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16章
たかが、青
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「ケン。」
寝ている龍をナオが起こす。
「ナオ。どうしたんだよ。」
「今日は、来てくれてありがとうな。」
「もう、3年になるのか。」
「キョウも覚えてたんだな。」
「忘れるわけないだろう。あのバンドはみんなナオが作ってきたものなんだし。」
「レイとヒサシは変わらないな。」
「少しずつ、みんな年を取っていくよ。」
「麻美はいい人できたのか。」
「結婚の意識してる人がいるんだろう。蓮見とよく話してるから。」
「それなら良かった。」
「麻美の気持ちに気づいてたのに、ナオは冷たいよな。」
「そうかもな……。」
ナオは蓮見は髪を撫でる。
「もう少し生きたかっただろう。」
龍はナオに聞いた。
「俺の時間の中で、精一杯生きたよ。あの時、青を選ばなかった事だけ、後悔してる。」
「ナオが青でも、蓮見は俺の所にきたよ。」
ナオは静かに笑っていた。
「なあ、お前の抱えてるもの、あの子に少し渡せよ。」
「そんな事したら潰れてしまうよ。」
「大丈夫だよ。龍がそばにいたら、この子は強くなれる。守ってもらえよ。」
ナオは眠っている蓮見の頬を撫でると消えていった。
「おはよう。」
先に起きていた蓮見は朝食を準備していた。
「おはよう。」
龍は二日酔いのせいか、少し頭が痛んだ。
「昨日、これ、聞いてたの?」
蓮見はCDを持っていた。そうだ、昨夜、ナオと話してたんだ。
「なんか聞こえてた?」
「ううん。」
蓮見は水を龍に持ってきた。
「ありがとう。」
「頭、痛いの?」
「少し飲み過ぎた。」
「まだ寝てれば。」
「蓮見は寝ないのか。」
「うん。それ、片付けてしまうから。」
蓮見は洗濯物を抱えてきた。1枚畳んだところで、龍を見て、手を止める。
「龍。」
蓮見は龍の隣りに座った。
「何、あれはいいの?」
「うん。あとで畳むから。ねえ、雨降ってるよ。」
「そうなの?」
龍は微笑むと蓮見の肩に頭を乗せる。
「もう少し、寝たら?」
「蓮見も一緒に寝てくれるか?」
「いいよ。」
「青いTシャツの続き、話そうか。」
「続きがあるの?」
「レイの黒とヒサシの赤の話し。」
「それも取り替えたの?」
「そう。こっちはけっこう本気でさ。」
蓮見は笑って聞いていた。
龍が寝たあと、蓮見は龍の肩に毛布を掛けた。
洗濯物を畳みながら、雨の音を聞いていた。
あなたに会いたかった思いと、あなたに期待している視線が一度に向けられる。
背中を見せるわけにはいかないと前を向いてきた心は、本当はすごく疲れていて、ずっと寄りかかる場所を探していたんだね。
あなたが寄りかかる度、私は強くなれる。
あなたの中に溜まった涙をもらって、少しずつ太い幹になるよ。
空に届く程、大きくなってしまったらどうしようか。
私の根元で眠るあなたを見て、私は心地よい風に吹かれながら、あなたの歌声を聞いていよう。
終。
寝ている龍をナオが起こす。
「ナオ。どうしたんだよ。」
「今日は、来てくれてありがとうな。」
「もう、3年になるのか。」
「キョウも覚えてたんだな。」
「忘れるわけないだろう。あのバンドはみんなナオが作ってきたものなんだし。」
「レイとヒサシは変わらないな。」
「少しずつ、みんな年を取っていくよ。」
「麻美はいい人できたのか。」
「結婚の意識してる人がいるんだろう。蓮見とよく話してるから。」
「それなら良かった。」
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「そうかもな……。」
ナオは蓮見は髪を撫でる。
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龍はナオに聞いた。
「俺の時間の中で、精一杯生きたよ。あの時、青を選ばなかった事だけ、後悔してる。」
「ナオが青でも、蓮見は俺の所にきたよ。」
ナオは静かに笑っていた。
「なあ、お前の抱えてるもの、あの子に少し渡せよ。」
「そんな事したら潰れてしまうよ。」
「大丈夫だよ。龍がそばにいたら、この子は強くなれる。守ってもらえよ。」
ナオは眠っている蓮見の頬を撫でると消えていった。
「おはよう。」
先に起きていた蓮見は朝食を準備していた。
「おはよう。」
龍は二日酔いのせいか、少し頭が痛んだ。
「昨日、これ、聞いてたの?」
蓮見はCDを持っていた。そうだ、昨夜、ナオと話してたんだ。
「なんか聞こえてた?」
「ううん。」
蓮見は水を龍に持ってきた。
「ありがとう。」
「頭、痛いの?」
「少し飲み過ぎた。」
「まだ寝てれば。」
「蓮見は寝ないのか。」
「うん。それ、片付けてしまうから。」
蓮見は洗濯物を抱えてきた。1枚畳んだところで、龍を見て、手を止める。
「龍。」
蓮見は龍の隣りに座った。
「何、あれはいいの?」
「うん。あとで畳むから。ねえ、雨降ってるよ。」
「そうなの?」
龍は微笑むと蓮見の肩に頭を乗せる。
「もう少し、寝たら?」
「蓮見も一緒に寝てくれるか?」
「いいよ。」
「青いTシャツの続き、話そうか。」
「続きがあるの?」
「レイの黒とヒサシの赤の話し。」
「それも取り替えたの?」
「そう。こっちはけっこう本気でさ。」
蓮見は笑って聞いていた。
龍が寝たあと、蓮見は龍の肩に毛布を掛けた。
洗濯物を畳みながら、雨の音を聞いていた。
あなたに会いたかった思いと、あなたに期待している視線が一度に向けられる。
背中を見せるわけにはいかないと前を向いてきた心は、本当はすごく疲れていて、ずっと寄りかかる場所を探していたんだね。
あなたが寄りかかる度、私は強くなれる。
あなたの中に溜まった涙をもらって、少しずつ太い幹になるよ。
空に届く程、大きくなってしまったらどうしようか。
私の根元で眠るあなたを見て、私は心地よい風に吹かれながら、あなたの歌声を聞いていよう。
終。
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