曇天の下のてんとう虫

小谷野 天

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8章

砂の城

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 土曜日の夕方。
 美里は相川が家に来るのを待っていた。気持ちがソワソワして何度も鏡を見ていた。
 ~ピンポン~
「こんばんは。」
 美里は相川を迎い入れた。
「こんばんは。」
 美里はキッキンへ向かった。テーブルの横に腰を降ろした相川は、
「美里ちゃん、今日仕事だったの?」
 そう聞いた。
「今日はお休みです。相川さんは部活だったんですか?」
「昼から部活だった。明日は休みにしてもらったから、一緒にどこかへ行こうよ。美里ちゃんは家にいる方がいいのかな?」
「ううん。一緒に行きますよ。」
 お茶を持ってきた美里は、相川の横に座る。
「どうぞ。ご飯、まだできないの。ごめんなさい。」
「そういえば美里ちゃん、この前映画見たの?」
「まだです。」
「それならご飯ができるまで見ようよ。」
 美里のパソコンに顔を寄せる二人。
 ご飯が炊けた音にも気が付かず映画を見ている美里の肩に相川は手を置いた。
「ご飯食べよう。」
「あっ、ごめんなさい。」
「続きは後で見ようよ。お腹空いた。」
 ご飯の用意をする美里の横に並び、相川が運ぶのを手伝った。
「美里ちゃん、いつも自炊してるの?」
「今日は相川さんが来るからご飯を炊きました。」
「外食は?」
「あんまり行かないかな。一人でお店に入れないし。」
「それじゃあ、何を食べてるの?」
「これとか。」
 美里はお菓子を指差した。
「お菓子は洗い物がないから。」
 相川は笑った。
「これから俺が洗うから、ちゃんと食べなよ。」
「本当は作るのもめんどくさいんです。」
「じゃあ、俺が作るよ。」
「いいの?」
「いいよ。」
「ねえ、相川さん。なんかちょっと寒くないですか?」
「それはさっき、吹雪のシーン見たからでしょう?」
「夜の雪山ってどれくらい寒いのかな。これって本当にあったことなんでしょう?」
「そうだよ。映画は少し手を加えているけど、これは実話。」
「助かる人、どれくらいいるんだろう。」
「教えようか?」
「うーん…。あの人は助かるの?」
「あの人って?」
「少ない方にいる隊長さん。」
「高倉健かい?」
「そう。」
 映画の話しをしている美里は、次から次に言葉が溢れてくる。
「美里ちゃんって、ずっと純粋なままなんだね。」
「えっ、なんで。」
「普段はあんまり話さないけど、こういう話しならどんどん溢れてくる。子供がなんでなんでって聞いてくる様だよ。」
「それは相川さんが、いろいろ教えてくれるからです。」
 
 ご飯を食べ終えた二人は、またDVDの続きを見た。震える美里の肩を相川はそっと抱きしめた。
 シャワーを浴びて、Tシャツに着替えた相川が美里の隣りに座ると、暖かい空気が美里を包んだ。
 美里は相川を見た。
「どうしたの?」
「相川さんの空気が温かい。」
 相川は笑って美里を後ろから抱きしめた。
「美里ちゃんは、ひんやりするね。」
 相川が美里の髪に埋もれると、美里は恥ずかしくなってうつむいた。

 眠る時間が近づくにつれ、美里の鼓動が早くなってくる。
 ずっとこうなることを望んでいたのに、相川が近くにいると思うだけで、胸が苦しくなる。
「そろそろ寝ようか。」
 相川はそういうと美里の手を掴んだ。美里は肩を竦める。
「なんでそんなに怖がってるの?」
 美里はコンタクトを外してくると立ち上がった。
 メガネを掛けてきた美里を、相川は先にベッドで待っていた。

