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十五
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そんなディオメデスを、一歩退いてアウルスが不思議そうに見ていることにも気づかず。
「はっ……ああっ……」
息苦しげにもがくリィウスを、だがディオメデスはその腕は離すことなく、すぐにまた引き寄せる。
「んん……、い、いや」
剝きだしの首、肩、胸と接吻の雨を降らしていく。もはやリィウスの抵抗は虚むなしいものになっていた。
俺のものだ、という意志表示をこめて、右手でリィウスの臀部をなであげる。隠すものをすべて奪われた白い肉が、伸びてきた手におびえて引き締まるのがわかる。そんな相手の恐怖と緊張をたのしむように、ますますディオメデスの手は遠慮もなくリィウスの尻をまさぐる。
「い、いやだ、と言って……」
「駄目だ」
すでに臀部をまさぐる手はふたつに増えていた。
「はっ……ああ! は、はなせ!」
リィウスが悔しげに細い右手でディオメデスの固い胸を叩いてきた。猫の子でもあしらうように、ディオメデスは笑ってその手をおのれの右手につつみこむ。
「い、いや……」
「何べん言えばわかる? 駄目だ。ほら、じっとしていろ」
「香油を使うか?」
口をはさんできたのはアウルスだ。
「いらんだろう?」
「はぁ!」
人差し指を蕾のなかに押しこんでやると、リィウスがのけぞって悲鳴をあげた。
「や、やめ!」
首を横にふり、髪をみだして叫ぶリィウスをディオメデスは凌辱者の目で見下ろし、笑う。
「まだ無理だろう。今夜のところは香油を使ってやれ」
「仕方ないな」
気づかわしにアウルスが言うのに譲歩したように納得してみせ、ディオメデスは香油の小瓶を左手で受けとった。
「やりづらいだろう? 俺が塗ってやろうか?」
メロペが鼻息あらく身をのりだすのに、冷たい一声でかえした。
「いや、俺がする」
「はっ……ああっ……」
息苦しげにもがくリィウスを、だがディオメデスはその腕は離すことなく、すぐにまた引き寄せる。
「んん……、い、いや」
剝きだしの首、肩、胸と接吻の雨を降らしていく。もはやリィウスの抵抗は虚むなしいものになっていた。
俺のものだ、という意志表示をこめて、右手でリィウスの臀部をなであげる。隠すものをすべて奪われた白い肉が、伸びてきた手におびえて引き締まるのがわかる。そんな相手の恐怖と緊張をたのしむように、ますますディオメデスの手は遠慮もなくリィウスの尻をまさぐる。
「い、いやだ、と言って……」
「駄目だ」
すでに臀部をまさぐる手はふたつに増えていた。
「はっ……ああ! は、はなせ!」
リィウスが悔しげに細い右手でディオメデスの固い胸を叩いてきた。猫の子でもあしらうように、ディオメデスは笑ってその手をおのれの右手につつみこむ。
「い、いや……」
「何べん言えばわかる? 駄目だ。ほら、じっとしていろ」
「香油を使うか?」
口をはさんできたのはアウルスだ。
「いらんだろう?」
「はぁ!」
人差し指を蕾のなかに押しこんでやると、リィウスがのけぞって悲鳴をあげた。
「や、やめ!」
首を横にふり、髪をみだして叫ぶリィウスをディオメデスは凌辱者の目で見下ろし、笑う。
「まだ無理だろう。今夜のところは香油を使ってやれ」
「仕方ないな」
気づかわしにアウルスが言うのに譲歩したように納得してみせ、ディオメデスは香油の小瓶を左手で受けとった。
「やりづらいだろう? 俺が塗ってやろうか?」
メロペが鼻息あらく身をのりだすのに、冷たい一声でかえした。
「いや、俺がする」
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