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蹂躙する者。される者(ダンの教えを受けた者達視点 西門サイド)
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北門にてゴブリン達の蹂躙が始まる頃、西門へとたどり着いたリル達はその光景を見て眉をひそめていた。
「グラスウルフ達が草原地帯に戻ってない?」
草原狼の名前の通り、その習性として草むらに潜んでのヒット&アウェイが本来の攻撃方法であるグラスウルフ達は、冒険者へ攻撃を加えた後、草原地帯へ戻ろうとしてその手前で立ち止まり振り返るといった行動を繰り返していた。
ホーンラビットもどちらかと言えば草むらから奇襲をするのが主体の魔物だ。それが常に姿を見せて、頭の角を突き出すように突進してくる。草むらからの突然の奇襲ならまだしも、姿を見せての突進はその脅威が低い。まあ、それも数が少なければだが。
やはり草原地帯に入らず、平地に揃ってかなりの数が並ぶ姿は威圧感がある。
「……どうも草原の中にナニカおるっぽいな」
「そのようですね。狼達の顔が極度に緊張しているようですし」
リルとロウキがその様子を見ながら思ったことを口にする。
「増援か!? すぐに加勢し、グェ!」
リル達の姿を見た冒険者の一人が振り向きながらそう言った。ホーンラビットがその振り返った隙を見逃さずに、その冒険者の胴体へと突進をする。防具を貫通することはなかったが、その突進の勢いに肺の空気を吐き出して、冒険者が転倒した。
すぐさまに起き上がれない冒険者の無防備な姿に、ホーンラビットが冒険者の顔面目掛けて突進を開始する。
ヒュ! と空気を切り裂く音がして、そのホーンラビットを地面に縫い付ける矢が1本。
「とりあえず加勢しないと」
クローディアが次の矢を手にしながらリルとロウキに声を掛ける。
「ふむ、確かにな。しかし弱いモノいじめはしとうないのぉ。……リル殿、ひとつ手伝ってくれぬか?」
ロウキが不承不承という感じで頷く。そして隣のリルを見ながら、喉をトントンと叩き問いかけた。リルが頷くと大きく息を吸い込む。リルも併せて息を吸った。
クローディアはソレを見て耳を慌てて抑える。ポーラ達も耳を塞いでいた。
『ウオォォォォォォォォォォン!』
『ルオォォォォォォォォォォン!』
2人の口から大きな遠吠えが放たれた。その咆哮に闘気が乗せられて放たれる。
突然の咆哮に、グラスウルフ、ホーンラビットだけではなく、その場に居る冒険者達の視線がリルとロウキに集まった。
『平伏せ弱き者どもよ!』
魔物が放つ技として『テラーボイス』という技がある。恐怖を呼び起こすその技と同じような効果が先程の咆哮にあった。もっとも『テラーボイス』とは違い、力業に近いものであったが。
格上の闘気を肌で感じた魔物達は、その本能から体が硬直してしまったのだ。そして再度放たれたロウキの強制力を伴う命令に、グラスウルフの何匹かが伏せの体制をする。
その様子を見ていたポーラがトコトコとホーンラビットの方へと近づいていく。
「戦いをしたくない子はいるかな~?」
ポーラの言葉に、ホーンラビットの目がポーラを見た。リルとロウキの咆哮で、一瞬だが闘争心を消されたホーンラビットがポーラの言葉を聞き入れたのだ。
「ふむふむ? 草原にヌルヌルしたヤツがいる? それじゃ、ここは危ないからコッチに避難しようね~」
その言葉にホーンラビットとグラスウルフの何匹化は退避するように移動を開始した。
「すげぇ」「マジかよ」と呟く冒険者達。ただ一人唸り声を上げる者が居た。
「ぬぅぅ、なぜポーラについていく! 我についてくる場面であろう!?」
ロウキが一人、地団駄を踏んでいた。その声が聞こえたポーラが答えた。
「最近ロウキさんの言葉が聞きやすくなったんですけど、それと一緒にこう、野生感がすっかり抜けましたよね? なんて言ったらいいんだろ?……人っぽくなった?」
「なんだと!? 我が人っぽいだと?」
ガルルと唸るロウキに、グラスウルフ達が逃げるように距離を取る。
「とはいえ全てに効果があったわけではないですね。まあ、距離を取って近づいてこないようにはなりましたが。それよりも――」
リルが飛び出すように駆け出した。冒険者達の間を抜け、グラスウルフを飛び越し草原地帯へと踏み込んだ。そして籠手を着けた手を草原の中へと叩きこむ。素早く引き抜かれたその手には緑色の大きな蛇が握られていた。
