きみとの距離

ぺっこ

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練習試合2

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「あー!香澄じゃん!それに津島と林も!今日はありがとう!」

体育館に入った途端、七瀬くんの眩しいほどの笑顔に迎えられた。

うっ、心臓が…

彼の笑顔にくらりときそうなのをなんとかこらえる。

「おう!楽しみにしてるぞー。」

にかっと笑った香澄くんは七瀬くんの肩をぽんっと叩いた。

「かっこいいとこ見せてよねー!」

それに続いてりっかも七瀬くんの肩をたたく。

え?何これ私もしないといけないのかな。

戸惑ったまま七瀬くんに近づくと、彼は私を見てふわりと笑った。

 うわー、素敵だなあほんと。白のユニフォームを着た七瀬くんは一段とかっこよく見える。

「えーっと、応援してるね。」

そう言って2階のベンチを指差す。

…やっぱり七瀬くんに触れるなんて無理ー!

ちょっと触ってみたかったななんていうよこしまな気持ちに首をふり、私もりっかの後に続こうとすると、

「津島!」

七瀬くんに呼び止められた。

「?」

振り向くと、片手をあげている七瀬くん。

え、なんだろう?手とか振ればいいのかな?
戸惑いながら手を振ると、

「ははっ!違う違う!」

おかしそうに笑った七瀬くんは私に近づいてきて、

パンッ

優しく私の手にハイタッチした。

「よし、みんなからパワーもらった。練習試合でも、負けないよ!」

爽やかに笑った七瀬くんは、軽やかにチームの元へと走り去っていった。

一方残された私はというと…

え?何これ何これ…!

七瀬くんとハイタッチしちゃったよ!

まだ七瀬くんの温もりが残る右手を眺め、私は思わず顔がにやけるのを感じた。

と、そこで

「めいちゃーん!」

圭ちゃんの声が聞こえた。
振り向くと、黒のユニフォーム姿の圭ちゃんが、ぶんぶんと手を振りながらこちらに走ってくるところだった。

「今日はありがとう!」

にこにこと笑う圭ちゃんは今日も天使だ。

「ううん!ゼリー作ってきたから、楽しみにしててね!」

そう言って笑顔を返すと圭ちゃんは嬉しそうに笑った。

「やったー!ありがとう!絶対勝つから!」

「圭ー!そろそろ集まれー!」

友達に呼ばれて去っていく圭ちゃんの後ろ姿を見送って、私は2階の観客席に上がる。

りっか達はどこだろうとあたりを見渡すと、

「あっ、芽衣子!こっちだよー!」

私に気づいてりっかは大きく手を振ってくれた。

「ありがとう!」

そう言ってりっかのとなりに座ると、

「さっきのがけいちゃん?」

とりっかが聞いてきた。

「そうそう!かっこいいでしょ?」

我が弟ながら、両親のいい遺伝子を受け継いだ圭ちゃんは背も高く、なかなかのイケメンだ。

「うん、かっこいい!でもなんか、どっちかっていうと大型犬みたいでかわいいよね!」

ゴールデンレトリバー系?

首をかしげながらそういうりっかに笑いがこみ上げてくる。

「あはははは!確かに!」

人懐っこい性格は確かに犬のようだ。

「ていうか、芽衣子ちゃんの弟、7番なんだな。」

関心したように口を開いたのは香澄くんだ。

「あー、そうだね!圭ちゃん、バスケ上手で、推薦とかも来てたんだけど、お医者さんになりたいみたいで…。北高だと行きたい大学にも有利みたいなの。」

バスケのユニフォームの7番はエースのような意味を持つと聞いたことがある。

小さな頃は体が弱くてよく入院していた圭ちゃん。体力をつけるために始めたバスケットボールは圭ちゃんの大好きなことの1つになった。

「へえ!若いのにすごいなあ!」

「いやいや、2歳しか変わらないよー。」

すぐにそう返すと、香澄くんはぺろっと舌を出しておどけてみせた。

「もうすぐ始まるね!」

「楽しみだね!」

3人でわくわくしながら待っていると、

「わあ!みんなも来てたんだね!」

あの鈴のような声が聞こえた。

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