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寄り道する。ウルスラの街にて
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森を抜けたところでキャンプを張り、翌日の昼過ぎにはウルスラの街へと到着をした。
とりあえずウルスラのギルドにて立ち寄った報告をして、一晩休んでから次の街を目指そうと考えていたダンにイリアがこんなことをお願いしてきた。
「シンジュクダンジョンに寄りたい?」
「駄目だろうか?」
ギルドに到着する前の道の上での会話だ。
「別に構いませんが。……なんでまた?」
「もしかしたらゴリアテの強化をするための資材などが、まだ残っているかもしれないからだ」
「まあ、距離も大して離れてなかったですから、別に良いですよ? ギルドでその辺りも聞いてみましょうか」
そうこう言っている間にウルスラのギルドが見えてきた。
ギルドの入り口を開けてロビーに入るダン達。その姿を見た冒険者の数人が口々に声を上げた。
「「「レッドモウスレイヤーだ!」」」
ダンは思わず前につんのめりそうになった。
「……なんでしょう、微妙な二つ名ですね」
そして冒険者の視線には2つの種類があった。
良い雰囲気と若干悪い雰囲気だ。
良い雰囲気の冒険者は、レッドモウの被害をウルスラの街が受けることが無かったという感情を持った者。
逆に若干悪い雰囲気を持っていた冒険者の方は――
「人にばっかり解体させるな!」
どうやらレッドモウの解体作業に従事していた者達だったようだ。
とはいえ無傷で報酬まで稼げたのだから、冷やかし半分といったところのようだ。
「その節は助かりました~」とダンが手を振れば、ニヤリと笑いながらもそれぞれが返事をしてまた元に戻っていく。
そんなやりとりをしながらカウンターまで進んだダンは、職員の中に見知った顔を見かけて声を掛けた。
「アリアナさーん」と呼びかけるとダンに気づいたアリアナが振り返った。
「えーっと、ダンナさん!」
「……ダンです。ニアラの街から移動してきた報告と、またシンジュクダンジョンに潜りたいんですけど」
微妙に名前を間違えられた(ちなみにアリアナのジョークであったが)ダンは、口頭でアリアナに用件を伝えた。
なぜか微妙な顔をするアリアナ。
「どうかしましたか?」とダンが問いかけると、アリアナが答えてくれた。
「移動報告は承りました。それとシンジュクダンジョンですが――消滅しました」
苦笑いのアリアナ。
『なるほど、それで微妙な顔をしたのか』と思ったダン。しかしそんな反応をする2人とは違い、異常に動揺した者が居た。
「消滅だと!? 大型爆弾でも使われて更地にされたのか!?」
イリアである。
「どうしたんですかイリアさん? まあダンジョンが無くなったのはしょうがないですね」
「ハズレ認定でしたが、それでもダンジョンに行ってみたかったということですか?」
キョトンとするダンとアリアナ。そこにイリアの心情を代弁するのがキョーコ。
「いやいや、イリアでなくてもビックリしますって。――逆にダンさんとかは、なんでそこまで落ち着いてるの?」
「え? だってダンジョンが消滅したってことは、攻略されたのでは?」
ダンはアリアナに顔を向けながら、至極当然といった雰囲気で聞いた。
「確認は出来ませんでしたが、どうもダンジョンボスを討伐するタイプのダンジョンだったようです。誰が倒したのかは確認出来ませんでしたが、おそらくどれかのゴーレムがボスだったのでしょう。魔石が無い魔物でしたし、ダンジョンコアなどの確認報告もありませんでしたから」
ダンが聞いたことのあるタイプのダンジョンだったようだ。他にも人力で作られたダンジョン――こちらは〇〇迷宮等と人名が付くこともあるタイプ。さらには神が作ったとされるダンジョンも世界のどこかにあるらしい。
「あいかわらずダンジョンって不思議ですよね~」
「『不思議』の一言で片づけないでほしい!」
「でも、ああいった他から持ってきたようなダンジョンは別の地域でも確認されてて、その後に消えるということがあったようですよ?」
理不尽さに怒るイリアを宥める様して説明するダン。