「どうもこの蛇が原因のようですね。さて、この草原の中にどれほど居るのやら?」
「リルさん! 草原から離れてください。やってみます!」
草原を見て思案顔をしていたリルにクローディアから声が掛かる。クローディアの意図を察したリルは素早く草原から退避をした。
クローディアは矢を持たずに弓の弦を引く。そして上へと弓を掲げた。
「アーツ『アローレイン』!」
クローディアの掛け声と共に闘気で作られた矢が弓の弦に乗っかり、クローディアの手から放たれると大きく山なりに撃ち出される。そして放物線が頂点に達したときに、その矢が分裂をした。小さく分裂した矢は、一つ一つは小さくとも全て闘気で作られた矢だ。それが草原地帯へと降り注ぐ。
連続する炸裂。巻き上がる草にまみれて、緑色の蛇が舞い上がった。
「今!」とライとリンが剣を手に草原地帯へと突っ込んだ。振るわれる剣に蛇達が切り裂かれていく。
「遅れを取るわけにはイカン!」とロウキも草原地帯へと突っ込んだ。
「ん~、まだ居るようね。クローディア、もう何発かやってもらえる?」
「……すみません、ちょっと休みを貰えますか? やっぱり結構疲れるアーツだったんで」
草原の様子を見ていたリルがクローディアへと声を掛ける。しかしクローディアは肩で息をするように消耗していたので、やはり無理かと「そのまま体を休めていて」と声を掛ける。
「あの、俺達どうしましょうか?」
怒涛の展開についていけなかった冒険者達がリルに聞いてきた。何人かはグラスウルフやホーンラビットを警戒していたが、向こうも警戒するだけで攻撃を仕掛ける様子がないことから手が空いてしまったのだ。
「それじゃあ、草原の中に居るこの蛇を仕留めてきてくれますか? どうも蛇が居て、草原地帯に戻れないのが原因のようですので」
「あ、ああ。それとアッチの嬢ちゃんは?」
冒険者の視線を追うとグラスウルフとホーンラビットを宥めつつ可愛がっているポーラの姿が。見ようによっては集団に襲われているようにも見える。
「ああ、放っておいて大丈夫ですよ。むしろ下手に手を出すと危険かと」
「そ、そうか、分かった。おい、俺達も蛇を倒すのを手伝いに行くぞ!」
「お、おう!」と幾人かの冒険者達が草原地帯へと入っていく。
その様子を見ていたリルはとりあえず事態が収束に向かっていることに安堵の溜め息をついた。
「そういえばダンさんはこちらに居ないのね? 北門の方に居るのかしら?」
「早く終わらせて合流しようかしら」とリルも草原地帯へと向かっていく。
西門の戦いは早くも終結の様相を見せていた。
「グラスウルフ達が草原地帯に戻ってない?」
草原狼の名前の通り、その習性として草むらに潜んでのヒット&アウェイが本来の攻撃方法であるグラスウルフ達は、冒険者へ攻撃を加えた後、草原地帯へ戻ろうとしてその手前で立ち止まり振り返るといった行動を繰り返していた。
ホーンラビットもどちらかと言えば草むらから奇襲をするのが主体の魔物だ。それが常に姿を見せて、頭の角を突き出すように突進してくる。草むらからの突然の奇襲ならまだしも、姿を見せての突進はその脅威が低い。まあ、それも数が少なければだが。
やはり草原地帯に入らず、平地に揃ってかなりの数が並ぶ姿は威圧感がある。
「……どうも草原の中にナニカおるっぽいな」
「そのようですね。狼達の顔が極度に緊張しているようですし」
リルとロウキがその様子を見ながら思ったことを口にする。
「増援か!? すぐに加勢し、グェ!」
リル達の姿を見た冒険者の一人が振り向きながらそう言った。ホーンラビットがその振り返った隙を見逃さずに、その冒険者の胴体へと突進をする。防具を貫通することはなかったが、その突進の勢いに肺の空気を吐き出して、冒険者が転倒した。
すぐさまに起き上がれない冒険者の無防備な姿に、ホーンラビットが冒険者の顔面目掛けて突進を開始する。
ヒュ! と空気を切り裂く音がして、そのホーンラビットを地面に縫い付ける矢が1本。
「とりあえず加勢しないと」
クローディアが次の矢を手にしながらリルとロウキに声を掛ける。
「ふむ、確かにな。しかし弱いモノいじめはしとうないのぉ。……リル殿、ひとつ手伝ってくれぬか?」
ロウキが不承不承という感じで頷く。そして隣のリルを見ながら、喉をトントンと叩き問いかけた。リルが頷くと大きく息を吸い込む。リルも併せて息を吸った。
クローディアはソレを見て耳を慌てて抑える。ポーラ達も耳を塞いでいた。
『ウオォォォォォォォォォォン!』
『ルオォォォォォォォォォォン!』
2人の口から大きな遠吠えが放たれた。その咆哮に闘気が乗せられて放たれる。
