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村の後始末をする
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洞窟を無事に抜け出たダン達は、既に日が傾いているのを見た。
ダンは振り返り女性達を確認する。
リルが丁寧に手当をしたのだろう、女性達はある程度身ぎれいな状態になっていた。その中のエルフの女性が進み出てくる。
「あのコレ」その手にはダンの渡した道具が握られていた。
「すみませんがしばらく持っていていただけますか? すこし手が足りていませんで」とダンは両肩の2人を見て言った。そして他の女性達にも聞こえる様に言う。
「皆さん、ここも安全だとは言えませんので近くの村に移動します。まだ歩けますか?」
「村」と言った時に体が動いた2人が居たが、その2人も含めて全員から何も言われなかったので、ダンは来た道を辿るように先ほど通過した村へと向かった。
「ダンさん、村って」
「先程の村ですよ。まずは一夜を過ごせる場所に向かいましょう」
慌てた様子のリルにダンは普通の調子で答えた。ダンが言うならとリルも黙ると、先行して歩き出した。
その後、魔物による襲撃もなく一行は村の柵近くまでたどり着いた。するとダンは肩に担いでいた2人を下ろして、皆に「ここで待つように」と言うと一人で村へと向かった。
「やっぱりアンデッド」
リルはダンの姿を見ながらそう呟いた。正確にはダンが相手をしている人型を見ながら。
女性達の中でこの村の出身だと言う2人は俯いて肩を震わせていた。それほど大きくはない村だ、今ダンが戦っている人物も顔見知りなのだろう。
どこか歪な人型の、その表情は恨みを持っているようなソレ。不遇の死を恨んだ自身の魂か、はたまた依り代を見つけた自然の霊が入り込んだ死体。動く死体というやつだ。
その死体にダンは無手で攻撃を加えていた。
「あの人は神官戦士か何かですか?」
エルフの女性がリルに尋ねる。ダンの攻撃で動く死体は、動かぬ死体になっていくのだ。たしか自然を崇める教義の神官をやっていると、エルフの女性から手当の途中の少ない会話からリルは聞いていた。だからダンの攻撃が不思議なものに見えるのだろう。
「さあ、元兵士をやっていたとは聞きましたが? 今は冒険者ですけど」
ダンの一撃を食らった死体から、霊が弾き出されるように抜けていくのが見える。
リルもダンがどのような攻撃をしているのか見当もつかなかった。なにせ死体の方はダメージを受けているようには見えないのだ。
やがて動く相手が居ないのを確認したダンが皆のもとに戻ってくる。
「確認は出来ましたか?」
ダンは村の住人だった女性2人に来てもらい確認をしてもらうと、出来る限り身体を揃えて死体全員を並べた。
「では送ります。僕は魔法が得意ではないので、少しだけ離れて貰えますか?」
広場に並べた死体に向かってダンは自身の得意な方法で魔法を放った。
「――火事場の炉の炎よ」
その手に小さな火種を生み出すと、その火を死体へと放つ。ふよふよと頼りなく飛んだ火が死体へと到達すると、ゴウッ! と一気に並べた死体を包むように火の膜が出来上がった。
「どうか安らかに」と全員が黙とうを捧げた。
数分後、そこには白い灰だけが残っており、それも風が吹いて流されていった。
「で、あと一か所見ていただきたいところがあるんですが、大丈夫ですか?」
涙を流している2人に申し訳なさそうにダンが問いかけた。
涙を拭い、頷いた2人の女性を先頭に引き連れて、全員で移動した先は村の外れだった。ちなみにダンは両肩に2人担いで移動した。
そこは村の柵とは別の柵が作られた一軒の家があった。その家の前に向こうが透けて見える男女の姿があった。ダンが何かを言おうとする前に女性の1人が駆けだした。
「お父さん! お母さん!」
『お、おお? ポーラ、か?』
『あなた、ポーラよ! ちゃんと生きてるわ!』
