聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜

CHACOとJAGURA

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第三部 青年編

第十九回

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 空に浮かぶ魔道要塞・サイコ=ロップス。しかしその飛行高度は予想よりも低く、移動速度は想像を絶するものだった。

 ヘファイスティオンが城の古文書庫から出した古代ムサシノ帝国のカタログスペックによれば、最高高度2000メートル。時速は常時100キロと書いてあった。

 しかしである。要塞の真上でよりはるか上に、とんびが空を舞っていた。そして地上では、のそのそと歩くイノシシの群れがいた。それらにとうとう追い抜かれてしまった。

「ど、どういうことだ?」

 屋上の観測班は要塞内の計測器担当に尋ねた。今の所、時速6キロで高度は50メートル。しかし最大出力である。観測班は誰もが嘆いた。古文書と話が違うではないか。

「くそったれ! ただの空飛ぶ粗大ごみではないか!」
「ま、まあでも魔道兵器があるらしいし、速度と高度は今の所は……」

 口惜しがる観測班らに「なに怒ってるんだべえ?」と間延びした声で呼びかけるものがいた。彼等が振り向くと太った大男がいた。

 長い貫頭衣をめくりあげ、尻を出してしゃがんでいる。でっかい尻からぶりゅぶりゅと盛大に糞をひねっていた。

「ダニェルさま」
「こんなところでうんこをしないでくださいよ。れっきとした要塞なんですぞ、これは」
「そうは言ってもなあ……」

 ダニェルは尻穴をもう一度膨らませ、にゅるると糞をひねった。要塞の屋上は入り口といくつかの天窓以外、土と草で覆われていた。

 ぶりゅ、と残り糞を放った後、ぶっとい陰茎からじょろろろ、と小便を放つと、彼は水魔法で尻と亀頭を清めて立ち上がった。

「こういう草っぱらだと、どうにもうんこをしたくなってしまうべえよ。おめさまらも野糞が好きだろう?」
「ん、まあ……」
「野糞と言わず、べっちょも草っぱらでしますなあ」
「うん。そうだべえ」

 ダニェルはその辺に置いてあった愛用のミスリルの湾曲刀を腰のベルトにかけると、遠くを見渡してつぶやいた。

「のろのろだけどこの空飛ぶ要塞は相手を充分に驚かすものだべえ。備え付けの兵器がだめになってたら、この上にバリスタや投石砲を置けばいいんだべえよ」
「ほ、ほう。それもそうですなあ」
「んだ。それに俺たちには弓矢も魔法もあるべえ。創意工夫でなんとかなるさ。とはいえヒッターチは、こいつとどう戦うんだろうなあ」

 東の平野をもう一度見渡していると、彼の妻のニナとその弟のヴァシルが入り口から出て来た。食堂について不満を言い始めた。調理場にある魔道具が突然壊れたという。

「コンロも水場もだめになっちまったべえ。こりゃ新しい魔道具をコーガの大御所様に貰うしかねえべえよ」
「まったくだ。姉さんも僕もお腹ぺこぺこだ。おい、うすのろ。ヌマタラシュクのとてつもない大馬鹿大将は今どうしている?」
「ミヒャエルさまかあ……」

 ダニェルは念話魔法と千里眼の魔法を試した。ミヒャエルは今、沐浴場にいた。そこだけは湯沸かしの魔道具がうまく作用しており、入ることができたが族長の息子の貸し切りだ。

 ミヒャエルは鎧を脱ぎ、ハーフエルフの娼婦の中でも乳房が大きな上物を3名侍らせ、湯の中で互いの性器をこすり合わせたり乳房の吸い試しをして楽しんでいた。

「……べっちょの最中だべえな」
「けっ。無能のくせにうちの親父みてえなことをやりやがる。親父に喧嘩で負ける糞族長の倅のくせしてよお。無能は無能らしく緊急時に備えやがれってえの。けっ」

 ヌマタラシュクの大族長を小馬鹿にされ、周囲のエルフたちが舌打ちした。そのうち、荒っぽい者が剣を抜き、ナエバニアの小僧がどれだけ強いか試させろ、と言って来た。

「ダニェルさんの義弟だからって、甘やかすつもりはねえぞ?」
「おれたちをへばらせてからモノを言えぇ。小僧っ子!」

 ヴァシルは姉とダニェルに目配せし、仕方ないとつぶやいて腰のレイピアを抜いた。ミスリルの業物だ。

「吠え面かくなよ。七本槍ぐらいじゃねえと僕には勝てないからな!」

 自信げに笑ってヴァシルが飛んだ。20メートルも高く飛び、宙を浮きながら魔法の氷塊弾を間断なく撒き散らした。

 氷塊の1つ1つは直径1メートル程。大型の投石砲用の岩石と同じぐらいだ。それを何発も繰り出せるのはヌマタラシュクのエルフ達にはいなかった。

「て、手強いぞこいつ!」
「ナエバニアのカジミェシュの倅だってのは、本当のことだったか! かなわない!」

 自分は武芸もできる。ヴァシルは強そうなのを1人見繕って急降下した。レイピアが蛇がうねるようにくねって見えた。

 相手のエルフは剣で最初の一撃を防いだものの、二撃目には顔に傷を負った。ここまでの剣士だと思っても見なかった。

 ヴァシルは相手の小手を叩いた。剣を離してしまった男の喉元に切っ先を突きつけた。勝負ありだ。

「つ、強い……」
「だから言っただろう? 僕に勝てるのは七本槍ぐらいだって。他は……カタシナシュフの精鋭部隊ぐらいだな」

 カタシナシュフには、『ミナッカミニアの山猫』と呼ばれる凄腕もいるがあれは比較してはならない。実力がありすぎる。

「ああそうそう。南のエルフどもが来たら僕はすぐに逃げるからな。あんな猛獣どもとまともにやり合うなんて、まっぴらごめんだ」
「……戦ったことがあるのか?」
「まあね。僕が飼ってた子どもサキュバスを奪いに来たのさ。ウマヤーノの淫魔牧場で買ったやつなんだがね」

 ウマヤーノにはごく一部だが、サキュバス愛好者がいた。そのための闇業者もいた。彼等の為に淫魔を捕まえて牢獄につなげ、子どもを産ませるのだ。ほぼほぼ確実に娘として生まれるし、赤ん坊の頃から精液を摂取させればザーメン中毒の魔族の出来上がりだ。

 ヴァシルはその娘に牛乳を呑ませ、尻からアイスクリームをひねらせた。子ども淫魔の尻氷菓の甘みは極上だ。

 あと、尻穴の具合がとても良かったので肛門性交を仕込んだ。膣は狭くて小さいし、精液に含まれる魔力を吸収しやすいと聞いていたから控えたという。

 南のエルフたちがその娘をヴァシルから奪おうとしたのは、彼女達のところに逃げ込んだ母親サキュバスにせがまれてだ。完膚無きまで叩きのめされたとヴァシルは笑った。

「だいたい、僕はそいつをウマヤーノの好事家から買い取ったんだぜ? 自分の好きなようにして何が悪い?」
「そりゃそうだと思うが……」

 そのやりとりの最中に、長弓を持った数名のエルフの戦士が現れた。剛弓使いの者たちだ。私闘をするなとヴァシル達を叱り、東の方角のへりに立った。

「何しに来たんだべえ?」
「何しにもなにも、こいつがとろくていらいらしっぱなしだったんだべえよ」
「ヒッターチってのが攻めてくるんだろ? なら、俺たちの遠矢の術でできるだけ殺してやるんだべえ」

 エルフの技術であれば、2キロ先まで矢を飛ばすことができる。ヒッターチ軍の先陣は湿地帯を越えた先にいるのだが、ヴァシルはここから4キロ先と見ていた。

 いらいらして矢を番えている弓兵のもとに、短槍を持ったダニェルが近づいてきた。何をする気だと彼等が見ていると、ダニェルは持っていた槍の穂の角度を変えてこう言った。

「先に仕掛けるならできるだけ派手にやったほうがいいべえよ。ちょっとそこをどいてほしいべえ」

 ダニェルは10メートルほどさがった。まさか、と弓兵らが目を見張る。ヴァシルとニナは「届くかねえ?」と言いながらにやにやと笑っていた。

「これは、ほんのご挨拶だべえ!」

 槍を持っていたダニェルの右肩と右腕の筋肉が盛り上がった。倍以上に膨れ上がると彼は大股で駆けだす。気合を込めた一声。短槍は空気をつんざく音を盾ながら、勢いよく飛んで行った。


□ □ □ □ □


 何かがうるさい音を立てながらこっちに飛んで来る。その報告を部下から受けたヒッターチの武将は、「馬鹿な?」と吐いて信じなかった。

 けれども、細長い飛来物がはっきりと肉眼で見えた時、将軍や配下の指揮官らはどよめいた。向かってくるぞ、散らばれ!

 避けはした。けれどもそれの先端が地面に突き刺さったと同時に、激しい爆風と土煙が起こった。馬や武者達は吹き飛ばされ、大けがを負う者もいた。

「な、何なんだ! コーガ軍はどんな兵器を使って来た!」
「将軍! あれを!」

 副官が指差す。またもそれは飛び込んできた。但し今度のはその武将の部隊を通り過ぎ、後方に突き刺さる。地面が揺れ、5メートルもの高さの土埃を巻き起こした。 

 コーガ軍からの突然の攻撃。しかもその2回の攻撃だけでない。3度も、4度も繰り返された。ヒッターチ軍に動揺が走った。知らせを受けたシゲニウスは一旦後ろに退けと全軍に命じた。

「……まさか。新型の投石砲か!」
「違います。細長い槍の様なものが飛んできたと言っています!」
「爆薬入りの新型の大弩弓という事か! 『ふじもとみねこ』め! せっかく前世の敵に塩を贈ってくれたのだから、新兵器の情報ぐらいついでに寄越してほしいものだな! くそ!」

 シゲニウスは馬に乗り、腰を動かして会陰を刺激しながら手綱をひいているホージュリアと共に東へと逃げた。とりあえずは態勢を整えてコーガ軍と対決を。そこにエルフのクリスタが、折れ曲がった槍を持ってやって来た。

「クリスタさん。それは何だ!」
「飛んできたものの正体ずらよ。北のエルフの代物ずら。ただの投げ短槍ずらな!」

 土で汚れた2メートル程の朱い柄の槍は、ヌマタラシュクの短槍騎兵が扱っているとクリスタが言う。しかし塗られた朱やあまり切れ味に恵まれていなさそうな粗い造りの槍には、魔法がかけられた痕跡は無さそうだと彼女は言った。

「ただの手槍だということかい! けど、こんなものを遠くまで飛ばせる奴がこの世には……」
「おるずらよ! エルフならばダニェル=イヴァノフその人がいるずら!」

 自分と同等、いや、それ以上の馬鹿力の持ち主。そして金色エルフの中では最強と言われる男だと。

 またも槍が飛んできた。今度はヒッターチの騎馬武者の身体に深く刺さった。馬ごと四散しながら血煙が起こった。

「ずいぶんと詳しいのだね?」
「ダニェルとは昔からつきあいがあったずら。おらと200歳ぐらい歳が違うだけで気が合ったずらよ。一時期は、恋人のまねっこみたいな間柄だったずらな」

 あれは自分が1200歳ぐらいの頃。拳法を学びにナハリジャーヤのエルフの親戚の家で御厄介になっていたのだが、そこでダニェルと知り合った。

 彼はクリスタと同じように、体術と美味しい鰹を釣る生活がしたいとやって来たのだ。2人は常夏の島で格闘技と闘気を学び、おいしい甘藷と沢山の海の幸を毎日食べてたくましい身体を造った。

「ダニェルはでっかかったずら。おらとナハリジャーヤの姉妹たちはひっきりなしにおまんこを求めたずら」
「うむ……でかいのはちんちんのことか」
「図体もきんたまもでっかかったずらよ。姉妹の中にはあいつの赤ちゃんを産んだのも何人かおったずらなあ。みーんな、まるまる太ったかわいい女の子だったずら」

 ダニェルにそっくりだったとクリスタは言う。ダニェルの顔立ちだが、農村のころころしたお嬢さんみたく愛らしい。到底、武芸に長じている風には見えなかった。

「ぷりぷりしたでっけえおけつがかわいいずらよ。いっつも一緒にうんこを浜辺でしてたけど、必ずあいつのおけつを眺めてたなあ」

 懐かしむクリスタの声に、シゲニウスは適当に相槌を打つしか出来なかった。彼は想像してしまった。ぽっちゃり妖艶なクリスタが尻を出して浜辺でうんこをする姿をだ。当然、勃起もしていた。彼とてもこの朗らかで乳がばかでかい、褐色エルフの魅力を感じないわけにはいかなかった。

「ま、ダニェルが来たってことはヌマタラシュクも本腰を入れているっていう事ざあな。槍貸せずら」

 クリスタは騎士から投げ槍を1本貰った。意趣返しをしてやろう。そこにまたもや飛来してきた槍を見かけたので、駆けてジャンプした。

 小手の革がいくぶん擦り切れてしまったが、見事にそれを掴み取って着地したクリスタが、大声で笑った。

「ダニェル! こいつはソゴプールの馬飼いエルフの投げ槍術ざあな! おらも一緒に学んだからよく存じておるずら!」

 ダニェルが投げた槍を草むらに突き刺すと、彼女も助走をつけてヒッターチの槍を投げ飛ばした。ダニェルのそれに劣らぬけたたましい風切りの音をたてながら、槍はサイコ=ロップスの上部の壁に激突した。

 要塞を形作っていた石材がえぐられ、白い煙を立てた。壁は厚くて重く、要塞を揺らがせる事は無かったが、遠距離での突然の反撃にヌマタラシュクのエルフ達は驚くばかりだった。

「どこのどいつだべえ! まさか、新型の投石砲かあ!」
「いいや、ツックイーのエルフの魔法だべえ!」

 クリスタが投げたのはその1本のみ。爆発が起こったところの煙が消え、槍が1本突き刺さっていたのを伺うと、こんな芸当ができる奴がいたのかと皆が驚いた。

「槍が突き刺さっている? へえ……」

 話を聞いたヴァシルがほくそ笑んだ。俺達姉弟とその連れに因縁がある、あいつの仕業に違いない。彼は妻を肩車して楽しそうに駆け回っていたダニェルに呼びかけた。

「やい、糞まみれ雄膣野郎! 来やがったぞ、あの女が!」

 太ももを丸出しにして、頬にこすりつけて来た妻のすねを撫でながらダニェルはうなずいた。

 顔つきが変わった。のんびりとした午後休みを過ごす田舎娘みたいなそれではなく、草刈り鎌を持って一揆に参加する、こわもての女農婦であった。

「そうだべえか……なっかなかに楽しめそうだべえな?」

 武者震いが起こってちんちんがそそり立ってしまった。ニナの太ももをさすって肩から降ろすと、戦いの前に余計な気を抜きたいと告げた。

「もちろんだべえ。おれも楽しくお空を舞うこれに乗って、むずむずしていたんだべえよ!」

 ニナはスカートをめくって割れ目をさらけ出した。皆が見ている前でダニェルはふとましい勃起をさらけ出し、右脚を大きく広げてぬれきった膣口を顕わにしたニナに喰らいついた。

 ダニェルは妻の細い腰を抱き、ふんわりとした巨乳を押しつぶす。愛らしい女の息遣いと一番相性がいい膣内の感触に欲望が高ぶった。

「おおっ。おおっ。おおおっ!」
「とーちゃん! えったくかったいべえよ! 朝したときの倍以上だべえ!」
「お、おれ……そういう時はすぐに出ちまうべえよ!」

 このまま続けたいと思ったが、男根はせっかちだった。ニナの中で暴発させた後、ダニェルは彼女から離れ、得物を手に取った。

 気づけば要塞は湿原を越えようとしていた。ニナが草むらでしゃがみ、膣から出て来る精液を水魔法で清めながらおしっこをじょろじょろと出していた時、ようやく肉眼で3万のヒッターチ軍の威容を目にすることが出来た。

 ヒッターチ皇帝家の錦旗。『猿軍団』と呼ばれる投擲騎兵団が持つ、『ごりら』がくそを投げる戦旗や各軍団の旗がたなびく。

 ヒッターチ側も驚きに満ちた目で、空を飛ぶ要塞をうかがっていた。あれが古代ムサシノ帝国の遺産。コーガ王がひそかに発掘し、ヌマタラシュクのエルフの力を借りて蘇らせた破壊兵器か!

「皆の者、怯えるな! 動いて浮くものであればいずれ力尽き、大地へと降りるだろう! あの塊が地上に降りた時こそ本当の戦いだ! それまでにできるだけやり過ごせ!」

 シゲニウスが叱咤し、武将達が号令をかける。しかしエルフ達はそうならないだろうと見ていた。

 あれの実物を見たことがある女がいた。エルフのイナンナだ。

「『浮遊要塞』を持ち出してきたか。難儀なことズラな……」
「あれがそうでござるか?」

 横にいるイズヴァルトは驚いていた。まさかこんな兵器がコーガの地下に眠っていたとは。そしてこの浮遊する巨大な四方体。これを打ち壊すのにどれだけの労力がいるのだろう。

「イズヴァルトさん、あれをぜってえ自分の手で壊せるなどと思うなズラ。古代ムサシノはあんなもんと『空船』とで、オラ達エルフに優位を誇っていたズラ」

 彼女がまだ少女だった頃の3000年程前には、ムサシノ帝国は巨大な魔道兵器をいくつも造り続けていたという。

「型式かた見ると、最後の時代に造られたもんズラ」
「わ、わかるのでござるか?」
「ムサシノの連中はその時代時代でこだわりを持ってたからなあ。四角いのは最後の頃のもんズラよ。あれじゃあ1日や2日じゃ浮くのをやめねえズラ。1週間はああして宙に浮いたままズラ」

 あれに勝てるのは、カイロネイアに君臨していた悪しきエルフの王・イサワンダールを討ち果たしたニンゲンの英雄、スーワシューロが持つ『エルフ狩りの王の弾弓』ぐらいだ。

 カントニア大陸の秘宝とされるその武器は、ニラッサの褐色エルフの街の中にある、シンプーラ城の宝物庫に収められている。

「スーワシューロの弓。それがあれば、あの要塞も……」
「それだけはならんズラ。あれこそが精霊と魔道の力の極みが閉じ込められた弓。禁じられた魔法武器ズラよ。それに、あれを扱えるのはニンゲンでも特に選ばれた者らしいズラ」

 それよりもまずはシゲニウスの考えとは逆に、あれの中に攻め込む手を考えるズラ。浮遊魔法が使えるかとイナンナは尋ねた。あの要塞の中に侵入し、機関部や操縦部を襲ってしまえばいい、と。


□ □ □ □ □


「わっしゃっしゃっ! 驚いている! 驚いているべえなあ!」

 未だ沐浴場にいるミヒャエルはご満悦だ。要塞の外壁の隅々に仕掛けられた視覚術式を映し出すモニターをぶら下がっているモニターで眺めながら、ハーフエルフの娼婦たちの乳房を揉んで楽しんでいた。

 湯の縁に座り、若い娘に己のものをしゃぶらせながら報告を待つ。ペニスが弾けて深い達成感を覚えると、今度はしゃぶっていた娘を抱き寄せた。

 柔肌を撫でながら挿入し、柔らかな尻を持ち上げる。ハーフエルフの娘は自分から進んで腰を動かし始めた。ヌマタラシュクの里の純血種と違い、彼女は乳房に多くの脂肪を蓄えていたから、それの感触も申し分無い。

「はうう。若殿様。おれのべっちょ、きもちええんだべえか?」
「おうおう! おめえのべっちょは吸いつきがいい! おっぱいもな!」

 ミヒャエルは、柔らかくまんまるいおっぱいの乳首を吸い立てた。左右の女のも充分に大きい。これを吸って揉んで愉しみながらいくさに勝つ。男児の本懐を楽して得ているではないか。素晴らしい。

「わ、若とのさまあ。そんなに歯を立てないでほしいべえ!」

 ミヒャエルが歯を立てるので女は嫌がった。しかし彼は止めるつもりはなかった。痛いと感じるとあそこの中が引き締まり、気持ちよくなるからだ。

 彼はもっと強く噛んだ。女が泣き始めた。他の2人はたしなめるが、ミヒャエルは引きちぎろうと強く噛んだ。

「いだい。いだいべえ!」

 ぐちっ。噛まれた女の乳首から血が飛び出した。聞いていられない悲鳴とともにミヒャエルは己の男根を舐めていた膣肉がギュッとなり、もっと感触が良くなったのを知ってうれしがった。

 逃げられないように取り押さえながら、乳房から口を離した。ひいひいと泣く娘の白い乳房の桃色の乳首が血まみれになり、その周囲は赤く腫れあがっていた。

 大き目の形の良い、ふっくらとした乳首がかみ切られる寸前になって肉をのぞかせていたのを見たミヒャエルはけらけらと笑い、側にいた部下に呼びかけた。

「そろそろ、サイコ=ロップスの本気をヒッターチのばかものどもに知らしめてやりたいべえ」
「はっ! と、なりますと……」
「機関部の連中に魔道兵器を出せと命じろ。用意はしてあるだろうなあ?」

 もちろんですべえ。部下は昇降機の前に立っていた男に呼びかけた。伝声管を通して各所に伝わる仕組みだ。声を明瞭に聞こえる様に魔法がかけられていた。

「あいつらに言っとけ。おれがこの娘っ子たちへの種付けが終わるまでに済ませろ、とな?」
「ははっ。そういたしますべえ!」
「まあ、終わってもおれとこいつらがしっぽりやっているのは続いているだろうがなあ。あっはっはっ!」

 ミヒャエルはすすり泣く娘の膣に大量の精をくれてやると、湯の中に突き飛ばした。怯える2人のうち右にいた者の腕を掴み、まだそそり立つペニスへの奉仕を要求した。
 
 若様の乱行をたしなめる事もなく、側近は伝令人を通じて総攻撃の開始を指図した。要塞の外壁には上部を除いて5つの魔道兵器が収められていた。

 命令とともに壁が、中から巨大な円筒形の望遠鏡みたいなものが現れた。在りし日のムサシノ帝国の破壊兵器だ。古文書によればその先端から、周囲を焼き払う破壊光線が出て来るという。

「準備が整いましたべえ!」
「うひゃひゃ! とっとと片づけるべえよ! ヒッターチのゴミカスどもをな!」

 中腰で娘の背中を抱き、激しく腰を振りながらミヒャエルは笑う。ヒッターチを蹴散らせばカタシナシュフへ攻め入ってやろう。そしてミナッカミニアの王として君臨してやろうと大いに意気込んだ。

 この愚かしいエルフの若者が絶大な信頼を置く、浮遊魔道要塞の兵器はいかほどの威力を見せるのだろうか?

 その続きについてはまた、次回にて。
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