セックスレス夫婦のお悩み

からあげちきん

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7 指南

直樹と沙織は、再び藤崎莉緒カウンセリングクリニックの受付に立っていた。
「高橋様、藤崎先生がお待ちです。こちらへどうぞ。」
スタッフの声に導かれ、カウンセリングルームへ向かう。沙織は緊張で手を握り、直樹は疲れた目元に決意を宿していた。
部屋に入ると、藤崎莉緒が革張りの椅子から立ち上がり、微笑んだ。
「直樹さま、沙織さま、お元気ですか? 前回の話、考えてきてくれましたね。」
二人がグレーのソファに座ると、莉緒は話を始めた。
「スワッピングを試す決意、素晴らしいです。お二人の愛は強いから、きっと新しい発見がありますよ。今日は、スワッピングを成功させるための心得と、相手夫婦への誘い方をお話ししましょう。」
沙織が小さく息を呑み、直樹が頷いた。莉緒は穏やかに続ける。
「まず、心得の一つ目は、信頼と同意。スワッピングは、チ◯ポやマ◯コの快感を共有するだけじゃなく、心の繋がりを深めるもの。沙織さま、直樹さま、相手夫婦とも、事前にルールを決めてください。例えば、どこまでOKか、避けたいことは何か。全部、隠さず話すのが大事です。」
沙織が膝を閉じ、直樹が軽く咳払いした。莉緒の直接的な言葉に慣れつつあるが、緊張は隠せない。莉緒は微笑み、言葉を重ねた。
「二つ目は、嫉妬を受け入れること。直樹さまが沙織さまを他の男に抱かれるのを見て、胸がざわつくかもしれない。沙織さまも、直樹さまが他の女に触れるのを見て、モヤモヤするかも。でも、それが愛の証。嫉妬を隠さず、終わった後に二人で話して、絆を強くしてください。」
直樹が小さく呟いた。
「…嫉妬、確かに怖いな。でも、沙織と向き合うなら、乗り越えられるか。」
沙織は直樹の手を握り、頷いた。
「私も…ドキドキするけど、直樹と一緒なら大丈夫って思ってる。」
莉緒の目が光り、提案を続けた。
「素敵な心構えね。もう一つの魅力は、例外的なことが起こる可能性。見えていない二人が何をしているのか、自分たちが知らない何かをしているかもしれない…その想像が、スワッピングを特別にするの。沙織さまが他の男にどんな風に触れられているか、直樹さまが他の女にどんな快感を与えているか、知らない部分が心を掻き立てるわ。」
沙織の頬が赤らみ、直樹の喉が小さく動いた。莉緒はさらに続ける。
「だから、最初は部屋を分けるのがおすすめ。別々の空間で始めれば、緊張が和らぐし、想像力が刺激される。もし慣れて、大丈夫そうなら、同じ部屋でやってみるのもいいわ。一緒にいることで、互いの姿を見て、新たな興奮が生まれるかもしれない。」
沙織が小さく頷き、直樹が考え込むように言った。
「部屋を分ける…それなら、ちょっと安心かもな。でも、同じ部屋って…想像するだけでなんか、変な気分だ。」
莉緒は微笑み、誘い方の指南に移った。
「じゃあ、誘い方。相手は、直樹さまの部下の佐藤遼さまと真央さまを考えているそうね。信頼できる相手、いい選択です。誘う時は、誠実さと好奇心をバランスよく。ランチに誘って、軽い会話から始めるの。例えば、こう。」
莉緒は声を少し変え、模擬的に話した。
「『遼さん、真央さん、実は夫婦で新しいことに挑戦しようと思ってて。藤崎先生のクリニックで、スワッピングって面白いって聞いてさ。二人なら信頼できるから、一緒に試してみない?』って、ストレートだけど柔らかくね。」
沙織が頬を赤らめ、直樹が喉を鳴らした。莉緒は笑いながら続ける。
「大事なのは、相手が安心できる雰囲気。無理強いはダメ。佐藤夫妻が興味を示したら、具体的な日時や場所を提案して。緊張を和らげるために、最初は軽くお酒を飲むのもいいかもしれない。」
莉緒はノートにメモを書きながら、締めくくった。
「スワッピングは、愛を広げる冒険。沙織さまの女としての輝き、直樹さまの男としての自信、絶対に取り戻せます。準備はできていますか?」
沙織と直樹は互いに視線を交わし、強く頷いた。
「はい、先生。やってみます。」
沙織の声に決意が滲み、直樹が続けた。
「佐藤たちに、ちゃんと話してみる。」
莉緒は赤いネイルで机を軽く叩き、微笑んだ。彼女の内では、二人の覚悟が興奮を呼び、身体の奥が熱くなる感覚を抑えていた。
「次は、実行後のフォローでお会いしましょう。新しい物語、楽しんでくださいね。」
部屋を出る時、沙織の胸は高鳴り、直樹の心には未知の期待が膨らんでいた。クリニックの扉を閉め、階段を降りる二人の背中に、莉緒の視線が静かに見送っていた。
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