘酒で体があったまって、
直ぐに寝た。

段々気温も高くなってきて、
冬が終わろうとしていた。

ホワイトデーになった。
まちに何しようかなって考えて、
クッキー作ることにした。笑

お菓子作ったことないけど。

お菓子を作る俺を見て、
「まちも手伝うよ?」
っていってくれたけど、
一人で作る俺!

大きい♡型のクッキーを作った!

チョコペンで、
まちと書く。
(むずい、線がふにゃふにゃになる。)

焼きあがったクッキーをまちに見せる。

「わあ、大きい!笑」

「俺の愛!笑」

「でも食べる時割っちゃう~。」

「かじりつけよ!笑」

二人でバキバキ折って食べた。
俺の♡粉々。笑

実はプロポーズしてから、
結婚式の準備はしていて、
3月25日に、
挙式あげることになっている。

式場、意外と混んでいて、
その日じゃなくすると、
できる日が結構先になるから、
早い気もしたけど、
その日に決めた。

式場は、
まちが気になっていたチャペルのある所。

まち、
結婚に興味ないのかと思ってたけど、
話すとめちゃくちゃこうしたいって
言ってくれて、
勇気出してプロポーズしてよかったなって思った。

まちなりに、
俺に焦らせたくなくて、
結婚の話しにくかったって言われて、
俺もまちの事急かしたくなくて、
言えなかったって言ったら、
「お互い、気にしすぎたね。」
って、笑った。

ドレスの試着の時、
まちが綺麗で泣きそうになった。

まちは、スタイルがいいから、
ドレス何でも似合うから、
選ぶの難しかった。

「まちの好きなのにしなよ?」

「えー、とおるくんは、
どのドレスが好きなの?」

「種類あり過ぎて、
選べないよ!笑」

俺も、
タキシードの試着してみて、
身が引き締まった。

親と親戚と、
気心知れた友人数人を呼ぶ、
中規模な結婚式にした。

最初は家族だけにしようかみたいな話も
でたけど、
まちが、
友達の結婚式に参加してみて、
私もしたいなって思えたから、
まだ結婚してない友達にも見てもらって、
なんかのきっかけになったりしたら、
嬉しいなって話すから、
友人を呼ぶことにした。

でも、結婚式って決めることが沢山ある。

時間を見つけては、
まちと話し合って、
式場の人とも、
話し合って決めていった。

お色直しのドレスも、
悩んだ。
(まち、どんな色も似合いすぎ。笑)

