Magical

神奈川雪枝

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またねっていったよ?

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東京からの出張だった。


「この日、会えるかな?」


「会えますっ!」


ずっとチャットでやりとりをしていた人だった。

でも、私の住んでるところと彼の住んでるところは遠かった。


会えるのはもう少し先かと思ってた。


こんな早くに会えるなんて。



「何食べたい?」

(なんでもいいよ。)って思ったけれど、
地元のファーストフードの名前を言ったら、
安すぎ(笑)
俺、金あるよ?といわれた。

後日彼からここから選んでみてと3つの店のURLが送られてきた。
どこも高そうで、普段滅多にいかないお店で心臓が高鳴る。

迷って、真ん中のお店にした。

「いいね、楽しみ。」と、
彼から返事が来た。

私だって、楽しみだ。





















今日は、彼が出張で来る日だ。

夜19時、駅で待ち合わせ。

オシャレをしてきた。

タクシーでお店に向かう。

緊張して、うまく話せない。

「緊張するね。」と彼も話す。

隣に座ってるのに、
手が触れ合わない距離がもどかしい。

レストランで話しながら食事をする。

楽しかった。

もっとずっと一緒に居たいと思った。

食後、店の外に出る。

「手、いいかな?」

「 うん。」

彼と手を繋いで歩く。

「ホテルで飲みなおさない?」と、
ビジネスホテルへ向かう。

コンビニでお酒を買っていく。

部屋にはいると、ぎこちない距離。
買ったお酒を開ける。

テレビをつける。

どきどき。どきどき。

「 キス、していいですか?」

彼は目の前にいた。

「 はい。」

そのまま、流れるままだった。

私は未体験だった。

幸せだった。

朝5時、
帰ろうかなって彼からはなれがたい。

「気をつけてね。」と、
彼は私にタクシー代を渡す。

「うん。」

彼の胸板に顔をうめた。

(ずっと一緒にいたいな。)

そのまま家に帰った。


























でも、どんなに待っても彼から連絡はこなかった。

私から連絡しても返事は来ることはなかった。

(どうして?)

出張のときだけの遊びでした?

(悲しいです。)
































また、会えると思ってました。
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