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狂王の塔の崩壊
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下の階へと降りたダンは仲間達を探して歩き始めた。
とはいえこの階は主要3つの部屋しかない。
まずは一番大きな部屋を目指してみるかと、ダンは王様の部屋を目指して歩き始めた。
『妹』を背負ったイリアの歩みは気付かったのかゆっくりとしたものだったので、ダンは歩きながらその『妹』へと話しかけてみた。
「イリアさんの『妹』さん? まずはお名前を伺えますか」
そういえば名前を聞いていないと思ったダンは名前を聞いてみた。するとイリアに背負われた『妹』が眉を顰めるというだけの表情の変化を見せながら問い返してきた。
「イリア、とは、誰?」
「イ号ゴリアテ、略してイリア。私の略称ですよ」
下からの返事があった。その返事をした相手を見ようと、『妹』はイリアの肩に手を掛けて上体を起こした。
自分と同じ色素の無い髪を持った――
「――幼女?」
「ぶん投げますよ!?……新宿線戦所属・生体型端末イ号。自立行動が出来る人工パイロット計画の先駆けですよ。ですからあなたから見れば『姉』に相当します」
自分の『妹』から幼女と思われたことに、イリアが若干怒りながらも自らの事を説明し訂正する。
「姉?」と疑問符付きで漏れた言葉にイリアの怒気が膨らんだが、『妹』はそれに気づかなかったのか淡々と自らの事を話し始めた。
「私は品川防衛ライン所属・生体型端末ロ号。個体識別で言えばロ号・マギ回路試作搭載型・ゴリアテとなります」
「ふむふむロ号、と。ならばあなたは今後ロリアと――」
イリアが『妹』の略称を告げようとすると、メイド長の部屋からキョーコが出てきてこういった。
「それはちょっと違うんじゃない?」
「しかし、現にイリアはそう呼ばれてます!」
確かに今は『イリア』と呼ばれているが、元々は――
「イ号・ゴリアテから取ったんでしたっけ?」
「そう! ならばロ号だって!」
「ちゃんと聞いてたのイリア? ロ号ちゃんは違うでしょ?」
「くっ」と悔しそうに口をかみしめるイリア。
そんなに名前に思い入れがあるのかと、ダンは疑問に思った。
「ロ号・マギ回路試作搭載型・ゴリアテ。それからすると……、この子の名前は『ロマリア』ってところかな? ゴロがいいのは」
「むふ~!」ダンダンとイリアが床を踏みつける。『妹』改めロマリアの名付けに不満があるようだ。
「ならイリアさんも『イゴリア』とかに――」
「『イリア』よりもダサいからやだ!」
ダンがイ号・ゴリアテで『ゴ』という字が2つも入っているからと提案した名前は、当のイリアに即却下されてしまった。ならばこれ以上言う事は無いと、名づけのセンスがない男は黙るのみとなった。
悔しがるイリアをそっちのけでキョーコがロマリアに話しかける。
「それでマギ回路って何? イリアと背丈が違うのはその回路のおかげ?」
キョーコの言葉に更にイリアがいきり立つ。そんなイリアに背負われながらロマリアが答えた。
「マギ回路については軍の極秘事項ですので答えられませんが、私が回路を持っていることでイ号――イリア姉さんの成長との違いが出ていることは不明瞭です。――と言いますか、なぜ私よりも先行して『ろーるあうと』されたイリア姉さんが成人よりも幼い姿をしているのか分かりません」
「ろーるあうと?」
ダンの頭の中ではイリアが転がりながら崖へと落ちていくシーンが想像された。
「世の中に出てきたって事。つまりは、あ~っと、鋳型の1本目ってヤツかな?」
キョーコ説明でダンは手を打った。つまりは同じ物を大量生産する前の試作品というものだと認識したのだ。その結論から言えば――