女性は2人に向かってダイブしたが、2人はその体を受け取れなくすり抜けた。
ズサーと女性が家まで顔面から滑り込んだのを見て、ダンは言いかけた言葉をしまった。ちょっとどう声をかけたものか考えてしまったからだ。
『そうか、生き残ったのはポーラとクロイツさんのクローディアちゃんだけか』
家の中にお邪魔させてもらったダン達は、顔面を強打したポーラの意識が戻るまでポーラの両親と会話をしていた。
ポーラの両親は自分たちが亡くなったのを認識していて、体は無くなってしまったが(死体は熊型の魔物に食べられてしまったようだ)自分たちの娘のポーラの無事を祈って、この家で待ち続けていたようだ。こうして落ち着いて話を出来る時点で悪霊化はしていないと分かった。
助けた女性はこの家のポーラと、村で狩人をしていた家の娘のクローディアと判明した。
「とりあえずこの2人は僕が保護をします」
ダンはポーラの両親にそう告げた。
『わかりました。ああ、これで旅立てる――』『そうですね』
嬉し涙を浮かべて、もう思い残すことはないと成仏しようとするポーラの両親。徐々に浮き上がっていこうとするその2人の姿にダンは、
「ちょっと待ってください」
と2人の肩をがっしりと掴んで、下へと引き戻した。
『『ええ!?』』
「すみませんが、手は多い方がいいので」
にっこりと笑うダンに、ポーラの両親は感じるはずのない寒気を覚えた。
家の中にあった無事な椅子2つにダンは担いできた2人の身体をそっと座らせると、まず男性の手を取り、次いでポーラの父親の方へと手を差し出した。不安な顔をしながら、その手を掴もうと手を伸ばす父親。ダンの手に触れるとその体が光を帯びた。
『え? なんですかコレはー!?』
体が光だけに代わってダンの中に吸い込まれ、そのままダンのもう一方の手から椅子に座った男性の身体へと移っていく。
そして光が収まると椅子に座った男性がビクリと体を震わせた。
「これは憑依!?」
エルフの女性が目の前の光景に唖然とした。
ダンは続けて椅子に座った女性の手を取ると、ポーラの母親へと手を伸ばす。
目の前で自分の夫の変化を見ていたポーラの母親はダンの手を掴んだ。
「ちょっと待った~!」というエルフの女性の言葉は一足遅く、先程と同じように椅子に座った女性がビクリと体を動かした。
あああ~と崩れたエルフの女性をいったん放置して、ダンは「久々の感覚はどうですか」と問いかけた。
椅子に座ったまま2人は手や足、自分の顔などを触って感触を確認していく。とそこでポーラが目を覚ました。
「あれ? お父さんとお母さんは?」
意識を取り戻して、先程の記憶を思い出すポーラ。その姿を見た2人は「「ポーラ!」」といって同時にポーラを抱きしめた。
「え? ええ? どういうこと?」
『なかなかに複雑なことになりましたね』とダンは自分がしでかした結果を見てそう思った。
「自然が!」とエルフの女性も頭を抱えている。
体と魂。それはセットで1つ。
それを結び付けているのは精神とか心だとか言われているが、ダンは生命力そのものの闘気が関わっていると考えていた。
「それでちょうどよく魂だけが旅立った体と、体を無くした健全な魂がありましたから揃えてみました」
サラッと言うダンに全員が黙った。エルフの女性などはジト目でダンを見ている。
「申し訳ないんですけど、手伝ってくれませんか」
ダンはそんな雰囲気を無視してポーラの両親が入った男女に頼んだ。
「ええっと、私、いや俺? ライという名前で呼んでください?」
「私はリン? というみたいです?」
ポーラの両親は首を振りながら言った。どうやら長年(おそらく10代後半)の身体自体に記憶が残っているようだ。しみついた感覚のようなものなのだろう。
その娘のポーラは「お父さんお母さんが若くなった? いやでも体は別の人だし?」とまだ頭の整理ができていないようだ。
「……彼らの元々の魂を追い出したんですか?」
「いえ? 追い出したらそこに漂っていることでしょう。この2人の元の魂は洞窟で天に還ったと思いますよ」