「おいで。」
 美里はメガネのままベッドに入る。
 相川は美里のメガネを取って枕元におき、そのまま自分の胸の中で美里を優しく抱きしめた。
「ん? ここに本がある。」
 相川が枕の近くにあった本を手に取ると、顔に栞が落ちた。

 セメント樽の中の手紙、梶原はタイトルを見たあと、美里の顔を覗いた。
「この話しは?」
「時々、読むんです。何回も読んで、もう話しはわかってるけど、眠れない時に。」
「これって恋人がセメントになってしまった話しだよね。」
「そう。どこの壁に使われるか、教えてくださいって、手紙が入っている。」
 美里はその本を手にしようとする。相川はその本を自分の枕元に隠した。
「美里ちゃんの事、もっと早く、見つけていたらよかったね。」
 相川は自分の胸の中で美里の髪を撫でた。美里と目が合うと、
「キスしようか。」
 そう言った。
 相川の顔が近づくと、美里は相川の胸に手を置いて距離を取った。なかなか顔をあげない美里に
「どうした?」
 と相川は聞いた。
「今日、本当は真由さんと約束してたんでしょう?」
「断ったよ。俺が好きなのは、美里ちゃんだし。何かあった?」
「ううん。なんでもない。」
「美里ちゃん。これから俺と付き合おうよ。」
「やっぱり私……。」
 相川は美里の上になると
「美里ちゃん。好きだよ。」
 そう言った。美里はそれでも首を振る。
「甘えるの下手だよね。どうして、気持ちを遠ざけようとするの?」
「……。」
「目、閉じなよ。それが答えだと受け取るから。」
 美里は少し考えていた。
 相川は自分をずっと見つめている。
 相川の大きな手が、美里の頬に触れる。
 雨の音が聞こえていた。
 相川の手の温かさに、美里は目を閉じた。
 相川を求める感情よりも、ぬくもりを失ってしまう怖さが美里の中で溢れてくる。
 美里が目を閉じると、相川は美里にキスをした。 
 そして、砂の様に崩れてしまいそうな美里を、静かに包んだ。
 
 美里が眠ったあと、相川は枕元にあった本を手に取った。
 セメント工場で働いていた彼が、機械に巻き込まれて亡くなってしまった。彼女は、セメントになった彼が詰められた袋の中に、彼がどこの壁に使われているか教えて欲しいと手紙を入れる。

 相川は眠っている美里の髪をそっと撫でる。
 不幸になりたいと思う人間なんかいない。
 彼女はどうして、寂しさや哀しみを求め、穏やかな感情を遠ざけようとするのか。

 美里は夢を見ていた。
 そこにいるのは、何歳くらいの自分なんだろう。
 母と姉ときた公園で、乗りたかったブランコも、作りたかった砂のケーキも、何もできず、立ち尽くしていた美里の足元にアリが登ってくる。1匹を手で払っても、また別の一匹が足に登ってくる。怖くてその場から走り出した時、雷がなり、土砂降りの雨が降り出した。さっきまで一緒にいた母も姉もどこにもいない。 
 
 目が覚めた美里は本を探した。
 相川は美里を見つめた。
「どうしたの?」
 顔を手で覆った美里。
 相川はその手を握ると美里の顔を見た。
「相川さん、起きてたの?」
「起きてたよ。この本、読んでた。」
 美里は相川の持っている本を手に取ると、美里に見せた。
 相川は美里を自分の体に引き寄せる。
「こっちにおいで。」
「大丈夫。」
 美里は毛布を手繰り寄せた。相川は、美里が手繰り寄せている毛布を肩まで掛ける。
「ほら、これでいい?」
「うん。」
「このまま、寝てもいいよ。」
「そんなに見られてたら、眠れない。」
 美里は顔が見えないように相川の胸におでこをつけた。
「なんの夢見てたの?」
 顔を上げた美里は
「忘れた。」
 そう言った。

