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7章
咲かない桜
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4月だと言うのに、溢れ出した思い出の整理をしている。
冷たいフローリングの床に腰を下ろすと、カーテンが揺れる事さえも、寂しくて涙が零れそうになる。こんなに辛い感情が押し寄せてくるなら、次に生まれてくる時は、孤独を物ともせず、糸を張ってじっと獲物を待っている、貪欲な蜘蛛にでもなりたいと考えてしまう。
席順も決まっていない大学生活は、なるべく人の目に止まらぬ様に、教室の端の席を選んで座っていた。あまり後ろ過ぎても感じが悪いし、真ん中の席だと、どこからも目につきやすい。前の席はもちろん目立って嫌だし、少し後ろ側の端の席に座るには、グループでつるんでいる人達より、早く教室に入る必要があった。縛り付けるものがない大学なんて、こんな自分には辛い4年間になりそうだ。
窓すらない広い教室での講義は、ノートをとるだけでは退屈過ぎる。眠ってしまっても時間が余る90分は、昔読んだやりきれない小説の本当の意味を考えて、ぼんやりと時間を潰していた。時々思い出す也との思い出が、乾いた心を余計にカサカサにさせる。
土曜日。
先週から近所のスーパーでレジ打ちのバイトを始めた凪は、指先についたお金の匂いが気になり、何度も何度も手を洗うようになっていた。ガサガサになっていく自分の手を見つめながら、持て余した時間を埋める作業は、けっこう重労働だったんだと感じている。
父からの仕送りは充分だった。母には一銭も渡さないくせに、自分には定期的にお金を振り込んでいる。一人で小さなアパートに暮らす母の悔しさを思うと、自分の中にある寂しさが募る度に、父への憎悪が増していく。
新しい人の輪に入るのがまだ少し怖くて、学校と家までの道順すら変える事に勇気がいった。たまたま入った家の近所のスーパーで、レジ打ちの女性の流れる様な手さばきが、なんとなく母の仕草と重なった。
「あの、表の張り紙を見たんですけど。」
「ああ、バイトの募集ね。」
忙しそうに常に動いてる店長らしき男性が、凪を見て手を止めた。
「うちなんかでいいのかい?学生さんなら、もっとわりのいいバイトが他にもあるだろうに。」
「ここは家から近いので。」
「じゃあ、明日からきてよ。履歴書もその時にもらうから。」
次の日。
母に似た女性に一通り仕事を教えてもらうと、凪はその日から1人でレジを任された。
「わからなかったら、後ろにいるから。これをつけれると、あんまり無茶を言われないと思うけど。」
若葉マークの名札をつけ、一つ一つにバーコードをかざしていくと、急いでやっているはずなのに、自分の前には列が出き、後ろのレジに並び替える人がたくさん出てきた。
「初めはね、みんなそうよ。そのうちコツを覚えたら、いつも来るお客さんの顔だってわかるようになるから。」
女性はそう言うと、凪のエプロンのポケットに飴を入れた。
「明日はゆっくり休みなさい。」
真っ暗になった帰りの道で、凪は手をこすり合わせた。はぁ~と息を吹きかけると、
「これ、落としてない?」
凪の目の前にいつか失くした手袋が出てきた。
「あっ、これ。」
凪は手袋を持つ手の先に目をやった。
穏やかな表情を浮かべている長身の男性は、街灯のせいなのか、瞳がキラキラしている。
「もしかして、もう片方は捨ててしまった?」
男性はそう言って、手袋を凪に渡そうとした。
「ありますよ。たぶん、コートの中にそのまんま。」
凪は青い手袋を受け取った。
「これ、大学の図書館に落としただろう?」
失くした日の記憶が蘇る。
「そっか、あの受験の時。」
「きっと4月に入学してくるんだろうなって思っていたから。」
「あなたも同じ大学にいるんですか?」
「俺は今年卒業したよ。この近くの会社に勤めてて、よくあのスーパーに行くから。」