エルフの女性はそこを気にしていたかとダン。さっきリルから自然を信仰する神官だと聞いた。
「まずは人手が欲しかったので、すみませんが一先ず納得していただけませんか?」
そういうとエルフの女性はため息をついて「わかりました」と言った。
「それでは、まず使えそうな食器とか集めましょうか。あと服も」
「「「「それって火事場泥棒って言いませんか!?」」」」
背に腹は代えられないと全員が村の中を見て回り、使えそうな物資を集めていく。
その時ダンはライと一緒にあるものを見ていた。正確には、この村の生き残りだ。
「逃げなかったんですか? この子」とダンは目の前の馬を見ながら言った。やや細く感じる馬体だが、それでもしっかりと自らの足で立っている。
「ええ、柵は開けておいたんですけどね」
というわけで馬も連れていくことにした。
集まった物を6と刺繍されたマジックバッグにしまうと、ダンは全員を見渡して告げた。
「今日はポーラさんの家に全員で泊まって、明日、ここを移動します」
「あの、街に向かうんですか?」
その言葉に全員が、いや事情を知らないライとリンが何のこと? といった顔をする。ここに至るまで、道中で自己診断魔法で全員確認してもらった。
そこには称号として『魔の孕み腹(ゴブリン)』が表示されたのだ。
マイナス称号と呼ばれる中でも、これは女性としては致命的な称号だ。これがあるだけで街中でレイプ等の対象として見られる。法律上そんなことはないのだが、魔物に襲われたという事実が人の、特に男の認識を捻じ曲げるのだ。街中では人のステータスを覗き見る者がソコソコ居る。そんな相手にバレたらあっという間に情報が街中に広まるだろう。
村規模だがダンはそんな現実を見たことがあった。
「いえ、街ではなく僕の土地に移動します」
「土地?」「どこかの領主なのか」と女性達は困惑していた。
「まあ、着いてからのお楽しみってことで。森の中ですから、めったに人は来ないと思いますよ?」
とりあえず全員疲れからか話もそこそこに寝ることにした。
この時ツッコミを入れるべきだったと、ダンとリルを除く全員が後に思ったのだった。
ダンは振り返り女性達を確認する。
リルが丁寧に手当をしたのだろう、女性達はある程度身ぎれいな状態になっていた。その中のエルフの女性が進み出てくる。
「あのコレ」その手にはダンの渡した道具が握られていた。
「すみませんがしばらく持っていていただけますか? すこし手が足りていませんで」とダンは両肩の2人を見て言った。そして他の女性達にも聞こえる様に言う。
「皆さん、ここも安全だとは言えませんので近くの村に移動します。まだ歩けますか?」
「村」と言った時に体が動いた2人が居たが、その2人も含めて全員から何も言われなかったので、ダンは来た道を辿るように先ほど通過した村へと向かった。
「ダンさん、村って」
「先程の村ですよ。まずは一夜を過ごせる場所に向かいましょう」
慌てた様子のリルにダンは普通の調子で答えた。ダンが言うならとリルも黙ると、先行して歩き出した。
その後、魔物による襲撃もなく一行は村の柵近くまでたどり着いた。するとダンは肩に担いでいた2人を下ろして、皆に「ここで待つように」と言うと一人で村へと向かった。
「やっぱりアンデッド」
リルはダンの姿を見ながらそう呟いた。正確にはダンが相手をしている人型を見ながら。
女性達の中でこの村の出身だと言う2人は俯いて肩を震わせていた。それほど大きくはない村だ、今ダンが戦っている人物も顔見知りなのだろう。
どこか歪な人型の、その表情は恨みを持っているようなソレ。不遇の死を恨んだ自身の魂か、はたまた依り代を見つけた自然の霊が入り込んだ死体。動く死体というやつだ。
その死体にダンは無手で攻撃を加えていた。
「あの人は神官戦士か何かですか?」
