誘拐記念日

木継 槐

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3、

奮闘⑥

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「おい、お前だって得意科目で数学挙げただけだったろうが。」

「はッ、悠一君と同じ土俵と思われるのは不愉快ですね。僕の得意科目は、できる中で“強いて言えば”の話なんです。」

「じゃあお前が全部教えればいいだろうが。」

「はぁあ?なんで僕に全責任が被るようなことしないといけないんですか!」

「あぁ!?おめぇが言い出したことだろうが、落とし前くらい自分でつけろや!」

「なんて言葉遣い!おぉ怖い怖い。」

「やんのか?!」

「上等ですよ!!」

悠一と透の言い合いに、3人があわあわと動揺し始めた。

……僕以外は。

「2人ともさぁ。」

「「ッ!!」」

「一回着席しようか。」

僕の一言で悠一と透は気まずそうに席に着いた。

「僕が言うのもなんだけど、僕たちで無理なら違う方法を考えたほうがいいと思う。」

「「「それな。」」」

ガチゴチに固まる悠一と透に被さるように3人が声をそろえて頷いた。

「お前ら切羽詰まってるな~。」

すると、教室の後ろの扉から顔がニヤッと笑った。

「加藤先生。」

「聞こえたぞ~。仕方ねぇな~、俺が教えてしんぜよう!!」

「あ、結構です。」

「間に合ってるんで。」

加藤先生の言葉に、悠一と透がぴしゃりと言い放った。

「なんだと?!俺だって教師だぞ。」

「いやいや、あなた担当教科“体育”でしょう。」

「5教科はさすがに無理だろ。」

「お前ら俺のことなんだと思ってんだ。」

「「脳筋。」」

こういうときだけ声が揃うのが悠一と透の凸凹コンビなんだよね……。

確かに加藤先生は僕たちから見ても……あまり期待できるとは思えなかった。

僕たちが悲しい顔をすると、加藤先生ははぁとため息をついた。

「そうか、お前らの気持ちはよぉく分かった。しかし残念だな~、これでもS大出身現役合格なんだけどな、俺。」

加藤先生が肩を落としてそっぽを向いたとき、僕たちは耳を疑った。

「S大?!」

「ちょっと待ってください!!それって、僕たちの知ってるS大ですか?」

「あぁそうだ。」

「あの“蒼門”ッすか?!」

「そうだが、お前たちには力になれなくて残念だ。」

「「「「「「ちょっと待ったぁぁあああ!!!!」」」」」」

僕たちは、慌てて加藤先生の背中や腕、脚に縋りついた。

「あの、加藤大先生。これはご相談なんですけど。」

「……何だ?」

「勉強を教えてください、加藤大先生!!」

「俺は役立たずだからなぁ。」

「大せんせぇぇえええ!!!!」

僕たちは必死に説得を続けると、加藤先生はやっと足を止めてくれた。

「購買のデラックス激うまお好み焼き1ヶ月。」

「「「「「「乗った!!!!」」」」」」」

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