「私がこの持ち主だって、どうしてわかったんですか?」
「そりゃわかるよ。見慣れない制服の女の子だなぁと思って声を掛けたら、逃げられて手袋を落として行ったんだから。」
「もしかしてこれ、ずっと持ってたんですか?」
「スーパーで君を見て思い出してね、さっき大学の落とし物コーナーから持ってきたんだよ。きっと、手袋が俺を呼んだのかも。」
「そうでしたか。この手袋、買ったばっかりだったんです。」
凪は渡された手袋をギュッと握った。
「手、冷たそうだね。」
「あっ、これは、少し荒れてて…。」
凪は手を後ろに隠した。
「痛むの?」
「少し。」
「そんな手じゃ料理なんてできないだろう。」
「まぁ、適当に食べますから。」
「良かったら、この近くに美味しいラーメン屋さんがあるんだ。一緒に行こうか。」
「ラーメン?」
「そんな気分じゃない?」
「ううん。1人だとなかなかお店に入れないから。」
「君はそんな感じがするね。あんまり人の中に入るのが苦手そうだ。」
「うん、まぁ。」
「俺もいつもグループにいる様な子は苦手でね。そんな自分は誰かとツルンでないと不安なくせに、なんとなく君とは話しが合いそうだ。」
歩いて10分程の距離にあったラーメン屋には、22時を回っていると言うのに、大勢の客がいた。
「この近くに大きな病院があるだろう。そこの人達が仕事終わりによく来るんだよ。」
喉が渇いて水を飲み干した凪のコップに、男性は水を注いだ。
「なんて名前?」
「藤澤凪です。」
「凪ちゃんか。なぎさじゃなくてただの凪なの?」
「そうです。」
「俺は澤村宗《さわむらむね》。」
「どんな字ですか?」
「うかんむりに示す。」
「わかった。徳川吉宗の、宗だね。」
「歴史は好き?」
「ううん。そんなに好きじゃないです。」
「学部は何?」
「人文。」
「そっか。将来はどんな会社に入ろうと思っているの?」
「それはまだ、わかりません。澤村さんは何を専攻してたんですか?」
「俺は経済。無難だろう。入れる学校がここしかなかったんだけど。」
少しすると、湯気で前髪が濡れる程に熱いラーメンが運ばれてきた。
「さっ、食べよう。」
冷え切った体が一気に温められる。
「うまいだろう。」
澤村がそう言った。
「うん。」
店を出た2人は、同じ方向を歩いていた。
「うちはこっち?」
「そうです。澤村さんは?」
「俺はむこう。遅いから、家まで送るよ。」
澤村は凪の横を歩いている。
「美味しかったです。ごちそうさま。ここからすぐだから大丈夫です。」
「誘ったのは俺なんだから、ちゃんと送るよ。」
「澤村さんはここの人ですか?」
「そう。実家はここから少し遠いけど。就職してから、念願の一人暮らし。」
「そうでしたか。」
「あっ、凪ちゃん、連絡先教えて。」
「えっ?」
「ここの町の事、いろいろ教えてあげるから。」
澤村はそう言ってスマホを取り出した。
凪もカバンからスマホを取り出すと、澤村のQRコードを読み込んだ。
「なんか送って。」
凪は澤村のラインに名前を書いて送った。すぐに返信がきたので見てみると、間抜けな狸のスタンプが送られてきた。凪はそれを見て笑うと、
「学校の前の桜はもう散っただろう?」
澤村が言った。
「昨日の雨で葉っぱだけになってます。」
「これからは庭にたんぽぽが咲くんだよ。刈っても刈っても咲いてくるから。」
「たんぽぽは根っこが深いんですね。」
「そう。あんなに可愛いのに、雑草なんだよな。」
「綿毛になったらけっこう厄介ですよ。」
「そうなる前に何度も刈るのに、またちゃんと咲くんだよ。」
「そんなに迷惑だとか、邪魔だとか思って見た事はないかも。」
「花粉症の俺にはけっこう憎い存在だよ。」
澤村は凪の顔を見て少し笑った。
「私の家、ここですから。今日はありがとうございました。」
凪はアパートを指さした。
「もう着いちゃったんだ。もう少し話しがしたかったのに。」
澤村は凪の手を掴んだ。
「おやすみなさい。」
凪が言うと、
「じゃあね、おやすみ。もう片方の手袋とちゃんと合わせるんだよ。」
