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第四話 バイト終わりのフードお化け
しおりを挟む掃除をして片づけをして、今日も和やかに21時の仕事終わりを迎えた。
反対方向のリコさんにサヨナラの挨拶をして、カギ閉めのあるメイナさんに挨拶して、私はカフェを出る。
銀乃はおうちで何してるかな、なんて思いながら、自転車をこいでいると、踏切につかまった。
カーンカーンカーンカーンと定期的になるベルと降りてくるレーン、私は自転車を降りて電車が通り過ぎるのを待つ。
ご、という音とともに、夜の電車が目の前を走っていく。
がたたん、がたたん、という音を聞きながら、ふと自分の横を見た。
さっきまで私一人だったのに、気配もなく誰かが立っていた。しかも、自転車を挟んで、すぐの真隣に。
近すぎ、と思って思わず相手をまじまじと見る。フードを深くかぶった相手は、男かも女かも判別がつかない。何だか嫌な気配がして、離れようかと思ったけれど、私は道のぎりぎり端っこにいるから、どこにも逃げ場がない。
がたたん、がたたん、電車の轟音がまだ続いている。電車は途切れない。
フードを被った相手が、私のほうに顔を向けた。
私は、息をのんで凍り付いた。
フードの中には何もなかった。
顔がなかったのだ。フードお化け。そんな言葉が浮かんだ瞬間、相手が私に手を伸ばした。
全身の毛が逆立つような気がした。
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