 美里を抱いても、彼女はどこか遠くに心がある。
 
 自分は美里が少しずつ作り上げてきた砂の城を、一瞬で壊してしまったのだろうか。
 いや、自分は美里が砂の城を作っている浜辺を、遠くから眺めているだけ。
 ここで作っても、また波がくるよ、そう言って浜辺から美里を連れ出したい。
 波が来るまで、早く作ろうか、そう言って美里の隣りに一緒にいたい。

「美里。」
「ん?」
「もっとこっちにおいで。」
「ここでいい。」
「わかったよ。」
 相川は美里の体に自分から近付いた。驚いて相川を見た美里に、
「眠ったら、また夢を見てしまうだろう。」
 そう言って、美里の手を握った。
 美里に何度もキスをする。
 美里は自分を拒む事はなかったけれど、その体に触れても触れても、自分を求めてくる事はなかった。

 月曜日。
 美里のロッカーには何もいたずらされていなかった。美里のデスクからは物がなくなっていた。美里は真由がこっちを見ている事を感じていたけれど、気が付かないように、備品庫になくなった物を取りに行った。
「真中さん、どうしたの?」
 真由がついてきた。
「足りない物がいくつかあって。」
「さっき、営業の島課長から連絡があったよ。」
「そうなんですか、急いで連絡します。」
 美里は急いで自席に戻り、島課長に電話を掛けた。
 島課長は連絡なんかしていないと電話を切った。
 美里はまた、物品庫に向った。こんな事が、毎日続くのか、と美里はため息をついた。
 
 水曜日。
 美里は課長に呼ばれた。
「真中くん、制作部の水野さんが退職するのは知ってたのか?」
「いいえ。知りませんでした。」
「おかしいな。川上課長が連絡をしたって言ってたから、てっきり手続きが進んでると思ったのに。」
「すみません、急いでやります。退職されるのはいつですか?」
「明日なんだよ。明後日から有休消化に入るから、今日中にできるか? 中途採用者募集の件も進めてくれ。」
「はい。ご迷惑掛けてすみません。」
 美里は数枚の書類を印刷し、制作部を訪ねた。
「水野さんはどちらですか?」
 案内された前には、以前、給湯室で泣いていた女性が座っていた。
「あの、水野さんですか?」
「そうです。」
「退職の手続きが遅くなってすみません。必要な書類を持って来ました。印鑑はお持ちですか?」
「もしかして、給湯室で話した真中さん?」
「そうです。最後の勤務の日に慌てて手続きをすることになって本当にすみません。」
「うちの課長が総務に言ったのは、けっこう前だけどね。そっか、あなた、城田さんにやられたんでしょ。」
「手続きが遅れたのは、ちゃんと聞かなかった私のせいですから。」
「強いのね。栄養失調で倒れたって聞いたから、もっと儚い人だと思ってたのに。」
「私は栄養失調で通ってるんですね。」
 そう言って笑った。
「私ね、田舎に帰るの。今度は気の知れた同級生とたくさん恋愛しようと思う。」
「田舎はどこですか?」
「長野よ。」
「いいですね。野沢菜、おいしいですからね。キレイな川があるって羨ましいです。
 水野さん、今まで本当にお疲れ様でした。お別れは残念ですけど、新しい環境で、これからたくさんいいことあると思いますよ。」
「真中さん、ありがとう。あなたとは、もっと前から友達になれば良かったな。」
 就業のチャイムがなったあと、彼女は美里にラインを教えてほしいとやってきた。
「真中さんはあんまり人と繋がらないよね。」
「私、家でゴロゴロするのが好きなんで。」
「誰かと一緒いないと不安にならないの?」 
「私、偏屈なんですよ。淋しいくせに、めんどうくさい。」
「真中さんは、偏屈には見えないけどな。」
「水野さんはたくさん気を使ってきたでしょう。制作は人も多いし。」
「そうだよ。今まですごい気を使ってきたんだから。それで最後に城田さんに裏切られるとは思ってもみなかったわ。」
「水野さんが羨ましいかったんでしょうね。」
「今思えば、城田さんの誘いに乗るなんて、あいつもたいした男でもなかったのよ。別れて清々した。」
 美里は溜まって仕事など構わずに、水野の話しを聞いていた。
「水野さん、長野の写真たくさん送ってくださいね。」
 美里は彼女にそう言った。
「ありがとう。真中さん。ごめん、仕事の邪魔をして。」
「ううん。また明日。」
「また明日ね。」