「あ! あのダンジョンのゴーレムなんかは何体かあるけど引き取ります? ウチでも普通の鉄扱いで引き受けたんだけど、お金貰えたら売りますよ?――ぶっちゃけ、価値が無いし」
落ち込んだようにも見えるイリアの様子に、アリアナが思いついたように言った。後半の呟きは誰にも聞き取れなかったが。
「あ~、そういえば僕も1体預けましたっけ?……どうしますイリアさんにキョーコさん? 今なら懐が若干温かいですから大丈夫ですよ?」
ゴーレムの使い道。というかゴーレムを欲しいのはイリアとキョーコしかいないので、その判断を2人に任せるダン。2人はアイコンタクトを交わすとアリアナに告げた。
「「ある分全部売ってください!」」
「まいどあり~」
アリアナがにこやかに商談成立を宣言した。「え? 全部いきますか?」とつぶやくダンの声を無視して3人でワイワイと金額の話を詰めていく。
もう話に混ざれそうにないので、ダンは財布からいくらかの金貨と白金貨を混ぜて十数枚抜き出し、小さな革袋に詰めなおすとイリアに手渡して宿の確保へと向かった。今回はサニーも居るので厩舎を確保できる宿を取ろうと思っていた。
「あ、私と妻でサニーも泊まれる宿を取りますから気にせずに~」
そそくさとリンと共に離れて行こうとするライをガッシリと捕まえてダンが告げる。
「そう変な気を使わなくていいですよ? 合流するのが大変になりますし?」
「タマニハ、フウフデ、スゴシタイノデ」
何か言わされている風ではあったが、ダンもそれを言われてしまうと無理に強制させることに抵抗を感じてしまう。仕方なくダンは明日の午前中にギルドにて待ち合わせることにした。
他のメンバーに宿はダンが押さえてくることを告げて、夕方にギルドで合流することにして自由行動とした。
タマモには人形のフリをしてもらい、それでも11人という大所帯ながらも前回と同じ『朝日の犬亭』にて3部屋取ることのできたダンは、街の雑貨屋へと向かった。
そこで料理に使える鍋や食器類を購入する。やはり大食らいが増えた為に、今までの鍋ではサイズが足りないことがニアラからウルスラまでの道中で判明したためだ。
「そういえばマジックバッグって扱ってますか?」
「ウチはないねぇ。この街だとギルド内で販売してるんじゃないかい?」
王都だとこういった雑貨屋でも扱っている店が在ったりしたのだが、さすがに辺境の街にはそこまでの数は出回っていないようだ。
まあ仮に売っていたとしても重量はそのままだったり、収納できる大きさが小さかったりするモノがせいぜいだろうが。
一度手持ちのマジックバッグを整理して、各人に持たせようかなと考えるダン。さすがに番号をつけたバッグほどの高性能のモノは揃えられないだろうけど。
とりあえず雑貨屋に礼を述べて店を後にするダン。次の目的地の武器屋の位置を思い浮かべながらウルスラの街を歩く。
しばらく通りを歩いて、目的の店に近い場所の路地へと入っていくダン。
「……で? 僕に何か御用で?」
「はっ、『僕』だとよ! こいつはウケルぜ!」
雑貨屋を出た辺りでダンをつけていた男達がダンを囲む。
その数は6人。
「お前、マジックバッグ持ってるだろ? そいつを渡しちゃくれねぇか? そうすれば痛い目を見ないで済むぜ、貴族の坊ちゃん?」
『は?』と胸中でつぶやくダン。しばらくして思い当たった。
そういえば『朝日の犬亭』で荷物を置いた際に武装も解除していたダンの今の格好は、ちょっと見た目のマシな一般人の格好だった。そして雑貨屋で買った物を普通にマジックバッグに収納していた。それを見られていたのだろう。
ダンも『必要なら買う』くらいの気持ちだったが、一般にダンジョン産の物も高価だが、空間魔法など人の手で作られるマジックバッグでもかなり高価な物だ。一番安くても金貨5枚。それにしたって入れられる物の容量がとても小さいものだ。
「あ~、これが欲しくて囲んでいる、と?」
「そういうことだ。物分かりが言いやつは長生きするぞ?――渡せ」
ダンの最終確認に男達のリーダーが答える。そしてダンへと手を突き出した。その手にマジックバッグを渡せと言うのだろう。
「ふむ?」とダンは腕組して考える。
「おい? 渡さないつもりか!」
さすがに街中のチンピラ相手に殺しは不味いだろう。とすれば生け捕りか?
