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春
練習試合
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5月18日の土曜日。
今日は圭ちゃんたちの練習試合の日だ。
お昼からの試合に合わせて、午前中はりっかとそして香澄くんが家に遊びに来ている。
「ねえ、ハートかまる、どっちがいいと思うー?」
圭ちゃんのためのゼリーの中に入れるフルーツの形について、2人に意見を求める。
「もちろんハート!かわいいし、愛情たっぷりって感じ!」
「俺もハートかなあ。」
「やっぱり?ハートがいいよね。」
うんうんと頷きながら、私はハートの型でフルーツをとっていく。
そして、フルーツをゼリーの中に入れて冷蔵庫に入れる。
「よしっ。」
一息つこうとリビングに戻ると、りっかと香澄くんは真ん中を広く開けてソファに座っていた。
…私に真ん中に座れってことかな?
おそるおそる2人の間に座ると、正解だとでもいうように一気に会話が始まった。
「ねえ、今日は圭ちゃんと七瀬、どっち応援するの?」
にやにやと笑ったりっかが難しい質問をする。
「えー、んー、圭ちゃん応援するよ。七瀬くんは…心の中だけ。」
そんな、声出して応援するなんて七瀬くんに迷惑がかかる。
心の中でそう付け加える。
そう言うと、りっかは
「なーんだ。ここでおっきい声で七瀬応援したら、七瀬に意識してもらえるチャンスかもしれないのに。」
顔では笑いつつも、声は真剣にそう言った。
「んー、そうだよね。」
はははと笑いつつりっかから目をそらす。
そして、今日はやけに静かな香澄くんを不思議に思い、私はちらりとうかがうように目を向けた。
「…」
香澄くんはただぼんやりとついてもいないテレビを眺めている。
「…香澄くん?」
そっと声をかけると
「ん?おっ!どうした?」
はっとしたように私に向き直る。
「…ううん、なんだか体調悪い?」
「いや、昨日寝不足だったから眠いなあと思って。芽衣子ちゃん家のソファ、ふかふかだし。」
へらりと笑う香澄くんに違和感を覚えるけど、いつもひょうひょうとした彼がそう言うのならそうなのかもしれない。
「そんなんだ。まだ時間あるし、横になって寝ても全然大丈夫だよ。」
「うん、ありがとう。」
そう言って香澄くんは少し体をソファに預けたものの、寝る気配はない。
やっぱり眠いわけじゃないんだろうな。
「じゃあそろそろゼリー見てくるね。」
そう言って席を立ち、キッチンへと向かう。
香澄くんは優しい。
友達思いだし、私のこともいつも助けてくれる。
でも…香澄くんは私に自分のことをあまり話さない。
例えば、去年の夏、3年生の引退と共に香澄くんも突然バスケ部を辞めた理由とか。
りっかは多分知っているのだろう。
「家庭の事情みたい。」
彼女は複雑な表情でそう言った。
私も分かる。友達に話せないことがあることは。
だから…
香澄くんがいつか、私に話してくれる時がきたら、力になれればいいと心から思う。
今日は圭ちゃんたちの練習試合の日だ。
お昼からの試合に合わせて、午前中はりっかとそして香澄くんが家に遊びに来ている。
「ねえ、ハートかまる、どっちがいいと思うー?」
圭ちゃんのためのゼリーの中に入れるフルーツの形について、2人に意見を求める。
「もちろんハート!かわいいし、愛情たっぷりって感じ!」
「俺もハートかなあ。」
「やっぱり?ハートがいいよね。」
うんうんと頷きながら、私はハートの型でフルーツをとっていく。
そして、フルーツをゼリーの中に入れて冷蔵庫に入れる。
「よしっ。」
一息つこうとリビングに戻ると、りっかと香澄くんは真ん中を広く開けてソファに座っていた。
…私に真ん中に座れってことかな?
おそるおそる2人の間に座ると、正解だとでもいうように一気に会話が始まった。
「ねえ、今日は圭ちゃんと七瀬、どっち応援するの?」
にやにやと笑ったりっかが難しい質問をする。
「えー、んー、圭ちゃん応援するよ。七瀬くんは…心の中だけ。」
そんな、声出して応援するなんて七瀬くんに迷惑がかかる。
心の中でそう付け加える。
そう言うと、りっかは
「なーんだ。ここでおっきい声で七瀬応援したら、七瀬に意識してもらえるチャンスかもしれないのに。」
顔では笑いつつも、声は真剣にそう言った。
「んー、そうだよね。」
はははと笑いつつりっかから目をそらす。
そして、今日はやけに静かな香澄くんを不思議に思い、私はちらりとうかがうように目を向けた。
「…」
香澄くんはただぼんやりとついてもいないテレビを眺めている。
「…香澄くん?」
そっと声をかけると
「ん?おっ!どうした?」
はっとしたように私に向き直る。
「…ううん、なんだか体調悪い?」
「いや、昨日寝不足だったから眠いなあと思って。芽衣子ちゃん家のソファ、ふかふかだし。」
へらりと笑う香澄くんに違和感を覚えるけど、いつもひょうひょうとした彼がそう言うのならそうなのかもしれない。
「そんなんだ。まだ時間あるし、横になって寝ても全然大丈夫だよ。」
「うん、ありがとう。」
そう言って香澄くんは少し体をソファに預けたものの、寝る気配はない。
やっぱり眠いわけじゃないんだろうな。
「じゃあそろそろゼリー見てくるね。」
そう言って席を立ち、キッチンへと向かう。
香澄くんは優しい。
友達思いだし、私のこともいつも助けてくれる。
でも…香澄くんは私に自分のことをあまり話さない。
例えば、去年の夏、3年生の引退と共に香澄くんも突然バスケ部を辞めた理由とか。
りっかは多分知っているのだろう。
「家庭の事情みたい。」
彼女は複雑な表情でそう言った。
私も分かる。友達に話せないことがあることは。
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香澄くんがいつか、私に話してくれる時がきたら、力になれればいいと心から思う。
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