彼はオタサーの姫

穂祥 舞

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あとがき

あとがき(2023.11.28)

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 本作に最後までお目通しくださり、ありがとうございました。BLにカテゴリー設定しているのに、ラブはどこ? みたいな仕上がりになってしまったのに、おつき合いくださった読者様には、言葉も見つからないレベルで感謝しております。女の私の目から見て、男の距離感ってちょっと不思議だと、若い頃から常々思って来たものを描きたかったのですが、よくもカテゴリーエラーにならなかったなと、サイトの運営様にもお礼を言いたいです(汗)。
 この2023年は、年明けから身近な人の生き死にに関わることとなり、そもそも歌活動で無理無茶もしていましたから、ずっと何となく不調なまま過ごしてしまいました。春から夏にかけては、思うように言葉が出て来ずイライラすることも……まあ3年目のスランプにしっかり陥りました。現在男女の恋愛小説を推敲中ですが、それも思うように進みませんでした(ちなみにまだできていません)。
 この作品は、そんな中でいわば半分息抜きで書き始めて、8万字であっという間に仕上がりました。ライト文芸カテゴリーの『あいみるのときはなかろう』の登場人物を成長させ持ってきたもので、歌い手である主人公の三喜雄は私にとって大切なキャラなので、これってどうなんだろうという思いもありましたが、せっかくできたから、推敲の上お披露目することにしました。
 BL小説大賞は、過去2年と全く違う展開となり、驚きです。開始同時にぱっと順位が上がり、この内容で、このお気に入り数なのに、まだ300位台で粘っています。アルファポリスは現代BL、非オメガバサブドムは受けないというのが通説です。しかも大学院生が一切エロ無しなんて……と、エントリーを取り下げる気でいました。もしかすると、秘められたニーズに応えることができたのかもしれません。いやもう、愛読・投票ほんとにありがとうございます……楽しい思いをさせてもらいました……。
 三喜雄は何だかんだ言いつつ、プロとして活躍し始めています。「高校時代の1年下の後輩」との関係から『あきとかな後日談集』にたまに顔を出しており、12月は天音と一緒に、ヴェルディの「レクイエム」のソロを歌います。相変わらずラブ無しで天音と戯れていますが、よろしければ、コンサートの部分だけでも覗きに来てください。
 この度も、本当にありがとうございました。


 以前『夜は異世界で舞う』を完結させたとき、ショウが踊った楽曲を一覧にして挙げると喜んでくれたかたがいらしたので、この作品でも三喜雄が歌った曲を紹介しようと思います。実は「どんな曲か聴いてみた」と反応していただくのが私は結構嬉しいです。クラシックはハードルが高いというかたもいらっしゃるかと思うのですが、出会いのきっかけになれば幸いです。

・I Will Be There With You(David Foster)
・歌曲集「ミルテの花」op25より「蓮の花」(R. シューマン)
・オペラ「ラ・ボエーム」より 第1幕「私の名はミミ」(G. プッチーニ)
・Fly Me to the Moon(Bart Howard)
・アリア「あなたが傍にいてくださるなら」BWV508(J. S. バッハ/G. H. シュテルツェル)
・君をのせて(宮崎駿・久石譲)
・ヴォカリーズ 作品34-14(S. ラフマニノフ)
・オペラ「フィガロの結婚」K.492より 第1幕第1場「5……10……20……30」~「たとえばもし、奥方様が」(W. A. モーツァルト)
・オペラ「椿姫」より 第1幕「乾杯の歌」(G. ヴェルディ)
・カンタータ「カルミナ・ブラーナ」第2部“酒場にて”より 「我は大僧正なり」(C. オルフ)
・オペラ「魔笛」K. 620より 第1幕第2場「私は鳥刺し」(W. A. モーツァルト)

 あっ、天音が歌ってるデロ甘デュエットもよろしければ!
・オペラ「蝶々夫人」より 第1幕「魅惑的な眼差しの少女よ」("愛の二重唱")(G. プッチーニ)

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