髪型もヘアメイクさんと打ち合わせして、
決めた。

式場の方から
色んなプランを紹介されると、
全部素敵に思えて。
でも、プラス料金だったりして。苦笑。

予算を見ながら、
プランを決めていく。

引き出物とかも、
種類豊富過ぎて!笑

BGMももう、
悩んだ。

一生に一度の晴れ舞台なんだって思うと、
一度決めたのに、
本当にこれでいいのか?って数時間後に
モヤモヤして。

まちと二人で作り上げた。

プロポーズから時間なくて、
仕事の合間に決めて、
バタバタ忙しかったけど、
充実してたな。

今日がその日、
3月25日。

25って数字が、
俺たちには、
特別で。

俺は4月25日が誕生日で、
まちは、1月25日が誕生日。

籍いれるなら、
25日しかないよねって話して、
式場が抑えられたのが、
3月25日だから、
その前に籍入れたいってなって、
2月25日になった。

前日の夜は、
まちと、
「ついに、明日だね。」
って話して、
中々寝れなくて、2人して。
小声で寝る前でボソボソ話した。

朝もソワソワして、
アラームが鳴る5分前に目が覚めた。

それは、まちも同じで、
二人で笑った。

朝ごはんを食べて、
式場に向かう。

お互い、
動きの最終確認をして、
それぞれ、
メイク。

勿論、俺の方が先に整って、
一人深呼吸。

暫くすると、
まちの方も準備が整ったって言われて、
まちの控え室に行く。

大きな窓から日差しが入ってて、
陽に照らされた
真っ白なウェディングドレスを着た
まちは、
今まで見たどのまちよりも、
美しかった。

……。

思わず、息を飲んだ。

言葉が出なくて。

まちと会った
小さい頃のやんちゃなまちとか、
学生のまちとか、
見てきた色んなまちの姿が、
フラッシュバックして、
泣きそうになった。

目を潤ませる俺を見て、
まちは、
照れくさそうに、
「どうかな?」と聞く。

「似合ってるよ。」というと、
まちも、
「とおるくんも、素敵だよ。」と、
はにかんだ。

挙式の時間になって、
俺とまちは移動する。

チャペルで先に待つ俺。

まちのお義父さんと、
まちがバージンロードを歩いて、
やって来る。

誓いの言葉を終えて、
まちのヴェールを上にあげる。

(綺麗だ。)

誓いのキスをする。

あんなに妹みたいだったまちが、
こんな素敵な女性になって、
俺の伴侶になった。

俺はやっぱり、
歓喜余って、
目がうるうるした。

そういえば、
ヘアメイクの打ち合わせの時に、
「髪の毛長いですから、
色んなアレンジできますね。」って、
ヘアメイクさんに言われてて、
家に帰った時に、
「この為に伸ばしてたのー?」って、
冗談で聞いたら、
「実は!」とまちが照れて、
「まじで?」と、俺が驚いて、
「とおるくんともしかしたらって思って、
伸ばしてたの!」と、俺の肩を叩いた。

