19 / 22
春
練習試合5
しおりを挟む
「よしっ!」
滝川と別れてトイレで鏡とにらめっこすること数十分…
ようやく目と鼻の赤みが引いてきた。
あんまり戻らないとみんなが心配するだろうと思いつつ、すでに外に出てから1時間弱が経過している。
でも…滝川と話せて本当によかった。
自然と浮かんでくる笑みと共に私は応援席へと戻った。
すると…
「あっははははは!!!」
そこは大盛り上がりだった。
「あー、芽衣子遅かったね!」
爆笑していたりっかが私に気付き、軽く声をかけてくれる。
「ほんとだー!お帰りー!芽衣子ちゃんの料理すごい美味しくていっぱい食べちゃったー!」
相変わらず天使のように笑う美咲ちゃん。
「めいちゃーん!ゼリーほんと美味しいありがとう~!」
タッパーを抱えて幸せそうに笑う圭ちゃん。
そしてなぜか幸大さんからアッパーをくらって笑っている和田くんの弟の智樹くんに、それを見て笑っている香澄くん。
そして黙々とおにぎりを頬張る和田くんと、その横で肩を落としてたこさんウインナーを眺めている七瀬くん。
みんなそれぞれ楽しそうで何より!私の顔とかよく見られなくて何より!
でも…なんで!!!
私はりっかにつめよった。
「なんで七瀬くんがいるの!?」
その他何人かもだけど!
するとりっかはにやりと笑って言った。
「香澄が呼んだのよ。たまーに気が効くでしょ?」
「明日太試合負けて落ち込んでるからさ、めいちゃんの優しさで元気づけてやってよ。」
「うわっ!」
いつの間にか隣に来た香澄くんにびっくりする。
ちらりと七瀬くんを見ると、まだたこさんウインナーを眺めている。
正直、あのたこさんウインナー、リアルにしようとして足10本にしちゃったからちょっと気持ち悪いしあんまり見ないで欲しいなあ…
「ほら、行っておいでよ。」
私がそんなことを考えているとは知らずにりっかはそっと私の背中を押す。
…確かに、今話せるチャンスだよね。
話しかけると思うと急にドキドキし出した心臓を落ち着けて、私は七瀬くんに声をかける。
「七瀬くん…」
そっと声をかけると七瀬くんがゆっくりと私を見た。
そしてしばらく首をかしげた後、ハッと目を見開いた。
「あれ?津島、なんか目腫れてない?」
大丈夫?
心配そうに私を見る七瀬くん。
しまった、まだ戻らない方がよかった。
そう思いながらも気づかれてしまったものは仕方ない。
「いやー、圭ちゃんが勝ったのは嬉しいけど、うちの高校が負けちゃったのが悔しくて…!」
ちょっと泣いちゃった!
滝川で頭いっぱいになって、試合をほとんど見れていないのに、頭をフル回転させてとっさに嘘をつく。
すると七瀬くんの顔がずんっと暗くなった。
「俺もすごい悔しい…」
はあーっとため息をついた七瀬くん。
しまった、逆効果だった。
でも、次の瞬間
「でも次は勝つから!また応援して!」
次は津島の弟がいる高校じゃなくて、違う高校とするから俺たちだけを!
キラキラと弾けんばかりの笑顔でそう言った七瀬くんに胸がどくんと高鳴る。
「うん、もちろん!」
そう言って私たちは笑い合った。
滝川と別れてトイレで鏡とにらめっこすること数十分…
ようやく目と鼻の赤みが引いてきた。
あんまり戻らないとみんなが心配するだろうと思いつつ、すでに外に出てから1時間弱が経過している。
でも…滝川と話せて本当によかった。
自然と浮かんでくる笑みと共に私は応援席へと戻った。
すると…
「あっははははは!!!」
そこは大盛り上がりだった。
「あー、芽衣子遅かったね!」
爆笑していたりっかが私に気付き、軽く声をかけてくれる。
「ほんとだー!お帰りー!芽衣子ちゃんの料理すごい美味しくていっぱい食べちゃったー!」
相変わらず天使のように笑う美咲ちゃん。
「めいちゃーん!ゼリーほんと美味しいありがとう~!」
タッパーを抱えて幸せそうに笑う圭ちゃん。
そしてなぜか幸大さんからアッパーをくらって笑っている和田くんの弟の智樹くんに、それを見て笑っている香澄くん。
そして黙々とおにぎりを頬張る和田くんと、その横で肩を落としてたこさんウインナーを眺めている七瀬くん。
みんなそれぞれ楽しそうで何より!私の顔とかよく見られなくて何より!
