騎士団小隊長ヨウカの剣

かかし仙人

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エピローグ

騎士団小隊長ヨウカの剣 エピローグ

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 ヨウカの活躍により、王都の人達の記憶は元通りになった。
 魔女サーシャは捕らえられ、今は独房にいる。
 あの一件以来、彼女はおとなしく過ごしているようだが、その目には憎しみが宿っていた。
 事実、魔女を差別し、人間を信じることができなくなってしまった彼女の気持ちもわからないでもない。
 その思いはヨウカをサーシャの元へと向かわせていた。
「元気ー?」
 独房に不釣り合いの明るい声が響く。
「無視されると流石に落ち込むなー」
 ヨウカは独房の前に置かれている、簡素な椅子に腰を下ろした。
「ねぇ、ちょっと話をしに来たの。聞いてくれる?」
 サーシャは背を向けたままだ。
 気にせずにヨウカは話し始める。
「私ね、元々メイド志望だったの。ところが、料理の試験で落とされちゃってね。落ちこんじゃって一人途方に暮れてたんだけど、その途中で盗人が現れて、私の持ち物をすられちゃったの。頭にきた私は、その盗人を追いかけてボコボコにしたわ。でも、流石にやり過ぎちゃったみたいで、すごく注意されたんだけど、それを見ていた人がいてね。その人から騎士団に入らないかってスカウトされたの」
「それが何なのよ!」
「……やっとこっちを見てくれたね」
 ヨウカは、牢の隙間に手を差し入れる。
「友達になってよ。私バカだからさ、正直難しい話はよくわかんない。でも、誰かが見てくれているなら、誰かが必要としてくれるなら、頑張れるって思うから」
 サーシャは沈黙し、ヨウカの手をじっと見つめていた。
 しかし、その手に触れることはなかった。
「今日のところは諦めて出直すわ。でも私、絶対に諦めないから!」
 そう言い残して、ヨウカは独房を後にした。
 ヨウカの気配が完全になくなったことを確認したサーシャは、自身の手をじっと見つめていた。

「ヨウカ、どうだった」
 独房の入り口でユートが待っていた。
「うーん、まだ先は長いねー」
「そうだろうな。長い間独りぼっちで、人間を恨んでたんだ。その確執はそうそう消えるもんじゃねぇだろう」
「うん、わかってる。でも私、諦めないから」
 それを聞いたユートは、なぜか笑い声を上げる。
「何で、笑うのよー?」
「お前に目をかけられたサーシャが気の毒にって思っただけだ」
「どういう意味よー!」
「おっと、そろそろ任務に戻らないとな」
「話をはぐらかさないで!」
 その時、小鳥たちが遠くの空に向かって飛んで行くのが見えた。
 いつか届くといいな。
 その思いを胸に秘め、ヨウカは今日も騎士としての職務を全うしていく。
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