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古の魔獣
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その日、世界は一変した。
絶滅したはずの瘴気を吐く魔獣が王都近くに大量に現れたのだ。
グロンブナー公爵領の周りにも大量に現れた魔獣は
瘴気を振り撒き、次々とグロンブナー公爵家の私兵達が倒れていった。
領地の病院はすぐに負傷者で溢れ、公爵家にも
次々と負傷者が運び込まれた。
「治癒術なら私も使えます、協力させて下さい!」
セリーナはグロンブナー公爵家に来てから、ディオンに頼み魔術の師をつけてもらい訓練を行っていた。
その甲斐があり、魔力量が大幅に増えて強力な治癒術が使えるようになった。
「いけません!旦那様にお屋敷からセリーナ様を
出してはいけないとキツく申し付けられています」
「そうですぅ、絶対に駄目です!」
セリーナは次々と負傷者が運ばれてくる状況に心を痛めていた。自分を優しく迎えてくれた公爵家の人々の為に何か役に立ちたいとルーナとメリッサに頼んだのだが反対されてしまった。
「動ける者は皆、大広間へ迎え!」
「薬が足りない!治癒術師にありったけの回復ポーションを持って行け!」
「ルーナ、メリッサ!貴女達もお願い」
公爵家は混乱を極め、ルーナとメリッサも手伝いに行くようにメイド長に言われ大広間に向かう事にした。
「申し訳ありません、私達も行かないと」
「すみません、セリーナさまぁ」
大広間に向かおうとする2人にセリーナは
詰め寄る。
「ディオン様はお屋敷を出ては行けないと言ったのなら、大広間はお屋敷の中だから大丈夫よ!
行きましょう。ルーナ、メリッサ!」
「「えぇ!セリーナ様待って下さい」」
急いで大広間に向かったセリーナ達が見た光景は地獄絵図の様だった。
広間の床に寝かされていた負傷者達は、皮膚が赤黒く腫れて血が滲み、酷い咳と高熱にうなされていた。
湿疹のせいで痒くて仕方がないのか身体を掻きむしり唸り声を上げる負傷者達。
人手が足りない状況で今にも命を落としてしまいそうな者達で溢れかえっていた。
「なんて……酷い」
想像以上の状況に、セリーナは一瞬怯んだがパンっと顔を叩いて自分を奮い立たせる。
ーー怖がってはダメ、自分が出来る事をしなくちゃ!
ディオン様に出会って開花したこの力、今が恩を返す時よ!
セリーナは負傷者に駆け寄り、治癒術を施した。
少しでも苦しみから解放され、傷が治りますようにと祈りながら手を握る。
すると、セリーナの身体が白く光ったかと思うと今度は黄金色に輝き負傷者に降り注いだ。
驚く事に、負傷者の傷は癒えて熱も下がり穏やかな寝息をたてはじめた。
「すっ、すごいですぅセリーナ様」
「綺麗に治ってる!」
まさか、こんな一瞬に治るとはセリーナも驚いた。
だが、目の前には苦しむ人々が居る。
自分に力があるなら救いたい。そう思ったセリーナは立ち上がった。
「お願い!重症者の方達がいる所に案内して」
「「は、はい!」」
セリーナは重症者達の所に向かい、次々と治していった。大広間に居た者はその神々しい姿に口々に
女神だ、天使だと驚愕の表情を浮かべて感謝した。
ーー私1人じゃ、限界がある……そうだ!
魔術の師に広域展開の魔術があると教えて貰っていた事をセリーナは思い出し、大広間に居た1番広域展開の魔術が得意な者と協力してセリーナは大広間一帯に降り注ぐ様に治癒術をかけた。
シュッと天井まで上がった光の球はパンっと花火のように弾けて、大広間の隅々まで降り注いだ。
すると、今まで苦しんでいたのが嘘の様に負傷者達が回復して湿疹も無くなっていた。
「し、信じられない……」
「神の御業だ!」
「良かった!助かったんだ……」
セリーナに涙を流して感謝する人々、伝説の聖女の再来だと生還した事を喜んだ。
ーー信じられない!私にこんな力があったなんて。
でも、苦しんでいるのはここにいる人達だけじゃ無い
ディオン様に怒られるかもしれないけど……。
「ルーナ、メリッサ。お願い!病院に案内して!」
「駄目です!お屋敷の中だけという約束です」
「そうですよぉ……旦那様がお怒りになります」
病院には今、この瞬間に命を落としてしまう人が
居るかもしれない。大切な人を失った悲しみを知る
セリーナは同じ思いをする人を増やしたく無いと
2人に懇願した。
2人はどうしたらいいかと考えあぐねていると兵士達がセリーナ達の所にやってきた。
「セリーナ様……どうかお願いです!