「え? イリアさんって大量に居るってことですか!? しかもどんどんと劣化したものになって?」
「あ~、待ってダンさん。鋳型みたいなモノってことよ? 劣化はしないし、必ずしも同じものが出来るわけじゃないからね」
鋳物というものに知識のあったキョーコがダンの考え違いを正す。
そしてロマリアの疑問に下から答えがあった。
「暫定的ですが、こちらの世界に来た時間軸がズレていることが原因と考えられます」
「そうね~。それが正解なんじゃない?」
「……キョーコ。実は分かっていて先程の質問をしていませんか?」
イリアの問いかけと強烈な視線に、キョーコは「テヘ」と舌を出して応えた。
「キョーコ~!!」
怒ったイリアがロマリアを背負ったままドンッ! と一歩、キョーコへと足を踏み出す。
追われると思ったキョーコが身を翻そうと背を向けようとした瞬間、イリアの姿が横倒しになるのが見えた。慌ててイリアの体を支えようとキョーコが腕を伸ばす。
なんとか背負ったロマリアと共に床に落ちる前に支えることが出来た。
「あ~、焦った。……変に絡んじゃったよ、ごめんね」
謝罪するキョーコに対して、イリアは足元の一点を見つめていた。
ダンもそちらを見て顔を強張らせた。
イリアの足元の床が不自然に凹んでいたのだ。
「どうしたのイリア、ダンさんも?」
「……床が凹んでいます」
言われてキョーコもそちらを見る。すると確かに石で組まれた通路の床に凹みが出来ていた。
「そりゃ凹みもするんじゃないの? だってこの塔、相当古いんでしょ?」
「ええ、古いことは古いんですが……、忘れていませんか? この塔はダンジョン化しているんですよ?」
ダンに言われてキョーコが「あっ!」と声を上げる。
その声に釣られたのか、メイド長の部屋と王様の部屋からそれぞれ仲間達が出てきた。
『何かあったのか?』
「ルフ王。コレ見て貰えませんか?」
声を掛けてきたルフに、ダンは余計な説明をせずにただ足元を指さす。部屋から出てきたルフはダンの元へと近づくと視線を床に向け、『むむ!?』と声を上げるなり床に這いつくばるようにして凹んだ箇所を検分し始めた。
そしてしばらくすると立ち上がりダンへと問いかける。
『ダンよ。コレは何時からあったのだ?』
「つい先ほどですね。イリアさんがやや強く床を踏みましたが、そんな程度でこんな凹みが出来ますか?」
ルフの問いかけにそう答えるダン。
しばし無言の空気が一同に漂った。
「いて?」
すると誰かが声を上げた。
「今のはどなたですか?」
「ああ、すみませんダンさん。何か頭に当たったような気がしまして」
ダンの問いにライがそう答える。普段の街中であれば気のせいで済ませるような内容だが――
「何が当たったんですか?」
「え? え~……、あ! この石の欠片ですね。でもどうしてこんなものが?」
ダンに問われてライは自分の足元を見渡して、その石の欠片を拾い上げた。ダンの普段の訓練の成果か、見ていた景色に違った部分があることの違和感を感じやすくなっているので見つけられたようだ。
そのライが拾い上げた石を見て、次いで天井へと振り返ったダンとルフ。
……ゴゴ
「何か聞こえませんでしたか?」
「我にも何か聞こえたな? 重そうな魔物が歩いているような音か、コレ?」
リルとロウキも何かを感じ取ったようだ。
……ゴゴゴゴ
「あ、私も聞こえた」
『こちらでも聞こえましたね』
クローディアとエミリーもその音が聞こえたようだ。
ゴゴゴゴ
「……あの、ダンさん? 何かイヤ~な予感がするんだが?」
『我が王よ! これはいったい!?』
ファーニがダンに、アレックスがルフにそれぞれ問いかけている。ウェンディとマロンは武器を構えて周囲を警戒していた。2人もこの音が聞こえているようだ。
「これはですね」
『これはだな』
ゴゴゴ!!