エルフの女性がリルに尋ねる。ダンの攻撃で動く死体は、動かぬ死体になっていくのだ。たしか自然を崇める教義の神官をやっていると、エルフの女性から手当の途中の少ない会話からリルは聞いていた。だからダンの攻撃が不思議なものに見えるのだろう。
「さあ、元兵士をやっていたとは聞きましたが? 今は冒険者ですけど」
ダンの一撃を食らった死体から、霊が弾き出されるように抜けていくのが見える。
リルもダンがどのような攻撃をしているのか見当もつかなかった。なにせ死体の方はダメージを受けているようには見えないのだ。
やがて動く相手が居ないのを確認したダンが皆のもとに戻ってくる。
「確認は出来ましたか?」
ダンは村の住人だった女性2人に来てもらい確認をしてもらうと、出来る限り身体を揃えて死体全員を並べた。
「では送ります。僕は魔法が得意ではないので、少しだけ離れて貰えますか?」
広場に並べた死体に向かってダンは自身の得意な方法で魔法を放った。
「――火事場の炉の炎よ」
その手に小さな火種を生み出すと、その火を死体へと放つ。ふよふよと頼りなく飛んだ火が死体へと到達すると、ゴウッ! と一気に並べた死体を包むように火の膜が出来上がった。
「どうか安らかに」と全員が黙とうを捧げた。
数分後、そこには白い灰だけが残っており、それも風が吹いて流されていった。
「で、あと一か所見ていただきたいところがあるんですが、大丈夫ですか?」
涙を流している2人に申し訳なさそうにダンが問いかけた。
涙を拭い、頷いた2人の女性を先頭に引き連れて、全員で移動した先は村の外れだった。ちなみにダンは両肩に2人担いで移動した。
そこは村の柵とは別の柵が作られた一軒の家があった。その家の前に向こうが透けて見える男女の姿があった。ダンが何かを言おうとする前に女性の1人が駆けだした。
「お父さん! お母さん!」
『お、おお? ポーラ、か?』
『あなた、ポーラよ! ちゃんと生きてるわ!』
女性は2人に向かってダイブしたが、2人はその体を受け取れなくすり抜けた。
ズサーと女性が家まで顔面から滑り込んだのを見て、ダンは言いかけた言葉をしまった。ちょっとどう声をかけたものか考えてしまったからだ。
『そうか、生き残ったのはポーラとクロイツさんのクローディアちゃんだけか』
家の中にお邪魔させてもらったダン達は、顔面を強打したポーラの意識が戻るまでポーラの両親と会話をしていた。
ポーラの両親は自分たちが亡くなったのを認識していて、体は無くなってしまったが(死体は熊型の魔物に食べられてしまったようだ)自分たちの娘のポーラの無事を祈って、この家で待ち続けていたようだ。こうして落ち着いて話を出来る時点で悪霊化はしていないと分かった。
助けた女性はこの家のポーラと、村で狩人をしていた家の娘のクローディアと判明した。
「とりあえずこの2人は僕が保護をします」
ダンはポーラの両親にそう告げた。
『わかりました。ああ、これで旅立てる――』『そうですね』
嬉し涙を浮かべて、もう思い残すことはないと成仏しようとするポーラの両親。徐々に浮き上がっていこうとするその2人の姿にダンは、
「ちょっと待ってください」
と2人の肩をがっしりと掴んで、下へと引き戻した。
『『ええ!?』』
「すみませんが、手は多い方がいいので」
にっこりと笑うダンに、ポーラの両親は感じるはずのない寒気を覚えた。
家の中にあった無事な椅子2つにダンは担いできた2人の身体をそっと座らせると、まず男性の手を取り、次いでポーラの父親の方へと手を差し出した。不安な顔をしながら、その手を掴もうと手を伸ばす父親。ダンの手に触れるとその体が光を帯びた。
『え? なんですかコレはー!?』
体が光だけに代わってダンの中に吸い込まれ、そのままダンのもう一方の手から椅子に座った男性の身体へと移っていく。
そして光が収まると椅子に座った男性がビクリと体を震わせた。
「これは憑依!?」
エルフの女性が目の前の光景に唖然とした。
ダンは続けて椅子に座った女性の手を取ると、ポーラの母親へと手を伸ばす。
目の前で自分の夫の変化を見ていたポーラの母親はダンの手を掴んだ。
