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第一章
ある冬の日 おまけ
かまくらを作った翌日。
「げほっ、ごほっごほっごほっ!はぁ。母上、俺はもうダメかもしれません」
ぐったりとベッドで寝ている息子の弱気な発言に、オーランは片眉をひょいっと上げた。
「何言ってるのさ。ただの風邪だよ」
「寒い中で長時間、外で遊んだせいでしょうな。薬を飲んで水分をよく摂り、暖かくして寝ていれば、すぐによくなりますよ」
寒さに弱いヴィルヘルムは、よく冬に熱を出す。
主治医は、いつもと同じ風邪ですと診断し、薬を処方してくれた。
薬と聞いた瞬間、ヴィルヘルムはそっぽを向いて丸まってしまう。
「薬は飲まん」
「ヴィル」
「あれは、ごほっごほっ!この世の飲み物ではありません」
「まぁ、飲み物っていうか、薬だし」
いつもこの薬を嫌がってあまり飲まない。
その為に、熱が下がらず一週間以上寝込むこともあった。
「苦いですが、これが一番よく効きます。何か少しでも食べて、食後に飲んでください」
「食欲もないから、いらん」
主治医の言葉に、ヴィルヘルムはすっぽりと頭まで布団を被り、隠れてしまった。
オーランはその姿を見て、ため息を吐く。
その時、オーランの侍従の一人が外から戻ってきて、オーランに伝言を耳打ちした。
「どうされますか?」
「いいよ。お通しして」
数分後、案内されて入って来たのは、今日は真っ白い暖かそうなケープを羽織ったフィンだった。
「オーラン様。こんにちは。昨日はありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
聞き覚えのある可愛らしい声に、ヴィルヘルムは、布団から跳ね起きた。
「フィン!?」
ヴィルヘルムは叫んだ後、げほっごほっ!と咳き込んだ。
フィンは慌ててヴィルヘルムに駆け寄る。
「大丈夫?ヴィル、ごめんね。きっと僕に耳当てを貸してくれたから、風邪ひいちゃったんだね」
「何でここに」
「貸してもらった耳当てを返しに来たの。昨日そのまま付けて帰っちゃったからさ。そしたらヴィルが寝込んでるって聞いて」
ほら、安静にして、とフィンはヴィルヘルムを横たわらせる。おでこに手を当てて、すごいお熱!と心配そうに眉を下げた。
「薬は?飲んだの?」
「………………………まだだ」
母親と主治医の前ですぐにバレると思ったのか、飲んだと嘘をつくこともなく、ヴィルヘルムは正直に答えた。
「まずは何か食べないとって話していたところなんだ」
「そうだったんですね」
オーランの言葉にフィンが頷いた時、使用人が食事を乗せたワゴンを押してきた。
「ヴィル、食べれそう?」
「………食欲ない」
「気持ち悪いの?吐きそう?」
「それは、ない」
「そっか。じゃあ、せめて一口でも食べないとダメだよ。オーラン様。僕がヴィルに食べさせてあげてもいいですか?」
「もちろん。お願いできるかな?」
「はい!」
フィンは嬉しそうに返事をした後、ヴィルヘルムを起き上がらせ、背中の後ろに枕を置き、もたれかからせてやる。
スープの入った皿を受け取り、スプーンで掬って、ふーふーと冷ましてから、ヴィルヘルムへ差し出した。
「はい、ヴィル。あーん」
「………」
これを食べたら、あの苦い薬を飲まないといけない。
ヴィルヘルムは葛藤した。
差し出されたスプーンを凝視するばかりで、ヴィルヘルムが口をなかなか開けないことに、フィンはしゅんと肩を落とした。
「ヴィル、僕に食べさせてもらうの、嫌?」
「そそそ、そんなことない!」
「ほんと?よかった!じゃあ、はい。あーん」
にっこりとフィンに笑いかけられ、観念してヴィルヘルムは口を開けた。
閉じられる前にと、フィンはそこへスプーンを気をつけながら、さっと入れる。
不貞腐れたような顔で、もぐもぐと口を動かし、ごっくんと飲み込んでくれたヴィルヘルムに、安心したようにフィンは頬を緩めた。