「『塔が崩壊する音ですね(だな)!」』
「あれ? 皆さんどうしたんですか?」
ポーラが1人遅れて――、いや人化したサニーも連れて2人立ってメイド長の部屋から手を拭いながら出てくる。
「「「なんだってー!!」」」
全員が大声を上げたので、部屋の入り口でビクリと固まるポーラ。サニーはそんなポーラの方に手を置いてキョロキョロと周りを見ていた。
『ダンよ。お主、上の階で何もしておらぬだろうな?』
ルフが疑いの眼差しでダンを見る。
「いや? これといって変な事はしてませんよ? したことと言えば壊してしまったアレックスさんの鎧の破片を拾った事と、ロマリア――ああ、白いゴーレムの彼女の事ですが――のゴリアテを拾ったことくらいですからね」
ダンの言葉を聞いて、ルフは『そうか物を拾ったくらいか……』と思考の海に落ち――
『待て? ゴリアテを拾った?』
「ええ。元々はロマリアさんの装備らしいので」
『それは、アレか? 上のゴーレムの事か? 疑似ダンジョン装置の核の?』
念を押して確認してくるルフにダンは頷いて答えた。
「そうですよ? そもそもココがダンジョン自体になってしまっているのですから、あのゴリアテは必要ないかと思いましたが――違いました?」
ダンの顔に冷や汗が出てくる。
『確かにこの塔がダンジョン化しているのは間違いないだろう。だがダンジョンには必ず核が必要なのだ。それはボスと呼ばれる魔物であったり、ダンジョンコアと呼ばれるダンジョンの心臓のようなものだったりと――』
「あ~、ちなみにここの核は何でしょう?」
『おそらく、上のゴーレムがそうだったのだろうなぁ……。疑似ダンジョン化の術式装置の中心だったわけだし』
「あちゃ~……。ちなみにですが、今から元に戻したとすれば?」
『ダメだろうなぁ。ダンジョンは一度崩壊が始まると止まらんものだからな。ダンジョン喪失を防いだとか、再復活させたという事例は聞いたことがない』
ダンとルフがお互いに案や知識を出し合うが、どうにも打開策というものは見出すことが出来ない。
2人して頭を突き合わせて考えていると周りから怒声が聞こえてきた。
「「「のんびり話をしている場合ですかー!!」」」
『『脱出しましょう王様!!』』
それしかないか。と動き出したみんなに併せて、2人も揃って崩壊し始めた塔からの脱出を開始した。
とはいえこの階は主要3つの部屋しかない。
まずは一番大きな部屋を目指してみるかと、ダンは王様の部屋を目指して歩き始めた。
『妹』を背負ったイリアの歩みは気付かったのかゆっくりとしたものだったので、ダンは歩きながらその『妹』へと話しかけてみた。
「イリアさんの『妹』さん? まずはお名前を伺えますか」
そういえば名前を聞いていないと思ったダンは名前を聞いてみた。するとイリアに背負われた『妹』が眉を顰めるというだけの表情の変化を見せながら問い返してきた。
「イリア、とは、誰?」
「イ号ゴリアテ、略してイリア。私の略称ですよ」
下からの返事があった。その返事をした相手を見ようと、『妹』はイリアの肩に手を掛けて上体を起こした。
自分と同じ色素の無い髪を持った――
「――幼女?」
「ぶん投げますよ!?……新宿線戦所属・生体型端末イ号。自立行動が出来る人工パイロット計画の先駆けですよ。ですからあなたから見れば『姉』に相当します」
自分の『妹』から幼女と思われたことに、イリアが若干怒りながらも自らの事を説明し訂正する。
「姉?」と疑問符付きで漏れた言葉にイリアの怒気が膨らんだが、『妹』はそれに気づかなかったのか淡々と自らの事を話し始めた。
「私は品川防衛ライン所属・生体型端末ロ号。個体識別で言えばロ号・マギ回路試作搭載型・ゴリアテとなります」
「ふむふむロ号、と。ならばあなたは今後ロリアと――」
イリアが『妹』の略称を告げようとすると、メイド長の部屋からキョーコが出てきてこういった。
「それはちょっと違うんじゃない?」
「しかし、現にイリアはそう呼ばれてます!」