まちから、
結婚のサインがあったのに、
俺、全然気づかなかった。

挙式が無事に終わって、
披露宴。

まちが、
お色直しをする。

ウェディングドレスとは違って、
髪の毛を下ろしてるまち。

それはそれで、
綺麗で見惚れる。

キャンドルサービスをして、
ケーキカットして、
ケーキを食べさせあって。

余興を見ながら、
笑って。

色んな人と着飾った俺たちは、
笑顔で写真を撮って。

結婚式って、めでたいな。って思って。

まちと俺は、
それぞれ両親に手紙を書いて、
読んだ。

俺もまちも泣いて、
親も泣いてた。

夢みたいな時間で。

でも、
それも最後に笑顔で見送って終わって。

夜遅くに家に帰ってきた。

家はいつも通りで。

結婚式が夢なんじゃないかと思えた。

「終わったねぇ。」

「終わったよ。」

二人で持ち帰ったブーケを眺める。

写真とビデオは、
後日届くから、
楽しみだ。

3月が終わって、
4月になった。

桜が咲いてきた。

二人でお花見に行った。

コンビニで買った
サンドイッチじゃなくて、
家で二人で作ったサンドイッチを持って。

「おいしいね。」

「卵の殼むき、意外とむずくない?」

「熱いもんね。」

「そうなの!ツルツルしてて、
滑るし!」

夕飯を食べた後、
散歩がてら、夜桜も見に行った。

「また、昼見るのとは雰囲気違うね?」

「幻想的だな。」

「綺麗だねぇ。」

「うん。」

4月になって、
新入社員がやってきて、
俺は指導係になった。

歳が離れすぎてて、
四苦八苦する毎日だ。

まちにその話をすると、
笑って、
「とおるくん、今年31歳になるもんね?」という。

「そうだよ。」

「30歳って、どんな感じ?」

「え?」

「やっぱり、疲れやすくなるの?」

「あー、どうだろ?
でも、夜寝ちゃうな。笑」

「とおるくん、早寝だもんね!笑」

「いやいや、まちなんてまだ20代の癖に、
俺より先に寝てるよ?笑」

「えー、布団気持ちいいからぐっすり。笑」

そういえば、
結婚式に合わせて、
結婚指輪も買って。

でも、せっかく作ったペアリング、
もったいないから、
ネックレスにした。

壁に飾ってる。

今度の5月の連休は、
二人で初めて遠出することになっている。

北海道にいくことにした。

俺は出張で何度か行ったことあったけど、
まちが行ってみたいというから。

ハネムーンは、
夏に行こうって話してて、
その練習がてら、
いくことにした。

ハネムーンは、
外国に行くか国内か悩んだけど、
沖縄に行くことにした。

沖縄は、
俺も行ったことがなかったし。

4月25日。
俺、31歳になった。

30歳の誕生日は、
杏子にプロポーズしようとして、
婚約指輪を出す前に、
振られちゃって、
思い描いていた未来が粉々になったって
思ったけど、
そんな俺を励ます為かわかんないけど、
まちがアパートにやってきて、
そこから、
今まで疎遠だった俺とまちの関係が
近づいて、
一線を超えて、
恋人になって、
同棲して、
気がついたら、
プロポーズしてて、
夫婦になった。

目まぐるしい1年だったなぁ。

前日の夜に、
色々思い出して、胸がいっぱいになった。

25日の朝、
まちが俺の耳元で、
「とおるくん、起きて。」と囁く。

「んー?」と、
目を開けると、
笑顔のまちが、
「とおるくん、誕生日おめでとう。」と、
言う。

「ありがと。」って、
ちょっと顔がニヤけた。

朝はまちが、
ホットケーキを焼いてくれて。

バターとはちみつが、
美味しい。
ホットケーキ、
ふかふかしてるし。

まちが、
映画行こうというから、
(ホラー映画か?!)と強ばったら、
俺の好きなアーティストの
ドキュメントだった。

(CMで流れて、
見たいなって言った何気ない一言を、
まちは、覚えててくれたんだ?!)と、
胸がジーンとした。

お昼は、
パスタ屋さんで、
俺はカルボナーラを頼んだ。
まちは、たらこスパゲティだった。

「ピザも食べたくなるよね。」っていったら、
まちがメニューを見せてきて、
「頼んじゃう?」と笑った。

マルゲリータも食べた。

歩いていると、
ゲーセンがあって、
まちが「プリクラ撮ろう!」というので、
プリクラを撮ってみた。

ポーズ難しい。笑

落書きとか、何書くの?笑

おじさんムーブを交わす俺を見て、
まちはケラケラ笑った。

出てきたシール、
目が異常にデカくて、
「誰?!笑」と爆笑した。

そしたら、
まちが、
携帯の裏に挟むんだよ。っていってきて、
恥ずかしいといえば、
今日だけ!お願いと、言う。

せっかくゲーセンに来たから、
まちの好きなキャラクターのぬいぐるみが
あったから、
UFOキャッチャーをやってみた。

俺、意外と得意で、
3回でゲットしたら、
まちが「すごいー!」と、感動していた。

ぬいぐるみが結構大きかったから、
家に帰ることにした。

電車で、
「動物園、今度行かない?」という。

「ああ、そういえばいってないね。」

「また夏が来るよ!」

「また、プールいくの?笑」

「花火もしたいね!」

二人で話すことが尽きない。

家に帰って、
「とおるくん!
スマホでゲームしてて!」と言われて、
「え?」と返すと、
「夜ご飯は、まちが作るから!」と、
エプロンを付けて、
台所にいってしまった。