病院には苦しんでいる同胞達が沢山居ます、私達が護衛しますのでみんなを……みんなを、救って下さい!」
「公爵領は高い壁と魔法ドームに覆われているので、瘴気と魔獣の侵入の心配はありません。
それに、公爵家と病院にはワープの魔法陣がひかれているので移動も一瞬でできます。だからお願いですセリーナ様!」
兵士達の気迫に押されてルーナとメリッサは覚悟を決め、顔を見合わせて頷いた。
「全ての責任は私達がとります!」
「セリーナ様、みんなをお願いしますぅ」
セリーナは深く頷き、魔術士と兵士達と共に病院に
向かった。
病院の医師達は半信半疑だったが、兵士達の言葉を信じて負傷者達を一か所に集めた。
そして、セリーナは魔術士と一緒に治癒術を広域展開し、光を浴びた者達は次々と回復していった。
全員が回復したのを確認している間に、魔獣達も
殲滅出来たと知らせが入り安堵して公爵家に戻った
セリーナ達だったが、公爵家は物々しい雰囲気で
治癒術師達が走り回っていた。
「何があったんですか?」
セリーナは近くに居たメイドに話を聞くと、ディオンが負傷したと聞かされた。
「ディオン様が……そんな!いまどちらに?」
急いでディオンが居る部屋に向かうと、身体の半分以上が瘴気により腫れて血が吹きだし苦痛に顔を歪め
虫の息のディオンが居た。
「ディオン様!なんて酷い……すぐに治しますから
気をしっかり持って下さい!」
ーーディオン様、お願い居なくならないで!
神様、私から何を奪ってもいい!だからディオン様を
連れて行かないで!
力を使い果たしふらふらの状態のセリーナだったが
ディオンの手を取り、最後の力を振り絞って治癒術を
使った。これまで以上の神々しい光をはディオンの身体を包み込み、優しく傷を癒していく。
傷ついたディオンの身体は綺麗に治り、目を覚ました。
「セリーナ……また君に助けられた」
「ディオン様!良かっ……た」
力を使い果たしたセリーナはそのまま気を失い倒れ込んだ。
絶滅したはずの瘴気を吐く魔獣が王都近くに大量に現れたのだ。
グロンブナー公爵領の周りにも大量に現れた魔獣は
瘴気を振り撒き、次々とグロンブナー公爵家の私兵達が倒れていった。
領地の病院はすぐに負傷者で溢れ、公爵家にも
次々と負傷者が運び込まれた。
「治癒術なら私も使えます、協力させて下さい!」
セリーナはグロンブナー公爵家に来てから、ディオンに頼み魔術の師をつけてもらい訓練を行っていた。
その甲斐があり、魔力量が大幅に増えて強力な治癒術が使えるようになった。
「いけません!旦那様にお屋敷からセリーナ様を
出してはいけないとキツく申し付けられています」
「そうですぅ、絶対に駄目です!」
セリーナは次々と負傷者が運ばれてくる状況に心を痛めていた。自分を優しく迎えてくれた公爵家の人々の為に何か役に立ちたいとルーナとメリッサに頼んだのだが反対されてしまった。
「動ける者は皆、大広間へ迎え!」
「薬が足りない!治癒術師にありったけの回復ポーションを持って行け!」
「ルーナ、メリッサ!貴女達もお願い」
公爵家は混乱を極め、ルーナとメリッサも手伝いに行くようにメイド長に言われ大広間に向かう事にした。
「申し訳ありません、私達も行かないと」
「すみません、セリーナさまぁ」
大広間に向かおうとする2人にセリーナは
詰め寄る。
「ディオン様はお屋敷を出ては行けないと言ったのなら、大広間はお屋敷の中だから大丈夫よ!
行きましょう。ルーナ、メリッサ!」
「「えぇ!セリーナ様待って下さい」」
急いで大広間に向かったセリーナ達が見た光景は地獄絵図の様だった。
広間の床に寝かされていた負傷者達は、皮膚が赤黒く腫れて血が滲み、酷い咳と高熱にうなされていた。
湿疹のせいで痒くて仕方がないのか身体を掻きむしり唸り声を上げる負傷者達。
人手が足りない状況で今にも命を落としてしまいそうな者達で溢れかえっていた。
「なんて……酷い」
想像以上の状況に、セリーナは一瞬怯んだがパンっと顔を叩いて自分を奮い立たせる。
ーー怖がってはダメ、自分が出来る事をしなくちゃ!