でも…なんで!!!
私はりっかにつめよった。
「なんで七瀬くんがいるの!?」
その他何人かもだけど!
するとりっかはにやりと笑って言った。
「香澄が呼んだのよ。たまーに気が効くでしょ?」
「明日太試合負けて落ち込んでるからさ、めいちゃんの優しさで元気づけてやってよ。」
「うわっ!」
いつの間にか隣に来た香澄くんにびっくりする。
ちらりと七瀬くんを見ると、まだたこさんウインナーを眺めている。
正直、あのたこさんウインナー、リアルにしようとして足10本にしちゃったからちょっと気持ち悪いしあんまり見ないで欲しいなあ…
「ほら、行っておいでよ。」
私がそんなことを考えているとは知らずにりっかはそっと私の背中を押す。
…確かに、今話せるチャンスだよね。
話しかけると思うと急にドキドキし出した心臓を落ち着けて、私は七瀬くんに声をかける。
「七瀬くん…」
そっと声をかけると七瀬くんがゆっくりと私を見た。
そしてしばらく首をかしげた後、ハッと目を見開いた。
「あれ?津島、なんか目腫れてない?」
大丈夫?
心配そうに私を見る七瀬くん。
しまった、まだ戻らない方がよかった。
そう思いながらも気づかれてしまったものは仕方ない。
「いやー、圭ちゃんが勝ったのは嬉しいけど、うちの高校が負けちゃったのが悔しくて…!」
ちょっと泣いちゃった!
滝川で頭いっぱいになって、試合をほとんど見れていないのに、頭をフル回転させてとっさに嘘をつく。
すると七瀬くんの顔がずんっと暗くなった。
「俺もすごい悔しい…」
はあーっとため息をついた七瀬くん。
しまった、逆効果だった。
でも、次の瞬間
「でも次は勝つから!また応援して!」
次は津島の弟がいる高校じゃなくて、違う高校とするから俺たちだけを!
キラキラと弾けんばかりの笑顔でそう言った七瀬くんに胸がどくんと高鳴る。
「うん、もちろん!」
そう言って私たちは笑い合った。
0
あなたにおすすめの小説
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
異母姉の身代わりにされて大国の公妾へと堕とされた姫は王太子を愛してしまったので逃げます。えっ?番?番ってなんですか?執着番は逃さない
降魔 鬼灯
恋愛
やかな異母姉ジュリアンナが大国エスメラルダ留学から帰って来た。どうも留学中にやらかしたらしく、罪人として修道女になるか、隠居したエスメラルダの先代王の公妾として生きるかを迫られていた。
しかし、ジュリアンナに弱い父王と側妃は、亡くなった正妃の娘アリアを替え玉として差し出すことにした。
粗末な馬車に乗って罪人としてエスメラルダに向かうアリアは道中ジュリアンナに恨みを持つものに襲われそうになる。
危機一髪、助けに来た王太子に番として攫われ溺愛されるのだか、番の単語の意味をわからないアリアは公妾として抱かれていると誤解していて……。
すれ違う2人の想いは?
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
ラヴ KAZU
恋愛
忌まわしい過去から抜けられず、恋愛に臆病になっているアラフォー葉村美鈴。
五歳の時の初恋相手との結婚を願っている若き御曹司戸倉慶。
ある日美鈴の父親の会社の借金を支払う代わりに美鈴との政略結婚を申し出た慶。
年下御曹司との政略結婚に幸せを感じることが出来ず、諦めていたが、信じられない慶の愛情に困惑する美鈴。
慶に惹かれる気持ちと過去のトラウマから男性を拒否してしまう身体。
二人の恋の行方は……
私の赤い糸はもう見えない
沙夜
恋愛
私には、人の「好き」という感情が“糸”として見える。
けれど、その力は祝福ではなかった。気まぐれに生まれたり消えたりする糸は、人の心の不確かさを見せつける呪いにも似ていた。
人を信じることを諦めた大学生活。そんな私の前に現れた、数えきれないほどの糸を纏う人気者の彼。彼と私を繋いだ一本の糸は、確かに「本物」に見えたのに……私はその糸を、自ら手放してしまう。
もう一度巡り会った時、私にはもう、赤い糸は見えなかった。
“確証”がない世界で、私は初めて、自分の心で恋をする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる