死刑宣告

いとま

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死刑宣告

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「あなたは明日死刑になります。」
そんなことを毎日言われ続けているような
そんなことを毎日強いられているような
気が狂うほど恐ろしいほど
普通に流れていくこの世の中。

高みを目指せとか
いい学校に行けとか
成績は上の方とか
親のエゴや見栄えの為にペンを動かす。
でも点数が悪い、順位が良くない。
バカ、ダメ、穀(ごく)潰し
そんなこと言われて勉強が嫌いになる。
その度に死刑宣告を受ける。

愛だとか恋だとか
義務だとか責任だとか
人としてだとか社会人としてだとか
そんなことを言われて、出来なかったら
社会不適合者。働けないクズ、ニート。
そんなことを言われ頭がおかしくなりそうだ。その度に死刑宣告を受ける。

生きていきたいんだ。生きるためには
やるべき事やらなきゃいけない。
それがすんなり出来たらほんとに
いいのにね。ほんとに。
出来ることは才能だと思い
自分には出来ないんだと理由をつける。
結局はやることが嫌で、逃げているだけ
なんだ。分かっている、自分でも分かっているんだ。分かっているのに死刑宣告が
怖くて仕方ないんだ。頑張れば免れるのに。

今日も僕は死刑宣告を怯えながら
毎日を過ごす。
「あなたは死刑を免れました。」
と言われるように僕は
しんどいながらも僕は生きる。

死刑宣告を聞かない為に。
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