聖女は誘惑に負けて悪魔公爵の手に堕ちてしまいました。

星華

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聖女伝説

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アルミノクとマシュー、アンナは急いでセリーナが居るはずの家に向かったが、家は綺麗に片付けられ
暫く帰っていないようだった。

 勤め先に行こうとした所で、アルミノク達を追いかけて来た神官の使いからセリーナがグロンブナー公爵家に居ると聞かされ三人は神殿に戻った。

「お姉ちゃんはどうしてグロンブナー公爵家にご奉公に行ったんだろ」

 グロンブナー公爵領は、カレンデュラ国の隣に位置しているが、高い塀が張り巡らされ入国するにも
厳しい審査がありもはや別の国となっている。

 特に公爵家で働くとなると、更に厳重な審査と完全な実力主義なので、メイドになるにも厳しい試験を通過しないとなれないが、グロンブナー公爵家で働く者は高い報酬と福利厚生が約束されるので憧れの職場となっている。

「わからない、可能性としてはやっぱり……アルミノク様、お姉ちゃんは本当に白魔法を使えると思いますか?」

「マシュー、聖女伝説は知っていますか?」

「はい、たしか……」


 カレンデュラ国には聖女伝説がある。
建国してまもない頃、瘴気を吐く魔物が王都近くに
大量に現れた。

 瘴気を吸うと、皮膚に湿疹ができ酷い咳と高熱がでた。適切な治療法がわからない為、死者数がどんどん増えていった。

 カレンデュラの王はグロンブナー公爵家に協力を仰いで魔物殲滅作戦を立てて討伐に向かい、なんとか魔物は倒したのだが、国中に広がった瘴気は消えなかった。

 このままでは国民の半数以上が亡くなってしまうかもしれない、そんな危機的状況の中1人の少女の癒しの力で瘴気を吸って危篤状態だった者達が回復したという噂が広がった。

 カレンデュラの王はすぐに少女を見つけ出すように
兵士達を向かわせた。
 そして、瘴気を祓うべく魔術師達と協力して少女の癒しの力を増幅して国中に雨の様に降り注ぐ広域展開の魔術を使った。

 少女癒しの力は白く輝き、火花の様な金色の光の粒が国中に降り注ぐと瘴気を祓い、苦しむ人々を癒した。

 のちに、少女は国を救った聖女として崇められ、死後は聖女を祀る神殿が建てられ多くの信仰を集めた。

「長い歴史の中で忘れさられていきましたが、
元々は平民だった聖女ですが、国を救った褒美として
貴族位を聖女の家族に与えられたんです。
 シュペリアン家に、何度か現れた歴代の白魔法使いは貴方達と同じ髪色と瞳を持っていました」

「僕達のご先祖様に聖女様がいたなんて……」

「私も神殿の歴史書で知った事で余り公にされては
いなかったのでもしかしたらご両親も知らなかったのかもしれません。神殿としては、聖女の力を持っているかもしれないお姉様をこちらにお迎えしたいのですが……グロンブナー公爵家にいるのであれば
かなり難しそうです」

 セリーナと一緒に暮らしたいマシューとアンナ。
神殿に迎えたいアルミノクはとにかく、セリーナが
どうしたいか意思を確認しようと手紙を書いた。


 それから暫くして、グロンブナー公爵家にすっかり馴染んだセリーナ。
 治療という目的で毎晩セリーナの寝室に通って来ていたディオンだったが、結局通うのが面倒だとディオンの広すぎる寝室で一緒に眠るようになった。

 働き詰めだった頃のセリーナは朝日が登る前に起きて支度をしていたが、グロンブナー公爵家に来てからはディオンに抱き潰されて昼過ぎに起きる事が多くなっていた。

 このままではいけないと、規則正しい生活をするために朝8時までに起きる目標を立てたのだが……。

「ディオンさ……ま、んっ……だめです、おきなきゃ」

 ベッドから起きようとするセリーナを後ろから抱きしめて、首筋や背中にキスをしながら大きさを確かめるように両胸を揉みしだく。

「ここにも肉がついてきたな。セリーナがどれだけ怠惰な生活をしても誰も咎めらないのだからまだ眠っていたらいいだろう?」

「駄目です!こんな生活を続けていたら……あぁっ!
自堕落な人間になってしまいま……あっ!
だめです!ディオンさま……んんぅ」

 昨晩の名残りが残る蜜口にディオンはゆっくりと
剛直を突き入れていく。
たまらずにセリーナはシーツを掴み声を上げる。
 ゆっくりと与えられる刺激にセリーナはもどかしさを感じながら抵抗する。

「そうだな、では勝負をしよう。
セリーナが俺をイかせてくれたら
早起きに協力しよう。君が先にイけば自堕落な生活を
一緒に続けよう」

「そんな……あっ、わたし……どうしたら」

 中途半端に焦らされたセリーナの頭はまともな判断が出来ず了承してしまった。

「ハンデをやろう」

 そう言うと、セリーナを自分の上に騎乗位の状態で座らせた。

「ディ……ディオンさま、恥ずかしいです」

 セリーナは顔を真っ赤にして逃げようとするが、ディオンに腰をがっしりと掴まれて、剛直を蜜口に充てがわれた。

「ほら、頑張って俺をイかせてくれ」

 逃げられないと悟ったセリーナはディオンに言われる通りに、ディオンの肩に手を当ててゆっくりと剛直を飲み込んでいく。

「あっ!んんぅ……」

 蜜口が広げられ、蜜壷にディオンの剛直が押し入り
いやらしい声が漏れてしまう。
全くハンデではないのだが、セリーナは一生懸命に
拙い動きで腰を動かすが、ディオンは涼しい顔で
セリーナを見つめる。

「なんだセリーナ、もう終わりか?」

「だって……こんな、あん……ディオンさまぁ」

 いつも一方的に攻められるセリーナはどうしていいのかわからずにポロポロと涙を流して泣き出し
ディオンにしがみついた。

「では、反撃といこう」

 抱き合ったまま、押し倒されたセリーナの腰を掴みズンっと奥まで剛直が貫く。
突然の事にセリーナはディオンにしがみつき、声も出せずにギュウギュウに剛直を締め付けて達してしまった。

「勝負は俺の勝ちだな」

 意地悪く笑ったディオンは、散々攻め立てて体力の限界で眠ってしまったセリーナともう一眠りした。

「もうこんな時間……」

 ガックリしながら起きたセリーナは、いつの間にか
身体を綺麗にされて清潔なシーツで眠っていた。
眠っている間に何があったのか考えると恥ずかしいので考えないようにした。

 セリーナは身支度を整える為に、メリッサとルーナとドレス&メイクルームに向かった。

 貴族の令嬢は朝昼晩で着替えをするのが普通なのだが、シュペリアン家はそんなに裕福ではなかったので
寝巻きから普段着のドレスに着替える位だった。

 もうお昼だったので、薄紫色のオフショルダーに
花の刺繍がされたドレスに着替えて髪も綺麗に編み込まれた。

 ディオンはセリーナにもはや一生分あるのではないかという位の量のドレスと靴、宝石を買い与えた。
 セリーナも普通の年頃の女性なので、ドレスルームに来る度に心を躍らせ、着飾れる事に喜びを感じていた。

「んー!今日も美しいですセリーナさまぁ」

「本当に!物語に出てくる妖精のようです」

「ドレスが素敵なのはもちろんだけど、2人が綺麗に
メイクをして着替えさせてくれるからよ
いつもありがとう」

 3人は和やかに笑いながら、昼食をとる部屋に向かうと慌ただしい様子でディオンが補佐官達と部屋から
出てきた。

「ディオン様、何かあったのですか?」

「少し、厄介な魔獣が出た。
危ないから屋敷をでないように」

 只事では無い様子にセリーナは一抹の不安を感じながら、ディオンの背中を見送った。
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