 22時。
 梶原がタイムカードを押す。蓮が続けてタイムカードを押した。
「梶原。総務、まだ電気ついていたよ。」
 蓮はそう言った。
「誰か残っているんですかね?」
「真中さんが残ってるよ。さっき、見かけたから。真中さん、亜沙美みたいにならなきゃいいけどさ。」
「城田さん、まだ、そんな事やってるんですか?」
「城田、あの男性には、本気なのかも。」
「真中への嫌がらせしたって、どうしようもないのに。」
「梶原は真中さんの事、好きなの?」
「……。」
「真中さんの事が気になってるのって、亜沙美の事、守れなかった後悔なんでしょう?」
「……。」
「優しすぎるんだよ、梶原。」
 蓮が玄関を出ていった後、梶原は美里のもとへ向った。
 暗い部屋の中に、ひとつ明かりがついている。
「真中。」
「あっ、梶原くん。」
「今日は残業か?」
「そう。」
 美里は眼鏡を掛けていた。
「いつ帰る気だよ。」
「けっこう、かかる。」
 机の上の書類を見て、
「欠員出たのか。もしかして制作の水野さんの分か。明日退職って日なのに。何で慌てて手続きしてるんだよ。」
 梶原は美里に聞いた。
「私が忘れてたから。」
「待ってていいか?」
「先に帰って。ご飯食べて、寝たら?」
「真中、早く帰らないと、また体壊すぞ。」
「そんなに簡単に壊れないよ。」
 梶原は美里の頬を撫でた。
「梶原くん。私、仕事中。」
「知ってるよ。」
「俺、なんか買ってくるから。」
 梶原は近くのコンビニで夕食を買ってきた。
 サンドイッチを食べながら、
「亜沙美さんに連絡した?」
 美里が聞いた。
「したよ。亜沙美さんに美里ちゃんは元気なの? って聞かれた。ここ、間違ってるよ。」
「あっ、本当だ。ありがとう。」
 梶原はなかなか帰らなかった。
 午前0時半。
 仕事が終ったら美里の横で、梶原は携帯を見ていた。
「終わったか?」
「うん。終わった。」
「早く帰ろう。タクシー呼んだから。」
「走れば終点に間に合うよ。」
「もう、呼んだから、さっ、早く。俺、玄関で待ってるよ。」
 タクシーに乗り込むと、梶原は美里の家に行くように運転手に話した。
「あー、眠いなあ。」
 梶原はそのまま、美里の隣りで眠った。
「梶原くん、着いたよ。じゃあね。」
 支払いを済ませた美里が、梶原を起こす。
「運転手さん、二人共ここで降ります。ありがとうございました。」
 梶原はそのまま美里を連れてタクシーを降りた。
「梶原くん、早く帰って寝ないと。もう1時過ぎだよ。」
「真中の家で寝るから。」
「そんな。」
 梶原はスーツを脱ぐとそのままベッドに入った。
「梶原くん。」
 梶原は美里の手を掴んだ。
「早く寝よう。」
「どういうつもり? 」
「真中、シャワー浴びてこいよ。早くしないと明日に響くぞ。」
 梶原はそう言って美里を浴室へ向かわせた。
「梶原くん、本当に帰らないの?」
「もう遅いから泊めてくれ。緊急事態だろ。相川さんも許してくれるって。」