「てめぇ、聞いてンのか!?」
相手は6人。……面倒くさい。
「おい、渡す気がネェみたいだから痛い目みせてやれ!」
「はぁ、模倣アーツ『アースクエイク』足バージョン」
溜め息をつきながら、ダンは右足だけに闘気を纏わせると、その足を持ち上げて地面へと叩きつけた。
ダンへと襲い掛かる男達。その足元が一気に巻き上がった!
巻き上がる石畳と共に打ちあがる男達。しばらく空中を飛んでいた男達は、その後地面に叩きつけられるように落ちてきた。
「自業自得、というヤツですからね?」
「自業自得ですからねダンさん」
「そんな! 僕は正当防衛を主張します!」
街中の衛兵詰め所。その中の牢屋にダンが居た。
隣にも似た牢屋があるが、そこに入っている男達はダンがよほど怖いのか隅っこにまとまっていた。
そしてダンの牢屋の柵越しに居るのはウェンディだった。
「正当防衛はいいですが、それと街の石畳を壊したことは違います」
ギルド内にてお手軽な依頼が無いか探していたウェンディは、ダンが衛兵に逮捕されたと聞いて、急遽この衛兵詰め所へ移動してきたのだ。
「はぁ……。とりあえず石畳を修復すれば、今回の件はお咎め無しだそうです」
「むぅ。絡んできたのは向こうが悪いというのに」
ダンが牢屋越しにチラリと男達を見る。「ヒィッ!」と男達は悲鳴を上げて更に縮こまった。
しかし石畳を巻き上げてしまったのはダンも自覚がある。
不承不承ながらもダンは壊した石畳を直すことを宣誓して衛兵詰め所から出てきた。
その後石畳を修復し終えたダンは、先にギルドに向かってもらったウェンディから今日の宿を聞いた女性陣の部屋割りを横目に、借りた部屋のベッドの1つにダイブするとそのまま就寝した。
とりあえずウルスラのギルドにて立ち寄った報告をして、一晩休んでから次の街を目指そうと考えていたダンにイリアがこんなことをお願いしてきた。
「シンジュクダンジョンに寄りたい?」
「駄目だろうか?」
ギルドに到着する前の道の上での会話だ。
「別に構いませんが。……なんでまた?」
「もしかしたらゴリアテの強化をするための資材などが、まだ残っているかもしれないからだ」
「まあ、距離も大して離れてなかったですから、別に良いですよ? ギルドでその辺りも聞いてみましょうか」
そうこう言っている間にウルスラのギルドが見えてきた。
ギルドの入り口を開けてロビーに入るダン達。その姿を見た冒険者の数人が口々に声を上げた。
「「「レッドモウスレイヤーだ!」」」
ダンは思わず前につんのめりそうになった。
「……なんでしょう、微妙な二つ名ですね」
そして冒険者の視線には2つの種類があった。
良い雰囲気と若干悪い雰囲気だ。
良い雰囲気の冒険者は、レッドモウの被害をウルスラの街が受けることが無かったという感情を持った者。
逆に若干悪い雰囲気を持っていた冒険者の方は――
「人にばっかり解体させるな!」
どうやらレッドモウの解体作業に従事していた者達だったようだ。
とはいえ無傷で報酬まで稼げたのだから、冷やかし半分といったところのようだ。
「その節は助かりました~」とダンが手を振れば、ニヤリと笑いながらもそれぞれが返事をしてまた元に戻っていく。
そんなやりとりをしながらカウンターまで進んだダンは、職員の中に見知った顔を見かけて声を掛けた。
「アリアナさーん」と呼びかけるとダンに気づいたアリアナが振り返った。
「えーっと、ダンナさん!」
「……ダンです。ニアラの街から移動してきた報告と、またシンジュクダンジョンに潜りたいんですけど」
微妙に名前を間違えられた(ちなみにアリアナのジョークであったが)ダンは、口頭でアリアナに用件を伝えた。
なぜか微妙な顔をするアリアナ。
「どうかしましたか?」とダンが問いかけると、アリアナが答えてくれた。