確かに今は『イリア』と呼ばれているが、元々は――
「イ号・ゴリアテから取ったんでしたっけ?」
「そう! ならばロ号だって!」
「ちゃんと聞いてたのイリア? ロ号ちゃんは違うでしょ?」
「くっ」と悔しそうに口をかみしめるイリア。
そんなに名前に思い入れがあるのかと、ダンは疑問に思った。
「ロ号・マギ回路試作搭載型・ゴリアテ。それからすると……、この子の名前は『ロマリア』ってところかな? ゴロがいいのは」
「むふ~!」ダンダンとイリアが床を踏みつける。『妹』改めロマリアの名付けに不満があるようだ。
「ならイリアさんも『イゴリア』とかに――」
「『イリア』よりもダサいからやだ!」
ダンがイ号・ゴリアテで『ゴ』という字が2つも入っているからと提案した名前は、当のイリアに即却下されてしまった。ならばこれ以上言う事は無いと、名づけのセンスがない男は黙るのみとなった。
悔しがるイリアをそっちのけでキョーコがロマリアに話しかける。
「それでマギ回路って何? イリアと背丈が違うのはその回路のおかげ?」
キョーコの言葉に更にイリアがいきり立つ。そんなイリアに背負われながらロマリアが答えた。
「マギ回路については軍の極秘事項ですので答えられませんが、私が回路を持っていることでイ号――イリア姉さんの成長との違いが出ていることは不明瞭です。――と言いますか、なぜ私よりも先行して『ろーるあうと』されたイリア姉さんが成人よりも幼い姿をしているのか分かりません」
「ろーるあうと?」
ダンの頭の中ではイリアが転がりながら崖へと落ちていくシーンが想像された。
「世の中に出てきたって事。つまりは、あ~っと、鋳型の1本目ってヤツかな?」
キョーコ説明でダンは手を打った。つまりは同じ物を大量生産する前の試作品というものだと認識したのだ。その結論から言えば――
「え? イリアさんって大量に居るってことですか!? しかもどんどんと劣化したものになって?」
「あ~、待ってダンさん。鋳型みたいなモノってことよ? 劣化はしないし、必ずしも同じものが出来るわけじゃないからね」
鋳物というものに知識のあったキョーコがダンの考え違いを正す。
そしてロマリアの疑問に下から答えがあった。
「暫定的ですが、こちらの世界に来た時間軸がズレていることが原因と考えられます」
「そうね~。それが正解なんじゃない?」
「……キョーコ。実は分かっていて先程の質問をしていませんか?」
イリアの問いかけと強烈な視線に、キョーコは「テヘ」と舌を出して応えた。
「キョーコ~!!」
怒ったイリアがロマリアを背負ったままドンッ! と一歩、キョーコへと足を踏み出す。
追われると思ったキョーコが身を翻そうと背を向けようとした瞬間、イリアの姿が横倒しになるのが見えた。慌ててイリアの体を支えようとキョーコが腕を伸ばす。
なんとか背負ったロマリアと共に床に落ちる前に支えることが出来た。
「あ~、焦った。……変に絡んじゃったよ、ごめんね」
謝罪するキョーコに対して、イリアは足元の一点を見つめていた。
ダンもそちらを見て顔を強張らせた。
イリアの足元の床が不自然に凹んでいたのだ。
「どうしたのイリア、ダンさんも?」
「……床が凹んでいます」
言われてキョーコもそちらを見る。すると確かに石で組まれた通路の床に凹みが出来ていた。
「そりゃ凹みもするんじゃないの? だってこの塔、相当古いんでしょ?」
「ええ、古いことは古いんですが……、忘れていませんか? この塔はダンジョン化しているんですよ?」
ダンに言われてキョーコが「あっ!」と声を上げる。
その声に釣られたのか、メイド長の部屋と王様の部屋からそれぞれ仲間達が出てきた。
『何かあったのか?』
「ルフ王。コレ見て貰えませんか?」
声を掛けてきたルフに、ダンは余計な説明をせずにただ足元を指さす。部屋から出てきたルフはダンの元へと近づくと視線を床に向け、『むむ!?』と声を上げるなり床に這いつくばるようにして凹んだ箇所を検分し始めた。
