セックスレス夫婦のお悩み

からあげちきん

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5 カウンセリング

高橋直樹と沙織は、藤崎莉緒カウンセリングクリニックの受付に立っていた。白とグレーの調和した受付エリアは、木製カウンターの観葉植物が落ち着きを添える。受付スタッフは20歳前後の女性たちで、ナース服風の制服は短いスカートと黒タイツ、胸とウエストを強調するデザインで、事務的だが挑発的な雰囲気を漂わせる。
「高橋様、問診票にご記入をお願いします。」
スタッフの一人が微笑みながら紙とペンを差し出した。莉緒への心酔が滲む目は、沙織と直樹に好奇心を向けた。
待合室のベージュのソファに座り、沙織は問診票を手に緊張していた。直樹は隣に座り、疲れた目元を隠すように軽く咳払いをした。問診票には、セックスレスの期間、パートナーへの不満といった詳細な質問が並び、二人は互いに視線を避けながらペンを走らせた。沙織は「女としての自信の喪失」、直樹は「ストレスと感情表現の苦手さ」を書き込み、気まずい沈黙が二人を包んだ。
カウンセリングルームに通されると、藤崎莉緒が革張りの椅子から立ち上がって迎えた。32歳、ショートボブの黒髪、鋭い目元、赤いネイルが光る。彼女の敬語は柔らかく、しかし力強さが滲む。
「直樹さま、沙織さま、ようこそ。どうぞ、お掛けください。」
白い壁、木目の床、自然光が差し込む部屋は、グレーのソファとアロマの香りで癒しと刺激を両立。莉緒の視線は鋭く、しかし共感に満ち、二人の心をすぐに捉えた。
「まず、問診票を拝見しました。お二人の悩みはセックスレスですね。沙織さまは女としての自信を失いかけ、直樹さまはストレスで心の余裕がない。そんなお気持ち、よく伝わります。」
莉緒は紙を手に話し始めた。
「沙織さまは、直樹さまに女として強く求められたいのに、それが感じられない。直樹さまは、沙織さまを愛しているのに、チ◯ポが反応しない瞬間がある。マ◯コが疼くような情熱が、最近は薄れている。そうですね?」
沙織が息を呑み、直樹が目を瞬かせた。莉緒の直接的な言葉に、二人は一瞬固まった。莉緒は軽く笑い、柔らかく続ける。
「ごめんなさい、驚かせましたね。あえてこういう言い方をしているんです。ここでは、包み隠さず話すことが大切。医学的な言葉だと堅苦しくて、心に響かないでしょう? チ◯ポやマ◯コって、素直な言葉で本音を引き出しやすいんです。だから、恥ずかしがらずに、全部出してくださいね。」
沙織は膝を閉じ、直樹は喉を鳴らしたが、莉緒の笑顔にどこか安心感を覚えた。
「では、具体的に。お二人の心の錆を剥がすには、本音から始めましょう。沙織さま、直樹さまに求めるものは何ですか?」
沙織は一瞬躊躇し、職場での視線や昨夜の失敗を思い出した。
「私、女として見られたい。直樹に、昔みたいに欲してほしい。」
直樹は目を伏せ、莉緒の視線に押されるように呟いた。
「沙織を失望させたくない。でも、仕事のストレスで…余裕がない、それを理由にはしたくないが…。」
莉緒は頷き、提案を始めた。
「素晴らしい一歩です。お二人の愛は強い。それを解き放つには、まず小さな刺激から試してみましょう。例えば、軽いSMプレイ。沙織さまを縛って、直樹さまがリードする。沙織さまの心が開く瞬間が見えるかもしれません。コスプレもいいですね。沙織さまがセクシーな衣装で、直樹さまを誘う。バイブを使ったプレイも、二人で新しい快感を探る一歩になります。」
彼女の声は穏やかだが、挑戦的だった。
二人にとっては提案は現実味の薄いもので、どう答えたらいいかわからないようであったが、彼女はさらに続ける。

「でも、もしもっと即効性や確実性を求めるなら、強い刺激が必要かもしれません。例えば、パートナーを一晩交換して、愛を再発見するスワッピングなんてどうでしょう? 新しい視点で、互いの魅力を感じ直すきっかけになりますよ。」

沙織の瞳が大きく揺れ、手が膝の上でぎゅっと握られた。直樹の眉が上がり、喉が小さく動いた。二人は一瞬沈黙し、互いの顔を見た。沙織が先に口を開いた。
「スワッピング…ですか? そんなこと、考えたこともなくて…でも、なんだか怖いような、でも…」
彼女の声は震え、好奇心と不安が混じる。直樹は沙織の言葉に押されるように、ためらいがちに言った。
「沙織、それは…ちょっと急すぎるんじゃないか? でも、莉緒さんが言うなら、何か意味があるのかも…」
莉緒は微笑み、二人の反応を丁寧に見つめた。
「お二人の気持ち、よくわかります。初めて聞くと、驚きますよね。でも、スワッピングは、愛を閉じ込めるのではなく、広げる方法の一つ。沙織さまの『女として見られたい』という願い、直樹さまの『沙織を失望させたくない』という思い、それを実現する鍵になるかもしれません。すぐに決めなくていいですよ。次回までに、考えてみてください。」
莉緒は赤いネイルで机を軽く叩き、二人の心に余韻を残した。彼女の内では、二人の言葉と反応が興奮を呼び、身体の奥が熱くなる感覚を抑えていた。
「次回、具体的なアプローチを話し合いましょう。お二人、準備はできていますか?」
沙織と直樹は互いに視線を交わし、ためらいながらも小さく頷いた。部屋を出る時、沙織の太ももが微かに震え、直樹の胸には未知の期待と不安が芽生えていた。クリニックの扉を閉め、階段を降りる二人の背中に、莉緒の微笑みが静かに見送っていた。
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