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春
練習試合5
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「よしっ!」
滝川と別れてトイレで鏡とにらめっこすること数十分…
ようやく目と鼻の赤みが引いてきた。
あんまり戻らないとみんなが心配するだろうと思いつつ、すでに外に出てから1時間弱が経過している。
でも…滝川と話せて本当によかった。
自然と浮かんでくる笑みと共に私は応援席へと戻った。
すると…
「あっははははは!!!」
そこは大盛り上がりだった。
「あー、芽衣子遅かったね!」
爆笑していたりっかが私に気付き、軽く声をかけてくれる。
「ほんとだー!お帰りー!芽衣子ちゃんの料理すごい美味しくていっぱい食べちゃったー!」
相変わらず天使のように笑う美咲ちゃん。
「めいちゃーん!ゼリーほんと美味しいありがとう~!」
タッパーを抱えて幸せそうに笑う圭ちゃん。
そしてなぜか幸大さんからアッパーをくらって笑っている和田くんの弟の智樹くんに、それを見て笑っている香澄くん。
そして黙々とおにぎりを頬張る和田くんと、その横で肩を落としてたこさんウインナーを眺めている七瀬くん。
みんなそれぞれ楽しそうで何より!私の顔とかよく見られなくて何より!
でも…なんで!!!
私はりっかにつめよった。
「なんで七瀬くんがいるの!?」
その他何人かもだけど!
するとりっかはにやりと笑って言った。
「香澄が呼んだのよ。たまーに気が効くでしょ?」
「明日太試合負けて落ち込んでるからさ、めいちゃんの優しさで元気づけてやってよ。」
「うわっ!」
いつの間にか隣に来た香澄くんにびっくりする。
ちらりと七瀬くんを見ると、まだたこさんウインナーを眺めている。
正直、あのたこさんウインナー、リアルにしようとして足10本にしちゃったからちょっと気持ち悪いしあんまり見ないで欲しいなあ…
「ほら、行っておいでよ。」
私がそんなことを考えているとは知らずにりっかはそっと私の背中を押す。
…確かに、今話せるチャンスだよね。
話しかけると思うと急にドキドキし出した心臓を落ち着けて、私は七瀬くんに声をかける。
「七瀬くん…」
そっと声をかけると七瀬くんがゆっくりと私を見た。
そしてしばらく首をかしげた後、ハッと目を見開いた。
「あれ?津島、なんか目腫れてない?」
大丈夫?
心配そうに私を見る七瀬くん。
しまった、まだ戻らない方がよかった。
そう思いながらも気づかれてしまったものは仕方ない。
「いやー、圭ちゃんが勝ったのは嬉しいけど、うちの高校が負けちゃったのが悔しくて…!」
ちょっと泣いちゃった!
滝川で頭いっぱいになって、試合をほとんど見れていないのに、頭をフル回転させてとっさに嘘をつく。
すると七瀬くんの顔がずんっと暗くなった。
「俺もすごい悔しい…」
はあーっとため息をついた七瀬くん。
しまった、逆効果だった。
でも、次の瞬間
「でも次は勝つから!また応援して!」
次は津島の弟がいる高校じゃなくて、違う高校とするから俺たちだけを!
キラキラと弾けんばかりの笑顔でそう言った七瀬くんに胸がどくんと高鳴る。
「うん、もちろん!」
そう言って私たちは笑い合った。
滝川と別れてトイレで鏡とにらめっこすること数十分…
ようやく目と鼻の赤みが引いてきた。
あんまり戻らないとみんなが心配するだろうと思いつつ、すでに外に出てから1時間弱が経過している。
でも…滝川と話せて本当によかった。
自然と浮かんでくる笑みと共に私は応援席へと戻った。
すると…
「あっははははは!!!」
そこは大盛り上がりだった。
「あー、芽衣子遅かったね!」
爆笑していたりっかが私に気付き、軽く声をかけてくれる。
「ほんとだー!お帰りー!芽衣子ちゃんの料理すごい美味しくていっぱい食べちゃったー!」
相変わらず天使のように笑う美咲ちゃん。
「めいちゃーん!ゼリーほんと美味しいありがとう~!」
タッパーを抱えて幸せそうに笑う圭ちゃん。
そしてなぜか幸大さんからアッパーをくらって笑っている和田くんの弟の智樹くんに、それを見て笑っている香澄くん。
そして黙々とおにぎりを頬張る和田くんと、その横で肩を落としてたこさんウインナーを眺めている七瀬くん。
みんなそれぞれ楽しそうで何より!私の顔とかよく見られなくて何より!
でも…なんで!!!
私はりっかにつめよった。
「なんで七瀬くんがいるの!?」
その他何人かもだけど!
するとりっかはにやりと笑って言った。
「香澄が呼んだのよ。たまーに気が効くでしょ?」
「明日太試合負けて落ち込んでるからさ、めいちゃんの優しさで元気づけてやってよ。」
「うわっ!」
いつの間にか隣に来た香澄くんにびっくりする。
ちらりと七瀬くんを見ると、まだたこさんウインナーを眺めている。
正直、あのたこさんウインナー、リアルにしようとして足10本にしちゃったからちょっと気持ち悪いしあんまり見ないで欲しいなあ…
「ほら、行っておいでよ。」
私がそんなことを考えているとは知らずにりっかはそっと私の背中を押す。
…確かに、今話せるチャンスだよね。
話しかけると思うと急にドキドキし出した心臓を落ち着けて、私は七瀬くんに声をかける。
「七瀬くん…」
そっと声をかけると七瀬くんがゆっくりと私を見た。
そしてしばらく首をかしげた後、ハッと目を見開いた。
「あれ?津島、なんか目腫れてない?」
大丈夫?
心配そうに私を見る七瀬くん。
しまった、まだ戻らない方がよかった。
そう思いながらも気づかれてしまったものは仕方ない。
「いやー、圭ちゃんが勝ったのは嬉しいけど、うちの高校が負けちゃったのが悔しくて…!」
ちょっと泣いちゃった!
滝川で頭いっぱいになって、試合をほとんど見れていないのに、頭をフル回転させてとっさに嘘をつく。
すると七瀬くんの顔がずんっと暗くなった。
「俺もすごい悔しい…」
はあーっとため息をついた七瀬くん。
しまった、逆効果だった。
でも、次の瞬間
「でも次は勝つから!また応援して!」
次は津島の弟がいる高校じゃなくて、違う高校とするから俺たちだけを!
キラキラと弾けんばかりの笑顔でそう言った七瀬くんに胸がどくんと高鳴る。
「うん、もちろん!」
そう言って私たちは笑い合った。
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