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第1章 光の天使 神界編
異世界の皇子ミトラ
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「いけません、ミトラさま」
ミトラは護衛のものに止められ、フォースの矢を受け倒れているアシュラをそのままにして、その場を去らねばならなかった。
ミトラは異世界の皇子であるがゆえに、軽はずみな行動はつつしまなければならないのだ。下手に動けば、外交問題となり、宇宙戦争に発展するやもしれぬ危機であった。
しかし何年かぶりに見たアシュラはすっかり女神へと生まれ変わっていて、あまりにまぶしかった。アフロディーテよりも美しいというのは本当だった。
そしてあの瞳!
悲しみをたたえた瞳は、見たものの心を奪わずにはおかなかった。
異世界の皇子ミトラもすっかり心を奪われてしまい、アシュラを守るために、
使ってはいけないフォースを使ってしまったのだ。
しかし異世界を護る皇子としては、これ以上のことは許されなかった。
心を残しながらも、その場を去らねばならなかったミトラであった。
そしてその出来事を暗闇に隠れずっと見ていたものがいた。
夢魔である。
夢魔は意外な成り行きに、驚いてはいたが、最高の生贄の出現に喜びで、胸がいっぱいになった。
アシュラも最高に心ときめくおいしい生贄ではあったが、ミトラの比ではない。
ミトラは次のマイトレーイ候補。それも本命視されている有力な異世界の皇子である。この者の心を手中におさめることができれば、それはまさしくこの宇宙を手に入れたと同じことだった。
夢魔はロキの憎しみのフォースで射抜かれ、瀕死の状態で横たわっているアシュラをそれは大事に抱きかかえ、その唇に軽く触れてみた。
女神独特の芳醇な香りがした。
そしてミトラの心を奪ってやまぬ儚さがある美貌。
そのものが今、私の腕のなかにある。
嬉しさのあまり、夢魔は異様な笑いを浮かべながら美しい生贄をしばらくじっと見つめていた。
やはりこのまま死なせるわけには行かない、と思った。
本当はこのまま食べてしまいたかったが、それはやめにした。
夢魔は、むさぼるようにアシュラの唇を奪い、無理やり夢魔のダークエナジーを注入した。
そのエナジーは強く、異質なものだった。
とうぜん体に拒絶反応が起きたが、光のエナジーは尽きかけていて、あまりに弱く、ダークエナジーが光のエナジーを駆逐した。
こうしてアシュラは光の記憶をすべて失い、夢魔のダークエナジーに支配される堕天使になった。
夢魔はアシュラに、アシュラがどこへ逃げてもわかるように、悪夢を呼びこむ種をその体の中に植えつけた。
ミトラは護衛のものに止められ、フォースの矢を受け倒れているアシュラをそのままにして、その場を去らねばならなかった。
ミトラは異世界の皇子であるがゆえに、軽はずみな行動はつつしまなければならないのだ。下手に動けば、外交問題となり、宇宙戦争に発展するやもしれぬ危機であった。
しかし何年かぶりに見たアシュラはすっかり女神へと生まれ変わっていて、あまりにまぶしかった。アフロディーテよりも美しいというのは本当だった。
そしてあの瞳!
悲しみをたたえた瞳は、見たものの心を奪わずにはおかなかった。
異世界の皇子ミトラもすっかり心を奪われてしまい、アシュラを守るために、
使ってはいけないフォースを使ってしまったのだ。
しかし異世界を護る皇子としては、これ以上のことは許されなかった。
心を残しながらも、その場を去らねばならなかったミトラであった。
そしてその出来事を暗闇に隠れずっと見ていたものがいた。
夢魔である。
夢魔は意外な成り行きに、驚いてはいたが、最高の生贄の出現に喜びで、胸がいっぱいになった。
アシュラも最高に心ときめくおいしい生贄ではあったが、ミトラの比ではない。
ミトラは次のマイトレーイ候補。それも本命視されている有力な異世界の皇子である。この者の心を手中におさめることができれば、それはまさしくこの宇宙を手に入れたと同じことだった。
夢魔はロキの憎しみのフォースで射抜かれ、瀕死の状態で横たわっているアシュラをそれは大事に抱きかかえ、その唇に軽く触れてみた。
女神独特の芳醇な香りがした。
そしてミトラの心を奪ってやまぬ儚さがある美貌。
そのものが今、私の腕のなかにある。
嬉しさのあまり、夢魔は異様な笑いを浮かべながら美しい生贄をしばらくじっと見つめていた。
やはりこのまま死なせるわけには行かない、と思った。
本当はこのまま食べてしまいたかったが、それはやめにした。
夢魔は、むさぼるようにアシュラの唇を奪い、無理やり夢魔のダークエナジーを注入した。
そのエナジーは強く、異質なものだった。
とうぜん体に拒絶反応が起きたが、光のエナジーは尽きかけていて、あまりに弱く、ダークエナジーが光のエナジーを駆逐した。
こうしてアシュラは光の記憶をすべて失い、夢魔のダークエナジーに支配される堕天使になった。
夢魔はアシュラに、アシュラがどこへ逃げてもわかるように、悪夢を呼びこむ種をその体の中に植えつけた。
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