リビングのソファで、
ゲームをする。

包丁の音がして、
煮込む匂いがする。

「おまたせ、できたよ!」と、
食卓にいくと、
ハヤシライスだった。

「本当は、カレーにしようと思ったけど!
誕生日だからハヤシライスにした!」

「覚えてる?
まち、カレー作れなくて、
とおるくんに電話したこと!」

「覚えてるよ!」

「料理できるようになったよ!」

「すごいね。笑」

美味しかった。

帰り道に寄ったケーキ屋で買った、
ケーキを食べる。

ケーキを見ると、
結婚式を思い出す。

もうそろそろ、
写真とビデオが届く頃だろうか。

3と1のロウソクに火をつけて、
部屋の電気を消す。

「とおるくん、ハッピーバースデー!」
とまちの声が聞こえて、
ふーと息をかける。

ロウソクが消えて、
真っ暗になる。

まちが、電気を付ける。

「ちょっと、待ってて!」と、
まちがいなくなる。

なんだろうって思ってたら、
紙袋を持ったまちがやってきて、
「プレゼント!」と渡す。

「おお、なんだろ?」

開けると、
ネクタイだった。

「仕事につけていけそう!」

「うん、仕事にしていってくれたら
嬉しいなって思って、選んだよ!」

さすがまち、
センスがいいな。

ネクタイを箱から取り出して、
首にまく。

「どう?」

「うん、似合ってる!」

31歳の幕開けはこんな感じで、
幸せだった。

31歳の俺の人生には、
一体何が起こるんだろう?

まちが隣で笑ってくれてるだけで、
幸せだけど!

そういえば、
付き合ってから、
まち、ミニスカート履かなくなったなって思って聞いたら、
「そりゃ、はかないよ!」っていうから、
「え、なんで?」って聞いたら、
「普段からはかないよ!」って言う。
「でも、付き合う前はいてたよね?」って
聞いたら、
「そりゃ、誘惑しに行ってたんだもん!」と、笑った。

アパートで見たミニスカートの数々は、
俺のため?笑

まんまと、罠にハマった訳か。笑

でも、俺以外の前で来てほしくないなって
思う。

だって、
俺以外の男が、
まちのミニスカート見て誘惑されたら、
大変だもん!

そう言いたかったのに、
照れちゃって、
「まあ、まちももうアラサーだもんな。」
しか言えなくて、
まちに「もう!」って、肩叩かれた。

歳とっても、
ずっと一緒に居ような。

俺の運命の人、
隣の家に居た。

もし時が戻せるなら、
反抗期の俺に、
隣の家のまちちゃんは、
俺の嫁になるから、
照れないで挨拶位しろよって
言いたいけど、

きっと、
そんな事を反抗期の俺が聞かせられても、
「はぁ?まちが俺の嫁?!」って、
信じないだろうな。笑

それくらいまちは、
俺にとって身近な人だった。

まちは、
また髪の毛をショートボブにした。

「髪の毛長いと、
お風呂面倒臭いから。」という。

言われてみれば、
子供の時からまちは、
ずっとショートボブだったなって
思い出して、
俺は笑った。

「短い方がまちらしい!」というと、
「でしょー!」と、
まちが髪を触った。

相変わらず俺たちは、
季節のイベントを楽しんで過ごしてる。

大人になるとスルーしてた
イベント、
意外とあって、
びっくりしてる。

天気のいい日は外に出て、
天気の悪い日は家で遊んで。

春になったから、
秋のシティーマラソンに向けて、
俺たちはまたランニングを始めた。

久しぶりに体動かすと、
気持ちいいけど、
数時間後に体が悲鳴をあげた。

そんな俺に、
まちは湿布を貼る。

「とおるくん!
しっかりしてよ!」

「いや、歳にはかなわないよ!笑」

「まだまだだよ!」

最近じゃ、
10キロ走るのが、
ようやく慣れてきた。

通勤の時も、
駅のエスカレーターじゃなくて、
階段を利用してる。

最初は息があがってたけど、
最近は楽に登れるようになった。

なぁ、まち。

俺と結婚して良かった?

昔から俺を好いていてくれたけど、
俺は
昔と同じく好いてもらえる男のままか?

まちは、相変わらずモテてて、
指輪をしてるのに、
外で待ち合わせすると、
ナンパされている。

俺は筋トレをやめれないな。苦笑

あの日、
落ち込んでた俺の所に、
連打で呼び鈴を鳴らしてくれて、
ありがとう、
まち。

まちと一緒に居ると、
楽しいよ。

俺は、幸せだ。

春も夏も秋も冬も、
まちとの思い出が増えていく。

こんな幸せな事は、
この上ないよ。
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