聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜

CHACOとJAGURA

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第二部 少年編

第三十八回

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 ところ変わって、サート山地。ブランカがいた湖の西、森林地帯を突っ切ったところで最初に見える山こそが、かつてミスリルの坑道があったという山だった。

 カナヤムア、という名の古代ヒッジランド語で呼ばれていたその山の南側の麓には、当時の鉱山町の遺跡が残っていた。

 石造りの建物の全てが崩れている。ドワーフの石工によるものだが突き崩されたり打ち壊されたりと、無事にその姿を残すものは無かった。

 ただ一つ、鉱山町の公会堂だけは在りし日のままの姿を保っていた。半分だけ。屋根は崩れ北側の壁は壊れかかっていた。それでも崩れる事が無かったのは、ドワーフの魔法によるものだったのだ。

 町をここまで崩したのは、暗黒卿が城攻めに使った投石砲によるものだった。覆っている雪の中には苔むした表面の岩が転がっている。

 その攻城戦に立ち会ったことがある、と隣のドワーフに聞かされた司祭騎士のヘンリック=イプセンは、この廃墟も暗黒卿とヒッジランドとの激戦地だったのだ、と感慨深そうにつぶやいた。

「忘れ去ってしまうとは、むごいものですね?」
「仕方なかろう。あのお山は掘りつくしたからのう……ひよわなニンゲンの手で出来る限界まではな」
「では、ドワーフに手助けして貰えればそうでは無かったと?」

 公会堂跡に打ち捨てられた、『かわいい触手姫の銅像』を前にしたヘンリックは、ドワーフのくせにやけに読書好きで本を読み開いているトールキンに尋ねた。

「トールキン、その本は?」
「なあに。ただのすけべ本じゃよ。女のあそこをどう舐めたらいいのかをみっちりと書いておる。お前んとこの国の性愛指南書じゃ」

 しかし面白いことが書いていない。体得している事ばかりが書いてあるとトールキンは断じた。エッダが貸してくれた本なのだが、自分だったら本屋で2ページ読んでさっさと片す代物だとあざ笑った。

「貸してください。どれどれ……なかなかに勉強になることが書いていますね?」
「馬鹿を言え。4つの頃からおまんこを舐めてきたヘンリックなら、どうとないことばかりが書いておるじゃろ?」
「はあ。色の道というのはなかなかに奥深いのですよ。少なくとも私は、この本に書いてある舌の使い方を半分も覚えてはいない。女芯を舐めて味わう事は、どんな美酒よりも旨いものだと教主様からは教えられましたが……」

 やはり自分の快楽を優先してしまう。舌がしびれて痙攣するまで舐めたことは無かったとヘンリックは笑い、トールキンと共に外に出た。坑道の入り口はすぐ近くにあった。そこで信徒と教典の巫女が待っていた。

「それでは、参りましょうか?」
「ミスリル鉱はまだあるはずじゃ。ここはドワーフのみんなが目を付けていた山じゃからな!」
「であれば、どうして掘り返さないのです?」

 問われたトールキンは、地元のイワッミーにあふれんばかりの鉱脈が眠っているからだと答えた。わざわざヒッジランドに入ってまで、金儲けをする意味など無い。

「それにな、ここはもともとウラスコーの殿様の許可を得た者だけが入れるお山じゃった……暗黒卿と盟約を結んだ儂らイワッミーの衆を拒絶してからずっと、この近辺のドワーフどもらは交流ができんかったと聞いていたが……」

 ホーデンエーネンに向かったという当代とは再び縁を取り戻したと聞いたが、その人物はもういない事をトールキンは知っていた。何故なら教団の者から聞かされていたからだ。ウラスコー家が途絶えた今、過去となった契約に囚われる必要は無かったのだ。


□ □ □ □ □


 鉱山の最下層は、地上から約50メートル下のところにあった。照明魔法で辺りを照らしながら、ヘンリックはこの山の技師だったトールキンの兄の地図を開き、ここが掘り止まりだと皆に告げた。

「トールキンの見立てでは、この地盤の更に真下に、膨大なミスリルの鉱脈があるらしいですが……」

 硬い地盤を踏んでみて、なかなかに掘りにくいだろうとため息をついた。亜人の力が必要だ。ドワーフの破砕魔法とオーガの馬鹿力に期待したい。閉山の当時に比べたら発達している器具もある。

「ところでトールキンは?」
「右の通路の先にある、休憩所跡でエッダとやりまくってますよ」

 そちらの方を見てヴィルマが苦笑いをする。坑道の中は物音が響き渡るものなのだが、トールキンは音消しの魔法を入口に張り巡らしたのだ。エッダの豊満を貪る邪魔をさせないように心掛けたからである。

