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第十七話 さぁお出かけ!
しおりを挟む「さあや、さあや、良く寝すぎだよ、さあや~~~!」
銀乃の声で目が覚めた。掛け布団を加えて銀乃がぐいぐい引っ張っている。
「うーん」
黒い狐が、私の布団の上ではねていた。
「さぁさあや、着替えて出かけよう早く~早く~ご飯もできたし準備万端」
私は黒狐に促されてよっこらせとおきだし、顔を洗う。
ご飯はもうテーブルにチーズのせパンがありしかし私が作る適当なものとは異なり、
パプリカと野菜とピーマン(なんで挟むの)とピクルスが入っていた。
「ピクルスとか…家でかおうと思ったことがそもそもない…」
「君ピクルスがどうかした?早く行こうよ~もうお昼になっちゃう」
「いえ…なんか銀乃はおしゃれだよね…私ピクルスとか初めて家でみた…」
「え、もしかして嫌い?」
「ううん好きだけど。でもピーマンはちょっとなくてもよかったかも」
「パプリカとピーマンで緑黄色野菜でしょ!」
「ちょっと何言ってるかわからない」
などという会話をしながら、手短に朝食を食べ終え、私は身支度をする。
「今日は古町まで行くんだっけ?」
「そう!きっとおしゃれなコートとかがあると思うんだよね。僕みたい!」
「ふふ、銀乃、コートが見たかったんだ」
と、振り返ったら銀乃がいた。麗しい人間の銀乃君が。
「いつのまに変身したの」
「ふふん、一瞬で変身できちゃうよ、だって僕神様のお使いだからね」
相変わらず身長があるなあ、と私は思う。肩掛けカバンに薄いジャケットコート姿はやっぱりイケメンだった。
「そういえばお洋服とかって、どうしてるの?着替えてるわけじゃないよね」
「それは変身するついでに神力でぱぱっとね、ふふ、そんなこと気にしてないで、ほらいくよ」
私は銀乃に促されて、薄いブラウンの秋コートに手をかけると、玄関を出たのだった。
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