「移動報告は承りました。それとシンジュクダンジョンですが――消滅しました」
苦笑いのアリアナ。
『なるほど、それで微妙な顔をしたのか』と思ったダン。しかしそんな反応をする2人とは違い、異常に動揺した者が居た。
「消滅だと!? 大型爆弾でも使われて更地にされたのか!?」
イリアである。
「どうしたんですかイリアさん? まあダンジョンが無くなったのはしょうがないですね」
「ハズレ認定でしたが、それでもダンジョンに行ってみたかったということですか?」
キョトンとするダンとアリアナ。そこにイリアの心情を代弁するのがキョーコ。
「いやいや、イリアでなくてもビックリしますって。――逆にダンさんとかは、なんでそこまで落ち着いてるの?」
「え? だってダンジョンが消滅したってことは、攻略されたのでは?」
ダンはアリアナに顔を向けながら、至極当然といった雰囲気で聞いた。
「確認は出来ませんでしたが、どうもダンジョンボスを討伐するタイプのダンジョンだったようです。誰が倒したのかは確認出来ませんでしたが、おそらくどれかのゴーレムがボスだったのでしょう。魔石が無い魔物でしたし、ダンジョンコアなどの確認報告もありませんでしたから」
ダンが聞いたことのあるタイプのダンジョンだったようだ。他にも人力で作られたダンジョン――こちらは〇〇迷宮等と人名が付くこともあるタイプ。さらには神が作ったとされるダンジョンも世界のどこかにあるらしい。
「あいかわらずダンジョンって不思議ですよね~」
「『不思議』の一言で片づけないでほしい!」
「でも、ああいった他から持ってきたようなダンジョンは別の地域でも確認されてて、その後に消えるということがあったようですよ?」
理不尽さに怒るイリアを宥める様して説明するダン。
「あ! あのダンジョンのゴーレムなんかは何体かあるけど引き取ります? ウチでも普通の鉄扱いで引き受けたんだけど、お金貰えたら売りますよ?――ぶっちゃけ、価値が無いし」
落ち込んだようにも見えるイリアの様子に、アリアナが思いついたように言った。後半の呟きは誰にも聞き取れなかったが。
「あ~、そういえば僕も1体預けましたっけ?……どうしますイリアさんにキョーコさん? 今なら懐が若干温かいですから大丈夫ですよ?」
ゴーレムの使い道。というかゴーレムを欲しいのはイリアとキョーコしかいないので、その判断を2人に任せるダン。2人はアイコンタクトを交わすとアリアナに告げた。
「「ある分全部売ってください!」」
「まいどあり~」
アリアナがにこやかに商談成立を宣言した。「え? 全部いきますか?」とつぶやくダンの声を無視して3人でワイワイと金額の話を詰めていく。
もう話に混ざれそうにないので、ダンは財布からいくらかの金貨と白金貨を混ぜて十数枚抜き出し、小さな革袋に詰めなおすとイリアに手渡して宿の確保へと向かった。今回はサニーも居るので厩舎を確保できる宿を取ろうと思っていた。
「あ、私と妻でサニーも泊まれる宿を取りますから気にせずに~」
そそくさとリンと共に離れて行こうとするライをガッシリと捕まえてダンが告げる。
「そう変な気を使わなくていいですよ? 合流するのが大変になりますし?」
「タマニハ、フウフデ、スゴシタイノデ」
何か言わされている風ではあったが、ダンもそれを言われてしまうと無理に強制させることに抵抗を感じてしまう。仕方なくダンは明日の午前中にギルドにて待ち合わせることにした。
他のメンバーに宿はダンが押さえてくることを告げて、夕方にギルドで合流することにして自由行動とした。
タマモには人形のフリをしてもらい、それでも11人という大所帯ながらも前回と同じ『朝日の犬亭』にて3部屋取ることのできたダンは、街の雑貨屋へと向かった。
そこで料理に使える鍋や食器類を購入する。やはり大食らいが増えた為に、今までの鍋ではサイズが足りないことがニアラからウルスラまでの道中で判明したためだ。
