王を恨んだ妃 第1章~復讐~

木継 槐

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邪悪な世と不審な王室

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俺はその声ではっと我に返り、慌ててその腕をゆすったがファンの手はものすごい力で俺の手を締めあげていた。

「ッ!?」
痛みで一瞬体の力が抜けた俺は、あれよと煌の下に転がされてしまった。

「は、離せッ!!」
世子せじゃの命を狙って『離せ』だと?庶民ごときが笑わせる。」

「何だとッ!?」
俺がギっと睨みつけても、煌は瞬く間も隙を見せない。

どころか、俺の手は床にあった布巾で頭上に縛り上げられてしまった。

口で解こうにも、机の足に腕を引っ掛けられてしまって全く動けない……ッ

「……!?」
「何を驚いている?今日は"初夜"だ。……何をされるか……分かっているであろう。」

煌は語尾を生々しく息で殺しながら俺の帯に手をかけた。

背中に悪寒が混じった汗が流れるのを感じた。

「ッや、やめッ……嫌だッ!!」
どんなに声で抗おうともそのおぞましい手は動きをやめることは無い。

そして俺は荒々しく服を剥がされた。

「なんだ……男ではないか。どうりでで貧相な体つきだとは思ったが。」

「ッ……!」
あまりに自分の不甲斐なさに、俺は我を忘れて叫んだ。

「殺すッ……貴様を殺してやるッ!!」
「この状態で何をしようというのか……。」

……確かに煌の言う通りで、今の俺には武器どころか体の自由すら奪われてしまっている。

俺が言葉を失い睨みつけると、煌はさらに続けた。

「やれるものならやればいい。しかし俺に擦り傷一つつけても、お前には"死"を迎える運命のみだ。」

「はッ……、煌様こそお戯れが過ぎます。」

「戯れだと?……そなた、俺を愚弄するつもりか?」

もういい……所詮死ぬ身になったんだ……言うべきことをすべて言ってからの方がまだましだ。

俺は憎しみを言葉に乗せた。

「王室のものも、庶民と同じ赤い血が流れる身のくせに、下の者の命の価値を愚弄するとは。」

「ッそなた……」
「その愚かな考えが妹を亡きものにしたと思うと虫唾が走ります。」

煌は眉間にシワを寄せ俺の口調を聞いていたが、無言で部屋を出てしまった。

はぁ……少しせいせいしたのかもしれない。

俺の目からは涙が溢れ出ていた。

これで……俺も妹の元に行くのか……。
馬鹿げた復讐劇だったな……。

「謝那様!!ご無事ですか!?」
外から焦りが混じったヨンの声が聞こえた。

「燕、少し手を貸してはくれぬか?」
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