ディオン様に出会って開花したこの力、今が恩を返す時よ!
セリーナは負傷者に駆け寄り、治癒術を施した。
少しでも苦しみから解放され、傷が治りますようにと祈りながら手を握る。
すると、セリーナの身体が白く光ったかと思うと今度は黄金色に輝き負傷者に降り注いだ。
驚く事に、負傷者の傷は癒えて熱も下がり穏やかな寝息をたてはじめた。
「すっ、すごいですぅセリーナ様」
「綺麗に治ってる!」
まさか、こんな一瞬に治るとはセリーナも驚いた。
だが、目の前には苦しむ人々が居る。
自分に力があるなら救いたい。そう思ったセリーナは立ち上がった。
「お願い!重症者の方達がいる所に案内して」
「「は、はい!」」
セリーナは重症者達の所に向かい、次々と治していった。大広間に居た者はその神々しい姿に口々に
女神だ、天使だと驚愕の表情を浮かべて感謝した。
ーー私1人じゃ、限界がある……そうだ!
魔術の師に広域展開の魔術があると教えて貰っていた事をセリーナは思い出し、大広間に居た1番広域展開の魔術が得意な者と協力してセリーナは大広間一帯に降り注ぐ様に治癒術をかけた。
シュッと天井まで上がった光の球はパンっと花火のように弾けて、大広間の隅々まで降り注いだ。
すると、今まで苦しんでいたのが嘘の様に負傷者達が回復して湿疹も無くなっていた。
「し、信じられない……」
「神の御業だ!」
「良かった!助かったんだ……」
セリーナに涙を流して感謝する人々、伝説の聖女の再来だと生還した事を喜んだ。
ーー信じられない!私にこんな力があったなんて。
でも、苦しんでいるのはここにいる人達だけじゃ無い
ディオン様に怒られるかもしれないけど……。
「ルーナ、メリッサ。お願い!病院に案内して!」
「駄目です!お屋敷の中だけという約束です」
「そうですよぉ……旦那様がお怒りになります」
病院には今、この瞬間に命を落としてしまう人が
居るかもしれない。大切な人を失った悲しみを知る
セリーナは同じ思いをする人を増やしたく無いと
2人に懇願した。
2人はどうしたらいいかと考えあぐねていると兵士達がセリーナ達の所にやってきた。
「セリーナ様……どうかお願いです!
病院には苦しんでいる同胞達が沢山居ます、私達が護衛しますのでみんなを……みんなを、救って下さい!」
「公爵領は高い壁と魔法ドームに覆われているので、瘴気と魔獣の侵入の心配はありません。
それに、公爵家と病院にはワープの魔法陣がひかれているので移動も一瞬でできます。だからお願いですセリーナ様!」
兵士達の気迫に押されてルーナとメリッサは覚悟を決め、顔を見合わせて頷いた。
「全ての責任は私達がとります!」
「セリーナ様、みんなをお願いしますぅ」
セリーナは深く頷き、魔術士と兵士達と共に病院に
向かった。
病院の医師達は半信半疑だったが、兵士達の言葉を信じて負傷者達を一か所に集めた。
そして、セリーナは魔術士と一緒に治癒術を広域展開し、光を浴びた者達は次々と回復していった。
全員が回復したのを確認している間に、魔獣達も
殲滅出来たと知らせが入り安堵して公爵家に戻った
セリーナ達だったが、公爵家は物々しい雰囲気で
治癒術師達が走り回っていた。
「何があったんですか?」
セリーナは近くに居たメイドに話を聞くと、ディオンが負傷したと聞かされた。
「ディオン様が……そんな!いまどちらに?」
急いでディオンが居る部屋に向かうと、身体の半分以上が瘴気により腫れて血が吹きだし苦痛に顔を歪め
虫の息のディオンが居た。
「ディオン様!なんて酷い……すぐに治しますから
気をしっかり持って下さい!」
ーーディオン様、お願い居なくならないで!
神様、私から何を奪ってもいい!だからディオン様を
連れて行かないで!
力を使い果たしふらふらの状態のセリーナだったが
ディオンの手を取り、最後の力を振り絞って治癒術を
使った。これまで以上の神々しい光をはディオンの身体を包み込み、優しく傷を癒していく。
傷ついたディオンの身体は綺麗に治り、目を覚ました。
「セリーナ……また君に助けられた」
「ディオン様!良かっ……た」
力を使い果たしたセリーナはそのまま気を失い倒れ込んだ。
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