1 / 1
単語をたんまり覚えたな~!
しおりを挟む
ついに! 聡美は、ウハウハしていた。おやすみを一回するごとに、英単語100個覚えることができる!
昔、睡眠学習器なるものが大流行りしたことがある。寝る前に機械に覚えたいことを吹き込んでおいて眠っている間にそれを聞いて覚えるというのだが、眉唾だと思っていた。そんなんで英語が攻略できるもんかとは思っていた。
しかしである! アメリカの大学の研究によれば、ノンレム睡眠時に単語を聞いていれば、覚えられるんだそうだ。
ノンレム睡眠時にシータ波が出てくることがカギらしい。シータ波を意図的に出すには短時間睡眠や、瞑想などもいいそうだ。
じゃあ、今日から、実行あるのみだ! 聡美は、短時間睡眠をする前に単語を100個ぶつぶつとボイスレコーダーに録音しておく。そして、おやすみ!と呟き、寝る。2時間後のノンレム睡眠がやってくるタイミングでセットしておいたレコーダーが鳴り出すようにしておく。
そして、1時間ほど聴いたら、けたたましく目覚まし時計がなる。起きる、そして、英単語を覚えているかチェックする。覚えているのだ。凄い! 聡美は夢中になった。
シータ波だ! それがカギだと思った聡美は、とにかく眠った。眠っては、レコーダーから流れる英単語をノンレム睡眠時にはずっと聞いた。自身は、聴いている自覚はないが、聴いている。
そうやって、3か月が経った頃、聡美は、使いこなせる単語という意味のアクティブボキャブラリーが2000語ほどしかなかったのに、一気に飛躍し、1万語をアクティブボキャブラリーに持つまでになった。
素晴らしい! ノンレム睡眠万歳だ! お休み! お休みと、繰り返すたびに、私の語彙は増えていくと、聡美はとにかくウハウハだった。
聡美は、だんだん、単語を覚えることにのめり込んでいった。そして、ノンレム睡眠を起こすためならなんでもするようになった。
シータ波が出ている状態がノンレム睡眠と逆説的に仮定した聡美は、シータ波は4Hzから8Hzと聞くと、その波長を出す装置をつくった。伊達に機械工学科を出ていないのだ。
シータ波を浴び続けて、聡美は、絶え間なくノンレム睡眠状態に陥るようになった。もはや、一日中、一年中お休み状態になったのである。
どこまでやれば気が済むのかと、夫の孝之があきれ顔だった。
「なあ、聡美、もう起きろ」
「むにゃむにゃ……」
「なあ、もういいだろ!いいか、ネィティブ並みのボキャブラリーって言ったら、2万語で十分だ。それくらいもう覚えただろう!」
「むにゃむにゃ……」
「もう、勝手にしろ!」
そうやって、聡美は、シータ波を浴び続け、半お休み状態を続けた。そして、ついに!5万語を覚えているはずの時間が経過した。
けたたましくアラームがなる。もう目を覚ましてもいい。聡美はちゃんと、その時間には、装置からベータ波が出るように仕掛けをつくっておいたのだ。
完全覚醒した聡美。夫があきれ顔で見ている。
「おい、聡美、起きたか? おはようさん!」
「Good Morning! Darling!」
「な~にが、グッドモーニング、ダーリンだよ」
「What?」
「なにが、なに~だ!」
「……」
「おい、聡美!どうした? まさか、お前……日本語忘れたのか?」
「……」
長い沈黙が流れた後、夫の孝之は、おもむろに聡美をベッドに戻し、聡美がつくったシータ波発生装置をオンにした。
そして、絵本を開き、聡美に向かって読み聞かせ始めた。
「むかしむかし、あるところに……」
終
昔、睡眠学習器なるものが大流行りしたことがある。寝る前に機械に覚えたいことを吹き込んでおいて眠っている間にそれを聞いて覚えるというのだが、眉唾だと思っていた。そんなんで英語が攻略できるもんかとは思っていた。
しかしである! アメリカの大学の研究によれば、ノンレム睡眠時に単語を聞いていれば、覚えられるんだそうだ。
ノンレム睡眠時にシータ波が出てくることがカギらしい。シータ波を意図的に出すには短時間睡眠や、瞑想などもいいそうだ。
じゃあ、今日から、実行あるのみだ! 聡美は、短時間睡眠をする前に単語を100個ぶつぶつとボイスレコーダーに録音しておく。そして、おやすみ!と呟き、寝る。2時間後のノンレム睡眠がやってくるタイミングでセットしておいたレコーダーが鳴り出すようにしておく。
そして、1時間ほど聴いたら、けたたましく目覚まし時計がなる。起きる、そして、英単語を覚えているかチェックする。覚えているのだ。凄い! 聡美は夢中になった。
シータ波だ! それがカギだと思った聡美は、とにかく眠った。眠っては、レコーダーから流れる英単語をノンレム睡眠時にはずっと聞いた。自身は、聴いている自覚はないが、聴いている。
そうやって、3か月が経った頃、聡美は、使いこなせる単語という意味のアクティブボキャブラリーが2000語ほどしかなかったのに、一気に飛躍し、1万語をアクティブボキャブラリーに持つまでになった。
素晴らしい! ノンレム睡眠万歳だ! お休み! お休みと、繰り返すたびに、私の語彙は増えていくと、聡美はとにかくウハウハだった。
聡美は、だんだん、単語を覚えることにのめり込んでいった。そして、ノンレム睡眠を起こすためならなんでもするようになった。
シータ波が出ている状態がノンレム睡眠と逆説的に仮定した聡美は、シータ波は4Hzから8Hzと聞くと、その波長を出す装置をつくった。伊達に機械工学科を出ていないのだ。
シータ波を浴び続けて、聡美は、絶え間なくノンレム睡眠状態に陥るようになった。もはや、一日中、一年中お休み状態になったのである。
どこまでやれば気が済むのかと、夫の孝之があきれ顔だった。
「なあ、聡美、もう起きろ」
「むにゃむにゃ……」
「なあ、もういいだろ!いいか、ネィティブ並みのボキャブラリーって言ったら、2万語で十分だ。それくらいもう覚えただろう!」
「むにゃむにゃ……」
「もう、勝手にしろ!」
そうやって、聡美は、シータ波を浴び続け、半お休み状態を続けた。そして、ついに!5万語を覚えているはずの時間が経過した。
けたたましくアラームがなる。もう目を覚ましてもいい。聡美はちゃんと、その時間には、装置からベータ波が出るように仕掛けをつくっておいたのだ。
完全覚醒した聡美。夫があきれ顔で見ている。
「おい、聡美、起きたか? おはようさん!」
「Good Morning! Darling!」
「な~にが、グッドモーニング、ダーリンだよ」
「What?」
「なにが、なに~だ!」
「……」
「おい、聡美!どうした? まさか、お前……日本語忘れたのか?」
「……」
長い沈黙が流れた後、夫の孝之は、おもむろに聡美をベッドに戻し、聡美がつくったシータ波発生装置をオンにした。
そして、絵本を開き、聡美に向かって読み聞かせ始めた。
「むかしむかし、あるところに……」
終
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる