聖騎士イズヴァルトの伝説 〜無双の武と凶悪無比なデカチンを持つ英雄の一大叙事詩〜

CHACOとJAGURA

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第三部 青年編

第六十三回

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 背後からコーザの脳天を狙ったのは、イズヴァルトが手に握る覇王の剣の獄炎であった!
 
 つい今しがたまで、イズヴァルトとトールキンの一騎打ちは続いていた。しかし彼に助太刀をしようと割り込んできた亜人の戦士やニンゲンの猛者によって中断。

「いいところに来るんじゃねえよ!」

 一騎打ちの間におよそ10回分射精してしまったトールキンは、キルトの下から精虫液のにおいをむわんむわんとさせながら退いた。

「逃げるでござるか、トールキンどの!」
「多勢に無勢だからだよイズヴァルト! また今度な! そんときゃ引き分けになったら互いのケツの穴でも死合おうぜ! あばよ!」

 一騎打ちで勝負がつかなければケツの穴を使っての撃ち合いで。それがドワーフの戦士の流儀であった。

 イズヴァルトもまた股間がびっちょりとしてぬるぬるになってしまっていた。素晴らしい好敵手だったでござる。闘志と精嚢とを満足させてオクタヴィア達の方を見れば、彼女たちが窮地にあったのを見て激憤した。

 そして炎の刃である。アソマリアの火の神の力を得た覇王の魔剣に炎がまとった。それを重圧の力でしゅうれんし、背後からコーザを焼き切ろうとしたのである。

 まさに必殺の一手であった。不意をつけばコーザとて無事では済まされない。そのはずだった。

「てっぺんがやけに熱いですね」
 
 その一言を呟いただけだった。

 コーザは身をひねり、炎の刃を軽々と避けた。イズヴァルトの必殺の炎は、彼がまとう法衣すら焼き切ることは叶わなかった。

 仕損じたでござる。しかしイズヴァルトは素早く動いた。コーザに突きかかる。血に飢えた狼のような荒々しさで、彼はこの魔王を殺さんと襲いかかった。

 炎をまとわせた刃の切っ先でコーザを串刺しにしようとする。しかしそこでコーザの姿が見えなくなった。気配も感じない。転移魔法だとイズヴァルトは思った。
 
「その通りですよ」

 心地よい低い響きの声の後、首筋にとん、と何かがさわるのを感じて振り返った。『聖根』で水魔の姫を貫き続ける魔王が立っていた。

「あうぐううう……♡」

 喜悦し続け、すっかり表情が溶けきっている触手姫を見てイズヴァルトは怒った。

「ブランカどのを離すでござる!」
「あははは……離したくても離せません。私はこのお嬢さんに、首ったけなのですから」
「ぐうううう……にげるでち。にげるでち……」

 自分はもうこの『聖根』の魔性に取り込まれてどうにもならない。そう呟いた触手姫は力を振り絞ってイズヴァルトを逃がそうとした。触手を呼び出そうとしたのだ。

 しかし触手は現れなかった。彼女の肉体と魔法回路は、すっかりこの魔王に支配されてしまったからだ。陰裂とその奥が喜びをあげてぷるぷると震え、勝手に腰が動いてしまうだけ。いつ終わるかわからぬ交合に夢中だったのだ。

「コーザ! ならば、ブランカどのをつなぐ、そのちんちんを切り離すのみでござるよ!」

 教主は泣きそうになった。『法悦』を与え、悦ばせている水魔の娘の頬を撫でた。心の底からかわいがっていたから、無理やりに引き剥がされるのを悲しんだのだ。

「……それはあんまりですよ」
「いや、嫌がっているでござる!」
「あぐうぅ♡ いぐうぅ♡」
「ただただ私は、触手姫さんをこうして慈しみたいだけですから」
「詭弁を言うなでござる!」

 覚悟せよと叫んだ折りに、コーザとイズヴァルトの目の前に何者かが現れた。2人よりも背が低く、鎧をまとい短槍を手にしている女と見目麗しいサキュバスだった。転移魔法でここに現れたのだ。

 槍を持った女は槍の穂先をイズヴァルトに向けてゆっくりと構える。兜から出る長い髪は黄金色だ。そして右手は鋼鉄の義手である。エレクトラ=ガモーコヴィッツだ。

 彼女はこともあろうに、イズヴァルトの前に戦意をもって立ちはだかっていた。それからニヤリと笑う。

「イズヴァルトのだんな。この戦い、パラッツォ教団の勝ち、ということにしませんかねぇ?」
「な、何をおっしゃっているでござる?」
「あっしは取引きを持ちかけたいんですよ。連合軍はボロボロ。教団軍は手詰まり。サイゴークの戦いはもうおしまいってことにしなきゃ、にっちもさっちもいかないんですよ」
 
 馬鹿なことを抜かすな。イズヴァルトは前に出た。エレクトラは連れてきて来てくれたサキュバスを下がらせると印を切る。

 イズヴァルトの足元が一瞬だけ光った。それから地面からいくつも蔦や根っこがはいでてきた。森のゴブリン達の足止めの魔法だ。
 
「小賢しいでござるな!」

 イズヴァルトは炎の剣で、エレクトラが呼び出したものを焼き払った。エレクトラが穂先を前にして襲いかかる。彼女の愛用の槍ではない。魔の者が近くにいると赤い光を放つ、ミスリルの槍だ。

「エレクトラどの! 寝返ったでござるか!」

 鋭い突きを払いながらイズヴァルトが問う。師のヴィクトリアよりも素早く、技量も上で魔法も使えるエレクトラは、しつこく槍先を繰り出した。

「寝返り上等! しかしあっしはパラッツォ教に鞍替えしたわけじゃあありませんぜ!」

 イズヴァルトが横一文字に切り払おうとする。エレクトラは飛び上がって宙返りをしながら、右手の義手を突き出した。

 掌底から隠し剣が飛び出た。これもミスリルの鋭い代物。彼女はイズヴァルトの斬撃を軽いステップで避けながら、そいつを肩に突きこんで来た。

「見くびるなでござる!」

 イズヴァルトは素早く剣を引いて彼女の義手を叩いた。エレクトラはよろけて転がりながら印を切る。イズヴァルトの目の前に紫電砲の術式陣が。小さくともそれを喰らえばただでは済まされなかった。

「おのれえっ!」

 咆哮するイズヴァルト。しかし魔法陣はすぐに消えた。イズヴァルトは背中に強い衝撃を受けて倒れ込んだ。背後にはコーザが立っていた。手のひらでの一撃を彼の背中に見舞ったのだ。

「う、お、うううう……」

 声が出なくなった。それからイズヴァルトは気を失ってしまった。エレクトラはコーザに目を向けてこう告げた。

「さあ、教主さま。こっからが本当のお仕事となりますぜ?」


□ □ □ □ □


 サート銀山の戦いは連合軍の惨敗となった。銀山町に突入した者全員が捕虜となった。

 パラッツォ教側は転移魔法を使えるサキュバスをターケハールにいる総大将・ショージュ=オーウェンのもとに遣わした。

「ほう。つまるところは和平を望みたい。そういう訳じゃな?」

 はい。そのとおりでございます。深くて柔らかい谷間と無毛の股の付け根とを丸出しにした、サキュバスの使者はほほえみながらうなずいた。

 彼女は一人の青年を下に敷いて腰を振り動かしていた。青年はショージュ=オーウェンの息子で副将でもあるモートファール=オーウェンだ。このサキュバスに栄養補給を頼まれて竿役を務めていた。

「まあっ♥ 大きいですこと♥ はうんっ♥」

 喘ぎ妖しげに乳房と尻を揺らすサキュバスだが、モートファールは無言を貫いていた。とてもしっかりとした深く締りの良いヴァギナの心地よさと柔らかい尻の感触に夢中だったからだ。

「はうんっ♥ がんがん、がんがん突いてくださいまし♥」
「ところで、この和平にはどの様なことを提示しておるのじゃ?」

 諸将らも問いかけた。このサキュバスの艶やかさに目がくらんでいたが、大事な話である。淫魔の乳房と抱き心地の良さそうな肢体にばかり目を向けるわけにはいかなかった。

「教主様の条件はこうですわ。1つ。ヒッジランドからの平和的な撤退。1つ。捕らえた触手姫ブランカを返還する代わりに、ヒッジランドとスーエイニアにとどめおくこと」

 触手姫が捕縛された。その事実だけでも動揺がはしった。ブランカを手中におさめられたら一大事である。軽く万の軍隊に匹敵する存在だったからだ。

「1つ。サート銀山の運営は教団とそれを保護するイワッミー国に任せること。もう1つは……」
「なんじゃ? 腰はそのまま動かしていい。早く言え」

 サキュバスは腰を強く掴まれていた。モートファールが達し、彼女の中に栄養を放ち込んでいたからだ。深く強く繋がったという喜悦を感じながら彼女の下腹に桃色に光る淫紋が浮かび上がった。手紙を咥える仔山羊が描かれていた。

「イズヴァルトさまをぜひともパラッツオ教でお引き受けあそばしたく……エレクトラ様もご一緒するそうですから、我が国で厚くもてなされることでしょう」
 
 
□ □ □ □ □


 ホーデンエーネン王国暦355年11月の事である。パラッツォ教とサイゴーク諸国の和平が成り立った。

 両者ともに疲弊し、これ以上の継戦能力が無かった。イナーヴァニアの亡命組は作戦の継続を望んだが、遠征で食料と軍費とを使い果たした諸国には受け入れる余地が無かった。

 サート銀山については、運営を教団とイワッミー国が担い、得た税金の半分をヒッジランドに納めることで決着した。

 総督のジャン=シベリウスは希望して職を辞し、3人の妾と我が子らとタネガシマスカルへ向かった。エレクトラがエチウに向かう為、人質という名目でシマーヅ国に入ったのだ。

 そのエレクトラだが、ピピンに別れを告げずにイズヴァルトとともにエチウ入りした。この和平の半月前にだ。悔しがりにらみつけるエルフ達に何一つ謝りの言葉をかけずに。


□ □ □ □ □


 パラッツォ教団の本拠地、エチウ諸島の中央に位置するカナザワース島。そこにある総本山にイズヴァルトはいた。

 金や紅の塗料で塗りたくられ、装飾が過多な伽藍の中を厳しい顔をして歩く。華美なのはこの剛健な男の趣味ではなかった。何もかもが不愉快である。質素だと言われるパラッツォ教団に似つかわしくないお堂であった。

「この様なところに、拙者はいつまでも閉じ込められるということでござるか……」

 教団が出した条件。イズヴァルトをパラッツォ教の武者とする事である。ただの騎士ではない。かなり高位の、『司祭騎士団長』という地位が約束されていた。司祭騎士らの総元締めであった。

 けれども心もとなかった。彼は愛用の覇王の剣を取り上げられ、教団の司祭の衣を着せられていた。側にいたエレクトラに呼びかけた。

「エレクトラ=ガモーコヴィッツ。副団長となった貴殿に訪ねようでござる」
「なんですかい? 団長さん?」
「拙者はこんなことを望んじゃいなかったでござる。いつまでこんなおままごとをし続ければ良いのでござるか?」
「ふふ……1年以上は、かもしれませんねえ」

 エレクトラは自分の下腹に手を当てた。ここには小さな命が宿っていた。

 医者の見立てでは1ヶ月から2ヶ月ほど。父親ははっきりとはわからなかった。イズヴァルトかピピンか、ドワーフ達か。あるいは、シマーヅへと渡ったシベリウスか。

「オクタヴィアどのらは、貴殿のことを罵倒していたでござるな?」
「今度会ったら命がないと思え、でしたね。ま、もう彼女たちとは会うつもりはありませんよ。カイロネイアとサガミニアのエルフ全員を敵に回したんですから、出会ったら最期、でさぁ」
 
 それよりも気になるのは、彼女たちが産んだイズヴァルトの子どもたちだ。エレナとオリガらと離れ離れになり、寂しくなると彼女は笑った。

「けど、しゃあないことですよねぇ」

 マレーネとパルパティアにもだ。同じイーガ人として本当によくないことをしている、と自嘲した。彼女らが産んだ子らも、幼いうちに父親と離れ離れになるのは寂しいだろう。

「まあ、仕方ないと思ってくださいよ?」
「たわけたことを抜かすなでござる!」

 イズヴァルトは悔しかった。怒りに身を任せてエレクトラをひっぱたきたいと思ったが、彼女が身重だからそんなことはできなかった。けれども心の中は怒りで燃え上がり、とどまるところを知らなかった。

 悪女として名を馳せ、ホーデンエーネンでいよいよその地位を極めようとしているかつての恋人・マイヤを凌ぐ大将軍になろうとしていたのに、その志を道半ばでやめることになったのが、何よりも悔しくてたまらなかった。
 
「拙者は……拙者は、この教団で一生飼い殺しというわけでござるか……!」
「しっ。司祭騎士団長さま、教主様のお目見えですぜ?」

 エレクトラはその場で左ひざをついて顔を伏せた。イズヴァルトは立ったままだった。そして向かいの暗がりから、コーザが現れた。

 彼は1人の幼い娘を伴っていた。腹と太ももを丸見えにした、ビキニアーマーという名称の珍妙な出で立ちだ。あろうことかその娘は、イズヴァルトの愛用の剣を抱えていた。

「騎士団長イズヴァルトさん。副騎士団長のエレクトラさん」

 今日は天気がいいですね。コーザは平穏としてにこやかだった。この男が近づくと何故か闘志が失せていく。しかしイズヴァルトの目は、大事そうに剣を抱える幼女を睨みつけていた。

「教主さま。騎士団長が睨んでくる。こわーい!」

 娘はおどけてコーザにしがみついた。娘の身体から淫らな、しかしどこか懐かしい気配が漂っていた。本気で殺そうとはイズヴァルトは思っていない。むしろ、この娘に愛らしさを感じていた。

「ヘラさん。イズヴァルトさんはその剣を返して欲しがっているのですよ。返してあげたらきっと、貴方がずっと欲しがっている赤ちゃんを与えてくれることでしょう」
「やだ! あたしはこの剣もあかちゃんも両方欲しいもん!」

 ヘラという娘は教主に抱き上げられた。この娘こそが、教団の次の教主として、コーザから直々に指名されていた。

 覇王の剣はこの娘のものとなっていた。名前も変えられている。

 『獄炎の凱歌フレイム=カリバーン』。

 かつて、暗黒卿ツネーヒ=アルグレイブが立身を願った折、愛用の鉄の剣にその名をつけたのだ。その時に満月に向かってこう言い放ったという。

「月よ、約束しろ。俺に七難八苦を与える代わりに、サイゴーク全土の王にしろ。いいな。俺がお前との約がそ違えることも、お前が俺を裏切ることも、どちらも許さんぞ!」

 その剣だが、暗黒卿が覇王の剣を奪う前にあった戦いで折れたという。しかしこの『獄炎の凱歌』は、そう簡単に折れることは無い。しかも、全てを焼き切る魔剣でもあった。

「コーザどの。拙者にその剣をお返しくだされぬか?」

 イズヴァルトは手を差し伸べて呼びかけた。しかしコーザは首を立てに振らなかった。

 代わりにヘラから剣を受け取り、彼女をイズヴァルトのもとに寄越した。幼い娘は胸と腰を覆っていたものをずらし、真っ白で平坦な胸とまだ育っていない恥丘をさらす。尻をくねらせ、イズヴァルトにせがんだ。

「騎士団長イズヴァルトさん、あたしにあかちゃんのもとをちょうだい! 早く産みたいの! あたしのともだち、みんなお腹を膨らませたりあかちゃんにお乳をやっているんだもの! 早く部屋にいこうよ!」

 教団ではヘラのほうが序列は上だ。組織に組み込まれたイズヴァルトは従うしか無かった。寝室に入るとヘラは彼の、厚い衣の裾をめくった。下半身が丸出しだった。

「おっきい♥ もう勃ちはじめているね♥」

 ヘラは夢中になってしゃぶり始める。イズヴァルトは身を任せた。この小さな女の子のフェラチオは、エルフの幼女かと間違うぐらいに巧みだった。

 硬直はすぐに限界となった。口から離したヘラは、自分のよだれだらけのペニスに頬ずりをしながら、寝台へといざなった。

 シーツの上に倒れ込み、股を広げた。幼い割れ目の奥は使い込んだ人の雌しべであった。たっぷりと濡れきって、訪問は今かと待ち構えていた。

「つゆだくのここに、ちょうだい♥」

 イズヴァルトは何も言わずに割り込んだ。驚くほど彼女の臍の下は柔軟だった。中の具合も相性が良かった。イズヴァルトはたちまち我を忘れて狂った。法衣も下着も脱ぎ、せがむヘラと肌を密着させて腰を振った。

「いいっ♥ イズヴァルトさん♥ どんどん中にだしてって♥

 ヘラは幼いながらも美少女だ。可愛らしい声であえぎ続け、熱くなった子どもの体温の魔力にイズヴァルトの理性は負けた。彼女がせがむ通りに、出尽くすまで精を放った。

 行為の後、寒い部屋の空気の中でも汗びっしょりになったヘラは、イズヴァルトの厚い胸板に頬を寄せ、こうささやいた。

「アナタとならなんでもうまくいくように思えるの。騎士団長、ずっとずっとここにいて?」

 イズヴァルトは答えなかった。彼の心には虚しさと志を奪われた悲しみしか無かった。マイヤに勝ちたい。目にもの見せてやりたい。けれども、それはもう叶わないかもしれない。

 ヘラは繋がったまま、イズヴァルトの胸に口づけ始めた。淫欲が高ぶりペニスが硬さを取り戻した。空虚を性交で埋める行為が再び始まった。

 イズヴァルトとヘラ。その出会いとつきあいの最初の頃は、パラッツォ教徒によくあるかたちでの穏やかなものであった。

 しかし2人はこの時はまだ知らなかった。いずれ刃を向けあい傷つけ合う、仇敵同士となる明日が待っていた事に。


【ギルバート=カツランダルク注:サーガでの青年編ではここで終わりとなる。】
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