たまんないっ！

深夜2時にホテルのテレビをみちゃう

アプリで会って、
意気投合して、
最初の居酒屋から出る時は
ほろ酔いで、
BARいくことになって、
でも距離は近づいたのに、
まだ手は繋いでなくて。

BARは薄暗くて、
耳元に残る彼の低い声。

まだまだ一緒にいたくて。
でもホテル行こうとはいえなくて。
カラオケにいく。

騒いで笑って、
あぁー、楽しい！

カラオケでふとした瞬間に
目が合って、
唇が触れて、

手を繋いで、
ラブホテルに来た。

0:00を超えていた。

「俺久しぶりなんだよね。」と笑う彼は、
はしゃいでホテルの部屋で色々観察していた。

(なんか、さめてきた。)

酔いが冷めてきて、
12月の部屋は寒くて。

テレビをつけた。
VODでなんの作品があるのか
探す。

少女漫画は好き。
でも、少女漫画の実写はなんか見るのが
照れくさくて、
映画館に見に行けてない作品がめにとまる。

私はコンタクトを外し、
カバンから眼鏡を取り出した。

「え、しないの？！」

「ごめん！これ気になってて！」

「あぁー。俺も見る、かな。」

優しい人でよかった。
開始30分、
これからってところで、
彼は寝息をかいていた。

少女漫画の実写映画をこんな
じっくり見るのは、
こういう夜に限る。

シラフで見ると、
映画のキラキラな世界と現実に差がありすぎて見てて辛い。

楽しい夜を過ごして、
酔いがさめた頭でじっくり見るのが、
乙なものなのだ。

(あぁ、泣けた。)

映画のハッピーエンドで
胸はいっぱいになった。

隣で寝てる今日会ったばかりの彼の寝顔を見てみる。

微笑ましかった。

なら大丈夫。


朝起きたら一緒にご飯を食べて、
また次会う約束をしたい。

今日だけの関係にしたくないから。