 梶原がシャワーから出てくるのを待っている間、美里は疲れて床の上に横になった。薄れていく意識の中で、相川への後ろめたさを感じていたが、なんだかとても眠くてたまらなかった。
「寝てるのか?」
 梶原の声がする。
「寝てる。」
 美里はなんとか答えた。
「そっか。このまま、寝落ちしていいぞ。」
 梶原は美里にキスをしようとした。
「ダメだよ。梶原くん。」
 眠くて力が入らない美里に、梶原は無理やりキスをした。
 美里は相川を裏切り、梶原の気持ちを受け入れてしまった自分に腹が立ち、起き上がって梶原の胸を叩いた。 
 梶原は美里の手を掴むと
「相川さんと寝たのか?」
 そういった。
「いいじゃない、それは。」
「俺の気持ち、わかってるだろう。」
「……。」
「ちゃんとこっち向けよ。」
「見れないよ。」
 梶原は美里をベッドに連れて行き、美里の服を脱がせようとすると、枕元の本が床に落ちた。美里はその本に手を伸ばす。
 美里の手を掴んだ梶原は、そのまま美里にはげしくキスをする。
 梶原が少し離れた一瞬、美里は起き上がった。
「梶原くん、なんか変だよ。どうしたの、何かあった?」
 美里は梶原の顔を覗き込む。
「真中とこういう関係になったら、一番楽かと思ったのに。相川なんか、城田さんにやれよ。こんな嫌な目にあって、辛くないのかよ。」
「私は大丈夫だって。」
 美里は少し笑った。
「相川さんは真中の事が本当に好きなのか?」 
「私の事はいいの。梶原くんは? 」
「真中の方が先に答えろよ。相川と寝たんだろう。」
「……。」
「ずっと見てたから、わかるんだよ。なんかお前、変わったよな。このまま、いなくなってしまいそうなんだ。」
「そんな事ないよ。」
 梶原は美里を押し倒した。
 梶原のまっすぐに目を見ると、何度も彼を傷つけ、また傷つけようとする自分を責める声が聞こえた。

 すごく疲れた。
 このまま、崩れてなくなってしまってもいい。
 こんなに事になってしまったんだもの、もう相川さんには会えない。
 目を開けようとしているのに、何もかもが暗闇の中。
 梶原くんも、そのうち、こんな私との事なんか、どうでもよくなるよ。

「梶原くん。今日は待っててくれてありがとう。一人で残ってると、嫌な気持ちになってた。」
 美里はそう言った。
「俺がずっと守ってやるよ。」
 梶原はベッドに横になり、美里を自分の胸に埋めた。美里は梶原の胸の中に包まれて、目を閉じた。力の抜けた美里を感じた梶原は、
「いいのかよ。」
 そう聞いた。
「よくないよ。」
 美里は梶原の胸に手を置いた。
「相川さんに、なんて言うんだよ。」
「……。」
「このまま、俺の所にくるのか。」
「……。」
 梶原はゆっくり美里を抱きしめた。
「梶原くん、違うって。」
「真中、本当に友達じゃなくなるけど、いいのか。」
 いつもなら押し返す力が、今の美里にはなかった。
 美里は目を閉じたまま。
 梶原が近づいてくるのがわかる。
「ごめんなさい。」
「なんか言ったか?」
「ううん。」

 朝、先に目が覚めた梶原は、ベッドの下で毛布にくるまっている美里に気が付いた。毛布の模様のせいもあるのか、美里のまあるい背中がてんとう虫の様に見えた。

「真中、朝。」
 真っ赤な美里の目。
「梶原くん、おはよう。」
「おはよう。お前、目を赤いぞ。」
「また、そのまま寝ちゃったんだ。」
 美里は洗面所に行き、眼鏡を掛けて、キッチンに立つ。
「俺、先に出るわ。」
「まだ、時間があるよ。」
「いや、一回帰るわ。」
 梶原が支度をする。
「真中は今日、仕事休んだら?」
「休まないよ。」
「なんか辛そうだぞ。」
「梶原くんも。」



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