澤村は凪の手を離してその手を振った。
ベッドに入ると、さっきの間抜けが狸がやってきた。
〝明日、19時に大学の図書館で待ってて〟
冷たいフローリングの床に腰を下ろすと、カーテンが揺れる事さえも、寂しくて涙が零れそうになる。こんなに辛い感情が押し寄せてくるなら、次に生まれてくる時は、孤独を物ともせず、糸を張ってじっと獲物を待っている、貪欲な蜘蛛にでもなりたいと考えてしまう。
席順も決まっていない大学生活は、なるべく人の目に止まらぬ様に、教室の端の席を選んで座っていた。あまり後ろ過ぎても感じが悪いし、真ん中の席だと、どこからも目につきやすい。前の席はもちろん目立って嫌だし、少し後ろ側の端の席に座るには、グループでつるんでいる人達より、早く教室に入る必要があった。縛り付けるものがない大学なんて、こんな自分には辛い4年間になりそうだ。
窓すらない広い教室での講義は、ノートをとるだけでは退屈過ぎる。眠ってしまっても時間が余る90分は、昔読んだやりきれない小説の本当の意味を考えて、ぼんやりと時間を潰していた。時々思い出す也との思い出が、乾いた心を余計にカサカサにさせる。
土曜日。
先週から近所のスーパーでレジ打ちのバイトを始めた凪は、指先についたお金の匂いが気になり、何度も何度も手を洗うようになっていた。ガサガサになっていく自分の手を見つめながら、持て余した時間を埋める作業は、けっこう重労働だったんだと感じている。
父からの仕送りは充分だった。母には一銭も渡さないくせに、自分には定期的にお金を振り込んでいる。一人で小さなアパートに暮らす母の悔しさを思うと、自分の中にある寂しさが募る度に、父への憎悪が増していく。
新しい人の輪に入るのがまだ少し怖くて、学校と家までの道順すら変える事に勇気がいった。たまたま入った家の近所のスーパーで、レジ打ちの女性の流れる様な手さばきが、なんとなく母の仕草と重なった。
「あの、表の張り紙を見たんですけど。」
「ああ、バイトの募集ね。」
忙しそうに常に動いてる店長らしき男性が、凪を見て手を止めた。
「うちなんかでいいのかい?学生さんなら、もっとわりのいいバイトが他にもあるだろうに。」
「ここは家から近いので。」
「じゃあ、明日からきてよ。履歴書もその時にもらうから。」
次の日。
母に似た女性に一通り仕事を教えてもらうと、凪はその日から1人でレジを任された。
「わからなかったら、後ろにいるから。これをつけれると、あんまり無茶を言われないと思うけど。」
若葉マークの名札をつけ、一つ一つにバーコードをかざしていくと、急いでやっているはずなのに、自分の前には列が出き、後ろのレジに並び替える人がたくさん出てきた。
「初めはね、みんなそうよ。そのうちコツを覚えたら、いつも来るお客さんの顔だってわかるようになるから。」
女性はそう言うと、凪のエプロンのポケットに飴を入れた。
「明日はゆっくり休みなさい。」
真っ暗になった帰りの道で、凪は手をこすり合わせた。はぁ~と息を吹きかけると、
「これ、落としてない?」
凪の目の前にいつか失くした手袋が出てきた。
「あっ、これ。」
凪は手袋を持つ手の先に目をやった。
穏やかな表情を浮かべている長身の男性は、街灯のせいなのか、瞳がキラキラしている。
「もしかして、もう片方は捨ててしまった?」
男性はそう言って、手袋を凪に渡そうとした。
「ありますよ。たぶん、コートの中にそのまんま。」
凪は青い手袋を受け取った。
「これ、大学の図書館に落としただろう?」
失くした日の記憶が蘇る。
「そっか、あの受験の時。」
「きっと4月に入学してくるんだろうなって思っていたから。」
「あなたも同じ大学にいるんですか?」
「俺は今年卒業したよ。この近くの会社に勤めてて、よくあのスーパーに行くから。」
「私がこの持ち主だって、どうしてわかったんですか?」
「そりゃわかるよ。見慣れない制服の女の子だなぁと思って声を掛けたら、逃げられて手袋を落として行ったんだから。」
