薬品好きな女子生徒

ピースリバー

文字の大きさ
1 / 1

君を見つけた放課後

しおりを挟む
新学期が始まり僕は少し憂鬱だった。僕には友達と呼べる人はいない。一年生の頃、友達作りをハスに構えてしなかったのが一番の間違いだった。友達も作れなかったことで部活にも入りそびれ、帰宅部になった。化学の授業終わり、一番最後に化学講義室を出ようとすると化学の先生に「おい、広瀬!」「はい?」「お前、確か帰宅部だったよな。」「はい…そうですけど。」「頼み事があるんだけど、これをみんなに配っといてくれ。」断れない性格の僕は「はい、分かりました。」と答えてしまい面倒なことを押し付けられてしまった。「あ、そうそう、余ったプリントは準備室に置いといてくれ。ついでに掃除もお願いな」と言い残し講義室を去る。

放課後プリントを配り終えた僕は余りを持って化学準備室に行った。この時代に準備室を開けっ放しにしている先生はどうかしてると思う。まあ、生徒を信頼してのことだろう。準備室に入ると一人の女子生徒が何か実験をしていた。「何してるんですか?」と聞くと、「作ってるの、魔法のク・ス・リ。」と答えた。その女子生徒はロングの黒髪で顔が小さく童顔で中学生のような可憐な子だった。制服も正しく着ていて清楚な美少女だった。「あなた、何年生?」と聞かれ「二年です」と答えると「私、三年の星野飛鳥です。君は?」「広瀬勇気です」「どうしてこんな時間にここに?」「プリントの余りを戻しに」「そうなんだ。ふーん。広瀬くんは何部?」「…帰宅部です」「へぇー意外。スポーツやってそうなのに。」「あはは…」「先輩はなんでここでクスリを?」「暇つぶし、楽しいし」「じゃ僕はここで。」「ちょっとまって」と制服の袖を掴んで「手伝ってくれない」と言われ、「まあ、いいですよ。」と少しカッコつけて言った。僕に任せられた仕事は薬品を言われたグラムを測り取ることだった。そのあと星野さんが装置に水とその調合した薬品を同時に入れなければいけないらしく僕が水、星野さんが薬品を入れることに。せーのっの合図で装置に2つを入れた。そうしたら発光しだして謎の固体が生まれた。「この薬飲んでみて」と言われ「いや、嫌ですよ」と流石に断り、「なーんだ。まあいいや。明日も来なよ。どうせ暇でしょ?」暇でないと言ったら嘘なんだが馬鹿真面目に「わかりました。また来ます」と答えてしまった。先輩が可愛かったのとちょっと興味があったことがあったのは心にしまっておく。そのあと掃除をしてその日は帰った。

次の日、授業が終わり昼休み、僕は何故だか職員室に呼ばれた。「広瀬、準備室の鍵どこやった?」「僕、知らないですよ。」「そんなわけないだろ、昨日お前以外の生徒は誰もあそこに出入りしてないんだから。」「いや、三年の星野さんがいましたよ。」「三年の星野?星野なんて言うんだ?」「星野飛鳥さんです」「そうか…その人な、三年前に準備室で自殺した人なんだ。練炭自殺って言う一酸化炭素中毒で亡くなるってやつだ」それを聞いた瞬間、耳を疑った。「え?嘘ですよね?」と聞くと「本当だ。」と真剣な眼差しでこちらを見て言った。僕は訳がわからなくなってしまい混乱していた。僕は走って化学準備室に向かった。そこには誰もいない。本当に幻だったのか。それとも地縛霊なのか。その真相はわからない。それから僕はまた会いたくて放課後、化学準備室に向かう。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

盗み聞き

凛子
恋愛
あ、そういうこと。

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

処理中です...