「どう?美味しい?」
「味がしない」
「ありゃ。風邪ひいて、味覚が鈍くなってるのかな?もう一口食べれる?」
「ん」
そうやって、フィンは声をかけながら、せっせとスプーンを動かした。
半分ほど減ったところで、ヴィルヘルムは、もう無理とギブアップする。
「半分も食べれたね。じゃあ、お薬飲もっか」
その言葉に、ヴィルヘルムは鼻に皺を寄せ顔を顰めたが、フィンは気づかないふりをした。
スープの皿を使用人に返して、代わりに薬の入った器を受け取る。
「水と、こちらはお口直しの蜂蜜です」
そう言われて、フィンはまずヴィルヘルムに薬の入った器を持たせた。
「はい、ヴィル。それを飲んだら、お水を飲んで、蜂蜜を食べようね」
ヴィルヘルムは、持たされた器の中に入っている液体を、力なく見つめた。
「苦いんだぞ、これ」
「知ってるよ。僕も飲んだことあるもん。でも、飲んだ瞬間苦いだけで、その後、お水飲んで蜂蜜食べたら全然気にならなくなったよ。大丈夫!」
ニコニコと笑っているフィンと薬を交互に何度か見て、ヴィルヘルムは再び、嫌だと控えめに主張してみる。
「でも、本当に苦いんだぞ」
「それだけ良く効く薬ってことだよ。良薬口に苦し、って言うしね。さぁ、一気に飲んだらすぐに終わるんだから。ずっと薬持ってるのも嫌でしょ?臭いもキツいし」
持っているヴィルヘルムだけでなく、そばにいるフィンの所まで、ツーンとした刺激臭が漂ってきている。
それに不満を言うこともなく、フィンは笑顔を保ったまま、何度もヴィルヘルムに飲むように促す。
「とっても苦い薬だけど、それを一気に飲める人って、カッコいいと思うんだけどな~」
「…カッコいい?」
「うん!ヴィルのカッコいいとこ、見せて?」
『ねっ?』と、首を傾げておねだりされ、やっとヴィルヘルムは決心がついた。
器を持っている手に、ぐっと力を込めると、そのままぐいっと薬を飲んだ。
おぉ!
室内にいた全員が『飲んだ!』と内心で驚く。
「うぇぇ」
「はい!ヴィル、お水飲んで!」
フィンは素早く薬が入っていた器と水が入っているコップを交換した。
ぐいーーー!
「はい!蜂蜜」
ヴィルヘルムの口元に、蜂蜜が乗ったスプーンを、さっと差し出す。
ぱくり。
「もう一口いる?」
「…いや、大丈夫だ」
「そっか。よかった。でも、ヴィルすごいね!僕はお薬飲んだ時、苦くてむせちゃって、うまく飲めなかったんだ。あっさり飲んじゃうなんて、やっぱりヴィルはすごい!とってもカッコよかったよ!」
フィンは、あまりお喋りするのもよくないね、とヴィルヘルムを再び寝かしつけた。
ぎゅっと手を握り『早く良くなりますように』とお願いをする。
「元気になったら、また遊ぼうね」
「あぁ」
薬が効いてきたのか、ヴィルヘルムはうとうとし始め、そのまますぅっと眠り始めた。
「ごめんね、フィンくん。手のかかる息子で」
「いえ!元はと言えば、僕に耳当てを貸してくれたせいかもしれないんで。こちらこそ、申し訳ないです。あっ、これ。ありがとうございました」
フィンは、当初の目的であった耳当てをオーランへ返した。
ヴィルヘルムが勝手に押し付けただけであろうに、責任を感じて頑張ってくれたフィンに、オーランは感謝してもしきれなかった。いつもは、薬を飲ませようとしたら、さっきの五倍は時間がかかるのだ。
なんて良い子、とホロリと涙がこぼれそうになる。
「本当にありがとうね。フィンくんも風邪をひかないように気をつけて」
「はい。オーラン様も。では、失礼致します」
帰りの馬車の中で、フィンは窓の外を眺めながら、こっそりと悩ましげなため息を吐く。
本当はすごく嫌だったろうに、頑張って薬を飲んだヴィルヘルムの姿に、フィンは不覚にも、きゅんとしてしまった。
「可愛かったなぁ」
ヴィルヘルムにはカッコいいと言った手前、あの時は決して口には出せなかったが、フィンはヴィルヘルムの可愛かった姿に、しばらくは胸をほっこりとさせたのだった。