「もしかしてこれ、ずっと持ってたんですか?」
「スーパーで君を見て思い出してね、さっき大学の落とし物コーナーから持ってきたんだよ。きっと、手袋が俺を呼んだのかも。」
「そうでしたか。この手袋、買ったばっかりだったんです。」
凪は渡された手袋をギュッと握った。
「手、冷たそうだね。」
「あっ、これは、少し荒れてて…。」
凪は手を後ろに隠した。
「痛むの?」
「少し。」
「そんな手じゃ料理なんてできないだろう。」
「まぁ、適当に食べますから。」
「良かったら、この近くに美味しいラーメン屋さんがあるんだ。一緒に行こうか。」
「ラーメン?」
「そんな気分じゃない?」
「ううん。1人だとなかなかお店に入れないから。」
「君はそんな感じがするね。あんまり人の中に入るのが苦手そうだ。」
「うん、まぁ。」
「俺もいつもグループにいる様な子は苦手でね。そんな自分は誰かとツルンでないと不安なくせに、なんとなく君とは話しが合いそうだ。」
歩いて10分程の距離にあったラーメン屋には、22時を回っていると言うのに、大勢の客がいた。
「この近くに大きな病院があるだろう。そこの人達が仕事終わりによく来るんだよ。」
喉が渇いて水を飲み干した凪のコップに、男性は水を注いだ。
「なんて名前?」
「藤澤凪です。」
「凪ちゃんか。なぎさじゃなくてただの凪なの?」
「そうです。」
「俺は澤村宗《さわむらむね》。」
「どんな字ですか?」
「うかんむりに示す。」
「わかった。徳川吉宗の、宗だね。」
「歴史は好き?」
「ううん。そんなに好きじゃないです。」
「学部は何?」
「人文。」
「そっか。将来はどんな会社に入ろうと思っているの?」
「それはまだ、わかりません。澤村さんは何を専攻してたんですか?」
「俺は経済。無難だろう。入れる学校がここしかなかったんだけど。」
少しすると、湯気で前髪が濡れる程に熱いラーメンが運ばれてきた。
「さっ、食べよう。」
冷え切った体が一気に温められる。
「うまいだろう。」
澤村がそう言った。
「うん。」
店を出た2人は、同じ方向を歩いていた。
「うちはこっち?」
「そうです。澤村さんは?」
「俺はむこう。遅いから、家まで送るよ。」
澤村は凪の横を歩いている。
「美味しかったです。ごちそうさま。ここからすぐだから大丈夫です。」
「誘ったのは俺なんだから、ちゃんと送るよ。」
「澤村さんはここの人ですか?」
「そう。実家はここから少し遠いけど。就職してから、念願の一人暮らし。」
「そうでしたか。」
「あっ、凪ちゃん、連絡先教えて。」
「えっ?」
「ここの町の事、いろいろ教えてあげるから。」
澤村はそう言ってスマホを取り出した。
凪もカバンからスマホを取り出すと、澤村のQRコードを読み込んだ。
「なんか送って。」
凪は澤村のラインに名前を書いて送った。すぐに返信がきたので見てみると、間抜けな狸のスタンプが送られてきた。凪はそれを見て笑うと、
「学校の前の桜はもう散っただろう?」
澤村が言った。
「昨日の雨で葉っぱだけになってます。」
「これからは庭にたんぽぽが咲くんだよ。刈っても刈っても咲いてくるから。」
「たんぽぽは根っこが深いんですね。」
「そう。あんなに可愛いのに、雑草なんだよな。」
「綿毛になったらけっこう厄介ですよ。」
「そうなる前に何度も刈るのに、またちゃんと咲くんだよ。」
「そんなに迷惑だとか、邪魔だとか思って見た事はないかも。」
「花粉症の俺にはけっこう憎い存在だよ。」
澤村は凪の顔を見て少し笑った。
「私の家、ここですから。今日はありがとうございました。」
凪はアパートを指さした。
「もう着いちゃったんだ。もう少し話しがしたかったのに。」
澤村は凪の手を掴んだ。
「おやすみなさい。」
凪が言うと、
「じゃあね、おやすみ。もう片方の手袋とちゃんと合わせるんだよ。」
澤村は凪の手を離してその手を振った。
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