燃ゆるローマ  ――夜光花――

文月 沙織

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 ディオメデスを見上げるリィウスの蒼い双眼は濡れていた。屈辱と怒りと、そして官能に。すでに肉体は悦びを知りはじめている。青い蕾はひらきはじめているのだ。ディオメデスの興奮と欲望はたかまる一方だ。
「こんな惨めな姿をさらしても、高貴な姫君は尚誇りたかくいらっしゃるようだ」
「くっ!」
 姫君呼ばわりされた屈辱に、またリィウスは眉をしかめる。いきりたった猫のようで、ディオメデスは内心苦笑した。
「どうだ? 姫君は俺の贈り物を気に入ってくれているかな?」
 訊いた相手はタルペイアだ。
「ええ、勿論。大喜びで、全部呑んでしまったわ」
 室に男の笑声がたった。
「それは欲張りな姫君だ」
「本当に。このお姫様ったら、見た目はおしとやかなのに、ひどく強欲なのよ。気をつけた方がいいわ。身代を吸いとられてしまうかもよ」
 言いながらタルペイアは、雪のように白く、白絹のようになめらかで、真珠のような光沢をはなつリィウスの臀部を撫であげる。
「ああ……!」
 リィウスは苦しい体勢で悶えた。
 その白い美肉の中心に、蒼玉が五つ詰まっていることを、その場にいた全員が知っているのだ。
「……そうか。すっかり呑んでしまったのか。では、今度は出してもらおうか」
 ディオメデスは、タルペイアが撫でているリィウスの臀部の半分を、おなじように撫であげる。
「うう……!」
 女と男がもたらす、ぬるいような刺激にリィウスは悔しげに首をふった。
 一歩ひいたところで、その様子を見守るベレニケの目は熱をふくんでいる。
「くっ……! 下種ども!」
 恨みに吐き出した罵詈のつぎに、リィウスは悲鳴をあげていた。
「あうっ!」
 タルペイアが力まかせにリィウスの臀部をはたいたのだ。女の力であっても、これはかなり強烈だったようで、リィウスは痛みに眉をしかめた。
「うう……」
「お客様のまえで今みたいな言葉を今度つかったら、ただじゃおかないからね!」
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