「げほっ、ごほっごほっごほっ!はぁ。母上、俺はもうダメかもしれません」
ぐったりとベッドで寝ている息子の弱気な発言に、オーランは片眉をひょいっと上げた。
「何言ってるのさ。ただの風邪だよ」
「寒い中で長時間、外で遊んだせいでしょうな。薬を飲んで水分をよく摂り、暖かくして寝ていれば、すぐによくなりますよ」
寒さに弱いヴィルヘルムは、よく冬に熱を出す。
主治医は、いつもと同じ風邪ですと診断し、薬を処方してくれた。
薬と聞いた瞬間、ヴィルヘルムはそっぽを向いて丸まってしまう。
「薬は飲まん」
「ヴィル」
「あれは、ごほっごほっ!この世の飲み物ではありません」
「まぁ、飲み物っていうか、薬だし」
いつもこの薬を嫌がってあまり飲まない。
その為に、熱が下がらず一週間以上寝込むこともあった。
「苦いですが、これが一番よく効きます。何か少しでも食べて、食後に飲んでください」
「食欲もないから、いらん」
主治医の言葉に、ヴィルヘルムはすっぽりと頭まで布団を被り、隠れてしまった。
オーランはその姿を見て、ため息を吐く。
その時、オーランの侍従の一人が外から戻ってきて、オーランに伝言を耳打ちした。
「どうされますか?」
「いいよ。お通しして」
数分後、案内されて入って来たのは、今日は真っ白い暖かそうなケープを羽織ったフィンだった。
「オーラン様。こんにちは。昨日はありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
聞き覚えのある可愛らしい声に、ヴィルヘルムは、布団から跳ね起きた。
「フィン!?」
ヴィルヘルムは叫んだ後、げほっごほっ!と咳き込んだ。
フィンは慌ててヴィルヘルムに駆け寄る。
「大丈夫?ヴィル、ごめんね。きっと僕に耳当てを貸してくれたから、風邪ひいちゃったんだね」
「何でここに」
「貸してもらった耳当てを返しに来たの。昨日そのまま付けて帰っちゃったからさ。そしたらヴィルが寝込んでるって聞いて」
ほら、安静にして、とフィンはヴィルヘルムを横たわらせる。おでこに手を当てて、すごいお熱!と心配そうに眉を下げた。
「薬は?飲んだの?」
「………………………まだだ」
母親と主治医の前ですぐにバレると思ったのか、飲んだと嘘をつくこともなく、ヴィルヘルムは正直に答えた。
「まずは何か食べないとって話していたところなんだ」
「そうだったんですね」
オーランの言葉にフィンが頷いた時、使用人が食事を乗せたワゴンを押してきた。
「ヴィル、食べれそう?」
「………食欲ない」
「気持ち悪いの?吐きそう?」
「それは、ない」
「そっか。じゃあ、せめて一口でも食べないとダメだよ。オーラン様。僕がヴィルに食べさせてあげてもいいですか?」
「もちろん。お願いできるかな?」
「はい!」
フィンは嬉しそうに返事をした後、ヴィルヘルムを起き上がらせ、背中の後ろに枕を置き、もたれかからせてやる。
スープの入った皿を受け取り、スプーンで掬って、ふーふーと冷ましてから、ヴィルヘルムへ差し出した。
「はい、ヴィル。あーん」
「………」
これを食べたら、あの苦い薬を飲まないといけない。
ヴィルヘルムは葛藤した。
差し出されたスプーンを凝視するばかりで、ヴィルヘルムが口をなかなか開けないことに、フィンはしゅんと肩を落とした。
「ヴィル、僕に食べさせてもらうの、嫌?」
「そそそ、そんなことない!」
「ほんと?よかった!じゃあ、はい。あーん」
にっこりとフィンに笑いかけられ、観念してヴィルヘルムは口を開けた。
閉じられる前にと、フィンはそこへスプーンを気をつけながら、さっと入れる。
不貞腐れたような顔で、もぐもぐと口を動かし、ごっくんと飲み込んでくれたヴィルヘルムに、安心したようにフィンは頬を緩めた。
「どう?美味しい?」
「味がしない」
「ありゃ。風邪ひいて、味覚が鈍くなってるのかな?もう一口食べれる?」