そしてしばらくすると立ち上がりダンへと問いかける。
『ダンよ。コレは何時からあったのだ?』
「つい先ほどですね。イリアさんがやや強く床を踏みましたが、そんな程度でこんな凹みが出来ますか?」
ルフの問いかけにそう答えるダン。
しばし無言の空気が一同に漂った。
「いて?」
すると誰かが声を上げた。
「今のはどなたですか?」
「ああ、すみませんダンさん。何か頭に当たったような気がしまして」
ダンの問いにライがそう答える。普段の街中であれば気のせいで済ませるような内容だが――
「何が当たったんですか?」
「え? え~……、あ! この石の欠片ですね。でもどうしてこんなものが?」
ダンに問われてライは自分の足元を見渡して、その石の欠片を拾い上げた。ダンの普段の訓練の成果か、見ていた景色に違った部分があることの違和感を感じやすくなっているので見つけられたようだ。
そのライが拾い上げた石を見て、次いで天井へと振り返ったダンとルフ。
……ゴゴ
「何か聞こえませんでしたか?」
「我にも何か聞こえたな? 重そうな魔物が歩いているような音か、コレ?」
リルとロウキも何かを感じ取ったようだ。
……ゴゴゴゴ
「あ、私も聞こえた」
『こちらでも聞こえましたね』
クローディアとエミリーもその音が聞こえたようだ。
ゴゴゴゴ
「……あの、ダンさん? 何かイヤ~な予感がするんだが?」
『我が王よ! これはいったい!?』
ファーニがダンに、アレックスがルフにそれぞれ問いかけている。ウェンディとマロンは武器を構えて周囲を警戒していた。2人もこの音が聞こえているようだ。
「これはですね」
『これはだな』
ゴゴゴ!!
「『塔が崩壊する音ですね(だな)!」』
「あれ? 皆さんどうしたんですか?」
ポーラが1人遅れて――、いや人化したサニーも連れて2人立ってメイド長の部屋から手を拭いながら出てくる。
「「「なんだってー!!」」」
全員が大声を上げたので、部屋の入り口でビクリと固まるポーラ。サニーはそんなポーラの方に手を置いてキョロキョロと周りを見ていた。
『ダンよ。お主、上の階で何もしておらぬだろうな?』
ルフが疑いの眼差しでダンを見る。
「いや? これといって変な事はしてませんよ? したことと言えば壊してしまったアレックスさんの鎧の破片を拾った事と、ロマリア――ああ、白いゴーレムの彼女の事ですが――のゴリアテを拾ったことくらいですからね」
ダンの言葉を聞いて、ルフは『そうか物を拾ったくらいか……』と思考の海に落ち――
『待て? ゴリアテを拾った?』
「ええ。元々はロマリアさんの装備らしいので」
『それは、アレか? 上のゴーレムの事か? 疑似ダンジョン装置の核の?』
念を押して確認してくるルフにダンは頷いて答えた。
「そうですよ? そもそもココがダンジョン自体になってしまっているのですから、あのゴリアテは必要ないかと思いましたが――違いました?」
ダンの顔に冷や汗が出てくる。
『確かにこの塔がダンジョン化しているのは間違いないだろう。だがダンジョンには必ず核が必要なのだ。それはボスと呼ばれる魔物であったり、ダンジョンコアと呼ばれるダンジョンの心臓のようなものだったりと――』
「あ~、ちなみにここの核は何でしょう?」
『おそらく、上のゴーレムがそうだったのだろうなぁ……。疑似ダンジョン化の術式装置の中心だったわけだし』
「あちゃ~……。ちなみにですが、今から元に戻したとすれば?」
『ダメだろうなぁ。ダンジョンは一度崩壊が始まると止まらんものだからな。ダンジョン喪失を防いだとか、再復活させたという事例は聞いたことがない』
ダンとルフがお互いに案や知識を出し合うが、どうにも打開策というものは見出すことが出来ない。
2人して頭を突き合わせて考えていると周りから怒声が聞こえてきた。
「「「のんびり話をしている場合ですかー!!」」」
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