思い出さなければ良かったのに

田沢みん

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<<あとがき>>

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 いつも『あとがき』は最終話の文末に書かせていただいていたのですが、本作に関しては余韻を邪魔するような気がしたので、改めて別ページを設けさせていただきました。


『思い出さなければ良かったのに』完結です。
 以前から短編を描いてみたいと思いながらも、ついつい長引かせて長編ばかりになっていた私の初の短編です。
 如何でしたでしょうか。

 実は本作は、『第3回 ほっこり・じんわり大賞』に応募する予定でした。まさしく『応募するために』書き始めた作品でした。

 長編の連載をしている最中でしたし、描き切れるかなぁ? どうしようかなぁ……と悩みに悩んだ挙句、締め切りギリギリに投稿しました。

 職場の休憩時間に慌てて投稿したのが良くなかったんでしょうね。そこってインターネット環境が悪いんですよ。
 投稿してすぐにエントリーボタンを押したはずなのに、エントリー出来ていませんでした。
 仕事を終えて家に帰って大会ページを確認した時の絶望感ったら無かったです。
 自分の作品が何位にも入っていなかった(苦笑)。

 こんな事になるのなら、もっと違うときに違うタイミングで連載を開始したかった。

 一度削除して、長編作品として投稿し直そうか……。


 絶望の中、いろいろ、本当に、そりゃあ色々な事をグルグル考えて悩みましたが、その時点で既にお気に入りにして下さっている読者様がいらっしゃった事、お気に入りにしなくても目を通して下さっている方がいらっしゃると思うと、削除という手段は裏切りになるような気がして、どうしても出来ませんでした。

 賞に応募出来なかったからと言って、描きたい作品が変わる訳ではない。
 大事な作品とその登場人物のためにも、最後まで描き切ろう……。

 そう思った途端に竜巻で5日間の停電に見舞われ大ダメージ。
 失意の中、皆様からの応援に励まされて連載を再開し……。

 そうして出来たのが今回のお話です。


 ヒーローは、ヒーローと言うのが憚られるほどのカッコつけでヘタレの普通の男。
 御曹司でもCEOでもスパダリでもありません。

 普通の幼馴染の恋のお話です。

 終始悲しい予感を纏いつつ、それでも2人の恋人としての日々のやり取りを描き切りたい……そう思って描きました。

 少しでも2人が恋人であった証を残してあげられていたらいいな……それが皆様にも伝わっていればいいな……と思います。


 本編は完結致しましたが、不定期で番外編を追加していく予定です。その後の彩乃を描いたお話と、このお話を成瀬先輩視点で見た、『あの時、実はこんな風に考えていて、雄大の知らないところでこんな事が起こっていました』的なお話です。雄大が知らないあの『夏の1枚』の真実が語られます。

 そして、もしも違う結末だったら……のifバージョンも考えています。

 実は私はマルチエンディングが好きではありません。
 いくつもの結末を用意して、『好きなのをお選び下さい』と言うのは、ゲームだけでいいと思っています。

 定食屋で卵焼きを頼んで、甘いのと醤油味と出汁味を出されて、『あなたの好みが分からなかったので……』と言われたら、一応はラッキー!って思うだろうけど、『それじゃあ、このお店の卵焼きは何味なわけ?』って思ってしまうのです。

 ですが、この作品に関してはその禁を破ってでも、もう一つの結末を描いてみようと思います。

 前述したようにトラブル続きの作品で、この子には申し訳ないことをしたな……と思っているのです。
 迷惑をかけた雄大と彩乃に、せめてものお詫びの意味を込めて、ifバージョンを捧げます。

 本編の世界観を壊したくないと言う方もいらっしゃると思うので、最後の最後にひっそりとアップさせていただきますね。

 こちらもお付き合いいただければ幸いです。


 いつも作品を描くときに思っているのは、『この作品が少しでも皆様の暇つぶしになりますように』、『この作品のたった1文でも一言でもいいから読んだ方の心に残ってくれますように』。

 それが実現出来ていたら嬉しいです。

 最後に、沢山の作品の中から本作を見つけていただき、どうもありがとうございました。

 それではまた、次の作品でもお会い出来ることを祈って。


2020年8月

 田沢みん拝
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