「ん」
そうやって、フィンは声をかけながら、せっせとスプーンを動かした。
半分ほど減ったところで、ヴィルヘルムは、もう無理とギブアップする。
「半分も食べれたね。じゃあ、お薬飲もっか」
その言葉に、ヴィルヘルムは鼻に皺を寄せ顔を顰めたが、フィンは気づかないふりをした。
スープの皿を使用人に返して、代わりに薬の入った器を受け取る。
「水と、こちらはお口直しの蜂蜜です」
そう言われて、フィンはまずヴィルヘルムに薬の入った器を持たせた。
「はい、ヴィル。それを飲んだら、お水を飲んで、蜂蜜を食べようね」
ヴィルヘルムは、持たされた器の中に入っている液体を、力なく見つめた。
「苦いんだぞ、これ」
「知ってるよ。僕も飲んだことあるもん。でも、飲んだ瞬間苦いだけで、その後、お水飲んで蜂蜜食べたら全然気にならなくなったよ。大丈夫!」
ニコニコと笑っているフィンと薬を交互に何度か見て、ヴィルヘルムは再び、嫌だと控えめに主張してみる。
「でも、本当に苦いんだぞ」
「それだけ良く効く薬ってことだよ。良薬口に苦し、って言うしね。さぁ、一気に飲んだらすぐに終わるんだから。ずっと薬持ってるのも嫌でしょ?臭いもキツいし」
持っているヴィルヘルムだけでなく、そばにいるフィンの所まで、ツーンとした刺激臭が漂ってきている。
それに不満を言うこともなく、フィンは笑顔を保ったまま、何度もヴィルヘルムに飲むように促す。
「とっても苦い薬だけど、それを一気に飲める人って、カッコいいと思うんだけどな~」
「…カッコいい?」
「うん!ヴィルのカッコいいとこ、見せて?」
『ねっ?』と、首を傾げておねだりされ、やっとヴィルヘルムは決心がついた。
器を持っている手に、ぐっと力を込めると、そのままぐいっと薬を飲んだ。
おぉ!
室内にいた全員が『飲んだ!』と内心で驚く。
「うぇぇ」
「はい!ヴィル、お水飲んで!」
フィンは素早く薬が入っていた器と水が入っているコップを交換した。
ぐいーーー!
「はい!蜂蜜」
ヴィルヘルムの口元に、蜂蜜が乗ったスプーンを、さっと差し出す。
ぱくり。
「もう一口いる?」
「…いや、大丈夫だ」
「そっか。よかった。でも、ヴィルすごいね!僕はお薬飲んだ時、苦くてむせちゃって、うまく飲めなかったんだ。あっさり飲んじゃうなんて、やっぱりヴィルはすごい!とってもカッコよかったよ!」
フィンは、あまりお喋りするのもよくないね、とヴィルヘルムを再び寝かしつけた。
ぎゅっと手を握り『早く良くなりますように』とお願いをする。
「元気になったら、また遊ぼうね」
「あぁ」
薬が効いてきたのか、ヴィルヘルムはうとうとし始め、そのまますぅっと眠り始めた。
「ごめんね、フィンくん。手のかかる息子で」
「いえ!元はと言えば、僕に耳当てを貸してくれたせいかもしれないんで。こちらこそ、申し訳ないです。あっ、これ。ありがとうございました」
フィンは、当初の目的であった耳当てをオーランへ返した。
ヴィルヘルムが勝手に押し付けただけであろうに、責任を感じて頑張ってくれたフィンに、オーランは感謝してもしきれなかった。いつもは、薬を飲ませようとしたら、さっきの五倍は時間がかかるのだ。
なんて良い子、とホロリと涙がこぼれそうになる。
「本当にありがとうね。フィンくんも風邪をひかないように気をつけて」
「はい。オーラン様も。では、失礼致します」
帰りの馬車の中で、フィンは窓の外を眺めながら、こっそりと悩ましげなため息を吐く。
本当はすごく嫌だったろうに、頑張って薬を飲んだヴィルヘルムの姿に、フィンは不覚にも、きゅんとしてしまった。
「可愛かったなぁ」
ヴィルヘルムにはカッコいいと言った手前、あの時は決して口には出せなかったが、フィンはヴィルヘルムの可愛かった姿に、しばらくは胸をほっこりとさせたのだった。
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