「なぜそこで続けるのです? エッダは太っていて体臭がきつい。この穴倉に入るときに側に来られたが……」

 わきががきつくて仕方がない。聞けばエッダは陰毛と脇毛がこんもりと生えているらしい。

 顔立ちは醜くないのだが、それがもとで他の女信者と比べて性交の相手が見つかりにくかったと記憶している。
 
「入浴してからのほうが良いと思われますが……」
「それがですね、ドワーフはもともと地下の穴倉深くで生活する種族だったから、ご先祖の血が騒いでそうしているのだとか」

 そのトールキンは休憩場所に籠もってからずっと、狂ったように下腹をエッダに打ち付けていた。

 愛人の豊満な股ぐらの陰毛は、彼が放ったばかりの精液と坑道に入る前の数々の行為で付着した精液にまみれていた。

「ひいっ! ひいっ!」

 エッダは激しく打ち付けられ、自分の中で注がれるのを感じながらも、陰毛がこすれるたびにひっかかれる様な不快感を覚えて困っていた。

「と、トールキン! おねがいだから腰を止めて!」
「ん? なんじゃ?」
「あそこの毛が痛いのよ!」

 ああやっぱりそうじゃったか。トールキンは彼女の幅広のヴァギナを貫いていた鋼の様に硬いペニスを引き抜くと、右指で印を切る。

 寝そべっていたエッダの陰部の真上に水の球体が現れ、そのまま真下へと落下した。

 陰毛や陰裂に付着した精液がいくらか洗い流されたのを見ると、トールキンは鞄の中の小物入れからカミソリと小箱の中にあった固形石鹸を取り出した。

 この太った娘の陰部は、剛毛がびっしりと生えている。恥丘からアナルまで連なっていて、彼女のこの箇所にどれほど栄養が行っているかを顕していた。

「エッダ、儂は陰毛が濃い女が好きじゃ。だがのう」

 生えすぎる陰毛というのは毛じらみがわきやすい。ドワーフは虫がたかってもかゆいとかは無いが、か弱いニンゲンではそうもいかない。

「じゃろうが、エッダ?」
「そりゃそうよ……」

 エッダは夏場に苦しめられたことが何度かあった。でも彼女は無精して手入れを怠っていた。

 パラッツォ教徒の女ならば、法悦をもっと深める為に手入れを怠らない。陰毛を申し訳程度まで残すぐらいであった。

「剃毛してやる」
「いいわ……」

 エッダが脚を大きく開く。肉に埋まっていた陰裂がはっきりと現れた。パラッツォ教徒の女には秘所に特徴があった、陰核の包皮が無くなっているのだ。

 女信徒らは法悦を増す為、あるいは清潔になる様に赤ん坊あるいは幼児の頃に陰核包皮を切除する。エッダのむき出しの陰核の周囲には、その痕が残っていた。

 トールキンは石鹸をエッダの秘所に押し当ててこすり始めた。陰裂は激しい性交で感度が高ぶっていたから、エッダは喘ぎにあえいだ。

 石鹸のぬめりけが陰部全体に広がると、トールキンはカミソリの刃をそこに当てた。

 太くごつい指の荒くれ者の亜人の刃づかいは繊細だった。愛人の大事な肌に傷を付けない様に気を使っていた。

 陰毛が剃り落とされる音を聞いてエッダは膣を濡らした。刃は会陰だけでなく、その下にある窄まりの周囲の剛毛を取り除いた。

 クリトリスの真上からアナルの周囲に至るまですっきりさせられ、頼りなさをエッダは覚えた。

 とはいえ、邪魔な茂みを取り払われた彼女の全貌は、トールキンにとって舐めとりたくなる魅力を持たせた。

 余計な肉がついた周囲と愛撫や挿入を求める陰裂の形がはっきりとわかる。トールキンはもう一度魔法による水を掛けるとむしゃぶりついた。

「うあっ。トールキン……!」

 エッダが愛らしくあえいだ。トールキンの舌と唇は陰毛を取り除いた刃の様に細かで巧みだ。

 エッダが身を捩り、体を引こうとするとトールキンは彼女の太ももを掴んで、無理やりに脚を開かせた。

 ばっくりと割れた膣口に猛烈にキスを。エッダは我を忘れた。大きな法悦を得た後、再び奥まで突き込まれたいとねだった。

「わかっておる。エッダ!」

 トールキンの野太い勃起が欲しそうによだれをたらしていた太った少女の下の口に沈み込んだ。

 ちくちくとしているのに少しばかり違和感を感じたが、エッダはトールキンの下腹をより密着して感じる事に喜びを覚えていた。

「と、トールキン!」

 トールキンは言葉で返さない。代わりに膣の中で暴れるペニスが雄弁に物語っていた。


□ □ □ □ □


 イズヴァルトとブランカもまたその廃鉱山の中にいた。転移魔法で到着したのは、ヘンリックらがいる最下層だ。
 
 到着した所であたりは真っ暗闇。何も見えぬと思った時、ブランカが魔法で明かりを灯してくれた。

「これでしかいはばんぜんでち!」
「しかし、貴殿を騙したパラッツォ教の悪者というのは、どこにいるのでござろうな?」

 どこにいるのかはすぐにわかる。ブランカは闇の中から触手を数匹呼び出して探らせる事にした。

「坑道の割には天井は広いでござるな?」
「それだけたっくさんのミスリルがあったということでちよ」

 ブランカが知る限り、この山のミスリル鉱脈はあの当時で一番大きかった。イワッミーなどにある他の鉱山は、狭い穴に潜って掘り進めるようだ。

「広いとは言え、足場があまりよろしくないでござる。支え材も腐っている様に見えるでござるが……」
「だいじょうぶでち。ドワーフちんのまほうでつよくしたざいもくをつかっているから、そうかんたんにおれないでちよ」

 それから、とブランカは付け加えた。この山は地下水脈がたくさんある。水を介して生成する触手らを作るのに、体に負担がかからなかった。

「果たして……かように打ち捨てられた鉱山にまだミスリルはあるのでござろうか?」
「たぶんまだまだあるでちよ。けど、かなりおくふかくにあるみたいでちね?」
「となると……」

 イズヴァルトは目を凝らして周囲に目を向ける。天井や壁から水が染み出していた。

 空気はひんやりとしていて淀んでいる。どこかでガスが溜まっているかもしれない。炎の魔法と重圧の魔法は命取りになるかもしれなかった。

「……みつけたでち!」

 触手に探らせていたブランカが告げた。この道から20メートル先の分岐路の右側の道の先に、ヘンリック=イプセンらパラッツォ教徒が立っていた。

「100メートルざっと15にんほどでち。あのイプセンのばかちんがおったでちよ!」
「なかなかに遠いでござるな。でござるがここからは静かにするでござるよ」

 もちろんでち。イズヴァルトの頭の中にブランカの声が響いた。念話魔法による会話で。それから足音を消す魔法をかけてくれるとブランカは言った。

「せんてひっしょうをきしてのきしゅうをかけるでち!」
「なかなかにいくさをご存知のようでござるな?」
「ふふん。なにせツネーヒちんとさんざんやりあったんでち! このぐらいかんがえつくでちよ!」

 うなずいたイズヴァルトは『姫竜の牙』を鞘から抜いた。1メートル半以上の大剣である『覇王の剣』では、こういう空間ではやりにくいと考えたからだ。

 ただ、この魔剣は半分が別のものであるがゆえ、ヤギウセッシウサイと戦った時の様な威力を期待出来ない。

「それ、どうにもヴィクトリアちんがもっていたときよりちからがうせているようでち」

 それでも切れ味は鋭いし、刃の風を起こす事はできる。ざっと威力は4割減、とブランカが見立てて言うと、存じておるとイズヴァルトは答えた。

「もちろん覚悟の上でござる。いざ!」

 イズヴァルトはブランカを背負って駆け出した。力強く脚を踏みしめても音は立たぬ。2人の息づかいもだ。

 右に曲がると道はなだらかな下り坂だった。向かう先に魔法による明かりが。確かに複数名。そのうち2人がパラッツォ教の武者、司祭騎士だ。

「見つけたでござる!」

 イズヴァルトは集団の真ん中にいるその2人と、見目麗しく露出の多い衣をまとった1人の女に目を向けた。

 勘が告げる。手強いのはあの3人だ。ブランカは触手による『ちょうばつ』を提案した。しかしイズヴァルトは拒否した。

「ここが腕の見せどころでござる。まずは拙者の戦いぶりをご覧いただくでござるよ、ブランカどの!」
「とりあえずはつきあってやるでち。さあ、おもうぞんぶんあばれなちゃい!」

 水魔に認められてイズヴァルトは駆ける。かくして聖騎士団の恐るべき麒麟児がまたも大暴れする事となるのだが、さてその行方は?

 その続きについてはまた、次回にて。
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