「ちょっと待った~!」というエルフの女性の言葉は一足遅く、先程と同じように椅子に座った女性がビクリと体を動かした。
あああ~と崩れたエルフの女性をいったん放置して、ダンは「久々の感覚はどうですか」と問いかけた。
椅子に座ったまま2人は手や足、自分の顔などを触って感触を確認していく。とそこでポーラが目を覚ました。
「あれ? お父さんとお母さんは?」
意識を取り戻して、先程の記憶を思い出すポーラ。その姿を見た2人は「「ポーラ!」」といって同時にポーラを抱きしめた。
「え? ええ? どういうこと?」
『なかなかに複雑なことになりましたね』とダンは自分がしでかした結果を見てそう思った。
「自然が!」とエルフの女性も頭を抱えている。
体と魂。それはセットで1つ。
それを結び付けているのは精神とか心だとか言われているが、ダンは生命力そのものの闘気が関わっていると考えていた。
「それでちょうどよく魂だけが旅立った体と、体を無くした健全な魂がありましたから揃えてみました」
サラッと言うダンに全員が黙った。エルフの女性などはジト目でダンを見ている。
「申し訳ないんですけど、手伝ってくれませんか」
ダンはそんな雰囲気を無視してポーラの両親が入った男女に頼んだ。
「ええっと、私、いや俺? ライという名前で呼んでください?」
「私はリン? というみたいです?」
ポーラの両親は首を振りながら言った。どうやら長年(おそらく10代後半)の身体自体に記憶が残っているようだ。しみついた感覚のようなものなのだろう。
その娘のポーラは「お父さんお母さんが若くなった? いやでも体は別の人だし?」とまだ頭の整理ができていないようだ。
「……彼らの元々の魂を追い出したんですか?」
「いえ? 追い出したらそこに漂っていることでしょう。この2人の元の魂は洞窟で天に還ったと思いますよ」
エルフの女性はそこを気にしていたかとダン。さっきリルから自然を信仰する神官だと聞いた。
「まずは人手が欲しかったので、すみませんが一先ず納得していただけませんか?」
そういうとエルフの女性はため息をついて「わかりました」と言った。
「それでは、まず使えそうな食器とか集めましょうか。あと服も」
「「「「それって火事場泥棒って言いませんか!?」」」」
背に腹は代えられないと全員が村の中を見て回り、使えそうな物資を集めていく。
その時ダンはライと一緒にあるものを見ていた。正確には、この村の生き残りだ。
「逃げなかったんですか? この子」とダンは目の前の馬を見ながら言った。やや細く感じる馬体だが、それでもしっかりと自らの足で立っている。
「ええ、柵は開けておいたんですけどね」
というわけで馬も連れていくことにした。
集まった物を6と刺繍されたマジックバッグにしまうと、ダンは全員を見渡して告げた。
「今日はポーラさんの家に全員で泊まって、明日、ここを移動します」
「あの、街に向かうんですか?」
その言葉に全員が、いや事情を知らないライとリンが何のこと? といった顔をする。ここに至るまで、道中で自己診断魔法で全員確認してもらった。
そこには称号として『魔の孕み腹(ゴブリン)』が表示されたのだ。
マイナス称号と呼ばれる中でも、これは女性としては致命的な称号だ。これがあるだけで街中でレイプ等の対象として見られる。法律上そんなことはないのだが、魔物に襲われたという事実が人の、特に男の認識を捻じ曲げるのだ。街中では人のステータスを覗き見る者がソコソコ居る。そんな相手にバレたらあっという間に情報が街中に広まるだろう。
村規模だがダンはそんな現実を見たことがあった。
「いえ、街ではなく僕の土地に移動します」
「土地?」「どこかの領主なのか」と女性達は困惑していた。
「まあ、着いてからのお楽しみってことで。森の中ですから、めったに人は来ないと思いますよ?」
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