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4歳の僕 ♢学園編♢
4歳の私の弟(ミスティラリ目線)
しおりを挟むマガリット公爵家。
この国の暗部を受け持つ、この国の裏の顔。
我が家はそんな、王家と表裏一体となってその時代の王に直接仕えている。
我が家の裏の顔を知るのは王国内でもほんのひと握りだが、それを知らなくても我が家は揺るがない地位にいる。
私の可愛い弟、レティは何も知らないけれど、温厚そうに見えるお父様も、その暗部の責任者の席に就いている。
でもレティにはこれからも教える気はない。
レティにはいつでも日向の真ん中に立っていて欲しい。
柔らかい真綿の様な愛情で優しく包んで、レティがそこでずっと微睡んでいられるように。
代々、その席には我が公爵家の嫡男が就いているが、私の兄のカディラリオに裏の顔は出来ないだろう。
それは兄本人も分かっていて、随分前から、兄は公爵家次期当主として表の顔を軍事面で、私は公爵家次男として文官を経て、その裏の顔を引き継ぐ事を話し合って決めている。
これで、レティを表でも、裏でも、ずっと守っていける。
兄とは特段仲が良くも悪くもないが、レティの関わる事に関してだけは、いつもピッタリと息が合うのを感じる。
きっと兄も同じだろうと思う。
兄も私同様、他人には欠片も興味を持たないからだ。
唯一の例外は、両親と、レティだけ。
私は、生まれた時から容姿にも恵まれ、家柄にも恵まれ、特段努力しなくても何でもできた。
こちらから何もしなくても周りは勝手に擦り寄ってくるし、煩わしいと跳ね除けても少しの問題にもならない。
我が家と揉め事を起こしたい者など誰もいないのだ。
生まれて成長し、自我が目覚め、社交をする頃にはすっかり私の心は冷めきっていた。
何にも心が動かない。
ただただ、モノクロの景色を眺めているような毎日だった。
そんな日々をただ流れゆくままに過ごしていたある日、両親と共に王都に帰ってきたレティを見た瞬間、初めて世界が色付いた。
比喩ではなく、本当に。
その淡い色彩の可愛いらしい存在の中に様々に煌めく瞳の色たち。
初めて何かを見て美しいと思った。
初めて感動に心が震えるという事を知った。
レティは私の太陽。
レティがいなければ、私はただの生ける人形だ。
私の人生はレティの為に。
ずっとずっと、傍に在り続ける為に、人生を賭す。
レティが初めて話しかけてくれた時、自然と心にその気持ちが湧き上がった。
とても温かく、しっくりと自分の中に馴染んで溶け込んだ。
息をするように、ただただレティを愛するだろう。
その為に、レティの傍に常に在り続ける為に、私がしなくてはいけないこと。
武芸は兄にはどうやっても適わないが、それ以外の面では私にも十分に分がある。
だからこそ、表と裏に分かれる事に決めた。
レティの為ならば、きっとどんな汚物にも塗れるだろう。
レティを守る壁は高ければ高い程。
厚ければ厚い程良いからね。
先ずはこの、レティを不躾に見つめるクラスの奴らから。
それから徐々に学園内全ての人間を。
これからの手慣らしには丁度いい。
僕のレティには指1本。
少しの心にも触れさせないよ。
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