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第4幕/おっさんフィガロとときめくピンカートン
第4場⑪
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何たる言い草。天音は三喜雄のあまりの発言に、あ然とした。では何故こんな場所で、一緒に歌いながら酒なんか飲んでいるのか。
「おまえ、友達じゃない人間を家に上げてサシで飲むのかよ!」
「おまえは大して好きでもない女とセックスするだろ、それと一緒」
三喜雄の放った暴言に、天音の頭に血が昇る。
「はあぁ⁉ 俺は愛の無いセックスなんかしたことないぞ!」
これまで交際してきた女たちに、深い愛情は持てなかったかもしれないが、ヤリ目でつき合っていた訳では、断じてない。
他ならぬ三喜雄にこんな言われ方をして、天音は悔しく情けなかった。彼に何でも話しやすいのは確かなので、女性との交際に関しては、誤解を招く言葉を使ってきたかもしれない。だがそこは、同じ年齢の男として、モテる自分を自慢したい気持ちも含めて、少し大目に見てくれてもいいのではないのか。
三喜雄は無感情な顔で天音を見つめている。酔っているせいもあり、癇癪が破裂しそうだった。
「おっ、俺みたいな自己中な奴でも、片山はいつも札幌に帰ったら遊んでくれて……」
怒鳴りたくなるのを、なけなしの理性で堪えた。
「これまでずっと、友達だからそうしてくれてると思ってたのに……」
「うん、おまえがそう思うのは自由だし、別に俺はおまえが嫌いな訳じゃない」
我慢していた何かが、ぷつん、と音を立てて切れた。まずいと思ったが遅かったし、感情の昂りを抑えるには酔い過ぎていた。
「じゃあ何で俺は友達じゃないんだよぉ!」
天音は自分の声がどこから出たのかわからなかった。その変に高い声の残響が消える前に、視界がどっと曇る。酔いと興奮で顔が熱いからか、目からこぼれ出た水は冷たかった。さすがに三喜雄は驚いたようで、しばしあ然としていたが、すぐに立ち上がりティッシュの箱を持って来た。
「大丈夫か? 泣き上戸だったっけ?」
「うるさいっ! 友達じゃないなら優しくすんな」
ほとんど勝手に口から出た天音の言葉に、三喜雄は苦笑した。
「人道の問題だ、急性アルコール中毒の前兆とかだと困る」
その言い方がまた腹立たしかったが、それ以上言葉が出なくなった天音は、代わりに情けなく涙を流し続けた。それは次々と頬を伝って落ちていく。三喜雄はティッシュを3枚取り出した。
「クールなイケメンが台無しだぞ、まさかの乱れ酒……」
本当に、自分でも何故こんなに子どもみたいに泣いているのかわからない。しかし天音はどうしても、自分は友達だという言質を三喜雄から取りたかった。
「おまえ、友達じゃない人間を家に上げてサシで飲むのかよ!」
「おまえは大して好きでもない女とセックスするだろ、それと一緒」
三喜雄の放った暴言に、天音の頭に血が昇る。
「はあぁ⁉ 俺は愛の無いセックスなんかしたことないぞ!」
これまで交際してきた女たちに、深い愛情は持てなかったかもしれないが、ヤリ目でつき合っていた訳では、断じてない。
他ならぬ三喜雄にこんな言われ方をして、天音は悔しく情けなかった。彼に何でも話しやすいのは確かなので、女性との交際に関しては、誤解を招く言葉を使ってきたかもしれない。だがそこは、同じ年齢の男として、モテる自分を自慢したい気持ちも含めて、少し大目に見てくれてもいいのではないのか。
三喜雄は無感情な顔で天音を見つめている。酔っているせいもあり、癇癪が破裂しそうだった。
「おっ、俺みたいな自己中な奴でも、片山はいつも札幌に帰ったら遊んでくれて……」
怒鳴りたくなるのを、なけなしの理性で堪えた。
「これまでずっと、友達だからそうしてくれてると思ってたのに……」
「うん、おまえがそう思うのは自由だし、別に俺はおまえが嫌いな訳じゃない」
我慢していた何かが、ぷつん、と音を立てて切れた。まずいと思ったが遅かったし、感情の昂りを抑えるには酔い過ぎていた。
「じゃあ何で俺は友達じゃないんだよぉ!」
天音は自分の声がどこから出たのかわからなかった。その変に高い声の残響が消える前に、視界がどっと曇る。酔いと興奮で顔が熱いからか、目からこぼれ出た水は冷たかった。さすがに三喜雄は驚いたようで、しばしあ然としていたが、すぐに立ち上がりティッシュの箱を持って来た。
「大丈夫か? 泣き上戸だったっけ?」
「うるさいっ! 友達じゃないなら優しくすんな」
ほとんど勝手に口から出た天音の言葉に、三喜雄は苦笑した。
「人道の問題だ、急性アルコール中毒の前兆とかだと困る」
その言い方がまた腹立たしかったが、それ以上言葉が出なくなった天音は、代わりに情けなく涙を流し続けた。それは次々と頬を伝って落ちていく。三喜雄はティッシュを3枚取り出した。
「クールなイケメンが台無しだぞ、まさかの乱れ酒……」
本当に、自分でも何故こんなに子どもみたいに泣いているのかわからない。しかし天音はどうしても、自分は友達だという言質を三喜雄から取りたかった。
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