BLゲームの本編にも出てこないモブに転生したはずなのに、メイン攻略対象のはずの兄達に溺愛され過ぎていつの間にかヒロインポジにいる(イマココ)

庚寅

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7歳以降の僕 ♢就職編と見せかけて王宮編♢

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ヘジィとの会話から何時いつでも連絡が取れるようにと、僕は新しい通信用魔道具を考えることにした。
理想は前世の携帯電話の様な魔道具。
この世界には電波なんてないから、電波の代わに魔力を飛ばして、繋がってる間はお互いに会話し合えるようにしたい。

今ある通信用魔道具は、発信者が飛ばした魔道具を相手が受け取り内容を確認して、それに返答を込めて飛ばし返す、という作りのものが主だ。
それもここ最近出来たもので、それ以前は完全に一方通行のものばかりだった。



人によって魔力量も違い、有限である魔力を飛ばし続けるというのは、誰でも使える、いつでも使える、というには非現実的なものなので、僕はかなり悩んでいた。
魔力成長途中の僕も、魔力保有量は然程高くない。

既存の魔力回路をイジったり、数種の異なる意味を持つ魔力回路を繋いだり、組み合わせ、組み換えたり。
動力源になる鉱物や魔道具の軸になる素材なんかも、他の大掛かりな魔道具の設計図を読み返して参考に作り替えてみる。
大掛かりなものは装置も大きいものが多くて、小型化というのがとにかく難しい。



邸の自室でも、王宮の執務室でも、アレコレ悩みながら魔道回路の試行錯誤を繰り返すこと数日。
気付けば、既にドルトン帝国からムーラン皇子がアイカラリティ王国に来訪していて、明日がムーラン皇子を案内する日だと言う頃になって、漸く僕はその事に気がついた。




そして翌日。

「レティシオ様、本日の昼食後から予定しております、ドルトン帝国第一皇子ムーラニアン皇子殿下の案内予定時ですが、我が国からは付き添い人としてパスティリード第一王子殿下、ホルデン宰相閣下、レティシオ様の秘書として私が。案内補佐としては王宮魔道士団団長イグリット様と魔道具研究所所長オルルド様が。案内中の護衛統括として総括騎士副団長カディラリオ様、その補佐をレティシオ様専属護衛ローアイン殿、他護衛に宮廷騎士団員から15名同行致します。
ムーラニアン皇子殿下からの護衛は8名だと伺っております。」


王宮勤めになってから毎朝の恒例となっている、秘書のクレッグさんからの口頭でのスケジュール確認に相槌を打ちながら耳を傾ける。
オルルド魔道具研究所所長というのは、学園長さんの事だ。

朝に1日の流れをお茶を飲みつつ聞いてから、その日の僕のお仕事が始まる。
次の予定が始まる前にも都度教えてくれて、急な予定変更時にも都度僕の様子や状況を見ながら確認してくれる。
いつもの流れのいつも通り出来すぎる秘書のクレッグさん。
ただいつもと違うのが…。



「レティシオ様の休憩を午前の予定中に二度、午後からの案内の際に一度、案内後に仮眠室での休息をとって頂き、起床後ユージュアル医師にて診察の後、許可が出ましたらお茶をして頂きながらの報告書の確認をお願い致します。」



うん、今までこんなに細かく休憩の指定なんてされたこと無かったんだよね。
それに朝の定期検診をユージュアル先生にしてもらった後は、次の日まで検診も無かったし。


これはきっと、ここ数日僕が新しい通信魔道具の事に没頭し過ぎて、度々休憩も碌に取らずいた事が原因だろうと思う。


集中し過ぎちゃって、気を付けてた皆とのお茶休憩の時間も忘れたまま過去の魔道回路図案を調べ続けちゃったり、邸でもご飯の時間すら忘れて没頭するのが続いちゃって、邸ではルーに、執務室ではクレッグさんに度々休憩を強制的に挟まれたり、さりげなくリディや専属護衛のローアインさんにまで心配顔で声掛けされちゃったんだよね。


だから、これだけは譲りませんって意志の篭った目で休憩予定を説明してくるクレッグさんの目線から、僕も目を逸らさずに、首肯しながら聞いている。
そんな僕を、今執務室内にいるいつものメンバーのルーもリディもローアインさんもじっと見詰めているのが伝わってくる。
余程心配させてしまったみたいだ。
そりゃ、15歳で成人という大人と看做みなされるのが前世の感覚からするとかなり早いこの世界でもまだ幼子な年齢の僕が、食事も休憩も疎かにしてたら心配するよね。
リディは友達として、他の三人はそれぞれの職務として。
邸では、父様にも母様にも兄様達にもとても心配されたし。
皆が休憩も取らずに仕事をしているのを止めた僕がこれじゃあ、せっかく皆でお茶休憩してくれるようになったのに示しがつかない。
お飾りとはいえ僕がここでは皆の主人であったり上司であるのだから、もっと自分の管理にも気を配らないと。



そんな事を心に決めていた時、クレッグさんからサラッと驚きの報告をされた。



「事後報告となりますが、ムーラニア殿下より本日の昼食をレティシオ様とご一緒したい、との要望がありましたが、マガリット公爵から許可が下りませんでしたので、パスティリード殿下よりお断りをして頂いております。」



クレッグさんが、さも特別何でもない事のように付け加えるものだから聞き流しそうになったけど、他国王族からの申し出をそんなにサックリと父様が許可しなかったからって断って良いのかな…。
それも伝言を我が国の第一王子に頼むなんて…。
でももう断ってしまったみたいだし、僕がここで何かを言うのも違う気がして、僕はその後の確認や報告も微妙な顔をしながら聞いていた。



そして恙無く休憩を挟みつつ午前の予定をこなし、昼食も摂り終えての午後、ムーラン皇子を僕が案内する時間となった。
ヘジィの大丈夫という言葉を何度も繰り返しながら臨んだ緊張しながらのムーラン皇子との初対面は、色々な意味で予想外のものだった。





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