突然の咆哮に、グラスウルフ、ホーンラビットだけではなく、その場に居る冒険者達の視線がリルとロウキに集まった。
『平伏せ弱き者どもよ!』
魔物が放つ技として『テラーボイス』という技がある。恐怖を呼び起こすその技と同じような効果が先程の咆哮にあった。もっとも『テラーボイス』とは違い、力業に近いものであったが。
格上の闘気を肌で感じた魔物達は、その本能から体が硬直してしまったのだ。そして再度放たれたロウキの強制力を伴う命令に、グラスウルフの何匹かが伏せの体制をする。
その様子を見ていたポーラがトコトコとホーンラビットの方へと近づいていく。
「戦いをしたくない子はいるかな~?」
ポーラの言葉に、ホーンラビットの目がポーラを見た。リルとロウキの咆哮で、一瞬だが闘争心を消されたホーンラビットがポーラの言葉を聞き入れたのだ。
「ふむふむ? 草原にヌルヌルしたヤツがいる? それじゃ、ここは危ないからコッチに避難しようね~」
その言葉にホーンラビットとグラスウルフの何匹化は退避するように移動を開始した。
「すげぇ」「マジかよ」と呟く冒険者達。ただ一人唸り声を上げる者が居た。
「ぬぅぅ、なぜポーラについていく! 我についてくる場面であろう!?」
ロウキが一人、地団駄を踏んでいた。その声が聞こえたポーラが答えた。
「最近ロウキさんの言葉が聞きやすくなったんですけど、それと一緒にこう、野生感がすっかり抜けましたよね? なんて言ったらいいんだろ?……人っぽくなった?」
「なんだと!? 我が人っぽいだと?」
ガルルと唸るロウキに、グラスウルフ達が逃げるように距離を取る。
「とはいえ全てに効果があったわけではないですね。まあ、距離を取って近づいてこないようにはなりましたが。それよりも――」
リルが飛び出すように駆け出した。冒険者達の間を抜け、グラスウルフを飛び越し草原地帯へと踏み込んだ。そして籠手を着けた手を草原の中へと叩きこむ。素早く引き抜かれたその手には緑色の大きな蛇が握られていた。
「どうもこの蛇が原因のようですね。さて、この草原の中にどれほど居るのやら?」
「リルさん! 草原から離れてください。やってみます!」
草原を見て思案顔をしていたリルにクローディアから声が掛かる。クローディアの意図を察したリルは素早く草原から退避をした。
クローディアは矢を持たずに弓の弦を引く。そして上へと弓を掲げた。
「アーツ『アローレイン』!」
クローディアの掛け声と共に闘気で作られた矢が弓の弦に乗っかり、クローディアの手から放たれると大きく山なりに撃ち出される。そして放物線が頂点に達したときに、その矢が分裂をした。小さく分裂した矢は、一つ一つは小さくとも全て闘気で作られた矢だ。それが草原地帯へと降り注ぐ。
連続する炸裂。巻き上がる草にまみれて、緑色の蛇が舞い上がった。
「今!」とライとリンが剣を手に草原地帯へと突っ込んだ。振るわれる剣に蛇達が切り裂かれていく。
「遅れを取るわけにはイカン!」とロウキも草原地帯へと突っ込んだ。
「ん~、まだ居るようね。クローディア、もう何発かやってもらえる?」
「……すみません、ちょっと休みを貰えますか? やっぱり結構疲れるアーツだったんで」
草原の様子を見ていたリルがクローディアへと声を掛ける。しかしクローディアは肩で息をするように消耗していたので、やはり無理かと「そのまま体を休めていて」と声を掛ける。
「あの、俺達どうしましょうか?」
怒涛の展開についていけなかった冒険者達がリルに聞いてきた。何人かはグラスウルフやホーンラビットを警戒していたが、向こうも警戒するだけで攻撃を仕掛ける様子がないことから手が空いてしまったのだ。
「それじゃあ、草原の中に居るこの蛇を仕留めてきてくれますか? どうも蛇が居て、草原地帯に戻れないのが原因のようですので」
「あ、ああ。それとアッチの嬢ちゃんは?」
冒険者の視線を追うとグラスウルフとホーンラビットを宥めつつ可愛がっているポーラの姿が。見ようによっては集団に襲われているようにも見える。
「ああ、放っておいて大丈夫ですよ。むしろ下手に手を出すと危険かと」
「そ、そうか、分かった。おい、俺達も蛇を倒すのを手伝いに行くぞ!」
「お、おう!」と幾人かの冒険者達が草原地帯へと入っていく。
その様子を見ていたリルはとりあえず事態が収束に向かっていることに安堵の溜め息をついた。
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