「そういえばマジックバッグって扱ってますか?」
「ウチはないねぇ。この街だとギルド内で販売してるんじゃないかい?」
王都だとこういった雑貨屋でも扱っている店が在ったりしたのだが、さすがに辺境の街にはそこまでの数は出回っていないようだ。
まあ仮に売っていたとしても重量はそのままだったり、収納できる大きさが小さかったりするモノがせいぜいだろうが。
一度手持ちのマジックバッグを整理して、各人に持たせようかなと考えるダン。さすがに番号をつけたバッグほどの高性能のモノは揃えられないだろうけど。
とりあえず雑貨屋に礼を述べて店を後にするダン。次の目的地の武器屋の位置を思い浮かべながらウルスラの街を歩く。
しばらく通りを歩いて、目的の店に近い場所の路地へと入っていくダン。
「……で? 僕に何か御用で?」
「はっ、『僕』だとよ! こいつはウケルぜ!」
雑貨屋を出た辺りでダンをつけていた男達がダンを囲む。
その数は6人。
「お前、マジックバッグ持ってるだろ? そいつを渡しちゃくれねぇか? そうすれば痛い目を見ないで済むぜ、貴族の坊ちゃん?」
『は?』と胸中でつぶやくダン。しばらくして思い当たった。
そういえば『朝日の犬亭』で荷物を置いた際に武装も解除していたダンの今の格好は、ちょっと見た目のマシな一般人の格好だった。そして雑貨屋で買った物を普通にマジックバッグに収納していた。それを見られていたのだろう。
ダンも『必要なら買う』くらいの気持ちだったが、一般にダンジョン産の物も高価だが、空間魔法など人の手で作られるマジックバッグでもかなり高価な物だ。一番安くても金貨5枚。それにしたって入れられる物の容量がとても小さいものだ。
「あ~、これが欲しくて囲んでいる、と?」
「そういうことだ。物分かりが言いやつは長生きするぞ?――渡せ」
ダンの最終確認に男達のリーダーが答える。そしてダンへと手を突き出した。その手にマジックバッグを渡せと言うのだろう。
「ふむ?」とダンは腕組して考える。
「おい? 渡さないつもりか!」
さすがに街中のチンピラ相手に殺しは不味いだろう。とすれば生け捕りか?
「てめぇ、聞いてンのか!?」
相手は6人。……面倒くさい。
「おい、渡す気がネェみたいだから痛い目みせてやれ!」
「はぁ、模倣アーツ『アースクエイク』足バージョン」
溜め息をつきながら、ダンは右足だけに闘気を纏わせると、その足を持ち上げて地面へと叩きつけた。
ダンへと襲い掛かる男達。その足元が一気に巻き上がった!
巻き上がる石畳と共に打ちあがる男達。しばらく空中を飛んでいた男達は、その後地面に叩きつけられるように落ちてきた。
「自業自得、というヤツですからね?」
「自業自得ですからねダンさん」
「そんな! 僕は正当防衛を主張します!」
街中の衛兵詰め所。その中の牢屋にダンが居た。
隣にも似た牢屋があるが、そこに入っている男達はダンがよほど怖いのか隅っこにまとまっていた。
そしてダンの牢屋の柵越しに居るのはウェンディだった。
「正当防衛はいいですが、それと街の石畳を壊したことは違います」
ギルド内にてお手軽な依頼が無いか探していたウェンディは、ダンが衛兵に逮捕されたと聞いて、急遽この衛兵詰め所へ移動してきたのだ。
「はぁ……。とりあえず石畳を修復すれば、今回の件はお咎め無しだそうです」
「むぅ。絡んできたのは向こうが悪いというのに」
ダンが牢屋越しにチラリと男達を見る。「ヒィッ!」と男達は悲鳴を上げて更に縮こまった。
しかし石畳を巻き上げてしまったのはダンも自覚がある。
不承不承ながらもダンは壊した石畳を直すことを宣誓して衛兵詰め所から出てきた。
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