星の言葉のひとかけら~光の天使 神界編

夢織人

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第1章 光の天使 神界編

混迷の宮殿①

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 宮殿は、大騒ぎとなっていた。
 花嫁が消えた。
 いなくなったのだ。

 今夜の披露宴のために全宇宙から招待客が集まってきていた。
 しかしかんじんの花嫁が消えたのだ。

 あの時のことでヨハネが覚えていることは、フォースが炸裂し、アシュラを包もうとしていたことだった。しかし何かが起こり、次の瞬間、炎に包まれたのはロキと親衛隊のほうだった。アシュラから少し離れたところに立っていたヨハネはその爆風でかなり遠くまで飛ばされた。
 そして後のことはまったく覚えていなかった。

 ヨハネが気付いた時には、アシュラの姿は無かった。
 全身にひどい傷を負ったヨハネであったが、必死でアシュラを探した。
 しかしそこにはロキと親衛隊の死体が累々続いているだけで、アシュラの痕跡は何ひとつなく、忽然と消えていた。

 何が起こったのか、ヨハネにもさっぱりわからなかった。
   とにかく宮殿は大混乱となっていた。
 宮殿を守っていた親衛隊の大部分のものが死んだのだ。

 急きょ、星雲間戦争の最前線で指揮を取って戦っていたルシファーとミカエルが呼びもどされた。
 一方、その頃、統治神“シ”のもとをひとり訪ねた青年がいた。

「兄上、ご無沙汰しておりました」
と言って、姿を見せたのは異世界の皇子ミトラであった。

「ミトラ、お前か。よく来てくれた」
と、王は嬉しそうに笑って見せた。しかしその目は笑っていなかった。

 統治神“シ”の最初の妻はミトラの姉で、死んでからもうずいぶんになる。
 平和を維持するための政略結婚とされていたが、実は違っていた。

 統治神<シ>ことパリスには、大将軍の策略により王宮から追放されていた時代があった。その流浪の時代に、異世界の王の娘、ラクシュミーと出会い、恋をした。
 そしてそのことが運命を変えるきっかけにもなったのだが、不幸の始まりでもあった。

 パリスはラクシュミーを誰よりも深く愛していたのだが、なぜかふたりの間には世継ぎが生れなかった。そしてそのことが、ふたりの間に溝をつくった。

 ミトラの姉は幸せそうでもあり、悲しそうでもあった。
 ミトラは義理の兄をけっこう慕っていたのだが、いつからかミトラとパリスの間にも、目に見えない溝ができていた。
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